寺山修司「青森県のせむし男」フェスティバル 公演情報 die pratze「寺山修司「青森県のせむし男」フェスティバル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    一回二団体
     同じ作家の同じ作品を異なる団体が演じる企画で、今回は、寺山 修司の初期作品「青森県のせむし男」だ。自分の拝見した日は、各団体、約1時間で、途中に休憩が入る形。IYAYOWORKの演出は、土着性を前面に出し、寺山の原作が描き出そうとしたものをかなり忠実に再現し得ていたのではないかと思う。初演時を残念ながら拝見していないので、自分のイメージであるが、寺山ワールドを色濃く感じた。殊に、せむし男の母役を演じた女優さんの存在感に好感を持った。全体の流れも寺山的な、予め失われた自らの、本来あったハズの、結節点を仮想することすら、白けきった嘘として認識する他無いドライで而も鉄錆や血の臭いのする作品に仕上がっていた。その渇きと存在の軽さを支えるものとして、背中の瘤に集約されるような執着や怨念が逆説的に必要なのであり、土着性が強調されているのであろう。そこにこそ、寺山 修司が現在、これだけ多くの人々に支持される原因があるように思う。
     一方、宇宙論☆講座の演出では、原作の粗筋は概ね踏襲しているものの、せむし男は、せむしMANという着ぐるみキャラクターに代わり、母も3人、生まれた子の数も3人と大幅な修正を加えられている他にも、土着性よりは空疎を前面に出し、そのノリで渡り切ったという感触であった。
    IYAYOWORKは☆4つ。宇宙論☆講座は☆3つ。

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    2014/05/01 01:15

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