最新の観てきた!クチコミ一覧

114741-114760件 / 189886件中
未確認の詩-ウタ-

未確認の詩-ウタ-

ライオン・パーマ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/05/16 (木) ~ 2013/05/20 (月)公演終了

満足度★★★

女優が良かった
実際拝見してみると女性陣の活躍が輝かしく、
そういえばチラシのデザインもそうでしたねえと思い起こされました。

王子なので椅子も柔らかく長丁場でしたが度々笑わせて頂き、
楽しい時間が過ごせました。

ネタバレBOX

男性陣の滑舌がぎりぎり厳しい印象でした。

小さい笑いの波は幾つもあったのに、
大波へ繋げられて居なかったのでムズムズしました。

最初と最後のシーンを自分は繋げられなかったので
感動には置いてけぼりでした。

ピークは短パンのくだりでしたので、妹救出までで一旦集中が途切れ、
その後は乗れませんでした。

扉から出てくるお偉いさんの元ネタを知らないので、
その辺りはうっすら笑みを浮かべる程度でこちらが残念でした。
【次回公演は3月!ご来場ありがとうございました!】「かたわこや」

【次回公演は3月!ご来場ありがとうございました!】「かたわこや」

劇団東京ミルクホール

SPACE107(東京都)

2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

笑わせていただきました
冒頭の演出から最後まで、楽しくて面白くて、(良い意味での)バカバカしさに引き込まれました。
終盤はあまりのバカバカしい展開に、心の準備ができておらずア然とさせられて乗り遅れた感じになりましたが…
東京ミルクホールは初見でしたが、笑わせていただきました。

ネタバレBOX

まさか実際に舞台へ上がって見世物小屋を体験することになるとは…ドキドキしながらも楽しい体験でした。
未確認の詩-ウタ-

未確認の詩-ウタ-

ライオン・パーマ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/05/16 (木) ~ 2013/05/20 (月)公演終了

満足度★★★

いつものように幕が開き…
観てきました、ライオンパーマ20回公演『未確認の詩』。
相変わらずの安定感(滑舌の悪さは除く・笑)で楽しく観劇できた。
個性的な役者陣の体当たりの演技にも好感が持てた。
いつもより笑いは抑え目で大爆笑はなかったが、ストーリーもよくまとめられており
観た人が『面白かった』と思って帰ることができる公演だったと思う。

ネタバレBOX

当直明けで眠かったのもあるが、笑いに関しては個人的に不完全燃焼な感が否めなかった。
短パンの下り(掛け合い)は面白かったが、基本、過去の公演で観たことのあるネタ(シーン)の継ぎはぎなので新鮮味がなかったことも理由のひとつ。
せっかくの20回記念公演だし、再演と銘打っていないのだから、ドドンと新作で勝負して欲しかったのは正直なファン心理だ。
最初の野球場のシーンと最後のシーンのリンクは素直に感動した。役者草野の台詞も良かったし、ジーンとした。
終わり良ければ全て良し!だからこそ、そこまでのシーンが勿体なかったと思ってしまうのだ。
匿名家族

匿名家族

劇団フルタ丸

サンモールスタジオ(東京都)

2013/05/11 (土) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

面白かったです。
すでに公演が終了していますが、ネタバレになるので、

ネタバレBOX


最初、「ピー家族」の実態がつかめないのと、
一体何をしてるのかよくわからないのとで、
なかなか世界観に入れませんでしたが、
個々のキャラクターが理解できてくると全体像が良く見えてきて、面白くなりました。
さらに回る舞台も見せる「ショー」として存在していたし、回すこともきちんと計算されて描かれたシナリオだった、というのも良かったです。
最後の方で主人公の家族に対する一人芝居みたいなシーンがありましたが、「相手を想定している一人芝居」って正直「ん?」と思ってしまうことがほとんどなのですが(個人的見解)、匿名家族のシーンはそれを感じさせることなく感情移入できました。
面白かったです。
おしゃれ紳士の春の祭典~サロン・ドゥ・シャレードへようこそ~

おしゃれ紳士の春の祭典~サロン・ドゥ・シャレードへようこそ~

男衆ver.2.0 おしゃれ紳士

サブテレニアン(東京都)

2013/05/21 (火) ~ 2013/05/22 (水)公演終了

満足度★★★

感染度
楽しいステージでした。歌詞を上手く使ったダンスパフォーマンスとでも言えばいいのでしょうか?動きもいいし、表情もいい。の割りに、全体の構成がいまひとつ。笑いネタだけでなく、しっかり“魅せる”ダンスシーンが一つあれば全体の印象ももっと違っていたのではないかと思います。残念ながら、観ているこちら側への感染度が足りなかったような気がします。

くりかえし無限遠点

くりかえし無限遠点

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/05/17 (金) ~ 2013/05/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

一途
モニターが集められたのは、歌舞伎町2-45-2のビルの4階、まさにここでした。

ネタバレBOX

心理実験に集まったのは5人、初日は夕方から始まり、三日目は午前中で終わる合宿型。日程は観客にも知らされており、その通り実施されると思っていましたので、素早く二日目の朝食後に事件が仕組まれていたことで一気に緊張感が増しました。良かったです!

朝食のサンドイッチに遅効性の毒が盛り込まれていて、解毒剤争奪戦を巡る心理実験の様相でしたが、実はワンダーフォーゲル部の冬山歩きで一緒に行った恋人を亡くし、失望感と責任感から引きこもりになり、オンラインゲームの世界で二人で一緒に冒険したり、まったりと遊んだりして、ゲームの世界に永遠に閉じこもったままの状態に陥った女性の心を開放させるために、ゲームの中の彼女を死なせてゲームを終わらせようとしたワンゲル仲間の壮大な企画でした。

この会場自体がネット上の仮想空間でした。気持よく騙されました。

最後、一つ残った解毒剤を恋人に飲ませ、彼女は死を選択しました。ゲームの中の恋人は生き残ったはずですが、操作する人がいなくなったため恋人も動かなくなりました。切ないですね。

腐れ縁のように言いながら、一途な彼女が素敵でした!

ところで、彼氏が解毒剤を飲む直前に蓋を取ったビンを手にしていましたが、そんなに傾けていたらこぼれてしまうと思いました。他の人たちがビンを落としたときも本当にこぼれたのか良く分かりませんでした。実際に水ぐらい入れておけばよかったのにと思いましたが、カンパニーの誰も信じられないのかなと勘ぐったりもします。
磁界

磁界

浮世企画

新宿眼科画廊(東京都)

2013/05/17 (金) ~ 2013/05/22 (水)公演終了

満足度★★★★

地味だが練られた芝居
実際には登場しないある男に関わった人々の物語。さまざまな場面が展開されていくが、それらはある種つながりがないようでいて、その男に関わっていて、それらの中から男の「像」が徐々に見えて来る。時間軸の移動もあるので、観る側にある種の覚悟というかエネルギーというか、そういったものが必要になるが、全体には実に地味に物語は展開されるけれども、内容は相当に面白い。エンディングは、ちょっとホッとさせてくれる感じさえある。

シュナイダー

シュナイダー

青年団若手自主企画 マキタ企画

アトリエ春風舎(東京都)

2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

よりコアに、よりタイトに
作・演出のマキタカズオミが主宰する劇団elePHANTMoonで2006年に上演された作品を、青年団の若手を中心として上演する。私は初演を「メンタルに痛んだ人たちが簡単に他人を傷つける存在になる、というドラマが展開される」と評したのだが、その基本構造は変えないまま、登場人物も減らしつつ、よりコアな部分を取り出してタイトな芝居として作り上げられている。やはり面白かった。にもかかわらず、満足感が少し足りない印象なのは、やはり再演だからなのだろうか。役者陣が頑張っていないとは思わないが、何か足りない感じは残ってしまった。

枝光本町商店街

枝光本町商店街

のこされ劇場≡

枝光本町商店街アイアンシアター(福岡県)

2013/03/23 (土) ~ 2013/03/30 (土)公演終了

満足度★★★★

私もいつか地層になる。商店街で、時空を超える演劇的体験。
 電車、モノレール、飛行機、バスを乗り継いで、最寄駅から徒歩でアイアンシアターに辿り着きました。長旅でした。劇場に着くと、まず今回の散歩型演劇についての説明と、参加者の簡単な自己紹介。いわゆる劇場での演劇公演とは全く違うオープニングはとても新鮮で、非日常への切り替えスイッチが一瞬で入りました。

 枝光という街を媒介にして、自分の生まれ育った街の思い出を引き寄せ、重ねるような体験でした。今、ココを生きている生活者と交流し、彼らの語る過去と現在が鮮やかに記憶に刻まれ、私の過去とともに血肉になったように思います。

 公演が終わった帰り道、街に隣接するテーマパーク「スペースワールド」を横目に見ながら、私自身と街を全部飲みこんで、周囲の全てが地層になったような感触を味わいました。それは遠い、遠い未来の視点から世界と私を見つめる行為です。枝光の土地と一体になれたから、遥か遠くへと思考をジャンプさせることができたのだと思います。

ネタバレBOX

 和菓子屋さんでは、昔の枝光には遊郭があって300人のおいらんがいたという話を聴きました。そして名物もなかの実習を受け、完成品をご馳走になりました。八百屋さんでは元気で陽気なお父さんに歌を詠んでもらいました。お肉屋さんで美味しい自家製コロッケを買い、からあげをご馳走になりました。そば屋「鶴亀」ではおそばを…食べたわけではなく(笑)、枝光本町商店街アイアンシアターがこの商店街で行ってきた活動の記録を見せていただきました。枝光にやってきた劇団、ダンサーの写真や、商店街が採り上げられたテレビ番組の映像など盛りだくさんで、壁には多数の展示物もあり、店内はまるで資料館のよう。店主の井上敏信さんは枝光の歴史も研究されており、製鉄所があった時代の白黒写真から、当時の風俗についての詳しい講義もしてくださいました。洋装店さんでは、古いアルバムの中から枝光の街の変化がわかる写真を見せていただきました。製鉄所の街として大いに栄えた枝光は今や過疎の街ですが、商店街をめぐる割安バスの運行を始めたことで、買い物客が増加しているそうです。

 街歩き演劇の最終地点は廃屋になりかけた元料亭。宿泊可能な和室や広い調理場などには、家財道具が放置されたままで、当時の生活の香りが残っていました。小さな台所の食器棚に、私の大阪の祖母の家にあったのと全く同じ食器があり、見覚えのあるデザインのガラス戸もあって驚きました。戦後の高度成長期に作られた商品たちは、日本全国津々浦々に広まったんですね。そして流行遅れになり、棄てられて失われていった。炭鉱の廃坑や製鉄所の閉鎖とも重なります。
 建て増ししたビルの屋上に登ると、枝光の街が一望できました。80代になるまでそこに住んでいたというオーナー女性の名前は「ゆきこさん」。最後は案内人だった劇団員の役者さんが、屋上で「ゆきこさん」を演じ、料亭の外に出た参加者たちに手を振るという「お芝居」が用意されていました。今はもういない「ゆきこさん」を通じて、掘り起こされた料亭の歴史と記憶を共有することができました。

 料亭はいつか取り壊され、「ゆきこさん」との出会いは参加者の記憶の中だけに残ることになるのでしょう。そば屋「鶴亀」で見た白黒写真に写っていた木造の劇場の跡には、製鉄所の購買部が出来て、製鉄所がスペースワールドになった今では、スーパーマーケットが営業されています。人が死んで、物も建物も朽ちて無くなれば、商店街の人たちと過ごした優しい時間も、忘れら去られ消えてしまいます。でも、土地だけは、そこにあり続けるんですよね。
 アイアンシアターから枝光駅へと向かう帰り道、向かって左にスペースワールドを見ながら、枝光中央商店街での旅を思い返した時、自分が地層の中に埋もれて行くような感覚を覚えました。地面から上空までが地層になったように感じたのです。同時に、海底に沈んだ幻のアトランティス大陸も思い浮かべました。海底に沈む私、やがて土になる私…それが積み重なって蓄積されていく、地球の歴史。街歩きから宇宙規模にまで想像は広がり、身体的にも不思議な体験をすることができました。

 以上のように、演劇の効果として得られた体験には非常に満足だったのですが、演技や演出についてはもっと練る必要があると思いました。お散歩演劇といえば岸井大輔さんの『ポタライブ』、リミニ・プロトコルの『Cargo Tokyo - Yokohama』、廃屋めぐりだと飴屋法水さんの『わたしのすがた』などを私は拝見しています。街の探索がメインだったとしても、お芝居として用意されたのが最後に「ゆきこさん」を演じることだけだったのは、取って付けたようで物足りなかったです。できれば旅の最初や途中にも、仕掛けや伏線を張るなどの演出が欲しかったですね。役者さんの演技やせりふも改善の余地があると思いました。
「ゴドーを待ちながら」

「ゴドーを待ちながら」

みけねこ企画

秋葉原 ACT&B(昭和通口より徒歩三分)(東京都)

2013/05/21 (火) ~ 2013/05/28 (火)公演終了

満足度★★

現代
美術のようなセットで女性だけの役者でのメルヘンな雰囲気。 セリフとストーリーが謎すぎて自分にはちょっと理解不能でした。。スイマセン。。 多少なりとも前提知識があればよかったのでしょうか。 時々入る妙に現代的な言葉使いはおかしかったです。笑。 役者の方々の演技はそれぞれ特徴があってよかったです。


レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

東宝

帝国劇場(東京都)

2013/04/23 (火) ~ 2013/07/10 (水)公演終了

満足度★★★★

初めて見た新バージョン、回らないレミゼ。全体的に歌がスキルアップ。
さて、ドキドキの待ちに待った新バージョン。
先に観た映画版は大感激!だったけど、キャスティングや上演スケジュールがいろいろ変わったりしたのですごく心配。
でも、最初の場面で驚き!
船! 海! 
そう、映画版はこの新演出版の舞台を映像化したのですね。
次に気付いたのは・・・『盆がない!』
回り舞台では無くなったのですね。
その分、どの場面もキャストが迫ってくる迫力があるけれど、私の大好きな『ワンデイモア』の最後、行進+決めポーズで舞台は回りながら暗転!・・・のシーンは、前後に行進左右に展開に変更。
またまた気付いたのは・・・『巨大変形バリケード・セットがない!』
あお左右に割れて回転合体!ある時は貧民街、ある時はバリケードのセットが、小型のものだけになって、そのぶん役者は余計な気遣い、段取りが減って、より役に専念できるそう。
変わった部分が気になって、気持ちの方まで気が回らなかった・・・。
皆さんの歌が、アンサンブルも含めて、スキルアップしたような気がしました。
あと2回は観ます!

Princess MONONOKE~もののけ姫~

Princess MONONOKE~もののけ姫~

ドワンゴ

【閉館】AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都)

2013/04/29 (月) ~ 2013/05/06 (月)公演終了

満足度★★★★

原作の感動をそのまま伝える良心作。
あのジブリのアニメ「もののけ姫」がイギリスの劇団によって舞台でよみがえった!
大量のビデオテープでタタリ神を表現するなど、廃材を使った素朴な手作りの舞台。
コダマはパペット、とはいっても人が小さなぬいぐるみを手で支えているだけで表現。
ストーリーも音楽、歌も、アニメ・オリジナル作品をそのままま舞台化。
原作の意図をうまく表現していて、感動、面白かったです。

ただ、観て感動したのも、良きも悪しきも、アニメ・オリジナルの力と言える。
忠実だったから伝わったけれども、その分、オリジナリティや独自にはみ出した部分とかがなかったということだ。

それでも、海外では、アニメは子供が観るものという認識が強いらしいので、
アニメではなく演劇なら、海外で大人も見てくれるのだろうから、原作の精神を広げる意味での役目は大きいのかもしれない。

縛驟雨(ばくしゅうう)

縛驟雨(ばくしゅうう)

劇団 背傳館

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2013/05/16 (木) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

この国のムラ
 日本的共同体の特質が良く出た作品だ。殺陣も上手く、役者陣も熱演している。

ネタバレBOX

  彗星が、地球に近づく周期というものがある。有名なハレー彗星の周期は、約76年。前回は1986年であった。この物語は、この彗星の周期に連動している。舞台は、1986年と1910年の間を揺れ動き乍ら、日本近代と村を問うのである。
 最近でこそ、ニュースで扱われることも少なくなったが、狐憑き、と呼ばれる現象がある。これを払うと称して、憑かれた者の身体を叩き、殺してしまう、などという悲劇も各地で起こって来た。更に、“源氏物語”などを読めば、魑魅魍魎の類を為政者が恐れ、難を避ける為に現在では信じられないような様々な手を打っていたことにも思い当たる。陰陽師が力を持つ背景にあったのも、こうした訳のわからない“もの・こと”に対する恐れからである。普段から、人々の生活の背景にこのような定かならぬ不安があれば、きっかけ一つで、人々は簡単に暴走する。
 1910年、ハレー彗星が、地球に接近した際、人々は、“彗星から有毒ガスが流れて、生き物は滅ぶ”だの、“彗星の重力によって、地球上の大気が吸い寄せられ、結果、我々は酸欠で死亡してしまう”だのと根も葉もない噂が飛び交った。物語では、詐欺師がこういったデマを流したことになっている。何れにせよ、恐れた人々は、隣村との共同幻想にあった人の生き血を吸う鬼だと噂の美しく若い娘を、荒ぶる神、スサノオノミコトの贄として差し出し、以て村落に結界を張ろう、と企てる。音頭を執ったのは村の神官である。彼は、身近の者に、捕えた若い女の番を命じる。若い女を任された若者は、この女に恋をした為、一切、手荒な真似はせず、彼に縄をうたれると幻覚、幻聴に襲われることもなく安堵する、という娘を日毎縛める。だが、若者は、利用されていた。村人が、彼を追い払っては、娘をレイプしていたのである。その中には、神官も含まれていた。また、この若者の友人たちも。終に、彼女が贄として捧げられようという日、若者は、女を救いだし、村を逃れようとするが、娘は既に殺されており、若者も見付かって、捧げものを置いた建物に縛り付けられたまま火を放たれて悶死する。
 76年後、この村の若者の所に一人の女が現れ、若者の部屋に居着いた。若者は、毎日、女に縄を掛ける。過疎に襲われ、若い女など殆どいないこの村の若者達は、新たにやって来た女に懸想し、関係が複雑化する。時巡って、ハレー彗星の周期年、76年前に悶死した若者の怨念が、今果たされようとするが。
 内容は、ざっと以上のような作品だが、主張は、最初に書いたように日本の共同体の持ついぎたなさ、とそれが今も全然変わっていない、ということである。今更、原子力村の例を挙げる迄もあるまい。
万お仕事承り〼 お仕事の参~若さのヒケツお捜しします~

万お仕事承り〼 お仕事の参~若さのヒケツお捜しします~

劇団岸野組

俳優座劇場(東京都)

2013/05/18 (土) ~ 2013/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★

時代劇芝居としてはgoodだけど・・・・
芝居の流れにアクセントがあり、とても見やすかった。(猪鹿蝶の3婆婆いい味だしてる)
役者同志の巧みな会話、クライマックスシーンには満足したが、
気になったことは、
①ギャグで笑いがとれない。②衣装は素晴らしいのだが、歌舞伎を見慣れている者には、セットが簡易過ぎる(予算の問題あるでしょうが)。

メメント・モリ

メメント・モリ

ウンプテンプ・カンパニー

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/05/16 (木) ~ 2013/05/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

気が付くと一気に引き込まれてしまいました。
ストーリーはとてもシンプルなのですが、主筋を取り巻く人々の演技が作品に奥行きを生み出しているように感じました。祝祭的な猥雑さから、神父が現れ本筋である少女との出会いへと向かわせ方、実に巧みで自然と不思議な世界に引き込まれていきました。ですが決して情緒的へ引きずらず、観客を一定の距離へと突き放すやり方は上手く行っていると思いました。
衣装や音楽や布を使った場面転換など実に凝っているので目や耳の感覚も総動員して釘付け世されてしまいました。
今を浮かび上がらせていく良い芝居でした。
とにかく綺麗です。

【次回公演は3月!ご来場ありがとうございました!】「かたわこや」

【次回公演は3月!ご来場ありがとうございました!】「かたわこや」

劇団東京ミルクホール

SPACE107(東京都)

2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

三寸を愉しむ
 初めに断っておく。片輪という差別用語が使われているのは承知している。然し、この作品を作った人々も自分も差別することもされることも嫌いである。差別はとてもデリケートな問題だ。言葉そのものに対する、自分の頭で考えた考察が必要なことは言うを待たない。然し、言葉の使い方、使われ方の方が、より重要だと自分は考えている。即ち、在る時代、在る地域で、在る表現が、如何なる意味をという単純なレベルではなく、言葉の背理も含めて意味する所をキチンと弁え、時には、踏み込んだ発言、意見交換すらできる程度には、自分と同等であることを尊敬の念と共に分かち合うことが、最低限必要なのである。このようなスタンスで、この作品を拝見した。

ネタバレBOX

 見世物小屋と言えば、キッチュの代名詞とまでは言わないが、実際、そう思っている人は少なくあるまい。観客は、展示される片輪や不思議な生き物が本物でないこと位良く知っているのだ。そればかりか、知って居て騙されたふりをすることを楽しんでいるのである。興行を打つ側とて、その辺りの呼吸は、無論、充分に心得ている。日本には、タンカバイと言って、口先三寸で品物や芸の価値を認識させたり高めたりして売る伝統がある。縁日で見掛ける香具師も、見世物小屋の“親の因果が子に報い云々”などの口上もその類と看做すことができよう。香具師の商売で有名なものだけを挙げても、蝦蟇の油売り、バナナの叩き売り、金魚すくいの口上など誰でも直ぐに思いつくだろう。こんな伝統の上に立った見世物小屋の話である。
 時は大正、浅草の一等地に本拠地を置く見世物小屋、アポロ。この小屋の看板娘は、蛇使いのマキ。このマキに帝大生が恋をした。だが、彼女に焦がれた孝則は、父の経営する炭抗の炭塵爆発で死亡してしまう。孝則の友人で同じ帝大生の鶴夫も矢張りマキに一目惚れしてはいたのだが、マキは死んだはずの孝則に出会ったという。
 一方、この浅草の賑わいに付け込んで新興の暴力団組織の組長、鬼小島 が、アポロをも狙っていた。今迄、相身互いでやってきた地元の親分、源之助も組員を鬼小島に持っていかれ、ピンチである。そんな折も折、摂政の宮が「見世物を観たい」と言っているとの達しが、宮内筋から届けられた。内々の達しでは、アポロが氏名されていたが、実質的にも力を延ばしてきた鬼小島支配下の劇場、芸人も黙ってはいない。アポロ芸人のひっこ抜きも始まっている。そこで、コンテストが行われれることになり、どちらが、指名されるかは先の判断に任されることになった。
 大団円では、登場人物全員が、チェーンを鼻から通して口から出す芸をやってのける。摂政の宮役、御付きの者役を含め、敵対していたヤクザの組長らも総てである。この辺り、天皇家も被差別者であるとの判断が働いているかも知れぬ。実際、天皇の棺を担ぐのは、そのような民である。以上のような事実もあるので、大団円の連帯が、美しい。途中から、大団円にいきなりと怒らず、想像力で埋めて欲しい。

いってきMARS

いってきMARS

イッパイアンテナ

元・立誠小学校(京都府)

2013/05/16 (木) ~ 2013/05/20 (月)公演終了

満足度★★★★

立誠小二連勝!
テーブル下のシーン大笑いしました!予想通りというか予想以上に楽しめました。連れて行った相棒も大喜びで帰途につけました。女優さんが美人ぞろいでもっといろんなタイプのお芝居も観てみたいと感じました。もっと大きいコヤでもいいのではないでしょうか。

メメント・モリ

メメント・モリ

ウンプテンプ・カンパニー

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/05/16 (木) ~ 2013/05/27 (月)公演終了

満足度★★

異端の存在
世間から疎外される少女の短い人生を、ピアノの生演奏や歌を盛り込んだ音楽劇の形で描いた、独特の雰囲気がある作品でした。

南米のある貴族の娘が犬に咬まれてから様子が変になり、修道院に預けられ、悪魔が憑いたと彼女を忌避したり、逆に彼女に破滅的に惹かれて行ったりと、周りの人々を惑わす物語で、文学的な重厚感とおどろおどろしさが、レトロな雰囲気を醸し出していました。

異端の存在を巡る物語は現代に通じる所もあって惹かれるものがありましたが、演出や演技の方向性がまとまっていなくて、求心力に欠けると思いました。
前半ではコミカルな表現や歌が多く用いられていましたが、作品の雰囲気に合っていなくてチグハグさを感じ、コミカルな要素無しの方が魅力的になると思いました。
演技のスタイルも、大仰な台詞回しが板についている人とそうでない人のギャップがあり、まとまりが感じられませんでした。1人だけ男性の役を女性が演じていたのも、意図が分かりませんでした。
最初と最後の合唱で物語の寓話性を強調していましたが、物語の重さに比べてあっけらかんとした響きで、違和感を覚えました。
2時間を越える作品なので、長くなり過ぎないように配慮した結果なのかもしれませんが、台詞の間が短くて、もう少し溜めが欲しい場面が何度もありました。

衣装のクオリティーが高く、雰囲気を高めていました。中央に置かれたテーブルとそれをくるむ布の使い方が見事でした。
プリペアドピアノ(あるいは内部奏法)を用いた不穏な響きが印象的でした。

あばずれな母親と禁欲的な修道女の両方を演じた中川安奈さんの演じ分けが素晴らしかったです。

PLAN-02『クラッシュ・ワルツ』 PLAN-03『マイフェイバリット・バーーーーーージン』

PLAN-02『クラッシュ・ワルツ』 PLAN-03『マイフェイバリット・バーーーーーージン』

刈馬演劇設計社

ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)

2013/05/17 (金) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

刈馬演劇設計社「マイフェイバリット・バーーーーーージン」観ました
 新作「クラッシュ・ワルツ」から続けて、7年前の作品の再演を観ました。


 さすがに新作に較べれば、複数ある軸の主軸が分かりにくく、台詞も決めた感があって、若書きの印象。
 「見える能力」や、やって来る男の、展開上での必然性は弱かったか。物語的には必要だけど(終盤の「障害、無くなってた」という台詞にはちょっとシビれた)。

 「身障者向けデリヘル」という題材は、いま観ても秀逸(商売とボランティアの葛藤とか)。周辺のサブテーマも含め、「性愛と身体の関連」は、さらに掘り下げて見てみたい。刈馬さんならではのテーマかと。

 役者では、キョウタ役の宮谷達也さんの、自然体に見える飄々とした存在が映えた。主宰している劇団のスタイリッシュな舞台に「つくりもの」感をつよく感じるだけに、意外で印象的。これも、刈馬さんの舞台だからこそか…


 なお、宮谷さんの劇団・演劇組織KIMYOは、次回公演「スィーティドム」で初の、名古屋・東京2都市公演!名古屋は7月下旬に七ツ寺共同スタジオで、東京は8月上旬に王子小劇場!興味の出た方はぜひご覧ください。

PLAN-02『クラッシュ・ワルツ』 PLAN-03『マイフェイバリット・バーーーーーージン』

PLAN-02『クラッシュ・ワルツ』 PLAN-03『マイフェイバリット・バーーーーーージン』

刈馬演劇設計社

ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)

2013/05/17 (金) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

刈馬演劇設計社「クラッシュ・ワルツ」観ました
 刈馬カオスさんによる舞台は、昨年の劇王・塚田奏一郎名義「シュガーレスガール」、本公演ではテラ・インコグニタ「十人姉妹」以来です。


 デス電所やiakuを思わせる、緻密に計算して人物たち(二組の夫婦+女性)の世間体を脱がし、その人格や事情を少しずつむき出しにしていく展開に、観客の集中の度合いも高まる…。それぞれが有機的に他者の事情を暴いていく。欲望、依存、加虐、許し…。
 かなり陰惨な光景が出てきながら、そこからあのラストに持って行く、刈馬さんならではの叙情力…。

 それぞれが今までもこれからも抱える人生の時間を考えさせられる、濃密な役ばかり(特に、展開の軸となる、ある夫婦の子供を交通事故で死なせてしまった女性・チハル役の切り替えが大変)。
 全員が振り幅大きく醜さも美しさも持った、でも当たり前の人間。
 

 公演は、この新作と7年前の作品の再演が続けて観られる興味深い構成でした。そこにも時間の流れが…(笑)
 刈馬さんは、この「クラッシュ・ワルツ」で旅公演ができないかと検討しているそうです(とくに仙台、北九州に関心高い)。
 どこか興味を持って、声がかかるといいなあ。ぜひ多くの人に観てほしいです。

このページのQRコードです。

拡大