2014年のジュビランテ 公演情報 創造旅団カルミア「2014年のジュビランテ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    演出、演技に難あり
     ミノ―ル劇場は、40もの芝居小屋が立ち並ぶこの芝居街、アルスストリートで最小の劇場ではあるが、伝統もあり皆に親しまれて来た小屋であった。然し、現在の支配人になってからは、公演の度に事故や俳優の怪我、集団食中毒、スキャンダルによる主演俳優の降板など様々なアクシデントなどが起こり、巷ではミノ―ル劇場は呪われているともっぱらの噂。劇評誌にもその事が報じられて、経営は苦しくなる一方だったが、終に、スポンサーが下りる。と言い出した。その連絡のくる直前、支配人が、自転車で壁にぶつかり入院したとの報せも入っていた。副支配人は、それでも何とか劇場を蘇らせようと奮闘するが。

    ネタバレBOX

     醜い顔に生まれ、母に嫌われた少年は父により幽閉され、昼は出歩くことも許されず、母からは虐待を受け続けていたが、或る時、演劇好きで優れた脚本を書く才能を持つ少年、トビーと友達になる。然し、偶々、母を訪ねて行った先で見た物は、トビーを可愛がる母の姿だった。ミノ―ル劇場とこの他にも出てくる人間関係がどのように関わっているかを繋ぐ線が、メロドラマとしても謎解きとしても面白い。
     話は錯綜していて、シナリオ自体は可也面白い作品だ。然し、演出が平板である。折角、シナリオは深くもありサスペンス調にもできる幅を持っているのに、種明かしの仕方が下手なので効果が半減してしまっている。役者のカツゼツも叫んでしまっていて、説得力に欠ける。全体のコンセプトを演出家がキチンと掴んでいないか、方向性を示し得ていないのだろう。この脚本の持っている深みを本当に描くのであれば、かなり重いものになる所だが、変な所(例えば役名と役者名の対応など)で分かり難くしているのは無駄であろう。

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    2014/05/01 03:33

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