最新の観てきた!クチコミ一覧

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治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

素晴らしい作品
これは観ておくべき作品だと思います。
JACROWメンバーになった谷仲恵輔もいるし、私も過去に出させていただいていて、身内を褒めるようで恐縮だけど、その谷仲も含め全員がその役にしか見えなくて全部の役が好きになってしまうなんて経験なかなかなかったからです。
奥様、もう日曜で終わりですってよ!

ネタバレBOX

身内ならではのお話ですが、
開場前に事務的な用事があって劇場に入らせていただき、
そのとき役者と雑談したりして、
で、その後舞台観させてもらって、
さっきまで話してた人とは思えない!!!別人!!!という衝撃。
みんな何度も観たことある人なのに、そんな風に感じることができて本当に衝撃でした。
いやほんとなかなかないですって。。。

ネタバレ、とはちょっと違うお話ですが…それだけ素晴らしいものになっているということをお伝えしたくて。

紀保さんは、んもー素敵すぎる。いつまでも観ていたかった。いつまでも聞いていたい声。芝居と語り部の切り替えの早さもジャストな演出だと思いました。
ひたすらうっとり。
最後はおかあさーん!!って思っちゃう。
国母、と台詞で言われたときにその漢字が意味と一緒に心にちゃん浮かんでくるってすごいなと思いました。あれはほんとに、そんじょそこらじゃできない!
『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★

「うれしい悲鳴」のみ観劇
「うれしい悲鳴」のみ観ることができました。(太陽とサヨナラ観れなくて残念)

ひょっとこ乱舞で観てるからか、物語はスッと入ってくる感じで、また入ってくる感もあるとは思うが、初演より面白かっ た。ただ、やはりちょっと長いと感じるので、再演だからこそ短くする工夫をして欲しかったかな。

 『ブスの魔法使いと決め神様』『しまぁ~ん共和国LIVE』

『ブスの魔法使いと決め神様』『しまぁ~ん共和国LIVE』

しまぁ~ん共和国

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/30 (水)公演終了

満足度★★★

少し描き足りないか
ラストあれはあれでもよかったが、結局魔法使いと決め神様、それぞれの存在が何だったのとも感じる部分もありなので、そのぞれのバックボーンをもう少し描いてもよかったかも。後、魔法使いと決め神様が今まで在知らないのはなんかちょっと納得いかなかったかな。一方が新興勢力ならわからんでもないが。
とは言え、なかなかには面白かったです。ただ、有料パンフレット買わせたい部分もあるとは思うが、配役表が無いのはマイナスではあるが。

治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待を超えて
毎回、この劇団さんには素晴らしいお芝居を観せていただき、今回も期待に違わぬ良い作品でした。
大正時代という短く、あまり馴染みの無い時代がいかに形作られ、また時の天皇が歴史の闇に葬り去られていく様がよくわかります。フィクションであるとはいえ説得力があり、リアリティを感じさせます。とてもシンプルな舞台装置ですが、役者さんの演技力によって、そこが激動の明治~大正~昭和へと時間が変化するのは圧巻でした。
客層が年齢層高めだったのですが、できれば若い人にこそ観て欲しい作品です。

ネタバレBOX

昨今の土下座ブームはいささか食傷気味でしたが、原敬の土下座は心打たれるものがありました。病に蝕まれながらも懸命に天皇たらんとする嘉仁の姿に、泣けてきました。

作品の内容とは関係ないですが、E-15という席は一人すっぽり収まる場所にあり、私としては快適でした。花道の直ぐ脇でもあり、良い席をいただいて感謝です。
仮名手本忠臣蔵

仮名手本忠臣蔵

遊戯空間

浅草木馬亭(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/21 (土)公演終了

満足度★★★★★

役者のリーディング堪能!
流石と言わざるを得ない。魂のこもった役者の台詞回しは、自然と表情や仕草に演技を感じさせる。十一段通しての作品はやはりひと味違う。
六段目、十段から十一団の流れはとても印象的。
効果音の太鼓の音は心打たれます。

治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

語りあえる作品!
人としてそして天皇として…。生き抜くこと。愛?。考える。仲間と観ればそれぞれの視点があり白熱した談義となる。「嫌い!」という意見出てきても当然。それだけ語り合える作品はあまりない気がする。そして何よりこの作品はフィクションであるということ。私はその自由さが好き。

ネタバレBOX

今からでもいいので8月31日祝日にして欲しい。西尾さんの演技に涙しちゃったことは内緒。あと、明治天皇の姿がエイブラハム・リンカーンに見えたのは私だけなのか!!?
永遠の存在者【ご声援ありがとうございました!】

永遠の存在者【ご声援ありがとうございました!】

劇団ゴールデンタイム!

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/21 (土)公演終了

満足度★★★★

100年後
 100年後、とある家族に起こった不思議な告別式。永久保存が可能になったと原理的には考えられる体組織と最先端技術を組み合わせて、新たな亜世界をヒトは構築した。(追記2014.1.3)注:終わり方は自分の拝見した他に2通りあるそうだから、都合3通りの終わり方があるということになる。

ネタバレBOX

 すずと健が話している。所は、戯想博物館。すずは健の娘だが、父の事を何でも知りたいと話をせがんでいるのだ。母とのなれそめや学生時代のことなどを。実は、ここで告別式が行われているのである。死後18時間以内の脳を取り出して、電子機器と繋ぎ、電荷を掛けて脳の見た夢や記憶を再生したり新たな記憶を書き込んだりできる装置の試作機が、この博物館にはあるからだ。技術的には、以上述べたようなことが理論的に可能なのだが、倫理的には様々な問題があるとして研究は封印され試作機だけが、この博物館に引き取られていたのである。最近、この博物館には幽霊が出るという話もあった。幽霊の件については、健の勤める会社の社長が、周りには隠していたものの病に掛かり自分の寿命を覚悟していたのだろう。亡くなる前に、この機械を使って亡くなった御主人に会いたい、と御主人の保存された脳を持ち込み機械を操作してバーチャル逢瀬を実行していた為であった。今、それを館長がやっている。誰の為に? 健の為だ。健と彼の大切な人々の為だ。健は昨日、不慮の事故にあって亡くなっていた。そのままでは、親しい誰にも会えずに彼は亡くなる他なかった。そこで、館長は健の勤めていた会社の社長がやったのと同じ方法を用いて、健の脳に機器を繋ぎ、彼の家族や大切な人々に最後の別れを告げさせたのであった。悲しい話ではあるが、人々の思い遣りや、何気ない日常の大切さがしんみり埋め込まれて心に残る作品になっている。
アルバローザの花嫁

アルバローザの花嫁

ミュージカルグループMono-Musica

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

満足度★★★★

ジタン
 シナリオ、歌、踊り、振付、曲、編曲など何れも高いレベルで、キャスティング、演出、演技も良いのだが、ジプシーの踊りに関してだけは、やはり、これだけ、高いレベルのグループでも踊り切れないのか、と改めて感じる。命を燃やす、野性的で危険な印象が無いのが、最大の理由で、品が良すぎるのである。この点は、被差別民であるロマ族の真似はできない、と言われても致し方ないか。(追記2014.1.2)

 楽日に体調を崩した方が居られた由。お大事に。

ネタバレBOX

 ミュージカルの基本的なレベル、キャスティング、演技、歌、踊り、曲、アレンジ、振りつけのレベルは随分高い。シナリオもストーリー展開に無理、無駄な部分が殆どなく(観客サービスはあるが)終盤の幾重にも重なるドンデンも見事である。
 ジプシーの踊りはフランスに住んでいた時に何度か見た。これは凄まじいまでの迫力とリズム感に彩られて、激しさの表現で言えば、「血は立ったまま眠っている云々」と書いた若い寺山 修司の焦燥の激しさに匹敵しようか。ステップを踏む度、生と死を跨いでいるかと錯覚する程の迫力で観る者に迫る。浅黒い肌に黒い瞳、黒く長い髪が独自のリズムとスタッカートで挑むように踊るのだ。だからこそ、かけがえのない、一度見たら忘れられない強烈な印象を伴って迫ってくる。


灰色の蝶

灰色の蝶

株式会社Legs&Loins

Geki地下Liberty(東京都)

2013/12/17 (火) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

好きかも
間宮夕貴目的で
気楽に観劇しに行きましたが
いやよかったね。
話も演出も出演陣もよかった。
ただ最後の最後
あれはどう解釈していいのか自分にはわからなかった。
次回作もキャスティング次第では是非観に行きたいと思った。

プッチーニのラ・ボエーム

プッチーニのラ・ボエーム

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/12/19 (木) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

力強い歌声
19世紀のパリを舞台にした『ラ・ボエーム』を現代の南アフリカに置き換えた作品で、設定や物語だけでなく音楽もアフリカンなアレンジが施されていましたが、過度に軽薄な感じにはならずに芸術性と娯楽性のバランスが良くて楽しめました。

アパルトヘイトについて触れる演出もありましたが、政治的な面に重点を置き過ぎず、また小手先の演出にも頼らずに歌手達の歌と演技で求心力を生み出していたのが良かったです。音楽の終わり方が原典とは異なっていて、少し明るさが感じられる響きだったのが、このプロダクションの雰囲気に適していたとは思うものの、中途半端に感じました。

当日パンフレットに記載された文章によると、南アフリカでは結核で亡くなる人が未だに多いとのことで、ヒロインが結核で死んでしまう物語がただの悲しいお話ではなく、リアリティーのあるものとして感じられるものとして演じられているということが印象的でした。

音楽的にはオーケストラ部分を舞台の両サイドに位置するマリンバ+スティールパン+合唱に置き換え、リズミカルな伴奏音形となっていましたが、歌のパートは原典通りで本格的なクラシックの歌唱法に則っていて聴き応えがあり、合唱もパワフルで魅力的でした。
冒頭を含め、所々でプッチーニとは関係がないアフリカ音楽が演奏される箇所があり、ノリの良さが楽しかったです。

途中に印象的なダンスシーンが何度かありましたが、それ以外の場面でも歌手も器楽奏者も演技ではなく自然に音楽に合わせて動いている感じが見ていて気持良かったです。

プロデューサー(僕)はかく語りき

プロデューサー(僕)はかく語りき

ハマコクラブキヨコクラブ

シアターブラッツ(東京都)

2013/12/19 (木) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

みぞれ混じりの雨の中を
観劇を楽しみに行きましたが、ハリセンの多さが好きになれませんでした。ごめんなさい。

ブラックジャックによろしく

ブラックジャックによろしく

幸野ソロ

ワーサルシアター(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

満足度★★★★

心の内側を表現したドラマ
入場したときに目に入るの舞台上の景色から既に演出が始まっています。今回は、照明や動画の投影を効果的に使った視覚的にもなかなか斬新な舞台になっていて観客を飽きさせません。テーマの題材自体の強さもあって強い印象を残す作品に仕上がっています。

そういう訳で今回はお笑い要素はあまり無いシリアスな作品でして、当然開幕直前の余興コーナーも無かったんでございます!

ちょっぴりネタバレコーナーにも書きますけど、今日も含めてまだ三日間ありますから、ほんのちょっぴりだけ・・

ネタバレBOX

両親は苦悩の末にある決断をします。新たな道を選択した母親が海辺で夕日を見上げるときに母親役の伊藤さんが見せてくれた表情は、苦しみを乗り越えて今後背負っていく運命を受け入れた母親役の心情&この作品のテーマ全体を非常に良く表現していたと思います。ある意味、一瞬芸(?)ですが、そのシーンだけでもこの作品見る価値あるかと思います。
医師側と父親の心の様はストーリー展開自体で常に表現され続けていますが、母親の内面を表現しているのがこのシーンになっています。
マグノリアの花たち

マグノリアの花たち

公益社団法人日本劇団協議会

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

演技を堪能
映画化された不朽の名作とのことだが,浅学にして知らない作品。でも,6人の女優陣で繰り広げられる人生模様のこの芝居,演技力なんだろうなぁ,2時間10分(休憩15分を除く)の長い芝居,まったく飽きるところなく,味あわせてもらった。6人の役柄の個性が見事に演じられ,ストーリーも味わい深いものではあるが,伝わるものは多い。舞台の基本となるべきもので,多くの人に接してほしい芝居であったと思う。

勝式幕孝談

勝式幕孝談

ソラトビヨリst.

新宿シアターモリエール(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★

後半が何か今ひとつに感じたかしら
『今』から見る幕末期というより、勝海舟の娘が見た話と集約してましたね。
父と娘の幕末講話バトルみたいで面白かったんだが、
みんな~知ってる話だよねってやってしまい。
親子以外に物語の説明をする進行解説役がいた方が良かったのでは?
と感じた1時間50分です。

ネタバレBOX

書き物の本を開いて娘の想像した幕末の立役者が割拠する群像劇
(話の進行上、父にも娘の想像した人物が見えるのだが。
ほんとの人物を知る父の突込みが微笑ましくも感じたユニークなつくりです)

池田屋事件が親子の物書きバトルになってて、
どこぞの兵団(^^)のアフレコバトル風で楽しかった。

娘が気に入ってる人物を助けたくて「斬られるが逃げる」と言うと。
父が「斬り殺された」と史実をぶつけるシーンは見応えあったデス!

でも希望したい進行役がいない分、
ちと雑多になった感が強く出てしまいもったいないなぁ・・と思いました。

想像上の話なんで、
桂が坂本を直接斬るシーンなんかはインパクトあったんですがなぁ・・・。

出来事の時期や場所を語る台詞かナレーション、
はたまた書き物か投影でもあればもっと良かったのでは?
「伝え聞かれる話しでは・・・」と父か娘が話して、
それに合わせて登場人物たちが解説しても良かったかしらねぇ。

プロデューサー(僕)はかく語りき

プロデューサー(僕)はかく語りき

ハマコクラブキヨコクラブ

シアターブラッツ(東京都)

2013/12/19 (木) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

満足度★★★

大塚明夫さんっ!
なま声に加えて、お姿が拝謁できるとは嬉しかった~(^^)
(大きいですねぇ(^^)けっこう)

さて話は深夜コメディドラマ風にハリセン出しての笑いがメインですかな。
・・・でもなんか笑いと物語の進行バランスが良くなかった気がした1時間50分

ネタバレBOX

え~ローワン・セバスチャン・アトキンソン=『Mr.ビーン』の主役に似た部長さんが出てきていたのに、しつこくチャチャ入れるだけで・・・・この笑いのバランスが悪く思えた。せっかく似てるのに利用しない手は無いと思ったがなぁ。

ちなみに題は開演後に変更され(笑)「プロデューサーX」となりました

続編であり、
前作で逮捕され務所入りまでしたプロデューサーさんが頑張る話。
なんだが企画の締め切りとかあっても危機感無いし・・・。
せめて、いろいろやっていた台詞なども言って欲しかったが。
3年も何もしないで2億円使い切る監督って・・クズ・・じゃないの?
(監督役の大塚さん、らしさが半端なく合っていたです。)
プロデューサーの仕事の説明は大変分かり易くよかったが、
期限が迫ってる時間の無いスケジュールでやるには場違い感半端無い!
話しの内容的には納得は出来るのだが、
なんか、いろいろもったいない感が強い話に感じたデス。

アニメ好きな自分としては、
好きな声優さんである大塚さんに見送られたのは嬉しかったが。
芝居自体は残念系だったかしら・・・・。

ちなみに終演後はTシャツのプレゼントがあって、
最後までじゃんけんで勝ち残った男性二人がゲットされました。

珍しかったのが、舞台奥から出演者(当然お客さんにバック見せつつです)を撮影して観客バックに記念撮影した劇団さんは初めてでした(^^)。勇気もって他の劇団さんもやりたければ撮影するのもありでは?とか思いました。
アクアリウム

アクアリウム

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

たくさんの人に見て欲しい。
小劇場でロングラン公演はめずらしい。いい作品はやはりたくさんの人に見てもらいたもの。
今後小劇場にロングランシステムが根付くためにも是非とも大成功させたい作品。演劇の持つ面白さが凝縮されている。

プッチーニのラ・ボエーム

プッチーニのラ・ボエーム

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/12/19 (木) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

20日マチネ観劇
声のグルーブが気持ちよかったなあ。
時に主旋律を食っちゃうほどパワフルなオブリガードのコーラスが好き。

普通のオペラでの『ラ・ボエーム』上演は観たことがなく作品自体はあまり知らなかったんだけど、こういう「フィクションの可能性を信じてる」っていう力強さのある作品だったんだなあ、と。
元の編曲を知ったうえで観てたら、もっと楽しめた部分もありそう。

ただこれは仕方ないことなのかもだけど、「あっさり終わりすぎ・・・」ってなことは若干思わなくもなかったかも。
テーマとして重点を置きたかったであろう「結核」もお話の中でそこまでビビッドには感じなかったし、もうちょっとこの集団の味が活きる演目ってのもあったんじゃないかなと。

あと音響はもうちょっとどうにかできなかったのかなーと。
特にパーカッション、サウンド的に美味しい部分が全部上の空間に逃げちゃってた気がする。音響反射板吊るすなりなんなりの工夫で、もう少し音を近くに感じたかった。

『リア王』『新釈・瞼の母』『シンデレラ』

『リア王』『新釈・瞼の母』『シンデレラ』

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2013/12/12 (木) ~ 2013/12/26 (木)公演終了

満足度★★★★

『新釈・瞼の母』観劇
スズキメソッドを身につけた役者の身体は強靭だった。

長谷川伸の『瞼の母』にある情緒的なものを、異化(相対化)している部分なども面白かった。

ただ、芝居としてはそれほど惹き込まれなかった。

それでも、上演後に行われた観客と鈴木忠志氏のQ&Aも含めて、
「演劇とは何か?」ということを深く考えさせられた。

それは、一方で敬意を持ちつつ、もう一方で批判的な思いもありつつ、
すべて含めて、多くの問題提起を上演全体から受け取った。

ネタバレBOX

まず、作品から感じたこと。

鈴木忠志氏の方法論、スズキメソッドを体得した役者の身体は極めて強靭だ。
役者の演技だけではなく、演出も含めた舞台全体が、鈴木忠志の世界として完璧に構築されている。

それはスズキメソッドに限らず、古典芸能からスタニスラフスキーシステムに至るまで、あらゆる「型」を持つ表現の強度である。

ただ、その一方で、世界がすべて鈴木忠志、あるいは「型」に支配されているという窮屈さも感じた。役者は自由な人間ではなく、常に拘束を受けている。
演出家に世界が支配されている。権力的だとも思った。

そういう拘束を受けながら生きるのが人間の生ということなのだろうか?
私はこの点がどうも受け入れ難かったが、
それこそが役者に命がけの演技をさせ、芝居にとてつもない緊張感を与えているのは確かだった。

(それは、マイルス・デイビスの楽団のようだとも感じた。マイルスが吹いていない部分でも、帝王マイルスの気配が楽団全体を支配し、音楽全体を支配する。その恐ろしい緊張感。)


観客と鈴木忠志とのQ&Aで感じたこと。

「なぜ『瞼の母』なのか?」という質問に、鈴木忠志は、
「日本語には言葉の中に旋律がある。その音程の変化によって、言葉の意味が変化する。
例えば、「どこへ行くんだ」という言葉は、音程を変化させて発語することによって、場所を尋ねる意味にもなれば、「どこにも行くな」という意味にもなる。
このような日本語特有の発語をきちんとやって演出をするためには、きちんとした日本語によって書かれた戯曲を使わないといけない。それは三島由紀夫でも谷崎潤一郎でもいいのだけれど、今回は長谷川伸の『瞼の母』にした。
この芝居で、古い流行歌を音楽に使っているが、昔の日本の流行歌では、そのような意味で、日本語がきちんと発音されていた。だから、そういう歌を使った」と答えていた。
とても説得力のある、本質的な答えだ。

また、この作品では、長谷川伸の言葉だけではなく、
ベケットの言葉や寺山修司と石子順造が対談で「瞼の母」について話している言葉も入れ込んで作品化しているという。
それら他者の言葉や鈴木自身が書き込んだだろう言葉が、長谷川伸の人情話を異化(相対化)していた。
母や家族への愛着は権力構造に根ざしているというような視点は、寺山のモチーフだろう。

また、「今の若い人の演劇についてどう思うか?」というような質問に対しては、「利賀にいることが多く、観る機会が少ないから明言はできないが、今の若い世代は、演劇人が演劇のことしか知らない。文学や映画など、様々な分野のことを知らないと演出なんてできない。また、演劇というジャンルの中でさえ、知り合いの劇団や自分の好きなものしか観ない。昔の演劇人は他の劇団の公演も観て、賛否あれど、参考にした。自分の嫌いだろうものでも、とりあえず観るということをした。ただし、それは、若い人が悪いというだけではなく、特に演劇の場合は、入場料が高いので、安易に芝居を観に行けないという構造のせいもある。いずれにせよ、それが、若い作家の世界を狭めているのではないか」と語っていた。
的確な指摘だと思う。

また、「同時上演した『リア王』は、なぜ日中韓の役者でやっているのか?」という問いに、「スズキメソッドを体得した役者が世界にいて、特にアジアにも素晴らしい能力を持っている役者がいるということを提示するためというのもある。それに、日中韓の政治的な関係がギクシャクしている時だからこそ、その三国の役者でやりたかった。」と言っていた。
特に後者の視点は素晴らしいと思う。
(『リア王』のゴネリル(三姉妹の長女)役:ビョン・ユージュンさんは、SCOTで6年くらい訓練を受けている役者らしい。本当に凄い演技だと思っていたが、鈴木忠志氏も、やはり長く訓練を受けているだけあってスズキメソッドをかなり体得していると言っていた。)

また、寺山修司や唐十郎、安部公房などの話が出た際、
「自分が書いたものしか演出していない人は演出家とは言えない。一人の劇作家の戯曲しかやらない演出家もそうだ。指揮者で、自分が書いた曲しか指揮しない指揮者なんかいない。他人の書いたものを読み解き、そこに普遍的なものを見出して形象化するのが演出家の仕事だ」というような趣旨のことを言っていたのも印象的だった。

総じて、演劇とは何かということを深く考えさせられた。
KUDAN  ~この地球(ほし)の汚れた片隅で生まれた命~☆無事終演致しました。ご来場ありがとうございました!☆

KUDAN  ~この地球(ほし)の汚れた片隅で生まれた命~☆無事終演致しました。ご来場ありがとうございました!☆

TOKYOハンバーグ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/12/11 (水) ~ 2013/12/16 (月)公演終了

満足度★★★★

異色の魅力が輝きました
いつものイメージとは、かなり違い、ファンタジー色が濃く、違う魅力が溢れる、素敵な作品でした。
来年の公演予定は未定の様ですが、次回作も楽しみにしています。

ネタバレBOX

『正しいことは、一つではない』のセリフ通り、様々な想いが、溢れました。

天井の高い劇場を活かした段差のあるセットや、階段も使い、広がりを感じさせる空間使いと演出も、良かったです。

いつもの倍近くの人数の役者陣も、それぞれの魅力が輝き、多人数ならではの意味も価値もある構成がいきてました。
3人以外は、動物役で、言葉を喋らない場面もありましたが、心情、鼓動までも、響いてくるようで、良かったです。

マリア(光籐依里さん)言葉が少ない、難しい役でしたが、些細な心情表現も巧みで、相変わらず、瞳が饒舌でした。

アリ(正村徹さん)の、少年ならではの純真さ情熱が、輝いていました。

ハナコ(久保明美さん)、フク(山岡竜生さん)、シゲシゲ(幸野賀一さん)も、とても印象的でした。
女中のクリスマス

女中のクリスマス

R-piece.

ラ・グロット(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題939(13-378)
20:00の回(曇、寒)。19:15会場着、19:20整理番号順に並び、19:30開場。此処は2回目(箱庭 2011/11)、こちらは初めてですが、松村恵美さんは、ダンスユニットclubCでみていまして、プログで本公演を知り、みに来ました。

コンクリートむき出しの半地下、コートを脱がずに観劇...それでも足下は冷えてきます。入って右のスペースが客席(パイプ椅子3列)、反対側の階段と、ピアノのある場所が舞台、小さな灯りが置かれています。BGMに「Last Christmas(WHAM!)「クリスマス・イブ(山下)」他。役者さんは高い位置に座っているので、どの席からもよくみえると思います。

20:04開演~21:00終演。劇中「夏目漱石」の名前がでてきます。漱石の作品に「清」という名の女性がよく出てくるというのは帰ってウィキペディアをみて知りました。本作品の最後の一節で「あっ...そういうことなのか..」と気がついたのでした(「坊ちゃん」)。

役者さんは4人ですが、メインはお二人。松村さんが「きよ」役になっている20:00の回を選びました。昭和8年12月24日から、きよの日記、千代子の書簡を織り交ぜた、作家と女中、オトコとオンナの話。挿入されるS.E.も雰囲気づくりに一役。

せっかく4人いらっしゃるのですから、均等に1/4とは言いませんが、筋やセリフを工夫したら、時々...音楽が大きいかな、何か昭和初期を思わせる小物があるとより雰囲気がでたかな...など思いました。

松村さんは、ステージ上のダンサーとは違い、幼さからくる戸惑いと実直さを巧く表現、身振り表情も豊かでした。終演後、ご挨拶し外に出ると氷の世界のような冷たさ。

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