かっぽれ!〜春〜
green flowers
テアトルBONBON(東京都)
2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
あっぱれ、かっぽれ
大変遅くなりました。「観たい」でシンプルなフライヤーについて触れましたが、作品自体も雑味がなくエッセンスだけを散りばめたようなお芝居でした。東吉師匠はじめ皆さんが本物の噺家さん以上に噺家さんらしくて、ポンポンと飛び交う会話のテンポなど聞き惚れていました。当日は名人の噺を聴いた後のようないい気分がいつまでも残っていたのでした。最後に「かっぽれ」を踊ったのも粋な感じで泣かせました。100点満点の芝居でした。そうなると前作の「かっぽれ」を観ていないのが心残りです。何とか再演していただけないでしょうか。いや、前作のみならず内藤さんのすべての作品を観たくなりました。
Goutte
Saucy or so
GALLERY Le bain(東京都)
2013/04/04 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★
無題655(13-080)
19:00の回(曇、やや風)。六本木駅からヒルズを少し越えたところにあり、初めて。18:30受付、開場。白いギャラリー(メイン)とパティオ(サブ)、中は白(クリーム色)一色、恵比寿のsiteに近いかも。入って右と奥が客席(丸椅子が2列ずつ)、L字型、靴を脱ぐ必要はなく歩く部分にカーペット(ちゃんと会場の色と合わせてある)が敷かれています。奥に座ると、下手は入口、上手にキーボード(YAMAHA)、譜面台、コンポ、スピーカー。反対側は全面ガラス窓で、パティオ、その向こうのギャラリー(MITATE)が見渡せます。お知り合いの方が多いのか、お話がはずんでいます。19:04奏者(2名)、ヴァイオリン、キーボードが位置へ〜20:19終演。3部構成、約15分の休憩(パティオでスープが振舞われていましたが、私は、基本、観劇中、飲食はしないので…)あり。①ソロ(部分的にもう1名がパティオで演技)&3名②ソロ③2名。生演奏とダンス。会場と衣装を同色にしたり、上下の色を変え(パートナー間で逆に)たり。お隣に座っていらしたのは作曲の川上氏、終演後紹介があり、ちょっとしたアンコール。決して、激しかったり、荒々しかったりするものではなく、会場の雰囲気によくあった内容(作品)でした。
Re-Birth
劇団龍門
劇場MOMO(東京都)
2013/04/04 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★
コメディらしい。
前説の話しではコメディ99%らしいのですが、
ネタバレBOX
ある警察官の暴走から追われることになった、その息子が逃げ込んだ先はオカマバーでした。そこで巻き起きる人間模様を描いた作品でした。
全体的にユルーイコメディでしたが本来の[愛は地球を救う]というテーマがはっきりしない脚本でした。ですから、元警察官が何故、地球を救う為にオカマになったのかが、はっきりしませんでした。
コメディとシリアスが混在しているお芝居でした。
枝光本町商店街
のこされ劇場≡
枝光本町商店街アイアンシアター(福岡県)
2013/03/23 (土) ~ 2013/03/30 (土)公演終了
満足度★★★★
ふと、また観たくなる、また会いたくなる
まず、街を探訪するだけで楽しかったです。
そこに住んでいる人がいて、土地に染みついているものがあることを実感できました。
枝光に住んでいない人(のこされ劇場≡の劇団員)が作っているという構造も面白いですね。
街に縁のない人がつくる街の物語。
街を愛していないとできないことだと思います。
商店街で働く方々が出演されているのは、
最初にさいたまゴールドシアターを観た時の感覚に近かったです。
なぜか、プロの俳優とは違う、少々たどたどしい演技をする姿に胸打たれるんですよね。
生きてきた年輪が重要なのだと思います。
この作品では、目の前でしゃべっているのは市井の人だけど、俳優でもある。
そして観客の私自身も物語の登場人物の一人になる、面白い体験でした。
俳優に自由に質問ができるので、公演の進行が参加者の采配次第なのも新鮮でした。
時間が決まっているような、決まっていないような…、偶然を装っているかというと、そうでもなくて…。
ジャンル分けが難しいですが、演劇って何だろうと考えるきっかけにもなりました。
明確な意図を持ってルートを決めて観客を案内し、最後にあの場所に連れて行って帰結させるのは演劇の演出と言えると思います。
人に会うと心が動いて、恋情のような気持ちが生まれますよね。
ふと、また観たくなる、また会いたくなるんじゃないでしょうか。
そんな後を引く感覚があります。
北九州まで行った甲斐がありました。
ネタバレBOX
体験型演劇というとリミニ・プロトコル「Cargo Tokyo-Yokohama」を思い出します。
トラックに乗って品川から横浜をめざすのですが、車窓から外を眺めると、道に立って歌う女性がいました。
また同じ女性が自転車に乗って追いかけてきたりするんです。
『枝光本町商店街』の場合は案内役の俳優は1人だけで、最後に付き添いだった人が作品に参加することで演劇の効果が生まれます。
欲を言えば、もっと前から仕掛けがあって欲しかったですね。
商店街で「八百屋さん」を演じる俳優もいるのかなと想像していました。
古い旅館に着いた時、思い描いたのは自分の両親のことでした。
私には自分の故郷の記憶がないので、知らない古い街を訪れることは父母の故郷に行くのと似た感覚があります。
最後にお嬢様が手を振る姿を見て、私の父と母にも、自分たち自身の意志で、故郷から東京へと出てきた日があったんだと思い起こしました。
思わず『ベルサイユのばら』の「さらば!もろもろの古きくびきよ・・二度と戻ることのないわたしの部屋よ・・父よ・・母よ・・!」というオスカルのセリフを思い浮かべたりも(笑)。
どんな街でもそうですが、住む人がいなくなったら、街について語る人がいなくなります。
人が生きていない古い街…たとえば遺跡がそうですよね。
この公演が、街を“人の記憶の集合体”として残す試みであると考えると、とても興味深いです。
見る人によって印象に残るところはバラバラですが、記憶が集まると、
目の細かいジグソーパズルみたいに細部にわたって街が再生されるんじゃないでしょうか。
ピースが多ければ多いほど、奥行きが広がって立体的になり、陰影が出てきますよね。
美味しいひょうたん最中をご馳走してくださった和菓子屋みずまの店長さんが、
「地獄横丁に赤い大きなイスがあった」というエピソードを披露されましたが、
果たしてそれが事実だったのかどうかは、確かめようがありません。
記憶はいつでも作りかえられたり、脚色されていくものです。
ある時代に生きていた人の証言が、口伝えで未来へと受け継がれていきます。
今、生きている人のしゃべることも絶対じゃないですよね。
じゃあ、真実って、何…? そんなことを考える契機になりました。
演劇に出会えたのだと思います。
こう考えていくと、のこされ劇場≡というネーミングはうまいですね。
劇団を「劇場」と呼ぶところもいいと思います。
劇場での演劇作品も観てみたくなりました。
修学旅行
劇団「14歳」
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★
今後も見守りたい
戯曲もよくできているし演技も(一部を除いて?)悪くないが、設定と演者に齟齬が無きにしも非ず。
育てる意味で演じさせるのは理解するが、観る側としては(一限目のように)等身大の役を演ずる彼女たちを観たいモノである。
とまれ、良い(面白い?)企画なので今後も見守って行きたい。
それにしても、終演後のホームルームでの受け答え・回答内容など、まだ若いのにしっかりしているなぁ。
PADMA vol.4「禅 -ZEN-」
Performance team PADMA
ウッディシアター中目黒(東京都)
2013/03/29 (金) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
演劇界の脅威になりつつある?
オープニングで更なる進化を見せてくれて、眼が潤みそうになったのはココだけのハナシ。
今回はドラマパートも充実させて、このまま行くと演劇界の脅威になりかねない。特にアクション系の団体は今のうちに足を引っ張るなり(爆)友好関係を築くなりしておかないと大変かも?(笑)
冗談はさておき、演劇界への「外部」からの殴り込み、演劇界の活性化につながるのでは?
他団体とのコラボなどの可能性も含めて今後が更に楽しみ♪
しかし、アスリート系パフォーマー達が得意な技の合間にコントなどを演ずるということで「棒読み・トチリなどは演技です」と予防線を張っていた(実はそれほど酷くはない)が、本作品ではさらに巧くなってしまったので、今後は棒読み気味に台詞を言う演技が必要になるんじゃね?(笑)
ところで以前の劇団†勇壮淑女の公演(G-Rocketsメンバーが客演した時)もそうだったけれど、ウッディシアター中目黒の舞台って重力をコントロールできる装置が仕込まれているんじゃないか?(半分真顔)
鉄火のいろは 【観たい!コメントorツイッター呟き で特製バッチプレゼント☆】
蜂寅企画
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
オトコマエな芝居
江戸末期の火消し達を中心にしたオトコマエな芝居だが、そんな題材で「一歩間違うと訪れるかも知れない、それゆえ来させてはならない明日の日本」を描くとは恐るべし。
ネタバレBOX
また、基調がオトコマエな中、霊になっても火傷を気にする女心など、細部にはしっかり女性らしさが練り込まれているのもイイ。
ところで、自分たちの無力さに打ちのめされている二人の火消しにカツを入れる縫は中尾主宰の分身かしら?(笑)
つきあたりを見上げれば…【無事に終演致しました。ご来場頂きありがとうございました!】
劇団宇宙キャンパス
吉祥寺シアター(東京都)
2013/04/04 (木) ~ 2013/04/10 (水)公演終了
満足度★★★★★
爽やか
多少、羽目を外した経験を持つ者なら誰しも、心の中に持っているであろう。懐かしい、大切で、壊れやすい人間関係を育んで居た店に起こるてんやわんやを描いた作品。起こっている何やかやは、かなり非日常的なことなのだが、それらをカラッとしたタッチで描き、テンポも頗るつきで良い。爽やかな青春グラフティーだ。
演技、キャラのタチ、演出、舞台美術など見どころ満載。
ネタバレBOX
“うんこ”が、定位置に居続けるという設定、演出が面白い。“うんこ”はこの店の常連客である彼の綽名だが、いつも端っこの席に座って風俗誌を読み耽っているというキャラクターだ。基本的に居るだけである。綽名の由来は、彼が手洗いに立った後は必ず、うんこがはみ出していることからつけられた。目立たないのだが、居続けることが、この店で起こる、ちょっと突飛な出来事を、それらしくみせる重しになっているのだ。
店の名前はエーデルワイス。喫茶店である。花言葉に因んでオーナーが名付けた。繁華街の外れ、突き当たりにあるので、客層は、かなり特殊だ。お笑い芸人を目指す者、風俗嬢、ギャル、ホスト、オカマ、ケツ持ちのヤクザ等々。客の共通点は、この店が大好きだということ。然し、経営は若干の赤字。オーナーの道楽でやっているような店なのである。
皆に愛されている店が急に閉められることになった。日本最大の暴力団が、店を買収したのである。繁華街の近くで、長年皆に親しまれて来、ひっそりと佇んでいるような目立たない店を表向きにダーティーな新商売を始めようと目論んでのことである。
常連達が、結束。買収ヤクザ相手に、何とか店を守ろうとするが、法的には、相手が有利。ケツ持ちのヤクザ達も組織の力が違い過ぎてどうにもならない。然し・・・(ここから先は劇場で観て頂きたい)
ホイッスル・イン・ザ・ダーク
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★
何を想像するか
アイルランドの気違いじみた一家族の物語。他のファミリーとの抗争を背景にイングランドとの確執を描いた作品だが、トマス・マーフィーが、何故、このような作品を描いたのかを想像してみた。タイトルも意味深長である。
ネタバレBOX
現在の世界の国際紛争は、英国の植民地支配による悪影響が原因となっているものが、殆ど総てと言っても良い。無論、フランスもかなり関与している。幾つか例を挙げれば、パレスチナ問題は、英国の三枚舌外交が齎した結果だし、インド、パキスタン、バングラデッシュ問題、フォークランド問題、イラク、クウェート問題、シリア、レバノン問題等々、枚挙にいとまが無い。第二次世界大戦後で言えば、アメリカが世界の悪をイギリスから引き継いだわけだ。
一方、名誉革命など、革命とは名ばかりの表層再編で、為政者の権力維持はそのままに、勃興した新興勢力たるブルジョアジーを取り込んで懐柔しただけの茶番がまかり通るのもイギリス流というわけであろう。大衆のガス抜きには、談論風発の議論をさせるなど、中々にしたたかではあるものの、狡猾そのものでもあるようなブリテンに対し、アイルランドは、矢張り被支配、被差別の関係に置かれて来たと言ってよかろう。
このような背景を考えなければカーニー家の気違いじみた振る舞いは理解し難いのではないだろうか? 即ち、ここに在るのは、支配・被支配と差別の関係である。そのことが、人々個々人の生活にも歪を齎しているのだ。
因みにアメリカに渡ったケネディー家は、アイルランド系であるが、競争するとなれば、例え兄弟同志であっても一切手加減を加えず、時には大怪我をするようなこともあったと言う。英国を引き継いだアメリカで、それほど、自らを奮い立たせることによってしか、他者に対抗できないと考えることこそ、アイルランド的と言い得、そのようにしてしかイングランドに対抗し得ないのであったとしたら、またIRAの長い抵抗運動を見るならば、そこでこそ、この作品の意味する所が見えてくるのではないだろうか。
Mores(モリス)
Infinite
シアターサンモール(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★
そうでしたか
思わぬ展開には驚きましたが、そりゃそうだろうと思うところもありました。
ネタバレBOX
ペットボトルのラベル剥がしのアルバイト、しかも自宅での内職…、ム、聞いたことがない、そりゃそうだろうと思いました。
警察の内偵捜査のために従業員の女の子たちを一時的に休業させたって、まあ強引な話で、本当に補償できるんかいなと思いましたが、笑ってしまいました。
ラベル剥がしの青年との結婚を真剣に考え、結婚資金を準備するために風俗で働こうとした彼女…、オー・ヘンリーの短編のような健気さはありますが、キャッチフレーズにある最低だったけど最高だったという気にまでは残念ながら至りませんでした。
ホイッスル・イン・ザ・ダーク
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★
全編粗野で暴力的
こんな父親とこんな家族があったのかと思いました。
ネタバレBOX
父親が子どもたちに暴力を躾けていた一家の成れの果てでした。
夜中に父親に突然起こされて子どもたち同士が殴り合いをさせられる、そんな躾をされたらこんな好戦的な兄弟になってしまうのでしょう。長男だけは少し教育を受けたせいか暴力が嫌いな人間に育ちましたが、あとは本当に愚連隊一家でした。そのくせ父親は言い訳を付けて決闘から逃げ回る卑怯者でした。長男やその妻は父親の本性を見透かしていて、次男も分かっていたとは思うのですが、三男以下は父親の言い訳の武勇伝を信じてしまう鉄砲玉的思考能力しかありませんでした。
散々暴力をはやし立て、そして自分は参加しない父親とその息子たちが招いた最後の悲劇、五男の死を前にしてもまだ逃れようとする父親のクソッタレ振りに、クズのクズを見た思いでした。
全編粗野で暴力的、酔っ払っているのですが、時々父親や次男の友人などが一人芝居的に演じるシーンがあって役者さんの見せ場もありました。若い役者さんたちは粗野を全面に出したり酔っ払いを演じたりするため、大声になったりと大変だったと思いますが、少し棒読みっぽく感じました。
父親役の役者さんは親分肌で恰幅も良く演技も素晴らしかったのですが、あれなら誰と喧嘩しても負けないだろうと思える体格でした。もしかしたら実際の父親はもう少し貧相な男だったのではないかという気もしました。子どもの立場から父親を見ると大きく見えるという象徴なのかもしれませんね。
人魚の薬 -雲の上編 海の底編-
たすいち
シアター風姿花伝(東京都)
2013/04/01 (月) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★
海の底を観劇
本当の事は「雲の上編」を見ないと解らないかもしれませんね。
現代ファンタジーとして静かに、優しい作品だったと思います。
孤独な面々のそれぞれの思いは描ききれない感じだったのは
過去を知らない「私」だからかもしれませんが、
過去(雲の上編)を知りたいと思わせるような深い刺さるラストではなく
温かい感じで終わるので、単独でもOKだなーと劇場を後にしました。
SPY~Reservoir Dogs~
劇団Spookies
新宿シアターモリエール(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白かったです
とても面白かったです。
素敵な時間をありがとうございました。
「漢」っぽいエネルギーがMAXと友人も言っておりましたが、熱かったです。
暗転が多かったのですが、全然気にならなかったです。
前半が早口で少々付いていけませんでしたが、キャスト紹介以降はなんだろう…
あれだけ大勢の役者が熱い芝居を繰り広げているのに不思議と物静かな印象を受けました。
音楽をあまり使ってないからなのか、会話のテンポなのか…
だからこそ なんか深いところで感じられるものがありました。
主軸の陸奥出海から見る姉の愛、渡部美穂さんは愛に溢れている素敵な役者さんなんだなぁ~と改めて思いました。言葉に説得力がありました。
もがいてももがいても、思い通りの方向に向かわず、時代の波が次から次へと人々を巻き込んでいく、その中で必死に生きてる者たちの様子が痛いほど伝わりました。
これからも頑張ってください。
ホイッスル・イン・ザ・ダーク
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★
がっかりな話でした・・・・
役者さんの演技は良いとしても、話の内容は大変残念な出来と思った。
久々に無駄な時間を喰われた感が強い舞台でありました。
<全2幕 10分の休憩入れて2時間半>
ネタバレBOX
前作「さぶ」の出来が良くて期待していた分、がっかり感も強く出たようです。
原作はイギリスとアイルランドの民族対立を上手に表現していたと推測します=だから舞台化したんでしょうが。表現しきれていなかったですネェ・・・。
ひたすら酔っ払いの大声討論を聞かされ続けた芝居でありました。
(父=ダダ役を本当に酒瓶でどつきたくなる感情が芽生えるほど役者さんの演技はよかったっす)
で話は、後を追ったマイケルは酒飲んでへべれけになって戻ってきて、喧嘩にも参加せず。(ほんとへたれてました)。妄言壮語のオヤジも喧嘩に行かず酒呑んでるだけで。そのこと問い詰められると他の喧嘩してたと弁解。そして決闘に勝利して戻った兄弟達をオヤジは昔のように兄弟同士で争わせて最強を決めろと囃し立て、愛想の尽きたベティは家を去り。残ったマイケルはコレまで目をかけて他の兄弟達のようにならないよう言い聞かせていた末弟デズを激情にかられた衝動のまま酒瓶で殴打し殺してしまいます。弟の死を煽った父親に他の兄弟達は責任を取れと詰め寄り終劇です。
結局、皆がわかっていたヘタレ親父に誰も逆らわず悲劇を招き。
民族抗争というよりも、町の鼻つまみ者同士の諍い=酔っ払いどもの=って感じが見てても不快でありました。まぁ反面教師で飲酒はよくないと言いたかったのでしょうか?
ひたすら酒呑んでて大声で叫んでるだけのチンピラ達には感情移入し辛い。
舞台設定を出来事のあった時代より未来にして、こんな事件があってと資料室での会話→過去ドラマの再現芝居にして、要所要所に当時の時代背景や民族間抗争、人種の違いなどなどを解説で入れるような芝居にすれば、楽しめたかもしれないなぁと思いました。
芝居をされる方には、酔いの演技が参考にはなるのかなぁと。
”お薦めはしない”とはしませんでした
病院のススメ
GENKI Produce
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/04/02 (火) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★
お見事!
これは見事なシチュエーションコメディ。大いに笑わせてもらいながらも、これどうやって収集するの?と勝手に心配していましたが、キッチリ大団円。うまいなー。
渋谷繁盛亭
モントエンタープライズ
渋谷区文化総合センター大和田・さくらホール(東京都)
2013/04/04 (木) ~ 2013/04/04 (木)公演終了
満足度★★★★
伝統話芸はハズレ無し
面白かったが、仲入前の2人にはヤヤ眠気を感じてしまいました。
文珍さんは楽しかったー(^^)
<15分の休憩入れて2時間半>
ネタバレBOX
一番手”たま”さんの連続ショート落語は楽しくて、
つかみはGoodでありました。(てっぽう、健康ドリンク、ウォシュレット、ローマ法王のデコピン、ドリアン、シンクロナイズド”ドリアン”、ひなん訓練、新聞がみ、B29)でお題目は「動物園」
米紫(べいし)さんは「秘伝書」→昔の名前は”とんぼ”さんだったそうで、
友人に”かぶと”さんもいたそうで、とある町にて町長(蝶にかけた(^^)に自己紹介するくだりは笑えました。
小春さんは「壺算」
鶴光さんは「木津の勘助」で、つかみの宅急便の「うんそう」「はいそう」の返事話が楽しかった。
~仲入~
「片棒」市馬さんケチの話からスタートで、ウナギの蒲焼の匂いで御飯食べてるケチに蒲焼屋が匂い代請求にきて。支払いを小銭にして音を聞かせて支払いとするトコ受けましたー(^^)。
「心中恋電脳」文珍さん、さすがに大御所!
うまいなぁ・・。アップルの欠けたとこはサムスンが齧ったらしい・・に大爆笑しました。実際にゲーム内で育てた果実が実になると、現実の果実が配送される課金ゲームの話は知らなくてタメになりました。お題目の話は、ギャルゲーに嵌った亭主が女房との現実が地獄というオチの話でありました。(ちと御高齢の観客にはウケが今ひとつだったようです)
【初日前売り完売!】夏葉亭一門会vol.7
夏葉亭一門
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/04/02 (火) ~ 2013/04/03 (水)公演終了
満足度★★★★
夏葉亭一門会
3日の昼に行きました。それぞれいい味を出されていて楽しませていただきました。
またぜひ足を運びたい。
遠慮がちな殺人鬼
企画演劇集団ボクラ団義
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/08 (月)公演終了
満足度★★★
メインキャストの急な降板(病欠)が痛いか・・・
twitterにて知りましたがボクラ団義メインキャストの沖野さんが公演日2日前にまさかのドクターストップ(入院?)との事。すぐに代役は立てられたものの
「いくらなんでもこのタイミングで代役はムリがあるのでは?」と公演自体を心配しましたが・・・
当日、途中休憩を挟む3時間オーバーの大作。
【脚本の濃密さ、伏線張りと回収の上手さ、オチの付け方★5つ】
【笑いネタ、取りどころ★5つ】
【お話の良いタイミングで入るダンス★5つ】
【劇場演出★5つ(小劇場で出来るかぎりの事をしていたという意味で)】
として・・・代役の方については仕方ない(客がこういう事言うのもなんですが)として、他の演者さんについて(練習不足とは思いたくありませんが)一部何かの理由
「舞台が客席に近い事?」
「演技のほとんどを客席(にある事になっている葬儀壇)に向かって演じる事による緊張?」
「(代役の方が立つにあたって)お話を少し直された?」
など理由はともかく、セリフの噛みや演技に集中できていないかと思われるような棒読み口調など、いつもなら脚本/演出と役者のダンス/殺陣/演技の両輪で素晴らしい構成になるはずの舞台が、うまく回っていない感がありました(自分はそういう部分が気になってしまい、前半集中できず)。
しかし、後半パートではシナリオの佳境に向けて見事いつものボクラ団義の良さを見せてくれました。残り数日で代役の方や他演者の方の慣れその他で更に良くなる事を期待したいです。
(願わくば番外公演とはいえ、再演して欲しいですね、お話ほんとよくできてたので)
ネタバレBOX
・脚本は本当によく出来ていたと思います。
・演出もシアターKASSAIという小空間の中で、いつもと同様の出来るかぎりを観せてくれたかと。
・ストーリーのちょうど節目、切り替わりに入るダンスも秀逸。
・笑いネタとそのタイミングも絶妙。
だったのですが、やはりメインキャストの急な降板が重い影を落としていたかと・・・
舞台好きの先輩からは「劇団の多くはメインキャストなどのそういった
トラブルに対応する為、サポートの要員も台本読みや練習をしている事が多い」
とのお話だったのですが、2日前という時期もありほとんど
準備出来ていなかったのでしょう。
刑事役の方が警察手帳に見立てた台本を読みながらの演技(と思われる)。
序盤はまだ形になっていたかと思いますが、
後半はほとんど(種明かしなど難しい説明セリフが続く為か)
台本を演じるというより「読んでいる」感がありありでした。
※ 説明部分は仕方ないとしても簡単なツッコミや会話セリフなどは、
ムリに台本どおり演じるよりも、自分のアドリブで、
という訳にはいかなかったのかな?
(あっ、間違った、とムリにセリフの言い直しが繰り返し出るよりは、
そのまま演じきられた方が良かったのでは?)
と素人目にも思いました。
また、前半は内容の方にも書きましたが、代役の方以外も数名
どうにも演技に集中できていない、セリフの噛みが目立つ
(いつもならたかが噛みの数回ぐらい気にならないですが、
今回はちょっと目立ったかと)と、笑いは取れる、
設定も理解できる、ダンスも雰囲気は出ている、
しかし演技自体に集中できない、というちょっと自分は残念な状況でした。
しかし、後半種明かしとなるシリアスパートでは、
皆さん集中できたのか、あるいはそういう演技の方が
やりやすい部分があるのかは分かりませんが、
見事いつものボクラ団義の良さ、を観せてくれた、と思います。
タイトル名「遠慮がちな殺人鬼」について、
最初(あまり違和感も持たず)
自ら「私が殺しました」「私も」と言い合う各人を
指しているのかと思ったら実は、といううまいオチの付け方も見事
(またオチネタを直接セリフで説明するのではなく、
それまでのキャストの芝居の中で説明されていた「アレか!」
と客に気付かせる形を取るのも見事)、
そして「殺人鬼」による恐怖の幕引き、かと思いきや、
ある父と子の、ちょっと泣かせる落とし方、
という締め方も見事でした。
しかし、今回番外公演で
「わざと小劇場を使い、今までと違うボクラ団義を見せる」
という説明と、シアターKASSAIの舞台スペースの狭さから
「数人しか入れないようなあの平舞台で、何を、どう演じるのか?」
といつもと違うものを楽しみにしていた自分にとっては、
結局小スペース内にいつもと同様の
シーンの演じ分けをするエリアをセットとして用意し、
いつものボクラ団義の舞台を縮小版で観せられた、
という形だったので、ちょっと肩透かしをくらった感はあります。
しかし、お話自体非常に良いものだと思いましたので、
ぜひトライアゲインの再演プロジェクトで
今度こそ「完全版」を観せてほしいなあ、と思います。
※ ただ、今回のトラブルもあくまでも客観的に見た場合を考えると
いつもなら★5つで初見の方にも「お薦め」を選択するのですが、
それはちょっとできませんでした・・・
(この苦境を乗り切って頑張ってほしいものです。)
人魚の薬 -雲の上編 海の底編-
たすいち
シアター風姿花伝(東京都)
2013/04/01 (月) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★
海の底編
知り合いに勧められて、当日思い立って稽古後に下落合からダッシュで風姿花伝に行きましたが…劇場に入って、舞台美術を観て、とても期待が膨らみました。
照明の配置、ハケ口、高低差、様々なところから、わくわくして、芝居が始まり、その照明のプラン(使い方)に、圧巻されました。
勝手ながら、演劇というとセリフとか感情のこもった演技とかいって、べたでありきたりな演技より、様々な幅を利かせた演技を好むような気がしていましたが、
回り道とか逃げみたいなことせず、素直にベタな演技を本気でできたらさぞかし面白いだろう。って思えた「舞台」だった。
ネタバレBOX
片方の話しか見ていないから、話が不明瞭なところがあるのだろうか?
話の最終地点を観たうえで、最初の地点とつなげようとしたとき、観客の知識(観た情報)では、論理に説明しきれない。そんな悲しい話があるように感じた。
ベタな関係性を描くうえで、キャラの関係性はとても大事だし、ここの個性も強めで引き立つぐらいがいいのかもしれないが、閉鎖的な空間で濃いキャラしかいない状況だと、ただの人間を描くのには、バランスをもう少し考えて、少人数で話を展開できたほうがいいかもしれない…ここら辺は人によるのかもしれませんが。
人魚の薬 -雲の上編 海の底編-
たすいち
シアター風姿花伝(東京都)
2013/04/01 (月) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
雲の上編 と 海の底編
どちらの方から 観ても いいかもしれない と 思えました。
ネタバレBOX
雲の上編 には、弾き飛ばされるような パワーを
海の底編 には、じりじり と な じれったさを
感じ つつ、
中盤から 激しく進む の に、巻き込まれました。
人の想いの悲しさとか すばらしさとか
感じた感じです。