
舞台版『心霊探偵八雲 いつわりの樹』
シン×クロ/ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2013/08/21 (水) ~ 2013/08/28 (水)公演終了

SEA HORSE ADVENTURE(シーホースアドベンチャー)
マグズサムズ
南大塚ホール(東京都)
2013/09/20 (金) ~ 2013/09/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
原点
マグズサムスらしさが見えつつも、別の劇団の作品を見ているような感覚でした。多少時代を感じる設定はあるにせよ(今ならスマホでゲームってなるかな?)、根本的なマグズサムスのテンポの良さ、面白さはここから始まったのかと思いながら観賞しました。面白かったです。(感想遅れましてスイマセン)

蝦夷地別件
ピープルシアター
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/10/10 (木) ~ 2013/10/16 (水)公演終了
満足度★★★★★
手に汗握る切れと迫力
単行本で上下二段組み、1150ページ余の大作である、船戸 与一の傑作「蝦夷地別件」を約2時間半の上演に纏めた演出の手際、力量は、流石に作家本人から全作品舞台化可能のお墨付きを得ているだけの内容である。シーン、シーンを細分化して、切れを良くし、スピード感、迫力、関係性、各シーン同士の鬩ぎ合いによるエッジの立ち方迄、その本質を見つつ調整されている。無論、評価すべきは演出のみに非ず。原作の良さ、役者陣のレベルの高さ、無駄を削ぎ、空間を活かした舞台美術、音響、鋭角的な照明など、総てがマッチした結果の迫力である。(追記2013.10.16)

青いユートピア
ビニヰルテアタア
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/10/09 (水) ~ 2013/10/12 (土)公演終了
満足度★★★
fragments
ファンタジーやファンタージェン、旧約聖書的な世界観に、男と女を一旦解体した上でfragments集成として再提示するという手法は、無論、詩のテクニックの一つとして想像力を図式的に掻き立てることのできる方法である。

おはようございミンミンミン!
おぼんろ
いちカフェ(東京都)
2013/10/04 (金) ~ 2013/10/11 (金)公演終了
満足度★★★★
大人の童心も擽る
子供向けに作ったという姿勢が、警戒感を解き、拓馬の持っている素の形が素直に現れて効を奏した。実際、会場内には、1歳2カ月の子が居て、時々挙げる声や、様々な反応は上々のものであったし、空間的な狭さが、濃密な時空間への遷移を容易にしたのも事実だろう。警戒感を解いたことから、物語の本質的展開に沿って作品を書くという行為が満遍なく可能になっていたことも見逃せない。結果、その展開は、観客の予想を上手に裏切りながら、話を膨らませ、物語の本質をキチンと顕在化させていた。

MIWA
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2013/10/04 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
虐げられし者の昭和史
いまなぜ美輪明宏なのか。判らず懐疑的な気持ちで観劇。しかし結果久々に野田秀樹の天才を実感させられる芝居であった。もちろんこれまでも野田さんは天才だったのだが、本作は夢の遊眠社時代のきらめくような天才を思い出させるような見事な天才っぷりだった。

伯爵のおるすばん
Mrs.fictions
サンモールスタジオ(東京都)
2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★
巧みな言葉といい役者さん
セリフの表現が面白い。
それ以上に、役者さんの雰囲気がとてもよかった。
(一番アクセントになっていたのは、メイドさんかなあ)
いつくかの時期に分かれたお話だが、どれもWitに飛んでいる。
かなり笑った。とっても笑った。
全体を通して、強い何かを感じたわけではないのだが、観終わった瞬間なんかちょっと放心する感じだった。

青いユートピア
ビニヰルテアタア
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/10/09 (水) ~ 2013/10/12 (土)公演終了

ア・ラ・カルト 〜役者と音楽家のいるレストラン〜
こどもの城劇場事業本部
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
1996/02/14 (水) ~ 1996/02/14 (水)公演終了
満足度★★★★
三鷹市芸術文化センターで観ました
※実際の鑑賞日は1996年です。こりっちさんでは2008年以前の鑑賞日は設定できなくなっているので現在設定できる一番古い年代にしました。

中村恩恵×首藤康之 Bプログラム「Shakespeare THE SONNETS」
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2013/10/09 (水) ~ 2013/10/10 (木)公演終了
満足度★★★★
闇と静寂
シェイクスピアのソネットを下敷きにして作られた作品で、シェイクスピアが生きていた時代の夜をイメージさせる闇と静寂の中に上品な色気が感じられる、密度の高い70分間でした。
暗闇の中で帯状に照らされた部分を首藤康之さんが舞台奥から手前にゆっくり歩いて来て、観客に話し掛ける様な動き(少しだけ台詞もありました)が次第にダンス的な表現になり、舞台奥に設置された鏡台の手前に座る中村恩恵さんと踊るところから展開していくシークエンスが3回繰り返される構成でした。
1回目はクラシックバレエ的なムーブメントを多用した優雅な雰囲気、2回目は服を着せたトルソーとデュオを踊ったり、道化的な動きがあったりとユーモラスな雰囲気、3回目は同じ髪型・服装をして鏡像の様なユニゾンを踊る不思議な雰囲気、とそれぞれのパートで異なるテイストが感じられました。
どのソネットに基づいているのか具体的には提示されないので、テクストとダンスの関係性については良く分かりませんでしたが、精密に身体をコントロールして空気の量感を感じさせるダンスが素晴らしかったです。派手さはないものの、無駄の無い、研ぎ澄まされた動きやポーズが美しかったです。
広い床を局所的にしか照らさない照明が闇の空間の存在感を強調し、基本的に絶えず鳴っている音楽も逆に静けさを際立たせていて、印象的でした。
一番最後は音も光も完全になくなる終わり方だったのですが、無の状態を味わうには早過ぎるタイミングで2人が捌ける物音が聞こえたのが残念でした。せめてあと3秒待って欲しかったです。

ロインロイン・ラブ
おぼんろ
ワンズスタジオ(東京都)
2013/10/09 (水) ~ 2013/10/11 (金)公演終了
満足度★★
好みがハッキリと分かれますねー
いろいろと工夫はされていましたが、
サーキュレーターとかアロマオイルとか線香とか。
暗闇な分、工夫を追加して欲しかったかなぁーとか無茶振りしたりして・・・。
正直にいうと少々眠くなりました
季節的には夏ごろに怪談風なファンタジー(そんな怖くなくて不思議系とかダークファンタジー(おぼんろの真骨頂でしょう(^^)の方が合うのかなぁ)をした方がよかったのでは?と思いました

アポリア
劇団新和座
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2013/09/28 (土) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★
ちょっと無理っぽい
役者さんの力演がありましたが空回りしていました。それは、演出・脚本の流れが不自然なためで、ちょっと無理っぽい感じがあり、観ていて「?」がつきました。

2番目の女たち。
崖っぷちウォリアーズ
劇場HOPE(東京都)
2013/10/08 (火) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★
説明から殺陣みたいの想像してました
が、内容は心理的な感じでしたー。
結構状況を上手に説明していましたが、
感情移入まで出来るほどではなかったかなぁ。
女子会の服装などが華やかで眼福でした
細かいとこまで考えてたなぁと感心したが、
ちょっと見せ方にもう一声って感じを受けました。

音楽劇「それからのブンとフン」
こまつ座
天王洲 銀河劇場(東京都)
2013/10/03 (木) ~ 2013/10/15 (火)公演終了
満足度★★★
劇場の違和感
銀河劇場ではなく紀伊國屋ホール辺りで見たかったかな。
小説「ブンとフン」にその後に「それから」を加え舞台化してから早38年。
子供の頃、読んだ文章から湧き上がる面白さは、現在では多少のダサさはあるが俳優陣の巧みさで安心して見ていられる。
痛快な読後の小説から5年後の舞台、ほぼ小説の内容に沿った前半から70年代の世相を反映した終盤は、常識ソングの歌詞から聞かれる非常識や権威者のエゴなど、大友憤=井上ひさし、が透かして見えるような展開だった。井上さんの舞台はメッセージ色が強くなると、途端に重く苦しく暗くなる。
個人的に若き日の井上ひさし作品は概ね好きなのだが、主張する事の良し悪しは置いといて、この作品については、この幕引きは合っていると思った。

無休電車【本日大千秋楽☆10/21(月)14時開演、当日券若干枚ございます!!!】
劇団鹿殺し
青山円形劇場(東京都)
2013/09/27 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★
魅せる浪花節
過去作「電車は血で走る」をベースに、これまで上演した作品群の総集編みたいな内容で、話の展開がいささかマンネリ化している気がした。
客席もAブロックとその両隣のブロック周辺は見やすいと思うが他のブロックからだと非常に見えづらい、マーチングバンドのフォーメーションのような見せ方は面白かったが、その他はあまり円形舞台を生かしきれてない気がした。
思い描いた夢とは別の生き様を力強く歌って語る浪花節な姿に、一瞬、涙腺が緩みそうにはなる。一年後の再会を見据えたような電車の佇まいが印象的。
多分、阪急電鉄カラーと思うが、その色合いの衣装を着たブラスバンドの演奏もいい。休憩なし、約120分。
充電後の活躍を楽しみにしている。

エゴ・サーチ
虚構の劇団
あうるすぽっと(東京都)
2013/10/05 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了
別々のシーンが「竜巻」に合流する!
鴻上尚史氏は劇場を訪れた観客を大切に扱う演出家だ。
公演終了後、必ずロビーに顔を出し、小走りの観客へ微笑みを贈呈する。また、配布物の用紙を広げれば、キャンパスノートを切り取った「手書き」(コピー)の挨拶文が載っている。
私は鴻上作品を観劇する たび、その中身を 読み解く。
今公演の『虚構の劇団』とは違うが、紀伊国屋サザンシアター『リンダ リンダ』(2013.3)の公演で配布されたキャンパスノートを 発見したので、少し紹介したい。
「(略)インターネットが人間の感性を変えたと しみじみします。
それぞれの人生の今を、こんなに
簡単に知ってしまうことは、直感でしかないのですが、僕の人生そのものに決してよくはないだろうと思います」
「誰かの人生を知るには、インターネットのない時代は、自分の今と引き換えが条件でした。
(中略)
けれどインターネットは、こっちの人生を まったく提出しないまま、相手の現在を知ることができるのです」
なんと、今作『エゴ•リサーチ』(再演)のテーマを、別の劇団による別の公演の挨拶文で語っていた事実が存在するのだ。
ネット•メディアは「SNS」(ソーシャル•ネットワーキング•サービス)を中心に私たちを覆う膜へ拡大した。
「インターネット」は蜘蛛の巣のごとく、世界中をITの糸でつながる様子から名付けられたことは 多くの方が ご存知だろう。
ただ、今は むしろ私たちの頭上すら覆う「巨大な膜」の感が否めない。
糸を放出する本体の蜘蛛は、「決して絡まない」生物学的本能を有するのだ。新聞社や出版社は獲物にあたる情報を知っても、蜘蛛に捧げるような真似は しない。
では、サーバーを管轄するアメリカのネット企業は どうなのかといえば、消極的に大多数のユーザーを裏切り、そして「協力」してきた事実を私たちは覚えておく必要がある。
一方、日本の新聞社•テレビ局がいい加減になった理由は、「ネット•メディア」の相対化だろう。
テレビ局の報道力は90年代頃が最もであり、それまでメディアの権威だった新聞社がバブル崩壊後の広告収入低迷のため衰退した「相対化」といえる。
佐藤栄作首相が退任記者会見で「新聞記者の諸君は出て行っていれ」と促した1972年7月6日を「逆転の日」と捉える向きは多いが、90年代のテレビ報道の「スクープ合戦」は新聞の後追い報道現象まで生んだ。
雑誌ジャーナリズムに関して言及すると、田中角栄首相と宇野宗佑首相は月刊誌、週刊誌の報道が元で失脚したリーダーである。1989年(『サンデー毎日』のスキャンダル報道により参院選大敗、辞任)が、「紙の媒体」の見せた最後の権威だったのかもしれない。
2000年代以降のテレビ報道で特徴的なのは、新聞社の権威に対抗し、「下品」ばりのドブ板取材で鍛えてきた報道力の衰えである。
2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故は そのシンボリックなケースだった。
詳細は あえて示さないが、先日、早稲田大学や東中野の映画館で開催された「ふくしま映像祭」を鑑賞した私は、テレビ報道側の言い分を聴いた。
ローカル放送局•福島中央テレビが
2011年の年末に放映した検証番組は、視聴者からの声として次のような 意見を読み上げる。
「なぜ、海外のメディアでは爆発のシーンに“音”が あるのに、日本のテレビでは聞こえないのか」
つまり、日本のテレビ•メディアによる隠蔽がネット上で話題になっているという。
福島中央テレビは、「そもそも音声は記録できないカメラだった。
一部の海外のメディアがセンセーショナルな表現のため、意図的に入れた音声。
それがネット上に出回ったらしい」と反論した。
もちろん、放射能被害を煽るネット•メディアの脆弱さ、無責任体質への批判に他ならない。
私は、「大きな爆発音があった」という周辺住民の証言は本当だろうし、テレビ局側の反論も事実だろうと思う。ニュース映像を改変したこと自体、ジャーナリズム精神に反するわけだから、この件については海外のメディアに非がある。
しかし、それは原発事故報道をめぐる問題の本質ではない。
今まではテレビ報道こそがメディア一家の「カツオ」で、新聞報道は「ワカメちゃん」だったのだ。
そうした構造にネット•メディアという「二代目カツオ」が新しく現れたことが、テレビの報道力を削ぎ落とした最大の理由ではないか。
こうした「相対化」は現場、編成陣の意識の問題であり、「対ネット融合」が進まない一つの証拠だ。
鴻上作品は、複雑なシチュエーションが後半にかけて一体化する竜巻のような勢いが魅力だ。
恋愛を描けば青春色だし、若者を描けばコメディ色である。
やっぱり、鴻上作品は若者が出演して こそ出せる色合いだろう。
インターネット論、メディア論など考えさせる題材を、かなり客観的に扱っている。
それは、「もしも」の現代社会を的確にえぐる演出である。

迷中の学舎
集団as if~
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/10/09 (水) ~ 2013/10/13 (日)公演終了
満足度★★★
(>_<)
ネガティブコメディ、すごかったです。
前半面白くて、後半、ネガティブ全開です。
心が潰れます、どんよりしたまま家に帰りました。
狙い通りなんでしょうが、心が健康な時に観に行った方が良いでしょう。

旅のしおり2013
ブルドッキングヘッドロック
ザ・ポケット(東京都)
2013/10/09 (水) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

OVER SMILE
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
見応え十分
ボクラ団義さんの舞台は直近の2作品しか見たことが無いため、
ファンタジー色の強い本作はかなり新鮮に感じました。
舞台美術、衣装、キャラクターといった世界観の作り込みが素晴らしく
物語へ強く引き込まれました。
ほんと、どの登場人物も演者さんとばっちり合っていたと思います。

青いユートピア
ビニヰルテアタア
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/10/09 (水) ~ 2013/10/12 (土)公演終了
満足度★★★★
予感
実験的で、偶然性を舞台に取り込もうとしている点がとても面白かった。
シュールレアリスムなどの影響を受けているのだろうか?
幻想譚であり、イメージだけで繋いでいると思いきや、
きちんとしたテーマや構成があるのもよかった。
ただ、何かが物足りなかった。
でも、その何かが足りたら、めちゃくちゃ面白くなるんじゃないかという感じもする。
満足度自体は★3ですが、何か次に期待させるものがあるので★4にします。