最新の観てきた!クチコミ一覧

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祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/12/09 (日) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

長い長い長いけど・・・
あの長さにはとても理由があるのが逆に感動さえ覚えた。あれだけの人々の姿をちゃんと描けているのが素晴らしかった。

音楽、映像、スタッフワーク最高。コクーン値段では収まり切らない価値のあるものでした。

蜷川バージョンも楽しみ。

ネタバレBOX

ま、結局ほとんどの人が死んだよね。でも、そんなに重く暗くならなかったのは、生瀬さんのガラスが嫌われないイヤな奴だからではないでしょうか?憎めないというか・・・


小出君の印象が薄かったのが少し残念です。
爪痕

爪痕

演劇生産計画クリスチアーノ奴隷市場

北池袋 新生館シアター(東京都)

2012/12/20 (木) ~ 2012/12/23 (日)公演終了

21日(金)マチネを観劇。
作者はエヴァが大好きなんだろうなぁ。

率直に言って脚本に難があったと想います。本筋を台詞で追っているだけで、人物の内面が描かれていない。
なので、みんなうわべだけのワンパターンなキャラクターになってしまっている。

役者陣はそれぞれ健闘していただけにもったいない気がしました。

これを踏まえて次回に活かして欲しいです。

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/12/09 (日) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

パンク歌舞伎「逆夢」-SAKAYUME-

パンク歌舞伎「逆夢」-SAKAYUME-

ハラプロジェクト

名古屋能楽堂(愛知県)

2012/12/21 (金) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

ハラプロジェクト「逆夢」観ました
 「マクベス」「リア王」に続き、三年連続で観劇。

 古事記とパンク歌舞伎がここまで相性が良いとは…絶句。群像劇であり、かつ日本人の深層になじみ深い題材ならでは?舞台が能楽堂というのも効果的。
 新解釈の蛭子の扱い、家庭内暴力や男と女の諍いと調和等の焦点の当て方も、自然に飲み込める。元からあったかのよう(後で当日パンフを読んで、全部書いてあった(笑)。
 原初的な威厳のあるイザナギイザナミ、凛々しいアマテラスと女々しいスサノオ、エロコミカルなウズメ等の迫力ある神々に混ざり、素にしか見えない原さんが堂々存在(笑)
 天岩戸のシーンは、参加者の特技を生かすパンク歌舞伎の為にあるかのよう。祭だ!

 パンク歌舞伎は今回で一区切りとの事ですが、折が来ればぜひ再開を!

東京ミルクホールのクリスマス会

東京ミルクホールのクリスマス会

劇団東京ミルクホール

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2012/12/23 (日) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

正月 has come
・・・・ヤバい、力尽きてもう書けない(苦笑

面白かったのはまちがいない。

余力があればあとでもう少し詳しく・・。

気分はもう正月!

ちなみに2012年の1月6日の
コースケ・ハラスメントさんのゴールデン街劇場での舞台は
こりっちに載ってないんだよなぁ・・。

個人的に凄くファンなので、
出ていれば2012年のベスト10にはこっちを入れたいんだけど・・。

なかなか入れたいのが載ってないってのは難しいよなぁ・・(苦笑

弔いの鐘は祝祭(カーニバル)の如く

弔いの鐘は祝祭(カーニバル)の如く

天幕旅団

劇場MOMO(東京都)

2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

永ちゃんのキャロル♫
のメロディが開演前・劇中に流れることで芝居に緩急を付けて重くなりすぎぬ働きをしていましたね。

ややもすると品格が落ちるとする向きもあったのでは・・・。

シンプルでわかり易い演出で質の高い芝居(*゚▽゚*)

『サンタクロース会議』『サンタクロース会議 アダルト編』

『サンタクロース会議』『サンタクロース会議 アダルト編』

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/12/14 (金) ~ 2012/12/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

勉強になった
観客のちびっ子がサンタさんから欲しいもののなかで
「飛び出せ動物の森の絵本」というのがあって、
あとで攻略本をコンビニで見てみたら「うわ、コレ凄く良い、やってみたい」
と思ったり(笑
「金属バット!」と答えるちびっ子に
「・・アレ、ちょっとまて、こう言っちゃなんだけど、たまにとんでもないガキとかいたりするから、買って与えるのは全然良いと思うんだけど、ボール以外の生命体や器物に損壊を与えないようキツく言い含める必要もあるんじゃ・・と思ったり(よくみたら良い子そうだったんで余計な心配か」

ニセサンタに注意させるために登場させたニセサンタを
男の子が信じ込んでるっぽくて、
安全のためとはいえちょっと悪いことをした気になったり(苦笑

なかなかに楽しめました。

・・気のせいかゲーマーっぽい子があんましいなかったような・・?

ちなみに当日券で両方観れました。

日本橋

日本橋

松竹

日生劇場(東京都)

2012/12/03 (月) ~ 2012/12/26 (水)公演終了

満足度★★★★★

全てが美しい
 泉鏡花が大正三年に発表し、のちに自ら戯曲化するほど鏡花自身も愛していた名作。
 今回の公演は、常にあくなき探究と研鑽を積み重ね、芸と美を兼ね備えた坂東玉三郎が演出、そして実に二十五年ぶりに主役の芸者・お孝役に挑戦している。
 その舞台の玉三郎は、言うまでもなく立ち居振る舞いが絶品で美しい!
 キャステイングも素晴らしい。
 対役の芸者・清葉の高橋恵子も、しっとりと癒しの演技で嫋やかに和の美を醸し出している。
 他の出演陣も充実し、鏡花独特のとにかく美しい台詞で綴られた演技で、その一篇一篇の詩が、舞台を増幅した映像の拡がりを持って脳裏に浸透してくる。
 全てが美しい舞台だった。

ネタバレBOX

 ものがたりは一人の医学士を巡り、二人の芸者お孝(坂東玉三郎)と清葉(高橋惠子)そして彼らを取り巻く登場人物たちが織りなす人間模様を鏡花独特のとにかく一篇一篇の美しい台詞で綴られた舞台。
 

 大正のはじめ、日本橋には指折りの二人の名妓がいた。稲葉家お孝(坂東玉三郎)と、瀧の家清葉(高橋惠子)である。しかしその性格は全くの正反対で、清葉が品がよく内気なのに引き替え、お孝は達引の強い、意地が命の女だった。
 医学士葛木晋三(松田悟志)には一人の姉がいたが、自分に似ている雛人形を形見として残し、行方知れない諸国行脚の旅に出てしまった。
 その雛人形に似ている清葉に姉の俤を見て思いを寄せる葛木は、雛祭の翌日、七年越しの自分の気持ちを打ち明けた。
 しかし清葉は、ある事情から現在の旦那の他に男は持たないと誓った身のため、葛木の気持ちはよく分かりながらも、拒んでしまう。
 葛木は清葉と傷心の別れの後、雛祭に供えた栄螺と蛤を一石橋から放ったところを、笠原巡査(藤堂新二)に不審尋問された。そこへ現れたのは抱妓のお千世(斎藤菜月)を伴ったお孝であった。お孝の口添えで、葛木への疑惑は解け、二人は馴染みになった。彼女は清葉と葛木の関係を知りながら敢えて自ら進んで葛木に身を任せようとした。これは清葉に対する意地であった。
 しかし、お孝には、稲葉家の二階に住みついた間夫・五十嵐伝吾(永島敏行)がいた。
 共にかなわぬ胸のうちを抱え苦しむお孝と清葉の二人の因縁を軸に、せつなく情実的に描きながら、美しくも悲劇で結される最終章へ向かって展開していく。
下北沢にて、

下北沢にて、

ロ字ック

下北沢 Laguna(東京都)

2012/12/23 (日) ~ 2012/12/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

あり・・
なんかもっと挑戦しても良かった気が・・。

でもSebastianXが入場規制かかってたりするから、
下北では今回の戯曲みたいな等身大な感じが流行りなのかなぁ・・。
(バンドを引き合いに出すのもアレだけど(汗)大好きな黒猫や撃鉄のボーカルの叫びが会場内にあんまし届いてないのにも衝撃を受けたなぁ・・・下北

生音と合わせて会話の掛け合いをしたりしてライブ感を出す感じとか、なかなか面白かった。

ネタバレBOX

・・ただ、正直な所、自分にはイブに彼氏がいない女子の悩みとか全く分からないのでちょっと入り込めなかったなぁ(仮にカッコイイ昆虫の相談とかになら乗れるかもしれないが、そんなヤツいないか(苦笑
   ※誓って言うが別にモテもしないし彼女もいない、って誓うほどのことでもないか(笑

ただ、この話を観てて
「もし自分が、よく彼氏ができる友達の話をされながら、
自分に彼氏が出来ない女の子の悩み」を聴いているとしたら・・(そんなこたぁないが」
を、頑張って想像してみた
(たぶんこの舞台のイメージは
「下北で女の子が女の子にそんな相談をする」というところなのだろう・・と思って

(・・・でも、彼氏ができないつって、
どんな男でも良いって訳じゃないんだろうし、
どういう男なら良いのか分かんないと対策の立てようがないよな・・)

とか普通に思ってしまうし(たぶん口に出しては言わないだろう・・

(そもそも、性格がマトモで顔が良い奴は全て結婚しているか
人里離れた場所で隠遁(研究など)生活を送っているよ)

・・と思っても、やっぱり口に出しては言わないだろう
(言わなくても誰でも知っているから

結論:当然のことながら、自分は相談相手には不適な人材です(そりゃ相談されない筈だ(笑
    →僕は観客としてはだいぶ足りない所があるようです。
      今回に関しては自分の力不足を痛感いたしました(苦笑

仮に万が一、転変地異的に僕の元に奇跡的にそんな相談が舞い込んだとして
何か言うとしたらこれくらいしか思いつかないな。

「別に彼氏いなくてもいいんじゃない?
自分がカッコ良いように生きることが大事だと思う。
それで分からないなら、男の方がバカなんじゃないかな。
そんなんで迷ってたら人生なんてあっという間に棺桶の中だよ」

やっぱダメだね、試験だったら0点っぽい(開き直ってるし

・・スミマセンね、別に答えが聴きたいわけじゃないってことは分かってるんだけど、
なんか舞台見ただけじゃちょっとモヤっとしちゃうから、
こんな感想しか思いつかないや!←懲りてない



のど自慢

のど自慢

ネコ脱出

「劇」小劇場(東京都)

2012/12/19 (水) ~ 2012/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★

熱いですね~♫
のど自慢を特等席の砂かぶりで観る贅沢(*゚▽゚*)

人情コメディが好きな人にはお勧め!!自分はハマりました。

歌唱シーンの見せ方にもうひと工夫があれば五つ星ですね

ヒーローズR

ヒーローズR

劇団Spookies

池袋GEKIBA(東京都)

2012/12/19 (水) ~ 2012/12/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろ!
チラシを開いてビックリ、役名が「バルタン星人」「本毛猛」「涼風轟」「大地守」など、これでもかという戦隊モノぶり。
それもそのはず、舞台は本当に地球防衛軍的な組織の建物内で、登場するのは同僚となってる怪人、5レンジャー、ウルトラマン、仮面ライダー、新人、おばちゃん(総司令官?)の総勢12人。
自分がヒーロー詳しくて良かったです。

ネタバレBOX

全員キャラクター生が強く、過去や昼の生活の悩みや夢を抱えている。「ヒーロー解散計画」を政府に提出すると突きつけられ、一人ずつ、過去と未来の夢を語っていきます。鋭いツッコミやギャグが散りばめられていて、大袈裟な身振り手振りが面白いです。

ショッカーの苦悩、親子愛、余命僅か、警官の義憤や、教師の夢、社会制度への批判などが、一面を声高に叫ぶのではなく多面的に掘り下げていたのがスカッとしました。また、実は隠れ主人公として、ウルトラマン隊員への決断を迫るところが山場として隠されていたのが良かったです。

役者全員の衣装(ツナギ)や髪型(男らしい描き眉毛やリーゼントやチョンマゲ)がキャラクターらしくで、本当に全員の、体当たりの熱演が気持ち良かったです。

おばちゃん役のかになをこさんが、顔が美人なのにしゃべり方と温かい眼差しでおばちゃんに見せていたのが凄いと思いました。メトロン星人の小林さんの気持ち悪い怪人の笑い方の、強烈なキャラクターのインパクトが凄かったです。

明るく笑わされながら、仕事について、人種について、人任せにして逃げないこと、自分勝手な小さな悪、など色々なメッセージを受け取った気がしました。

SANTA×CROSS2012

SANTA×CROSS2012

劇団SE・TSU・NA

HEP HALL(大阪府)

2012/12/21 (金) ~ 2012/12/23 (日)公演終了

満足度★★★

優しい気持ちになれる舞台
サンタ見習い達と、彼らの保護者的パートナーのトナカイ達との心温まるクリスマスの物語。観終わったあと、素直に優しい気持ちになれる舞台でした。個人的には、どちらかと言うと難解なストーリーの舞台を観ることが多いのですが、今回のようにストレートなお芝居も楽しくていいなぁと、改めて舞台の面白さを感じました。劇団SE・TSU・NAさんのお芝居は初見だったのですが、また別の雰囲気の舞台も是非観てみたいです。

~Gift~

~Gift~

ひとくちさいずプロデュース公演

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/12/19 (水) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★

う~ん、う~ん。
3本立てで、「夢のチラシ」「サンタクロース殺人事件」「ケットシーの忙しい夜」というストーリーがありました。
女性陣が、タレントの方もいらっしゃるのかな??台詞が不慣れで、顔やプロポーションの可愛い方が大部分でした。

ネタバレBOX

「チラシ」については、落ち目の芸能事務所の嘘オーディションというシチュエーション。河原さんの演技が、頼りない冴えないキャラをちゃんと表現できていて、感情移入できました。

ストーリーが文化祭的というか、非常にあっさりしていたのが納得いかなくて、4人の少女達が、境遇を話しただけで「スッキリしました、漸く分かりました、こらからは気持ちを入れ換えて頑張ります!」となって肩透かしだったので、せめて解決前にキャラクター性を生かしたバタバタ劇とか挟んだら山場になったんじゃないかと思いました。

「サンタ」は、大学生役3人の会話の劇でした。蘇生措置せずに荷物を漁ったり放置したり、あまり笑えませんでしたが、オチは死んでなかったのでホッとしました。

「ケットシー」この公演のメインは猫と飼い主の話だったと思います。寧ろこれ1本に絞っても良かったかもしれない、ハートフルな内容でした。
猫の藤崎さんが宝塚の男役のように、爽やかで美麗でした。おばあさん役の志田さんの熱演も胸にすっと入りました。

「トナカイ」実は私が気に入ったのは、話の転換時に2、3回、トナカイの着ぐるみきた、一人パントマイムショートコントが挟まっていたところです。結婚指輪を持ってかれてしまって哀愁漂ったりするシーンも上手で、和みました。

弔いの鐘は祝祭(カーニバル)の如く

弔いの鐘は祝祭(カーニバル)の如く

天幕旅団

劇場MOMO(東京都)

2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★

工夫が垣間見えた。
横に立てている棒をうまく活用していると思う。
町を歩く人から上着を奪い取るのはどういう意味なのか。お金、だったんですね。素晴らしいアイディアです。
惜しいなと思ったのは、効果の使い方です。照明の使い方は良いと思いましたが、音が多すぎると思いました。演技を観るのに集中したいのに、ところどころで気を散らされてしまいました。今回はクリスマスの話ですが、使いすぎだと思いました。
あと、もう少し、役者の自由な姿が見たかったです。

なんにせよ、観る甲斐のある舞台でした。また機会があれば、行かせて頂きます。

ありがとうございました。

ルルドの奇跡

ルルドの奇跡

ミュージカル座

THEATRE1010(東京都)

2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★

歌も
舞台もとてもよかったですが、もう少しセリフの部分が多くてもいいかなと思いました。。スイマセン。。


キャロリング

キャロリング

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2012/12/03 (月) ~ 2012/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★★

いろんな感情が
2時間の間に泣いて笑って、いろんな感情があふれていました。観やすい舞台だと思います。

ネタバレBOX

主人公の会社は倒産、預かっていた子供の親は離婚と、ハッピーエンドばかりじゃないのに、観たあとハッピーな気分になれるのはよいと思いました。
終盤の誘拐はちょっと突飛な展開だと感じましたが、悪い結果にはならないと予想できたので安心して観ていられました。
すべての夜は朝へと向かう

すべての夜は朝へと向かう

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

夜の群像劇。
恋のお話です。君ら、身近な人を相手にくっついたり離れたりしすぎなんだよっ!とつっこみたい気がしなくもないですが、面白かったです。ザンヨウコさんが素敵でした♪

松平サネユキが憂鬱 (終演!ご来場ありがとうございました!)

松平サネユキが憂鬱 (終演!ご来場ありがとうございました!)

劇団前方公演墳

ザ・ポケット(東京都)

2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了

心温まる作品でした
サスペンス要素の展開にちょっとドキドキしたり、愛嬌たっぷりの茶番にワクワクしたり…。
どこかゆるキャラのようなほっこりさを感じる登場人物たちは、とてもかわいらしく魅力的で、一生懸命に謎解きをしていく姿がとても印象的でした。
心温まる作品に、たくさん笑い、楽しませていただきました。

くるみ割り人形

くるみ割り人形

スターダンサーズ・バレエ団

テアトロ ジーリオ ショウワ(昭和音楽大学・新百合ヶ丘キャンパス内)(神奈川県)

2012/12/22 (土) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★

人形達の国
大まかな物語の流れはプティパの原典版に基づきながら、場面設定を変更したりして自然なストーリー展開にしたバージョンで、原典版の良さを残しつつ新たな魅力が加わっていました。

第1幕は室内ではなく、クリスマスマーケットが開かれているドイツの街中で、そこにやって来た移動式の人形劇場の中にクララが小さくなって入り込んでしまい、そこで人形達を助け、第2幕もお菓子の国ではなく、様々な国の人形達の世界という設定になっていて、クララとネズミの大きさが同じであることに整合性を持たせ、唐突な感のある世界各国のダンスにも必然性があるようになっていました。

振付や衣装は原典版の雰囲気を残したクラシカルな感じでしたが、第1幕終盤の雪の精の群舞だけは、前後で丈の異なる特徴的なデザインの衣装と、わざとバランスを崩すようなムーブメントで構成されていて、斬新でした。
古典的優雅さも良いのですが、このようなコンテンポラリーな要素がもっとあっても良いと思いました。

奥行きのある街並みや、可愛らしい移動劇場、折り畳み式の人形達の宮殿等、美術のクオリティーが高く、メルヘン的な雰囲気が良く出ていました。
クララが人形劇場に入ったシーンでは劇場の裏側からの視点のセットになっていて、書き割りの裏側の骨組みが丸見えで、一番奥には開演前に舞台の前で下がっていたのと同様の赤いビロードの緞帳が見えているという洒落たデザインが楽しかったです。

第2幕のグラン・パ・ド・ドゥのアダージュのクライマックスの部分をカットしたり、ラストの元の世界に戻るシーンで第1幕前奏曲をフラッシュバック的に挿入したりと、目立つ音楽の改編がありましたが、その効果が感じられず、違和感だけが残りました。

ボクの四谷怪談

ボクの四谷怪談

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/09/17 (月) ~ 2012/10/14 (日)公演終了

満足度★★

う〜ん…
橋本治が昔書いたという脚本を、若手の勢いある俳優が演じ、蜷川幸雄が演出する、ロックミュージカル! というだけで、期待は高まった。

だけど、カッコ内だけど、「ロックミュージカル」とうたっているのだが、音楽がイマイチ。
もの凄くイマイチ。
ロックと言えばロックなのかもしれないけど…。

演出が望んだロックではなかったのではないだろうか。

ネタバレBOX

いや、もちろん一口に言ってロックにはさまざまあるのは承知しているし、劇中の曲はロックであるか、ないかということはそんなに重要ではなく、とにかく、あんまり楽しくはなかったな、というのが感想だ。

また、ミュージカルってうたっているのも違うように感じてしまった。劇中で歌えばミュージカルっていうわけではないだろう、と思うのだ。
劇中の音楽が耳に残り、帰り道で口ずさみたくなるような、あるいはCDを探すような、そんな楽曲がないとミュージカルは寂しい。

橋本治が翻案した物語もそんなには面白くない。

四谷怪談を今風の時代背景と融合させ、侍が背広姿で、ってな風になっているだけで、特に面白いものではない。中途半端に古さが感じられる。
会話がポンポンとリズム良く交わされるのであれば、また違ったものになったであろうが、これはミュージカルなのだ。
やはり歌のパートになるとスピードやリズムが落ちる。

そうなのだ、今、役者が即興で歌っているんじゃないか、と思うぐらいのパッとしない音楽だった。
蜷川演出としては、ロックなんだから、シャウトして、という感じにしたかったのだろうが、肝心のメロディがこれではシャウトはできない。
できないのに、ロックっぽく役者たちは熱唱風に歌おうとしている(つまり、演出としてそう歌わせようとしている)。それがまったく曲調とマッチしていない。ギャップがあるのだ。
つまり、演出が望んでいた曲調ではなかったのではないだろうか。

明らかに、作曲の人選ミスだろう。そういうシャウト風の曲を望んでいて、「ロック」と付けたのならば、そういう作曲ができる人を選ぶべきだった。
もしくは、出来上がった曲でなんとかするという方法もあったのではないだろうか。

ただし、物語全体が、若者のもやもやした焦燥感のようなものを感じさせるのであるから、やっぱり若さを発憤させるようなシャウト系のロックであったほうが良かったのだ。

もちろん、すべての曲悪いわけではなく、ギターを弾いて歌う歌は、もの凄くいい曲だと思う。
だけど、ほかの曲はまるで役者がいま即興で歌っているようにしか聞こえず、楽しめないのだ。

それは、小出恵介さんの歌が下手すぎということもある。上手い下手という前に、声が出てないし、聞いているこちらが恥ずかしくなるほど。

主人公については、初めからきちんとキャラ立てておけよ、と思うぐらいで、中途半端で魅力を感じない。脇の手堅い固め方は、アイドルや若手人気俳優を使うときの、蜷川風なのだが、それによって舞台経験の力量の差がありありとしてしまった。
小出恵介さんは、そんなに演技は下手ではないはずなのだが、歌がダメだってことは当然自分も気づいていることから、芝居も萎縮してしまったのではないだろうか。

演出としては、ラストだけはがんばったように見えてしまう。
第一部から、とにかく人がわさわさしていて見づらいし、歌のシーンをすかっとしないと、なんだかなー、と思っているところに、ようやくスカッとするシーンがラストに来て、観客はホッとする。

ここのロックにはきちんと熱量があるし、ダンスもいい。
これができるのならば、なぜ最初からやらないのだ! と逆に怒ってしまう。

ただし、多くの観客は、この舞台に望んでいたシーンなので、気持ちが解放され、ノリノリになっている。ラストの、この感じだけで、「この舞台よかった〜」となる人多いのではないだろうか。……チケ代高いしから、そう思わないとツライしね。

ラストにこういう演出を持って来たことに、蜷川さんの老獪さ(笑)を垣間見た気がする。

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