
緑子の部屋
鳥公園
3331 Arts Chiyoda(東京都)
2014/03/26 (水) ~ 2014/03/31 (月)公演終了
満足度★★★★
フェアネスの罠
他者の不在を描いているというより、身の回りに「他者」がいない鬱屈と不安を、作者が作品にぶつけているかのようである。中国人従業員を下に見てバカにするような場面も、単に、見知らぬ者の象徴の「外国人労働者」であり、そこから醸される得体の知れなさは、決してその「他者」からは脅かされない、安全地帯からの考察に思える。安全地帯とは、中立地帯という意味である。西尾佳織の創作における「フェアな精神」が彼女自身をその場所に立たせている。
もう少し説明する。緑子が途中で出て来るということは、緑子自身がほかの登場人物ひとりひとりと等価な存在感であるということだ。この作品は、三人をもってして、緑子の不在を埋める(そして埋まらない)ことを目指していたのではないか。その点で致命的である。物語として、「かつての緑子」、「周囲の人たちが語る緑子」を呼び起こすための語り(謎そのもの)が移動していく範囲は、定めなければならない。
恐らく西尾佳織は、「差別」「嫌悪」といった、抽象的な巨大な「悪」そのものを考え、向き合い、対決しようとしている。その「賢さ」に基づく「平等さ」が彼女の邪魔をしている。かといって、意地悪で狭小になっても作品は広がらない。だからこれを観ていて苦しく感じたのは、彼女の視野の狭さのためではなく、悪を許さぬ「心の狭さ」が出ていたからだ。それはよくない。
公平さについて、もう一つ例を挙げる。物語は生々しく、熊の肝などグロテスクなモチーフを使って語られ、それはわたしを不穏な気持ちにさせた。しかしそれはモチーフそのものの気持ち悪さではなく、エピソードにおいて倫理観のストッパーがないことから来る不穏さであった。女性が、蟻の行列を殺したくなってしまうと語ること、肝を取られる熊の親があまりのつらさに小熊を殺そうとするその光景。機械で切り落とされた男の指が飛んで餃子に練り込まれ、販売されたそれを誰かが食べたかもしれない、という事実には、その重みを支えるだけの「底」が無い。他者に対する「許せなさ」は持っているのに、行動を支える倫理観の「縛り」がないことが、西尾佳織の今の寄る辺無さにつながっているのであれば不幸なことである。
極力、文学的修辞や比喩を少なくして淡々と書かれたテクストは、深みが足りないのでわたしは包み込まれなかった。問題意識の大きさに、言葉が追いついていない。昨年、『蒸発』で描かれた、他人への妄想にも似た思いが相手を形づくり、ゆっくりこちら側を浸食してくるような恐ろしさは健在だ。語り口が移り変わってゆく様子、シーンの構成、それらが指し示す演劇的な構造は素晴らしく、その巧みさは疑う余地はない。
先ほどの「公平さ」の話と通じることではあるが、嫌悪感、疎外感そのものに迫ろうとするあまり、抽象的な空回りに陥ってしまいそうな危うさがある。他の人にとって「嫌なこと」かもしれないが西尾佳織にとっての「嫌なこと」に触れていないのではないか。もっと言うなら「本当は嫌なんだけど書きたいこと、つい書いてしまうこと」が作家として足りない。世の中の悪の仕組みを見つめるだけでなく、自分が何を嫌悪しているか、疎外しているのか、もっと強く見つめてほしい。そして、もしこの先の深淵に彼女が本当に辿り着こうとするのであれば、何よりも必要なのは精緻で美しい言葉である。嫌なことを人に聞いてもらうには美しい言葉が必要だからだ。美しさは構造を支える。演劇作品の構造に負けないテクストが書かれていくことを私は望むし、応援する。

グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory
劇団印象-indian elephant-
調布市せんがわ劇場(東京都)
2014/03/26 (水) ~ 2014/03/30 (日)公演終了
満足度★★
「女の幸せ」というステレオタイプ
ラスト間際の、日本語とヒンディー語のやりとりはよかった。いずれも日本語で行われていたものだが、俳優たちはお互いの言葉がわからないというすれ違いを演じていて、観客だけが味わえる妙があり、面白かった。
インドの病院に関しては取材をしたこともあり、とても勉強になるし、リアリティがあった。しかし、そこに介入するフィクションがどうしても稚拙に見える。ドキュメンタリーを撮っている友人と、インドの街で偶然会う設定はどうしてもお粗末。女の幸せは子どもだけか、そうじゃないのか、問題提起するにしてもそれではやり方が甘いし、ステレオタイプの枠を出ない。それにしても、こんなに話し合いもしてくれて、理解もしてくれる旦那さんはうらやましいなあという感じ。
ステレオタイプと書いたけれど、それはキャリアウーマンの主人公が結婚を思い立ち、お見合いをするところから細かく細かく描いていることにも原因がある。主人公の家族も、良くも悪くもステレオタイプ(こうるさい専業主婦の母と、尻に敷かれた父、夢を追う自由奔放な妹)で、代理母のメインテーマに必要なディテールとは思えない。すべてを平等に書きすぎているので、主人公の葛藤やインドの代理母の繊細な心情描写の邪魔になってしまう。
精子と卵子の劇中劇は、Eテレのストレッチ番組みたいなかぶりものがださすぎると思った。選ばれた精子から命が生まれること、その大切さはもちろんわかるけれど、ださいのは感受の妨げになるので今後考えてほしい。

痒み
On7
シアター711(東京都)
2014/03/25 (火) ~ 2014/03/30 (日)公演終了
満足度★★★
女性たちの生きづらさパターン
失踪したかつての友人、アイがイメージした「箱庭」の風景に、今も囚われている10年後の女たちの群像劇。物語は、突然アイが帰還し、学生時代の仲間全員での旅行を企画するところから始まる。
彼女たちの生きづらさのパターンは確かに「結婚すべきか」「子どもを生むべきか」という伝統的な(?)ものから「夢を追い続けている痛々しさ」「どこで誰と暮らして生きるか」などという、レンジの広いものではあった。しかしその生きづらさがあらわになる舞台として、飛行機こと故で無人島に辿り着くという設定は古ぼけているし、女性同士の生き方や確執のパターンは浅いままだ。ボス猿的な女(玉の輿)と取り巻きの女(普通の主婦)、それをいらいらしながら見ているちょっと輪から外れた女(独身)。これでは「やっぱり女の人たちって影で悪口言い合ってるんでしょ」という、他人からのレッテルを吹き飛ばせない。そういう意味で、あんまり男性を連れて観に来たくはないかな……と思ってしまった。「痒み」というタイトルの通り、もどかしさの表れにより、主人公は時折身体をかきむしる仕草をする。その女優の身体はとても美しかったが、いやらしい美しさではない。つまり、露出された足だけに目がいってしまうとか、そういう「妨げ」のある身体に仕上がっていないのが、演出としてはよかった。
衣装など、スタッフワークは素晴らしかった。無人島生活でだんだんぼろぼろになっていく様子が、キャラクターに合わせた何着もの衣装で伝わってきた。色使いも本当にかわいくて、着てみたいと思った。
俳優たちは、叫んでも取り乱しても可愛い。声の大きな演技スタイルでやり続けるのは少しつらく思えたところもあったけれど、基本的には巧さに見惚れていた。あとは、声や身振りによる圧力のコントロールがもう少し締まればと思う。マリモ役の尾身美詞、チカ役の宮山知衣が印象に残った。
パンフレットもゴージャスな作り(カラー印刷、複数ページ。広告あり)で、俳優個人のことを知るのにはとてもよかった。随所から劇団のホスピタリティを感じ、観劇に来た人々とのコミュニケーションをきちんと取ろうとする姿勢にとても好感を持った。

江戸系 諏訪御寮
あやめ十八番
小劇場 楽園(東京都)
2014/03/12 (水) ~ 2014/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★
騙りのための語り!
とにかく堀越涼の語りが巧くて惚れる。堀越によるオープニングの怪談を聴いているとき、彼は笑顔なのに鬼の面をかぶっているような得体の知れなさを醸していた。芝居の始まりは、劇団主宰の挨拶という体で、そこから生演奏&歌(歌謡曲)、台詞で、現実と物語の境界が溶けていく。
舞台美術の陰陽の模様が、浮き上がることもなく衣装、俳優たちと溶け込んでいた。この劇場には、真ん中に大きな柱が一本あるのだが、その柱をうまくつかって陰から顔を出すことにより、不穏な空気を盛り上げていく演出はさりげなくて見事。
作品の後味の悪さというか、不気味さは最後まで残って、ぞっとさせる。こんなおぞましく美しい語りは堀越だけのものだと思うし、彼を観ていると「語り」が「騙り」として人々を虚構の世界にいざなうものであることを、しみじみと感じる。前作『淡仙女』での、神への生け贄の花嫁と、都会のストリッパーとを重ねる描写はとても魅力的で、堀越の美学(演劇、女性、すべての虚構への)がびしびし伝わってきた。これからも、あのような意外性のある人間像と、聖俗の融解する境目を見せてくれるような団体であってほしい。

妻らない極道たち
ホチキス
吉祥寺シアター(東京都)
2014/06/05 (木) ~ 2014/06/10 (火)公演終了
満足度★★★★
歌と笑いと任侠と愛
キャラクターそれぞれがしっかりとキャラ立ちしていて、そしてそれをしっかりと裏付ける役者の皆さんの演技力があったため、突飛な設定ながらも説得力がありました。
小玉久仁子さん演じる組長のストレートなセリフはとても熱くて、胸を打つものがありました。
ただ、最後が少し駆け足だったというか、これで終わり?という感じがあったように、感じられたのが残念。
劇中歌はどれも高クオリティ。皆さん歌が上手い!
いろいろありなドタバタ任侠劇でしたが、なんだか明るくなれる素敵な物語でした。

DOKURITSU KOKKA FES.2014
劇団東京ペンギン
スタジオ空洞(東京都)
2014/06/03 (火) ~ 2014/06/08 (日)公演終了
満足度★★★★
半日かけて
自作自演のフェスティバルを観劇。
作品のテイストが全く異なる作品群なので飽きることがなく、
しかも、異なるテイストがクオリティのばらつきになることなく、
個々の作品で観ても、全体を通しても
しっかりとよく作りこまれていたように思います。
従前の゙公演に比べても、作り手も役者も、芝居を編む力は明確にアップしていて、劇団としてなにかを表現するために力を鍛え蓄える段階から、表現したいものに自らの力をどのように使えるのかを考えるステージへと1段ステップアップした感じ。
ほんと、一つずつの作品が、切っ先をもっていて
面白かったです。

ツレがウヨになりまして
笑の内閣
KAIKA(京都府)
2014/02/28 (金) ~ 2014/03/04 (火)公演終了
満足度★★★
傷つけないために足りないもの
全体をとおして作、演出の高間響のスマートさがよくわかる脚本だった。前説もおもしろかったし、アフタートークの進行もきっちりしていた。韓流ネタのみでよく引っ張るな、という執念をも感じた。物語の骨格や俳優たちの佇まいには、国内ツアーを回って出来た強さもある。
ただ、この作品自体は「教育的」であって「啓蒙的」ではない。「ネトウヨ」の生態をお勉強する感じで、そこから発展はしない。箱の中のものを観ている感じ。笑いが一番大切、というように高間さんは応募書類に書かれているが、笑いに変える時にも、それが「軽蔑」を含むものである時には慎重にならなければならない。本作では、ネット右翼の極端な思想が、誰かを傷つけている可能性への配慮が汲み取れない。
笑の内閣、というユニットの名前どおり、世相を笑い飛ばすのがこの団体の強みで、風営法や青少年保護法をテーマにしてきたこれまででは通用したことかもしれないが、韓国人、朝鮮人という明確な「人」としての攻撃対象がある嫌韓流の台詞は、この作風で扱うにはきつすぎるモチーフのように思った。在日コリアンの人がこれを観て同じように笑えるか、と考えてしまった時に、私の答えはノーである。そして、その繊細さに対して「あなた方を傷つけるために作った作品ではないのです。」という余地を示すことも出来ていないのが残念であった。

ホテル・the・寿
劇団FULL HOUSE
劇場MOMO(東京都)
2014/06/04 (水) ~ 2014/06/08 (日)公演終了
満足度★★
古い
とにかく古臭い。30年前のセンスで作ってる。
役者もコメディが下手。自分の演技に手一杯で、笑わせる間や感情表現を理解していない。
観客のお世辞とかアンケートを間に受けず、酷評を「好みの違い」とかで切り捨てないで、観客が楽しめる芝居を模索して欲しい。

赤鬼
こどもの城 青山円形劇場/ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2014/06/04 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★
基本に忠実ぽかった
初めてこの舞台を見た時より、今回の方がステージの振付けや舞台セット等から、風景やアンサンブルの心情など寓話性がより強く思えた。
スピード感は中屋敷版も負けておらず、疾走感ある動き多い。
これまでの野田マップ=ひびのさんの衣装、というように固定化された見せ方から、今回のアイヌ民族風に見えた衣装も役柄にあってて良かった。能のような音遣いや、全員のバランス感覚の上手さとか違いも思い出し、中屋敷流古典ニッポン演劇見ているみたいだった。面白かった。
約100分。

インスタントアクマ
@emotion
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2014/06/06 (金) ~ 2014/06/08 (日)公演終了
満足度★★★
意外に深い
オープニングの映像での演出が凝っていて、期待が膨らみました。
軽快なテンポでセリフがつながり、見ていて楽しい作品に仕上がっていました。
役者のキャラも生きていて、バランスが良かったです。

わたしを離さないで
ホリプロ
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)
2014/04/29 (火) ~ 2014/05/15 (木)公演終了
満足度★★★★★
今年一番やられました…。余韻が2~3日続いた。
今年一番やられました…。
作品の余韻が2~3日続いて、
それこそ「わたしを離さない。」
普通の作品なら、映画化作品を当然観るのですが、
ストーリーがわかっているので、
つらくて、もう一度見ることはできない。
蜷川幸雄が、まさかこのような静かでストイックな
SF作品を選ぶとは思わなかった!
社会とは完全に遮断された特別なルールの世界の中、
疑うこともなく教育された純粋な心を持った子供たち。
そのまっすぐさゆえに、幼い青春の心が本当に切ない。
その世界は特殊ではあっても、その営みは外の世界と
変わらない-恋、いじめ、友情、嫉妬-青春そのもの
である第一幕。
第二幕では外界を知り、自分たちは特別な存在である
と信じていた信念が揺らぎ、自暴自棄となり荒れる
者もいれば、それでも自らを律して生き延びようと
する者もいる。
第三幕。
すべてを信じていた昔を懐かしむ登場人物たちの
想いがとってもとっても切なくて痛い。
この世界をリアルに感じさせる、
天井が高く両側に窓がある寄宿舎の壁面、
蛍光灯のある舞台装置、美術もいい。
そして何より、多部未華子の第一幕で見せる真摯な
透明感、二幕以降の揺るがない存在感が素晴らしい。
三浦涼介の一貫した少年の佇まいもいい。
「仮面ライダーオーズ」レギュラー時と同様に、
染めた髪がとても良く似合う。
今年で一番強烈な印象を残した作品。

平田オリザ・演劇展vol.4
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/05/31 (土) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

時をかける稽古場
アガリスクエンターテイメント
サンモールスタジオ(東京都)
2014/06/07 (土) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1130(14-168)
18:30の回(雨)。12:47受付(整理番号あり)、12:58開場。
下手側の床が手前に、(上部)上手側の梁が上がっている変形会場。客席、右の最前列にベンチシート、他はパイプ椅子席。ホワイトボード、会議室テーブル、そこかしこにデイパック。
13:30客席後方から前説、120分。13:33開演~15:39終演。終演後、台本と「2013版ナイゲン(DVD)」を購入。
珍しく「説明」の通りの内容ですが、面白さは体験しないと伝わらない。
役名=芸名(?)、あだ名..(沈さんは木村さん)...「レティクル@王子(2014/5)」のときはまだご本人か半信半疑でしたが、ちゃんとご本人だったのでほっとする。
ごっついマシーンではなく、どこにでもある「装置」で時間と空間を移動、タイムパラドックスもあっさりとかわし、入り乱れる異時間の自分たち。

ジェンガ帝国
CANDYROPE
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/10/10 (金) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

ジェンガ帝国
CANDYROPE
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/10/10 (金) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

ヴァイオリン〜震える影〜
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2014/06/06 (金) ~ 2014/06/11 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1129(14-167)
18:00の回(雨)。17:30会場着、受付、17:57開場、18:05前説、開演~18:57終演、トーク終了19:12。上映回を含めると4回目。
タイトルにあるように「ヴァイオリン」が鳴り響く会場で、今夜は勅使川原さんと伊東さん(昨日までは伊東さんのソロだったそうです)。
庄司紗矢香さんの演奏を含むヴァイオリン曲とお二人のダンス。空気を揺らすヴァイオリンの弦、空間の響きに呼応するダンサーのカラダ、照明。無心になりそうな..その少し手前でとどまり、眼前の明と暗、静と動をカラダと感覚で受け取る1時間でした。

「希望人の海から」(第27班)+ 「芸能海兵ウズメ組」(レティクル東京座)
SAF+
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/05/28 (水) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

ファタジア・オブ・ザ・マーメイド
ムーンビームマシン
HEP HALL(大阪府)
2014/06/06 (金) ~ 2014/06/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
楽しかった。
本公演を観るのは初めて。朝からワクワク。大好きなファンタジー。素敵な歌声に照明。耳でも目でも楽しみました。初ぽるんちゃん可愛かった。大塚さんが物販に登場して終演後も興奮。とっても嬉しい1日でした。

歌と朗読で贈る【愛の花束】
劇団東京イボンヌ
紀尾井町サロンホール(東京都)
2014/06/06 (金) ~ 2014/06/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
楽しかった
お芝居はユーモアたっぷりでそのあとが正統派な歌でした。
2者のギャップが楽しかったです。
両者とも全力投球感が伝わってきてよかったです。

エンコード
A´company
TACCS1179(東京都)
2014/06/04 (水) ~ 2014/06/10 (火)公演終了
満足度★★★
『エンコード』は,「竹馬の友」の物語だった。
下落合で,『エンコード』を観た。これは,「竹馬の友」の物語だった。小学校時代,縄跳びをしたり,トランプあそびをしたり,おしくらまんじゅう,缶けりをした仲間のお話だった。一緒に,キャッチ・ボールをしながら,お互いに幼稚な夢を語るのだ。しかし,子ども時代にも,その仲間に上手にはいっていけないお友達も必ずいる。それまで,人気者であったはずの子どもが,父親の転勤で,遠い街に離れていき,ずっと後になって,同窓会でお互いの変わりように驚くような展開に進む。よくあることですね。
『エンコード』は,ダンスもあったから,ミュージカルだともいえる。しかし,骨格は,ストレート・プレーだった。パンフレットにあった若者たちの,男たちの少年時代と,成人してからの懐かしい再会,それと,知られなかった真実の姿。かつて、劇団四季で見た『赤毛のアン』は良作品であったが,やはり,子どもたちをすべて大人が演じているのは,違和感もあった。しかし,今回は,子ども役は,本当に子どもたちが熱演していた。これは,これで,「竹馬の友」になっていくのかもしれない。