
ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜
X-QUEST
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了
満足度★★★★
色々詰め込まれた120分
殺陣ありダンスあり笑あり。あとほんのちょっと涙もあるかなー、なハイテンション120分。
ステージがリング形式で360度どこからみても楽しめるようにはなっています、が。やはり多少かたよりがあるため、一度だけでは物足りないかもしれないです。
とはいえ、ストーリーやダンスは何度みても飽きないので、複数回見ても問題ナシ!です。

「カルディアの鷹」(原作「オシリスの花嫁」)
OSK日本歌劇団
近鉄アート館(大阪府)
2014/06/07 (土) ~ 2014/06/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
パワーアップ
元々評判の良いお芝居でしたが、演出の変更、役者の演技の深まりにより、より濃密な舞台となっていて圧倒されました。
是非再々演&東京公演を!!

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜
X-QUEST
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了
満足度★★★★
特に!戦隊もの、ヒーローもの好きさんは観て♪
トクナガヒデカツさんの頭の中ってどうなっているのでしょ(笑)
いつも初回は、トクナガさんの想いに圧倒され、翻弄されるのです。
案の定、今回も。
なので、全く考えがまとまっていないまま、思った順に書き連ねます。
ご了承ください。
分かりやすい部分の話だけ追うと、戦隊もの?ヒーローもの?です☆
かわいいし、かっこいいので、目の保養です〜。
『ブルーアップル』でもベニクラゲマンは出てきていて、
でも続き物ではないって仰っていて。
確かに今回の作品だけ観ても成立はするので、間違いはないのですが。
関連作品の『ブルーアップル』『ミハルの人魚』を観た方が楽しめますね♪倍?3倍?
衣装がとても可愛いです!
あ、もちろんその衣装を着こなす役者さんたちが素敵だからこそです。
以下、ネタバレ的なツボったことはネタバレ枠へ

キャッチ・ザ・レインボゥ
My little Shine
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しめました
ダークファンタジーサスペンス群像劇?かなり盛り過ぎの内容では、と思いましたが、中盤すぎあたりから話が収束してきて、伏線を次々と消化していく様は見事でしたね。これはストーリーと直接関係ないけれど、低コストのダンボールのセットはもうちょっとらしく見える工夫はできなかったかな。最前列で見ていると、トホホ感ありました。

野外劇「南の島に雪が降る」
ベッド&メイキングス
お台場潮風公園内「太陽の広場」特設会場(東京都)
2014/06/12 (木) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

メイクルーム ~すかんぴんアイドル~
“STRAYDOG” Seedling
明石スタジオ(東京都)
2014/06/10 (火) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

毒舌と正義
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2014/06/06 (金) ~ 2014/06/12 (木)公演終了
満足度★★★★
お見事!
社会派エンターテインメントの真骨頂。主宰によれは実際の事件を元にした話とのことだが、教育界の病理をここまで面白く観せてくれるのは流石の一言。主宰と諸富先生とのアフタートークセッションもとても参考になりました。

湯けむりの向こう側
演劇集団池田塾
ザ・ポケット(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しめました
池田塾の公演は久しぶりに拝見しましたが、やはりうまい。温泉宿のロビーのセットはきっちり作り込んでいるし、ちょっとシビアな人情劇に、温泉街再生ビジネスを盛り込んだ話も見事です。役者さん達も皆存在感ありました。

東京原子核クラブ
conne-colle
Geki地下Liberty(東京都)
2014/06/12 (木) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

『SHOKU』-黒田育世のレパートリーを踊る試み-
BATIK(黒田育世)
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2014/06/13 (金) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1136(14-174)
19:30の回(晴、風強い)。ちょっと早かったので山下公園に行ってみる(海!)。
受付は3F、チケットを持っている場合はそのまま待ちで、19:10整理番号順に入場となりましたがチケット購入先ごとに整理番号がありました...ですので1番が3人いたりなど...
最前列は3人ずつのベンチシート(クッション)、2列目からは椅子ひな壇席。19:32前説(アナウンス)、19:36開演~20:34終演。
「BATIKトライアルvol.12(2013/4)」からで3作目。少し前(2014/4)お茶の水女子大の「創作舞踏公演」で委嘱作品の上演がありました。
チラシ写真と同じ衣装、冒頭から激しいヘッドバンクギング、叩き付けるような足踏みが床を響かせます。からだを限界まで酷使、圧巻の1時間でした。

眠れぬ夜の ホンキートンクブルース 第二章~復活~
水木英昭プロデュース
ABCホール (大阪府)
2014/06/14 (土) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しかった。
舞台はホストクラブ。色んなタイプのホストさん。歌有りダンス有り人情劇有り。楽しい舞台でした。役者さんも客席ものりのりで盛り上がりました。カーテンコール2回。出演者さんの1言も有り満足。

フィリップ・ドゥクフレ カンパニーDCA 『PANORAMA ―パノラマ』
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)
2014/06/13 (金) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★
ユーモアに富む短編集
オリンピックの開・閉会式やシルク・ド・ソレイユから老舗キャバレーのショウやTVCMまで様々な演出・振付を手掛けるフィリップ・ドゥクフレさんの旧作の抜粋をまとめた作品で、ダンスの枠に止まらない色々な手法を用いたユーモラスな表現が魅力的でした。
バトントワリングをしながらロビーから客席を通って舞台に上がる導入部が開演前にあり、両手をパンツのポケットにずっと入れたまま踊るパートから始まり、ソロで踊るダンサーにグラフィカルな映像を投影して抽象的に見せるパート、手で作る影絵とダンサーが一緒に踊っている様なパート、昔流行ったテレビゲームの格闘ゲームのパロディー等、それぞれに趣向を凝らしたパートが続き、楽しかったです。
1本のワイヤーを上部の滑車を通して2人のダンサーを繋げることによって、機械を用いずに浮遊感のあるワイヤーアクションを行い、恋人のやりとりを幻想的に見せるパートが素晴らしかったです。
それぞれのパートは楽しめましたが、レビュー的な継ぎ接ぎの構成だったので、1本の作品としては少々物足りなさを感じました。
ゲストのスズキ拓朗さんは、ダンサーがフランス語で喋っている内容を説明する役割を担いつつ、ユニゾンで踊るシーンでは一緒に踊っていましたが、もう少しパフォーマンスでも絡んで欲しかったです。
カラフルな衣装やチープな電子音の音楽に80年代の雰囲気が強く出ていて、少し古臭い感じが逆に可愛いらしい雰囲気を醸し出していました。

キャッチ・ザ・レインボゥ
My little Shine
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

素人
劇団天然ポリエステル
タイニイアリス(東京都)
2014/06/12 (木) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★★
良いね フェイスブックに一度も書く気がしなかった言葉を自然に贈りたい
役者のレベルが全体的に高く、キャラが立っているのが良い。おまけに、ちゃんと、その演じられたキャラの中で自然体である。TVなどという阿保なメディア全盛が未だ続く現代、これが如何に大変な努力の結果であり、成果であるかということもまた、強調しておくべきであろう。舞台役者万歳である。枕詞として既に定着した“アホの(な)安倍”などには、思いもつかぬ世界がここにはある。何せ、生まれて初めて、心底、顔を見るだけでオゾマシイと感じたのは、そしてホントにこのようなことを経験することがあるのだということを経験して驚いたのは、安倍晋三の面をTVニュース等で見せられてからである。反吐が出る。これは本当だ。こんな時代、こんな植民地にあって、劇団などと“外れた”世界に一所懸命になり、全身全霊を賭けて生きて行く利口馬鹿の演劇人達の苦労、誇り、名誉心、恋、縛り、総てをひっくるめて人生を描いて温かさを届けてくれた。ナニゲに、丁度、舞台中央の目につき易い所に頭蓋骨が置かれているのは、無論、メメントモリを意味するだろう。ここに、役者根性を見る。実際、どの役者の演技もキャラの立った良い演技であった。これは、メメントモリの身体化だと思うのである。座付作家の悪戯根性も座長の責任感も、制作や王子、其々の姫、座員達も死に行く存在であることを意識した、含みのある良い演技をしている。温かさをありがとう、そう御礼を言いたい。

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜
X-QUEST
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了
満足度★★★★
ダンスも殺陣もカッコいい
舞台を中心に、四方を客席で囲む会場って初めてで面白い。演者も舞台どこからでも降りて目の前を歩きまくりだし。全員ダンスも殺陣もカッコいい。あっミニクラゲマン、エリザベス・マリーさんの踊りはきれいだし可愛かった。塩崎こうせいさんのロボットの動きは魅せます。橋本さんの胸の開き具合は今舞台も変わらず…「揺するな!」(笑)

パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!
おぼんろ
ワーサルシアター(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了
満足度★★★★
今回もスピード感も十分あり,いいチームワークを見せてくれた。
おぼんろの『パダラマ・ジュグラマ』を観た。前回けっこうはまった演劇集団だ。演劇環境が独特なのだが,それが楽しい雰囲気を作っている。今回もスピード感も十分あり,いいチームワークを見せてくれた。最後は,やはり,感動を呼び,涙が止まらない。躍進めざましい劇団の新作を堪能した。
とはいえ,前作『ビョードロ:月色の森で抱きよせて』の感動とは少しちがっている。チェーホフでいえば,『ビョードロ』は,かもめのような芸術のなんたるべきか,インパクトをもって語っているのに比べ,『パダラマ・ジュグラマ』は,桜の園のようなもので,繊細な心理を観察すべきなのであろう。
というころは,比べるべきではない,ということになる。演出的には,十分美しいし,役者のパワーも強化されている。しかし,なぞときの好きな私には,前作『ビョードロ』の方があっていたかもしれない。たとえば,ジョウキゲンとは,一体何を示唆しているものなのだろうか。演劇の魂か,魅力か,限界か・・・
本作品も何度か見るべき。少なくとも,前作は二度観ることができた。もっと別の視点が浮かぶのかもしれない。いずれにせよ,ほかの場所にはない感動が必ずある。

素人
劇団天然ポリエステル
タイニイアリス(東京都)
2014/06/12 (木) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★★
演劇命!
劇団ポリエステルは第5回公演「在るはずの女」以来だが、作品が面白くなってきている。何より劇団員が本当に芝居を楽しんで演じている雰囲気が伝わってきていた。アット・ホームな劇団ですね!
不器用な者は結婚より芝居をとってしまう感覚はわからないでもない。
それも人生!面白かったです。

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜
X-QUEST
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白かった!
リング舞台なのでどの席で観ても楽しめる。
芝居も殺陣もダンスも本当にかっこいい!
1回観たらまた観たくなる!そんな作品です!
終演後の撮影会も魅力的ꉂ(˃̤▿˂̤*ૢ)'`

毒舌と正義
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2014/06/06 (金) ~ 2014/06/12 (木)公演終了
あっという間の1時間50分…教育現場をサスペンス
「教育新生」は国民が渇望する夢だ。
小中一貫校を制度化し、「箱」を改革していく。これは「教育崩壊」を あくまでもテープで継ぎ接ぎするようなモラトリアムに過ぎない。
毎日教壇に立ち、生徒を指導する「最前線部隊」としての「教員」が この問題の責任者だ。「教職は一般企業の仕事とは違う気がするんですよね」というセリフもあったが。
仮に、「日教組を ぶっ壊す」が「教育新生」への最速手段だとすれば それは一大国民運動となりえる。
修学旅行中の生徒同士の暴力沙汰。
「教育新生」どうこうより、大人のための組織論を学べる舞台だ。
転任教師と教頭の「嫌み」と「嫌み」合戦は、まるで朝日新聞社説のような「頭の良さ」だった。古城氏には脚本構築力がある。もっとも、「築」は鉄筋コンクリート製のガチガチな建造物を指す。
タイトル『毒舌と正義』のうち、「毒舌」といえば故 立川談志だろうか。彼は こう述べている。
「アタシは絶対的に正しい人間だと思ってる。なぜなら“おれは間違ってるんじゃないか”と常々思ってますからね」
対極は役人連中である。
役所は未就学児にも解読できるだろうな「絶対的に正しい」スローガンを公共施設に貼っている。言語を「取り繕う」ことが この国では「公の証明」だ。
「みんな」とか、「地域」とか、「元気」とか、「明るい」とか。こうした文章は「ひらがな官僚作文」と呼ぶ。「ゆるキャラ」も ある種、作文がキャラクター化したプロパガンダだ。
議員への政策案に「等」を散乱させることで「裁量権」を得ようとする役人連中は「私」のコンピュータ付き野生動物だろう。官僚作文は 典型例である。また、関係ないが、外務省は日米首脳共同声明の文章に「軍事コミットメント」を高頻度に載せるなど、英単語を 過剰輸入する傾向がある。
しかし、立川談志からすれば 「公」(絶対的な正しさ)を ひらがな や難解な漢文調で証明(定理化)しようとする役人連中は まさしく「愚の骨頂」なのである。
追記あり

赤鬼
こどもの城 青山円形劇場/ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2014/06/04 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★★
赤鬼は,演出もすごい。出演者の動きも機敏で気持ち良い。
青山円形劇場で,『赤鬼』(野田秀樹)を観た。これは,素晴らしかった。円形になっているので,反対側がはっきり視野にはいる。みんながみんな食い入るように,観劇している。たまたま初夏の疲れが出たため,自分は不覚にも最後の方で一瞬眠気に襲われたが,だれ一人そのような状況に陥ることはなかったようだ。
赤鬼は,演出もすごい。出演者の動きも機敏で気持ち良い。赤鬼プロジェクトというのがあって,本作品は,言葉の壁を越えて,国境を越えて大ヒットしたものらしい。西洋の文明が世界を覆い尽くすこと,それが「進歩」だと思う考えもあるだろう。しかし,赤鬼ロンドン公演では,日本語で,日本的なものが十分通じるという例を残した。
お話は,赤鬼と島の娘が心の交流があったというものが核になっている。赤鬼は,来島すると同時に,赤子をさらって洞窟に隠れる。なんとか説得し,子どもを奪還すると,島の重鎮はすぐに殺処分にすべきと主張する。老婆たちは,赤鬼を食せば,長生きできるかもしれない,と主張する始末だ。
島の娘は,赤鬼と手真似で交流を始める。次第に,会話が成立する。海の向こうの世界は,どうなっているのかしら。いつか,赤鬼からそのようなことも教えてもらえる。赤鬼は悪い人ではないだろう。しかし,娘がフカの肉であると無理やり食べて,元気になったものの,どうも赤鬼の肉であったことが発覚し,彼女はショックで自殺してしまう。
野田秀樹による,『赤鬼の挑戦:ロンドンへの道』2003の本を読んだ。日本語の芝居を,イギリス人の俳優と行うことになる。なにも,西洋文明が,世界を覆い尽くすのが進歩とはいえない。西洋社会がいつもわれわれの先をいっているのだろうか。治外法権や,関税自主権はなんとか欧米に改善させたが,そこに文化的不平等は執拗に残ったのだ。
「肉体と詩の交点に芝居は生まれる」同じ演劇観を求めて,仲間をさがす。『赤鬼』そのものは,ロンドン留学から戻った1996年に,富田靖子,段田安則と,アンガス・バーネットと日本で上演された。1998年夏に,ロンドンで,『赤鬼』のためにワークショップを始める。「誇張と省略で演劇空間を作る。リアリズムではない。」と説明した。
自分の台本には,コトバ遊びが多い。上演には翻訳はつきものだが,日本で文学と呼ばれるものの半分は実は翻訳文学であって,翻訳語は特殊な性質があるのだ。シェークスピア演劇でも,その本来のコトバを十分に把握して観劇できるようなことはありえない。日本人にとっては,翻訳家の存在がたいへんな比重を占めているのが日本の演劇なのだ。
英語で,日本語の芝居を上演することは難しかった。ワークショップの劇場選びも困難が続いた。ロンドンで役者は探した。ダンスのときには体を使う役者も,セリフばかりの芝居では,余計に頭を使うことになろう。一度会っただけでよい役者かどうか,わからないこともある。要求することについて来られる役者は思ったほどいない。
『赤鬼』出演のサイモン・クレガーは,ミズカネ役だった。彼は,気が短くて,ペットボトルを投げていた。子どもの喧嘩が始まる。演出家は私だ。私が決める。
2003.1.31.ロンドン『赤鬼』公演の初日となった。
演劇関係の本には,まれに「制作」と呼ばれる,演劇の周辺をささえる仕事関係がある。目立たないが,これは結構大事な部分である。野田秀樹をある時期引っ張っていった女性に,北村明子という名がときどき出て来る。85年から,劇団夢の遊眠社の営業マネジメントを担当。その後,「NODA・MAP」をたちあげる。98年からは,「シス・カンパニー」。
確かに,役者を売り込むこと,劇団の段取り・進行について,裏方でささえる仕事は地味であるが,貴重なものだと思う。無名の役者をどう売るか。テレビに使ってもらうにしても,舞台で見てもらうべきだ。役者たちにも,小さな役でも現場で認めてもらうべきと指示する。妙なプライドは捨てた方がいい。実力に役がつく。ワンシーンでもがんばれ!
野田秀樹に対して,役者として舞台に立つことより,演出に専念することをすすめた。ここでは,オリジナル脚本より,既存の戯曲を優先させる。集客についても,動員数をまず正確に予測するようにする。使う劇場もそこで決まって来る。問題は,少しあふれるくらいが良くて,最前列に空きがあるのはまずい。今回,青山円形では,追加なので空きあり。
プロデューサーと演出家で,企画会社「NODA・MAP」をたちあげ,年に一回プロデュース公演を行うことにする。劇団であれば,出演はほとんど劇団員が中心である。プロデュース公演には,劇団員はいない。キャスティングは,ゼロからのスタートとなる。ワークショップというものを,役者の動きを見るために多用し始める。
役者と,演出家と,脚本と,劇場を組み合わせて提案し,稽古場に入れ込む。企画力の強い,面白い芝居が出来上がっていく。ロンドンから野田が帰国してからは,「シス・カンパニー」は,野田作品以外に比重が移り,2008年には,北村は,「NODA・MAP」から撤退し,野田秀樹と距離を置くようになっていく。
興行の世界は前近代的な世界だと北村は思った。そこは,でっち奉公の世界となんら変わらない。労働条件もひどいものだ。北村は,演劇など観たこともない役人相手には,企画書とはべつに,プレゼンに力をいれた。プレゼンそのものが,芝居のようなものだ。言葉に命を吹き込む。言葉のリレーをいている人間どうしは,生きているのだから。
彼女は,ビジネスの世界にはちがいないが,演劇の制作には,人脈は必ずしも必要とは考えなかった。計算が先行する人間関係を抱え込むことは,制作において足かせになる。マネージャーは,役者の現場になどいって,彼女の背中をぴしゃっとたたいて,落ちつかせることもすべきでない。現場は役者のもの!役者はそこで自分で戦うべきだと。
舞台経験のない役者は,舞台で鍛えられるのが一番いい。失敗を恐れることはない。役者は,観客に向けて,どれほど心を開くことができるか,まるごと,自分を見せることができるのだろうか,北村は,そこが大事だという。恥をかく場所を見つけ,経験の積み重ねで,役者自身が強くなると主張する。
演劇の現場は,トラブルがつきもの。出演者の健康がまずある。役者は,チームワークで仕事をしないと成立しない集団にいるのであるが,個々は,ほとんどが自己中心的な,われこそが天才!という性格ばかりとなる。演出家が厳しく役者にダメ出しをし過ぎて,芝居が崩壊していくなら,その組み合わせを決めた自分に責任はあるのだ。
北村語録から。飽きっぽい自分には,毎日作るものがちがう芝居の制作があっていた。何かあって,何かを失うことになっても,人生というものは不思議なもので,思わぬ別の価値を獲得するものである。始まったものが終わる,必ず舞台の幕は下がる。あとは,頭の中にしか,なにか残らない。それだって次第に色褪せていくだろう。それが芝居の良さ。
参考:だから演劇は面白い(小学館)