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黄金のコメディフェスティバル2013

黄金のコメディフェスティバル2013

黄金のコメディフェスティバル

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/15 (木) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

嬉しいチーム
テレビ放映が予定されているからかもしれないが、設定されている上演時間45分というのが面白い制約をもたらしている。ショートというには長すぎるけど、きっちり内容を詰め込むには短すぎる。演出・脚本の上手さが求めれている気がする。

ネタバレBOX

犬と串は、こういうこともあるのかという位合わなかった。観るの3回目で初めて。ナンセンスなのは覚悟の上。でも、脱ぐにしても、キスするにしても、食い物ネタするにしても納得感が全く感じられず。45分に詰め込もうとしすぎなのでは?

8割世界は、ハートフルコメディの王道といった感じ。犬と串のネタパクリ混ぜるなどで、通常の観客層と違うことを意識した調整も好感もてる。充分に楽しめたし、一瞬泣きそうになった。ただ、観客に優し過ぎるのか「笑い」が少し物足りない。
イキヌクキセキ~十年目の願い~

イキヌクキセキ~十年目の願い~

NoH-Ra

東京グローブ座(東京都)

2013/04/09 (火) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

「矢口真里 不倫騒動」は一ヶ月前に始まっていた



「不倫騒動」で連日、スポーツ紙や週刊誌の紙面を覆いつくし、ワイドショー番組のVTRに出演し続けた元モーニング娘。のリーダーは?

こう取材陣から問われたとすれば、有楽町駅前の広場にいる歩行者全員が 「矢口真里」の名前を語り出すだろう。

私が「不倫騒動」以前で彼女を目撃したのは、一ヶ月程ばかり遡らなければならない。

もちろん、「芸能リポーター」として彼女の様子を見ていたわけではなかった。

「東京グローブ座」の座席にいる一人の観客として、「矢口真里」の演技を、歌唱を見ていたのである。

『イキヌクキセキ』という3.11後の10年後を見据えた舞台。
津波により両親を亡くした少女は、あの揺れを経験して10年の歳月を経て、中学生を迎えた。

「里親」の家庭では自ら礼節を重んじるものの、“父親”“母親”と打ち解けることは できないままだった。

そんな“娘”を、未だ東日本大震災に沈む“両親”は不安そうな眼差しで見守っていた…。

「朗読」でしか築けない、そういった舞台は 存在する。

微妙なアクセントや、役者が入り込むコンテンツ性において、「朗読」には力がある。

実際、亡き旦那と指輪を無くした口論をぶり返すシーンは、非常な怒り の感情を抱えていた。

そして、終盤に掛け、矢口真里の涙がポツリ、ポツリとステージの床へ落ちていく。
“娘”への温かい感情も そうだが、
東日本大震災を被災し離れてしまった旦那への“愛情”と、その“無念”が純水を額に辿らせた原因に違いない。


私は感情移入によって流れた矢口真里の純水に対し、ある意味では視野の狭い、思いもよらぬアクションを取る一途な女性を感じ取った。

マイナス•イメージのみで こうした評価をしたのではない。
誇るべき一面だろう。

その約一ヶ月後、彼女は私が芸能リポーターの素養を備えていることを証明した。
「思いもよらぬアクション」をしでかした結果、生放送番組を事実上降板したのである。


劇中の主題歌が思い出されよう。



『恋におちて-fall in love』


女の不倫をテーマにえがいた、90年代初頭放送のTBSドラマ主題歌。


「ダイヤル回して、手を止めた」


彼女は手を止めることなく、頬を流れた純水を口に含み、思いもよらぬアクションに出た。


私は、ただただ「朗読劇」の力を知った。

















わたし、▽、festival

わたし、▽、festival

mimimal

新宿眼科画廊(東京都)

2013/08/10 (土) ~ 2013/08/20 (火)公演終了

満足度★★★★

無題794(13-223)
19:30の回(曇)。受付前に着いてしまい階段下で少し待つ...蒸し暑い。19:00受付、入り口側が客席、桟敷、マル椅子、パイプ椅子。舞台には水色模様の布(天ぷら銀河用)が吊らされています。mimimalは4作目になりますが、いつも不思議な感覚に陥ります。ストーリーよりも雰囲気を味わいに来ているようです。ケッタイな道具と動き、大きな器にみえてしまうセリフ(中に何を詰めるのかは観客任せ)、結構、じっとしている(固まっている)役者さん、今夜も健在。

天ぷら銀河は初めてで、こちらもなかなか好みでした。ゴダイゴ(1979..この映画は劇場でみました)とビートルズは世代的にかなりずれているように思うのですが、選曲の基準はどうだったのでしょう。「なぜ未来人」という問いにハッタリでも思い込みでもいいのできちんと意見が欲しかった。お客さんは懸命に考えながらみている(当たり/外れは関係なく)はずなので...

19:23開演前のトーク、5分押し、19:34開演~20:01(天ぷら銀河)~20:34(mimimal)~20:50(アフタートーク)。

すでに、私には好き嫌いを超えた時間になっているようです。

オーラスライン 沢山のご来場ありがとうございました

オーラスライン 沢山のご来場ありがとうございました

七里ガ浜オールスターズ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/08/13 (火) ~ 2013/08/19 (月)公演終了

満足度★★★

一番後ろ
面白い。

ネタバレBOX

とある有名歌劇団のオディション控え室。

浅野千鶴…オーディション前に帰ろうとするネガティブな女の子。結局運もなかった。
有川マコト…焼芋屋。色々かえたくてオーディンを受ける。
森田ガンツ…殺し屋(サラリーマン)。歌劇団の演出家暗殺のためオーディションを受けるが、浅野のため暗殺を諦める。
本井博之…無職。就職活動としてオーディションを受ける。下ネタ好き。
野口雄介…広告の営業。歌劇団にきられたため、ネタ的意義と反逆精神でオーディションを受ける。
一色洋平…前向きで熱い受験者。皆にダンスを教える。
瀧川英次…歌劇団のスタッフ。話が長い。

長い待機時間での人生論な会話劇。動機は色々あれ、縁あって同室となった若人とオッサンらの考えと悩みが浮かび上がっては沈んでいく。華やかな歌劇団を目指し、滞留しているような人生を歩む人々の思いを静かにユーモラスに表現する。

時間押しまくって森田の順番になるも、森田は浅野に譲る。それでも帰ろうとする浅野に対して、歌劇団スタッフを続ける瀧川が話をする。なんとか決意しオーディションを受けようとするが、出が寝ていて、オーデョションを受けられずじまい。皆部屋を後にする…。
決して人生上り調子でないオッサンらだけど、決して悲観してない爽やかさが魅力。華やかな舞台のステージ裏にも立てない男らの、めげない思考にちょっとだけ前向きになれるようだった。
PADMA vol.5 「戦国BARASHI」

PADMA vol.5 「戦国BARASHI」

Performance team PADMA

スクエア荏原・ひらつかホール(東京都)

2013/08/16 (金) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

さらなる進化を遂げた感じ
キャパ400近い劇場でのパフォーマンスはまさに「劇場版」(いや、今までも劇場での公演ではあったのだけれど)。
舞台のタッパを活かした「かつてない」高さからのジャンプや客席通路も使った演出など、あれこれスケールアップ。
ある舞台のバラシと建て込みに来た裏方達が調子に乗って「芝居ごっこ」をしてしまうという構成で、前半はパフォーマンス中心、後半は(パフォーマンスも含まれる)芝居中心としたことにより上演時間時間は115分(休憩10分を含む)と史上最長だったが、体感的には90分程度。
もちろん新ワザやゲストパフォーマーとの複合ワザなどもあり、さらなる進化を遂げた感じ?

ネタバレBOX

今までの人間vsMTBバイクのプロレスタッグマッチに加えて、MTBバイクを馬に見立てて時代劇の殺陣にも使うなんて、本当にバカ!(笑)

また、ゲストパフォーマーのフープマンもフラフープを回しながら縄跳びをするなんて、ムチャをするなぁ…(呆)
銀河鉄道の夜 〜青〜

銀河鉄道の夜 〜青〜

からふる

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2013/08/19 (月) ~ 2013/08/22 (木)公演終了

満足度★★★★★

来年また新版が観たい!
銀河鉄道内にほぼ特化した前年版と較べ、お馴染みのあのフレーズから始まる分、原作に忠実になった反面「普通になった」感無きにしも非ずではあるが、その略し方が巧く、また、ラストやケンタウロスの祭りシーンを筆頭とした照明、天の川をモチーフとした装置なども良くて感服。
来年、さらに改めた版とか観たいなぁ♪

クロスワールド

クロスワールド

夏色プリズム

北池袋 新生館シアター(東京都)

2013/08/14 (水) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

近い将来
起こり得るであろうテーマを2つのストーリーが交わる構成で観せてくれ、重い雰囲気でしたが面白かったです!

ネタバレBOX

下界での出来事は時間軸が遡っていくために、つながりの関係で同じシーンが多くでてくるのが少し気になりました。 あと、クローンの問題は現状ではなかなか答えの出せないところがあるので、おとしどころなど難しかったように感じました。
EZ

EZ

電動夏子安置システム

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/16 (金) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

文句なしの一作
いやぁーもの凄く面白かった。

メインの投票劇の設定の妙もあるけれど、
父親の事故の真相、工場のトラブル、掛け軸の謎、とどんどん風呂敷を広げ、
それらを1時間以内で見事に畳み、
笑いもしっかりと取ってくるその構成力が半端ない。

とても満足度の高い密度の濃い作品でした。

ネタバレBOX

遺書の内容の是非を問う投票ゲームEZ。
敵味方が目まぐるしく入れ替わる心理戦、手札をすり替えるという分かりやすいどんでん返しの後、
工場で発生したトラブルによって遺産と共に負債まで分配されてしまうという二段オチが◎
それでも明日はきっとくる

それでも明日はきっとくる

I.Q150

塩竈市遊ホール(宮城県)

2013/08/17 (土) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★★

母親って、やっぱり凄いなぁ。
 ・・・と思った。
 親不孝者の私には、
 母親を演じた丹野久美子さんのセリフ一つ一つが、
 胸に突き刺さって来た。


 http://ameblo.jp/tc-tama/entry-11595542838.html (Ameba日記)

ネタバレBOX

 それにしても、
 あきおさんの彼女さん、
 「少しだけど」ってクッキーを差し出す時、
 綺麗に倒れましたけど、
 あれは、段取り通り?
 それとも、ハプニング??
ジゼル

ジゼル

萌木の村

萌木の村特設野外劇場(山梨県)

2013/07/30 (火) ~ 2013/08/10 (土)公演終了

満足度★★★★

『ジゼル』の名手,アンナ・パヴロワ,オリガ・スペシフツェワ,アリシア・マルコワ
『ジゼル』の名手,アンナ・パヴロワ,オリガ・スペシフツェワ,アリシア・マルコワ

鈴木晶『バレリーナの肖像』の中では,『ジゼル』を得意とし,それが当たり役になったバレリーナは,三人いた。アンナ・パヴロワ(1881-1931),オリガ・スペシフツェワ(1895-1991),アリシア・マルコワ(1910-2004)である。彼女たちに共通の特徴は,小顔で,手足が細く長く美しい。

『ジゼル』のような物語性を重視し,演技力も必要とするバレエは,やがて,チャイコフスキーの作品に代表されるクラシック・バレエにその場所を譲る。さらに,ディアギレフとニジンスキーによるバレエ・リュスの革命で,完全に忘れさられるかに思えるが,実は,『ジゼル』は,しぶとく生き残り,世界中で愛され,子どもたちの学ぶ古典となっていく。

芸術の芸術たるゆえんは,絶え間ない創造,であろうから,実験主義・前衛主義は必然なのかもしれない。そのことを,チェーホフは,『かもめ』の中で描いている。新しく追求する姿は,どことなく滑稽でもあり,最初理解されないものにちがいない。とりわけ,バレエというものは,総合芸術をめざして,一番大きく変化した芸術であり,複雑である。

クラシック・バレエが,『ジゼル』などと格段にちがう世界になってしまったのは,チャイコフスキーなどの音楽が,高度で複雑,ハイレベルな域に到達してしまったことが,演技を相対的に幼稚なものに見せてしまったこと。さらに,ニジンスキーなどに象徴的に示されるように,男性のバレエが力強く魅力的だったことは,ロマンチック・バレエをぶち壊してしまったこと。そういったことが,あるかと思われる。

なにゆえにであろうか,『ジゼル』は,今度は簡単に消えなかった。おそらく『ジゼル』は,くりかえし上演され,クラシック・バレエや,バレエ・リュスの革命に刺激されて,洗練されたものに変化していったのだ。

パヴロワが,チュチュで踊った写真には,「Anna Pavlova in Giselle wearing a Romantic Tutu.」と書かれていた。バレリーナが,『ジゼル』を演じた時の写真には,魅力的なものが多いと思う。

ディアギレフとは,何者であろうか。彼は,チェーホフの『桜の園』さながらの世界に生きた没落貴族集団の一員である。また,オスカー・ワイルドと同様に,同性愛者としても有名である。芸術は,その過程はともかく出来が良ければいいので,彼らが,文学者として,バレエ革命家として優れていることは,十分認識しないといけない。

ディアギレフの伝記を読むと,最初から,バレエに重大な関心を持っていた人ではない。過去の絵画を蒐集することが,その目録を作ることが,一番の仕事であった時期がある。その後,絵画的な感覚,ピアノを弾き作曲できるなどマルチな能力がバレエ革命家として,開花する。

パヴロワは,ディアギレフの近くにいたバレリーナではあるが,実験主義・前衛主義を嫌っている。むしろ,過去の『ジゼル』などの素朴な物語に,比較的シンプルな音楽,そして,技術的には,正統的で,超高度・ウルトラの技巧に走らない,そういう世界が好きだった。そこでこそ,自分たち女性,バレリーナの美しさが輝くのだ。

オリガ・スペシフツェワ(1895-1991)は,タマラ・カルサヴィーナと,パヴロワと並んで,20世紀初頭の三大バレリーナといわれる。オリガの美貌に,実の母親も嫉妬した。孤児院に預けられ,後に,マリインスキー劇場の舞踏学校に入る。1919年,オリガは,『ジゼル』を踊る。『ジゼル』は,そもそも,心理葛藤のドラマでもあるので,神経質なオリガにはうってつけの作品だったようだ。『サロメの悲劇』もおそらく適役だったに違いない。95歳まで生きたが,精神病院に長く収容されていた。

アリシア・マルコワ(1910-2004)は,マコーヴァと言う愛称を持つ。ロンドンに生まれ,巷のバレエ教室で頭角を現していく。児童福祉法などの拘束があって,10歳になってやっと舞台に立つ。親子でパブロワを崇拝していたが,やがて,ディアギレフに見出される。ディアギレフは,同性愛者なので,女性に興味はなく,さらに,子ども嫌いだったらしい。しかし,マルコワの才能は認めていた。

1924年,マルコワは,14歳でバレエ・リュスの最年少ダンサーとなった。1929年,ディアギレフは,18歳になったマルコワのバレリーナ昇格を決める。マルコワに,『ジゼル』を踊らせようとする。その夏,ディアギレフは死んでしまった。

マルコワは,驚異的な記憶力の持ち主で,一度で振付を覚えてしまうことができたと言う。マルコワは,手足が,並はずれて長く,顔も小さかった。一番の当たり役になったのは,やはり『ジゼル』であった。現在,ビデオ『ジゼルの肖像』に少し面影が残っている。94歳で亡くなる。

参考文献:バレリーナの肖像(鈴木晶),ディアギレフ:芸術に捧げた生涯(みすず書房)

青い月の夜

青い月の夜

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/08/13 (火) ~ 2013/08/19 (月)公演終了

満足度★★★★

大人な切ない舞台
開演前のジャニスの歌で、もう引き込まれてしまった感じ。主演お二人の演技が際立っていました。目を見ただけで、感情が分かるってすごい。河合さんは舞台が似合いますね。他の出演者の皆さんもそれぞれ個性的で、途中笑いを挟むシーンでもやり過ぎ感がなく、非常に良かったです。ピュアな子供時代を演じたお二人も素敵でした。ただラストの狂気的な部分、友人は一部納得いかないようでした。私も、少し世界観が壊れてしまった気がしてます。この部分以外、(決して派手ではないですが)とても心に染みいる作品でした。

『狸のムコ入り』【黄金のコメディフェスティバル2013準グランプリ受賞作品!!!】

『狸のムコ入り』【黄金のコメディフェスティバル2013準グランプリ受賞作品!!!】

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/16 (金) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
めちゃ面白かった。

喜劇なんだけど、しっとりする場面もあり。

一番気に入ったネタをネタバレに。

ネタバレBOX

3人の自己紹介のシーンは大笑いした。というか、腹がよじれるかと思った。
ここまでツボにはいった笑いは10年に一度クラスだった。


Smoker's mail

Smoker's mail

演劇集団若人

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2013/08/17 (土) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

謎解き
ノブナオが死んだ真相が、紆余曲折(?)しながら、解かれていくストーリーが面白かったです。いつの間にか、自分も一緒に考えていました!面白かったので、役者さんの演技は、もう少し頑張ってほしいかな・・と思いました。

ネタバレBOX

良いシーンでセリフを噛んでしまう場面があったのと、ラストのミュージシャンを目指している女性のギターと歌は、本来なら感動するシーンの筈だと思うのですが、それを壊してしまっているように感じました。
黄金のコメディフェスティバル2013

黄金のコメディフェスティバル2013

黄金のコメディフェスティバル

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/15 (木) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しいチームは異色の組合せ
タイプのまったく違う2団体で2倍楽しめた。

江古田のガールズは一番の若手団体なのに客演陣はベテラン揃い。だから芝居がしっかりしている。前半はよく練られたシチュエーションコメディで笑いが絶えない。そして極め付けは三軒茶屋ミワ。その存在感は圧倒的。彼女が出てくるだけでなんでもOKとなる。

電動夏子安置システムは対象的に理知的。脚本としての完成度が凄い。それを劇団員を中心とした常連役者が独特の味わいで演じて見せる。笑うというより、引き込まれてその手際に感心してしまう。その中で渡辺美弥子の存在が大きい。彼女のすべてが面白い。

青い月の夜

青い月の夜

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/08/13 (火) ~ 2013/08/19 (月)公演終了

満足度★★★★

切なさ哀しさ
 割り切れない後味を残す作品だが、尊厳死を扱った作品と捉えれば、医学的、倫理的に最も、現代的で大きな問題を扱った作品と言えよう。而も、舞台には、“夢の島”の外れの「番外地」と思しき場所がセットされているのだ。

ネタバレBOX

 舞台上には、奥下手にバーカウンターが、スナックによくある硝子天井のテーブルとスツールセットがその客席側に置いてあり、異様にも、上手に夢の島番外地、塵捨て場がある。スナックの名前は“ほたる”ママは41歳のあいり、失踪した姉の名を店名にしている。某組長の二女である。長女は事故で植物人間になりながら、入院先で11年も生きた。その日迄。
 その日、約30年前のその日、姉、ほたるは、病院のベッドから消えた。体中につけられていたチューブを外し、失踪していたのだ。植物人間だったにも関わらず。家族全員が疑われ、あれこれと身の回りを詮索された結果、捜索した鑑識、刑事達総てに嫌悪感を持つに至った、あいりは捜査以来、異様なまでにデカに敏感である。
 デカの持つ体臭と足音を彼女は敏感に感じ取り、最近、店に足しげく通うようになった男、藤田をそれと見破る。藤田は、店名に惹かれて店に来るようになったのであった。彼が唯一恋した女の名だったからだ。彼は、14歳、彼女は12歳、父を亡くし、引っ越さなければならなくなった30年前のその日、「必ず迎えに来る」と約束してほたると別れた彼が、彼女に再び巡り合ったのは、11年後、大学を卒業後、勤務した交通課で最初の事故の被害者を見舞った時、偶々、植物人間になったほたるを病院で見付けたのだ。看護師が4人もつき、たくさんのチューブに繋がれて延命治療を受けさせられている恋人を見た時、彼は決意する。看護師が目を離した隙を見て、彼女を殺害、遺体を夢の島の塵捨て場近くに埋めたのである。以来、藤田は、この事実を30年負い続けて来た。そして、このフェンスで囲われた場所を管理する元ヤクザの萩に管理料を払ってほたるの供養をし続けてきたのだ。鳥籠に入った人形に語り掛けるという遣り方で。だが、最近、若年性アルツハイマーと診断され、彼女を埋めた場所へ通い続けることも忘れてしまうのではないか、との不安に苛まれる。
 こんな藤田を慕う、後輩刑事、足立は、藤田の病を知っているが、何とか、彼の役に立とうと粉チーズを彼にプレゼントする。これを撒いておけば、ルートを忘れずに済むようにとの配慮である。忘れたくても忘れられない古く苦い記憶の中に、新たな記憶が入り込んではすぐさま忘れ去られ、想像力が、自分に都合の良いような物語を編み上げてゆく。その恐怖に耐えながら、藤田は、青い月の晩、ほたるの墓前に立つ。雨が、あの日と同じように激しく降り、青が滲む。持っていたピストルで頭を撃つ音が聞こえる。
 塩野谷 正幸演じる、藤田と河合 美智子演じるあいりの目が良い。萩役の田中 章の渋い演技も光った。
ベッキーの憂鬱

ベッキーの憂鬱

ぬいぐるみハンター

駅前劇場(東京都)

2013/08/07 (水) ~ 2013/08/14 (水)公演終了

満足度★★★

元気をもらいました!!
パワーと、スピード。一体感。稽古の大変さが、びんびん伝わってきました。これだけの出演者がはたして必要だったのかはわからないけれど、さまざまなキャラクターがいたところが理屈抜きで楽しかった。演出の緩急が素晴らしくて、飽きずに最後まで観ることができました。アドリブも、内輪受けの一歩手前くらいの絶妙な感じで、全くいやらしくない。かえって、場にアクセントができ、雰囲気が良くなっていったところは、さすがだなぁと思いました。

ネタバレBOX

キャラが映える素材がある一方で、無理矢理キャラ立てしてあげても何も伝えられない素材があったり。お芝居のレベルの差が歴然だったのが少し残念なような、可哀想な感じ。演じるって・・頑張って稽古しても、それだけではうまくならないから難しい・・・
チュパカプ等2~Vampire and Unlucky man.~

チュパカプ等2~Vampire and Unlucky man.~

劇団ICHIGEKI☆必殺

シアターブラッツ(東京都)

2013/08/15 (木) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

殺し合い
キャラクター同士の絡み具合が中途半端な感じでした。 

それぞれの持つ背景とストーリーが深みを増す前にみんな死んでしまって、死に際だけドラマチックにされても伝わるものが弱いかな。

ウルフラット ライブ・ショートアクト

ウルフラット ライブ・ショートアクト

ウルフラット ENTERTAINMENT WORKS

APOCシアター(東京都)

2013/08/16 (金) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★

「近藤裁判」
冒頭で役者が箱を抱えて出てきた瞬間に、おっとこれはきちんとした芝居が観られそうだぞ、と姿勢を正す現金な客はわたしでした。

ネタバレBOX

青臭さの使い方がとてもよかった。近藤(北条政光さん)が痛々しくしている脇を、無邪気な少年のようでいて信念に真摯な裁判官(少年アイスさん)と、真面目だけれどセクシーに外してくる書記官(松井真城さん)が固める、このバランス。これが役者の力なのかな。
こういう青臭いお話でも、脇がうまいとすっごい響いてきて。ちょっと涙ぐんでしまった。

満足度は「近藤裁判」だけなら★3つですが、「胡蝶之夢」と「世界の終わりで待ち合わせ」は全く興味を持てなかったので、総合だと、甘くつけても★2つです。
クロスワールド

クロスワールド

夏色プリズム

北池袋 新生館シアター(東京都)

2013/08/14 (水) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

やりたかった気持ちは判ります!!
でもちょっと全体的に観客をおいてきぼりにしていると思いました。

ネタバレBOX

会場に入るなり舞台装置素敵!と思ったのですが、3列目に座ったら下段(下界)で演技している役者さんの表情が半分見えない!!
演技力あるのに残念すぎるorzと思い見えない時はいっそ目をつぶって耳だけで演技を楽しみました。勿体ない…
でもあの装置にしたかった理由は痛いほどわかるので、難しいですね、バランスって。
会場との相性なのかしら。会場が違えば装置も活きて、発砲の音も必要以上に響くことはなかったのかなぁと。

クロスワールドの仕掛けはとても面白いものでした。
でも…ビデオのチェックした瞬間に客は「なるほどね」と最大級気持ちよくなっても、その後の繰り返しは飽きに繋がってしまうのであっさり目にした方が良かったかもしれません。
仕掛けに納得したところで感情を揺さぶるクライマックスを!となれば良いのですが行間を想像するのに必死で役者(ストーリー)を信頼&安心して感情を委ねる事が出来なかったのが残念でした。

でも個人的にはクローンが未知の未来の分岐になったオチは好きです。
クローン、正直新しいキーワードとは言えません。でもそれはその言葉に慣れてしまっただけで、わかった気になっているだけですよね。
だから、扉を開けたら真っ白な光が広がっている感じ(常識で固くなった後頭部をガツンと殴られる感じ)を得られたのはSFならではの読後感なのかなぁと、味あわせてもらえてありがたいなぁと思いました。
でも未来には君がいる

でも未来には君がいる

RayNet

青山円形劇場(東京都)

2013/08/14 (水) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★★

二瓶さんの歌も久しぶりに聴けて満足
円形の劇場であることを生かした光の使い方に感動!
歌ありダンスありでほくほくと盛り上がりながらも、お話は最後まですっきりまとまっていて、ほんとうに心地よい観劇後でした。

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