最新の観てきた!クチコミ一覧

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緑子の部屋

緑子の部屋

鳥公園

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/31 (月)公演終了

満足度★★★★

フェアネスの罠
他者の不在を描いているというより、身の回りに「他者」がいない鬱屈と不安を、作者が作品にぶつけているかのようである。中国人従業員を下に見てバカにするような場面も、単に、見知らぬ者の象徴の「外国人労働者」であり、そこから醸される得体の知れなさは、決してその「他者」からは脅かされない、安全地帯からの考察に思える。安全地帯とは、中立地帯という意味である。西尾佳織の創作における「フェアな精神」が彼女自身をその場所に立たせている。

もう少し説明する。緑子が途中で出て来るということは、緑子自身がほかの登場人物ひとりひとりと等価な存在感であるということだ。この作品は、三人をもってして、緑子の不在を埋める(そして埋まらない)ことを目指していたのではないか。その点で致命的である。物語として、「かつての緑子」、「周囲の人たちが語る緑子」を呼び起こすための語り(謎そのもの)が移動していく範囲は、定めなければならない。

恐らく西尾佳織は、「差別」「嫌悪」といった、抽象的な巨大な「悪」そのものを考え、向き合い、対決しようとしている。その「賢さ」に基づく「平等さ」が彼女の邪魔をしている。かといって、意地悪で狭小になっても作品は広がらない。だからこれを観ていて苦しく感じたのは、彼女の視野の狭さのためではなく、悪を許さぬ「心の狭さ」が出ていたからだ。それはよくない。

公平さについて、もう一つ例を挙げる。物語は生々しく、熊の肝などグロテスクなモチーフを使って語られ、それはわたしを不穏な気持ちにさせた。しかしそれはモチーフそのものの気持ち悪さではなく、エピソードにおいて倫理観のストッパーがないことから来る不穏さであった。女性が、蟻の行列を殺したくなってしまうと語ること、肝を取られる熊の親があまりのつらさに小熊を殺そうとするその光景。機械で切り落とされた男の指が飛んで餃子に練り込まれ、販売されたそれを誰かが食べたかもしれない、という事実には、その重みを支えるだけの「底」が無い。他者に対する「許せなさ」は持っているのに、行動を支える倫理観の「縛り」がないことが、西尾佳織の今の寄る辺無さにつながっているのであれば不幸なことである。

極力、文学的修辞や比喩を少なくして淡々と書かれたテクストは、深みが足りないのでわたしは包み込まれなかった。問題意識の大きさに、言葉が追いついていない。昨年、『蒸発』で描かれた、他人への妄想にも似た思いが相手を形づくり、ゆっくりこちら側を浸食してくるような恐ろしさは健在だ。語り口が移り変わってゆく様子、シーンの構成、それらが指し示す演劇的な構造は素晴らしく、その巧みさは疑う余地はない。

先ほどの「公平さ」の話と通じることではあるが、嫌悪感、疎外感そのものに迫ろうとするあまり、抽象的な空回りに陥ってしまいそうな危うさがある。他の人にとって「嫌なこと」かもしれないが西尾佳織にとっての「嫌なこと」に触れていないのではないか。もっと言うなら「本当は嫌なんだけど書きたいこと、つい書いてしまうこと」が作家として足りない。世の中の悪の仕組みを見つめるだけでなく、自分が何を嫌悪しているか、疎外しているのか、もっと強く見つめてほしい。そして、もしこの先の深淵に彼女が本当に辿り着こうとするのであれば、何よりも必要なのは精緻で美しい言葉である。嫌なことを人に聞いてもらうには美しい言葉が必要だからだ。美しさは構造を支える。演劇作品の構造に負けないテクストが書かれていくことを私は望むし、応援する。

グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory

グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory

劇団印象-indian elephant-

調布市せんがわ劇場(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★

「女の幸せ」というステレオタイプ
ラスト間際の、日本語とヒンディー語のやりとりはよかった。いずれも日本語で行われていたものだが、俳優たちはお互いの言葉がわからないというすれ違いを演じていて、観客だけが味わえる妙があり、面白かった。

インドの病院に関しては取材をしたこともあり、とても勉強になるし、リアリティがあった。しかし、そこに介入するフィクションがどうしても稚拙に見える。ドキュメンタリーを撮っている友人と、インドの街で偶然会う設定はどうしてもお粗末。女の幸せは子どもだけか、そうじゃないのか、問題提起するにしてもそれではやり方が甘いし、ステレオタイプの枠を出ない。それにしても、こんなに話し合いもしてくれて、理解もしてくれる旦那さんはうらやましいなあという感じ。

ステレオタイプと書いたけれど、それはキャリアウーマンの主人公が結婚を思い立ち、お見合いをするところから細かく細かく描いていることにも原因がある。主人公の家族も、良くも悪くもステレオタイプ(こうるさい専業主婦の母と、尻に敷かれた父、夢を追う自由奔放な妹)で、代理母のメインテーマに必要なディテールとは思えない。すべてを平等に書きすぎているので、主人公の葛藤やインドの代理母の繊細な心情描写の邪魔になってしまう。

精子と卵子の劇中劇は、Eテレのストレッチ番組みたいなかぶりものがださすぎると思った。選ばれた精子から命が生まれること、その大切さはもちろんわかるけれど、ださいのは感受の妨げになるので今後考えてほしい。

痒み

痒み

On7

シアター711(東京都)

2014/03/25 (火) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★

女性たちの生きづらさパターン
失踪したかつての友人、アイがイメージした「箱庭」の風景に、今も囚われている10年後の女たちの群像劇。物語は、突然アイが帰還し、学生時代の仲間全員での旅行を企画するところから始まる。

彼女たちの生きづらさのパターンは確かに「結婚すべきか」「子どもを生むべきか」という伝統的な(?)ものから「夢を追い続けている痛々しさ」「どこで誰と暮らして生きるか」などという、レンジの広いものではあった。しかしその生きづらさがあらわになる舞台として、飛行機こと故で無人島に辿り着くという設定は古ぼけているし、女性同士の生き方や確執のパターンは浅いままだ。ボス猿的な女(玉の輿)と取り巻きの女(普通の主婦)、それをいらいらしながら見ているちょっと輪から外れた女(独身)。これでは「やっぱり女の人たちって影で悪口言い合ってるんでしょ」という、他人からのレッテルを吹き飛ばせない。そういう意味で、あんまり男性を連れて観に来たくはないかな……と思ってしまった。「痒み」というタイトルの通り、もどかしさの表れにより、主人公は時折身体をかきむしる仕草をする。その女優の身体はとても美しかったが、いやらしい美しさではない。つまり、露出された足だけに目がいってしまうとか、そういう「妨げ」のある身体に仕上がっていないのが、演出としてはよかった。

衣装など、スタッフワークは素晴らしかった。無人島生活でだんだんぼろぼろになっていく様子が、キャラクターに合わせた何着もの衣装で伝わってきた。色使いも本当にかわいくて、着てみたいと思った。

俳優たちは、叫んでも取り乱しても可愛い。声の大きな演技スタイルでやり続けるのは少しつらく思えたところもあったけれど、基本的には巧さに見惚れていた。あとは、声や身振りによる圧力のコントロールがもう少し締まればと思う。マリモ役の尾身美詞、チカ役の宮山知衣が印象に残った。

パンフレットもゴージャスな作り(カラー印刷、複数ページ。広告あり)で、俳優個人のことを知るのにはとてもよかった。随所から劇団のホスピタリティを感じ、観劇に来た人々とのコミュニケーションをきちんと取ろうとする姿勢にとても好感を持った。

江戸系 諏訪御寮

江戸系 諏訪御寮

あやめ十八番

小劇場 楽園(東京都)

2014/03/12 (水) ~ 2014/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★

騙りのための語り!
とにかく堀越涼の語りが巧くて惚れる。堀越によるオープニングの怪談を聴いているとき、彼は笑顔なのに鬼の面をかぶっているような得体の知れなさを醸していた。芝居の始まりは、劇団主宰の挨拶という体で、そこから生演奏&歌(歌謡曲)、台詞で、現実と物語の境界が溶けていく。

舞台美術の陰陽の模様が、浮き上がることもなく衣装、俳優たちと溶け込んでいた。この劇場には、真ん中に大きな柱が一本あるのだが、その柱をうまくつかって陰から顔を出すことにより、不穏な空気を盛り上げていく演出はさりげなくて見事。

作品の後味の悪さというか、不気味さは最後まで残って、ぞっとさせる。こんなおぞましく美しい語りは堀越だけのものだと思うし、彼を観ていると「語り」が「騙り」として人々を虚構の世界にいざなうものであることを、しみじみと感じる。前作『淡仙女』での、神への生け贄の花嫁と、都会のストリッパーとを重ねる描写はとても魅力的で、堀越の美学(演劇、女性、すべての虚構への)がびしびし伝わってきた。これからも、あのような意外性のある人間像と、聖俗の融解する境目を見せてくれるような団体であってほしい。

ネタバレBOX

脳溢血で倒れた祖母をデイホームに連れていった時、美斉津恵友演じる孫だけが「お化粧してくればよかった」という祖母の言葉をすくいあげて聞き取ってあげる細やかな描写に思わず涙した。同様に堀越は、記憶を失った居候の少女、巫女としての能力に目覚めてはいないがポテンシャルは絶大な末娘など、女性のか弱さ、たおやかさを表現する設定、筆力では確かなものを持っている。しかし、そのために女性観、特に結婚観が少し古いのは否めない。

伝統的な日本の「田舎」が舞台だからしかたないのだが、優しく孫を見守る、謎めいた言動で男を振り回す、だめな亭主をどやす、という女性キャラクターたちの描き方が類型的であるという弱さがある。「幻想」は「物語」と紙一重のところにあるので、用心しなければならない。もちろん、それだけでは済まないのが堀越流で、中心人物である「御寮さま」たる金子侑加が、真の「ラスボス」だった場面はとても非情な描写で、胸が締め付けられた。(そして彼女が着物で軽やかに光GENJIの『ガラスの十代』を踊る姿はとっても可愛らしかった!) 
妻らない極道たち

妻らない極道たち

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2014/06/05 (木) ~ 2014/06/10 (火)公演終了

満足度★★★★

歌と笑いと任侠と愛
キャラクターそれぞれがしっかりとキャラ立ちしていて、そしてそれをしっかりと裏付ける役者の皆さんの演技力があったため、突飛な設定ながらも説得力がありました。
小玉久仁子さん演じる組長のストレートなセリフはとても熱くて、胸を打つものがありました。
ただ、最後が少し駆け足だったというか、これで終わり?という感じがあったように、感じられたのが残念。
劇中歌はどれも高クオリティ。皆さん歌が上手い!

いろいろありなドタバタ任侠劇でしたが、なんだか明るくなれる素敵な物語でした。

ネタバレBOX

組長の正体がまさかの魔女という設定には驚きました。
そして更には、加藤敦さんがまさかの猫。

しっかりと明言されないため、初めのうちは普通の子分なのだとばかり思っていたのですが、それにしてはなんだかやりとりがおかしく…。
猫だから組長以外の人間とイマイチ会話がつながらなかったり無視されたりしていて、組長は魔女だから、猫と普通に会話が出来ていたと…。
なるほど上手いなー、と関心してしまいました。ちょっとしたことかも知れませんが、なんだかツボでした。

そういえば、猫の名前がジジィなのも、そういう訳なのですね。
DOKURITSU KOKKA FES.2014

DOKURITSU KOKKA FES.2014

劇団東京ペンギン

スタジオ空洞(東京都)

2014/06/03 (火) ~ 2014/06/08 (日)公演終了

満足度★★★★

半日かけて
自作自演のフェスティバルを観劇。
作品のテイストが全く異なる作品群なので飽きることがなく、
しかも、異なるテイストがクオリティのばらつきになることなく、
個々の作品で観ても、全体を通しても
しっかりとよく作りこまれていたように思います。

従前の゙公演に比べても、作り手も役者も、芝居を編む力は明確にアップしていて、劇団としてなにかを表現するために力を鍛え蓄える段階から、表現したいものに自らの力をどのように使えるのかを考えるステージへと1段ステップアップした感じ。

ほんと、一つずつの作品が、切っ先をもっていて
面白かったです。

ネタバレBOX

・THEEMPERROR

ツイッターを舞台で表現すること自体は目新しいことではないと思うのですが、ボールが作る質感や貴き方を引っ張り出しての物語の展開には、これまでに感じたことのない洗練がありました。
事象を観る側に想起させ、それを支えるように役者の身体が世界を編んでいく。

フォロー/フォロワーの感覚やカリスマにフォロワーが集まる感覚、さらには物語の展開なども、創意豊かに表現されていました。

また、物語も単純にツイッターの世界を語ることからさらに踏み出しがあり、役者もよく切れていたように思います。

・ケチャップホイップクリーム

観客が一緒に解いていく鉄道パズルに破たんがあるかどうかは正直なところわからなかったのですが、それでも物語を追うことが楽しいと思わせるリズムが舞台にあって。
よしんば、お芝居に若干不安定な部分があったとしても、トーンが崩れていないので、いったん取り込まれたその展開の歩みから外れることがない。メリハリを作りつつそれを重さにせず、物語を歩ませる役者たちの力を感じる。

映像やプラレールの使い方なども、うまく物語と寄り添っていて、ポップなテイストや男女の想いのどこか表層的な部分と謎解きへの興味への重さのさじ加減も良く出来ていたと思います。


・鬼怒裏龍

戯曲として道徳が入試の中心科目になるという設定も面白いし、東京へのあこがれやどこか歪んだ性的な欲望も旨く織りこまれていたように思う。

そして、なによりもその雰囲気を立ち上げ、アイデア倒れにすることなく更なる展開へと歩ませる役者たちの力に目を瞠る。しかも、キャラクターたちの雰囲気や表層の展開から訪れるものが、役者たちの体を張ったお芝居と共に戯曲に埋め込まれたものをさらに晒しあからさまにしていくような感覚があって。

この作品だけ囲み舞台での上演でしたが、その意図もしっかりと伝わってくる。冒頭に漂うコミカルさから踵を返した、抜身の表現の切っ先にしっかりと捉えられてしまいました。

・barber911

開演前の休憩時間には「公式トイレタイム」とか「緩め」などと謙遜しておられましたが、どうしてどうして、仕掛けはきっちり作りこまれていて、緩い感じはまったくありませんでした。

床屋に客がやってきて、なにかがあって、帰っていくという幹になにをひっかけるかの面白さだとおもうのですが、それがたとえば「ゴドー待ち」を垣間見せたり、コーラの一気飲みの披露の場になったり、客に合わせて片手で髪を切る床屋のウィットと心優しさだったり・・・。

そうして、一つずつのアイデアを受け取っているうちに、次第に二人の役者たちの語り口が醸す空気やリズムにならされていくのが、なにか心地よくなってくる。あからさまに何かが語られるわけではないのですが、すっと見えてくるものがあって・・・。
ちょっと無声映画のようなテイストも舞台にはあって(セリフはしっかりあるけれど)面白かったです。


・東京ペンギン

今回の「フェス」のメインディッシュでもあり、多分、今回作り手が一番やりたい作品だったのではと思う。

他の4編が、スタイルというか「xx風」というテイストを持った作品であったのに対して、この作品は作り手が自らの一番馴染む語り口で紡ぎあげていて。
牛丼がパスタであると称される不条理から、グローバルなネットワークを介して供される食べ物のありようが浮かんでくることに驚愕。

もう少しあからさまな寓意や描かれるもの間のかかりがあったほうが、現れる巨大なUFOの姿を観る側がしっかり受け取ることができたかなぁという感じはしましたが、そうであっても後半作り手の意図に思い当たった瞬間、積みあがったものが姿を現わし、冒頭の、店員と客のかみ合わない会話もすっとほどける。
シーン毎に込められているものに、ほんのすこしずつですが饒舌になりすぎたり足りないものがあり、更に洗練しうる部分を感じつつ、でも作品の切り口にはしっかりと捉われました。

270分の長丁場でしたが、一つずつの舞台の色が全く異なっていたので、観ている分にはまったく飽きないし、それほど疲れを感じることもありませんでした。
それぞれにきちんと観る側を手放さない作劇の力量を感じる。
役者さんにも地力がついてきたように思うし、きっとここまでいろいろな舞台を作りうるということは、作り手にも、やりたいことを思うとおりに編むまでの力が生まれてきたのだと思う。

次にこの劇団が、どんなテイストで何を描くのか、とてもたのしみになりました。










ツレがウヨになりまして

ツレがウヨになりまして

笑の内閣

KAIKA(京都府)

2014/02/28 (金) ~ 2014/03/04 (火)公演終了

満足度★★★

傷つけないために足りないもの
全体をとおして作、演出の高間響のスマートさがよくわかる脚本だった。前説もおもしろかったし、アフタートークの進行もきっちりしていた。韓流ネタのみでよく引っ張るな、という執念をも感じた。物語の骨格や俳優たちの佇まいには、国内ツアーを回って出来た強さもある。

ただ、この作品自体は「教育的」であって「啓蒙的」ではない。「ネトウヨ」の生態をお勉強する感じで、そこから発展はしない。箱の中のものを観ている感じ。笑いが一番大切、というように高間さんは応募書類に書かれているが、笑いに変える時にも、それが「軽蔑」を含むものである時には慎重にならなければならない。本作では、ネット右翼の極端な思想が、誰かを傷つけている可能性への配慮が汲み取れない。

笑の内閣、というユニットの名前どおり、世相を笑い飛ばすのがこの団体の強みで、風営法や青少年保護法をテーマにしてきたこれまででは通用したことかもしれないが、韓国人、朝鮮人という明確な「人」としての攻撃対象がある嫌韓流の台詞は、この作風で扱うにはきつすぎるモチーフのように思った。在日コリアンの人がこれを観て同じように笑えるか、と考えてしまった時に、私の答えはノーである。そして、その繊細さに対して「あなた方を傷つけるために作った作品ではないのです。」という余地を示すことも出来ていないのが残念であった。

ネタバレBOX

あおい役の鈴木ちひろがかわいいし、歌がへたすぎないのがチャーミング。デートDVDを発売するだけある。彼女たちが歌う歌の選曲もよかった(イミテーション・ゴールド、愛が生まれた日、さくらんぼ等等)。盛り上がる。若い同年代の俳優が、あおいの父親という無理な設定も突っ切る腕力と切れ味がある。蒼甫役の清水航平の目のイっちゃってる感じといい、金村役の由良真介の誠実さといい、萌えた。
ホテル・the・寿

ホテル・the・寿

劇団FULL HOUSE

劇場MOMO(東京都)

2014/06/04 (水) ~ 2014/06/08 (日)公演終了

満足度★★

古い
とにかく古臭い。30年前のセンスで作ってる。
役者もコメディが下手。自分の演技に手一杯で、笑わせる間や感情表現を理解していない。

観客のお世辞とかアンケートを間に受けず、酷評を「好みの違い」とかで切り捨てないで、観客が楽しめる芝居を模索して欲しい。

ネタバレBOX

ストーリーはベタベタの使い古された展開。
潰れそうなホテルに銀行の査察が入り、従業員が一般客と査察官を間違える。ホテル内で行われる結婚式に、神父が当日ドタキャン、花嫁の三股発覚等々、とても2014年にやる芝居とは思えない。
そんなストーリーも破綻していて、登場人物はわざと自分達を窮地に追いやっているとしか思えない頭の悪さ。

さらに言うと、何であの魅力の全くない花嫁を三人の男が取り合うのかと、何で従業員たちはあの無能で不誠実なオーナーの下で働きたがるのかが分からないのも問題。
あんなホテル、本当にあったら潰れた方が良いと思うが。
赤鬼

赤鬼

こどもの城 青山円形劇場/ネルケプランニング

青山円形劇場(東京都)

2014/06/04 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★

基本に忠実ぽかった
初めてこの舞台を見た時より、今回の方がステージの振付けや舞台セット等から、風景やアンサンブルの心情など寓話性がより強く思えた。
スピード感は中屋敷版も負けておらず、疾走感ある動き多い。
これまでの野田マップ=ひびのさんの衣装、というように固定化された見せ方から、今回のアイヌ民族風に見えた衣装も役柄にあってて良かった。能のような音遣いや、全員のバランス感覚の上手さとか違いも思い出し、中屋敷流古典ニッポン演劇見ているみたいだった。面白かった。
約100分。

ネタバレBOX

異人が島に漂流し、匿う兄妹、排除しようとする島の村人達。
時代は変わっても、その寓話は今もなお継続しているような印象をより強く感じる。中屋敷さんの劇団公演で見せるような手法がもっとでてくるのかなと想像していたが、多人種コミュニケーションの複雑な言葉いじりや動きのようなものは独自性があって違いを思い出したが、後半部分は野田さんの戯曲そのものはいじらず、見事な程ストレートにやっていたような気がする。総じて素晴らしかったが、真面目にやっているんだなーという感じも。それが悪い訳ではないけど、もう少し振り切れた面も見たかった気もする。
インスタントアクマ

インスタントアクマ

@emotion

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/08 (日)公演終了

満足度★★★

意外に深い
オープニングの映像での演出が凝っていて、期待が膨らみました。
軽快なテンポでセリフがつながり、見ていて楽しい作品に仕上がっていました。
役者のキャラも生きていて、バランスが良かったです。

わたしを離さないで

わたしを離さないで

ホリプロ

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2014/04/29 (火) ~ 2014/05/15 (木)公演終了

満足度★★★★★

今年一番やられました…。余韻が2~3日続いた。
今年一番やられました…。
作品の余韻が2~3日続いて、
それこそ「わたしを離さない。」

普通の作品なら、映画化作品を当然観るのですが、
ストーリーがわかっているので、
つらくて、もう一度見ることはできない。

蜷川幸雄が、まさかこのような静かでストイックな
SF作品を選ぶとは思わなかった!

社会とは完全に遮断された特別なルールの世界の中、
疑うこともなく教育された純粋な心を持った子供たち。
そのまっすぐさゆえに、幼い青春の心が本当に切ない。

その世界は特殊ではあっても、その営みは外の世界と
変わらない-恋、いじめ、友情、嫉妬-青春そのもの
である第一幕。

第二幕では外界を知り、自分たちは特別な存在である
と信じていた信念が揺らぎ、自暴自棄となり荒れる
者もいれば、それでも自らを律して生き延びようと
する者もいる。

第三幕。
すべてを信じていた昔を懐かしむ登場人物たちの
想いがとってもとっても切なくて痛い。

この世界をリアルに感じさせる、
天井が高く両側に窓がある寄宿舎の壁面、
蛍光灯のある舞台装置、美術もいい。

そして何より、多部未華子の第一幕で見せる真摯な
透明感、二幕以降の揺るがない存在感が素晴らしい。
三浦涼介の一貫した少年の佇まいもいい。
「仮面ライダーオーズ」レギュラー時と同様に、
染めた髪がとても良く似合う。

今年で一番強烈な印象を残した作品。

平田オリザ・演劇展vol.4

平田オリザ・演劇展vol.4

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/05/31 (土) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

忠臣蔵・武士編
面白い。50分。

ネタバレBOX

鈴木(大竹直)…討ち入りや篭城に消極的。
佐藤(海津忠)…日和見主義と揶揄される。
田中(河村竜也)…篭城派。武士道を重んじるが良く分らなくなる。
佐々木(島田曜蔵)…討ち入り派。
大橋(山本雅幸)…仕官派。
久保田(前原瑞樹)…泣いてうるさい。
大石(大塚洋)…まとめ役。

コーラとかipadとかレッドブルとかの現代的な小道具や子供の教育感とかで味付けされた武士たちが、現代人っぽい討論過程を経て、なんとなくの勢いと流れに押され、討ち入りという重大事項が決まるという作品。
「だからさ、こう討ち入り目指していく過程で、だんだん武士道的になっていけばいいんじゃないの、みんなが」というセリフが象徴するように、武士道って大事と思えてたものが、よくよく考えるともやっとしたよくわからんものだから、後付な方向に置かれていっちゃう面白さというのか。

OL編の前に見たけど入り込みやすく、笑えるとこも多かった。演技のメリハリもいい。
時をかける稽古場

時をかける稽古場

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2014/06/07 (土) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

無題1130(14-168)
18:30の回(雨)。12:47受付(整理番号あり)、12:58開場。

下手側の床が手前に、(上部)上手側の梁が上がっている変形会場。客席、右の最前列にベンチシート、他はパイプ椅子席。ホワイトボード、会議室テーブル、そこかしこにデイパック。

13:30客席後方から前説、120分。13:33開演~15:39終演。終演後、台本と「2013版ナイゲン(DVD)」を購入。

珍しく「説明」の通りの内容ですが、面白さは体験しないと伝わらない。

役名=芸名(?)、あだ名..(沈さんは木村さん)...「レティクル@王子(2014/5)」のときはまだご本人か半信半疑でしたが、ちゃんとご本人だったのでほっとする。

ごっついマシーンではなく、どこにでもある「装置」で時間と空間を移動、タイムパラドックスもあっさりとかわし、入り乱れる異時間の自分たち。

ジェンガ帝国

ジェンガ帝国

CANDYROPE

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/10/10 (金) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

衝撃のラスト10分
すごすぎてアゴがはずれました。

ジェンガ帝国

ジェンガ帝国

CANDYROPE

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/10/10 (金) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動
感動しました!
これはエンタメなどではない!!革命だ!!!

ヴァイオリン〜震える影〜

ヴァイオリン〜震える影〜

KARAS

KARAS APPARATUS(東京都)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/11 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題1129(14-167)
18:00の回(雨)。17:30会場着、受付、17:57開場、18:05前説、開演~18:57終演、トーク終了19:12。上映回を含めると4回目。

タイトルにあるように「ヴァイオリン」が鳴り響く会場で、今夜は勅使川原さんと伊東さん(昨日までは伊東さんのソロだったそうです)。

庄司紗矢香さんの演奏を含むヴァイオリン曲とお二人のダンス。空気を揺らすヴァイオリンの弦、空間の響きに呼応するダンサーのカラダ、照明。無心になりそうな..その少し手前でとどまり、眼前の明と暗、静と動をカラダと感覚で受け取る1時間でした。

「希望人の海から」(第27班)+ 「芸能海兵ウズメ組」(レティクル東京座)

「希望人の海から」(第27班)+ 「芸能海兵ウズメ組」(レティクル東京座)

SAF+

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/05/28 (水) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しめたが企画の意図は?
単純に作品を楽しんでみたけどSAFにつながっているかどうかは良く分からない。

ネタバレBOX

第27班『希望人の海から』感想
少し厳しいことを言うようであるが「ハヤブサ」の本歌取りがオマージュになっていない。本来その世界観を引き継いで多層的に世界を構築すべきであるが、心動かされた部分は殆ど「ハヤブサ」のくだりで本編は笑えるものの、グッとこない。

直前にダルカラを観てしまっていて、役者の技量に目がいってしまった。劇場の大きさはほぼ同じ、偶々だが座った位置での舞台からの距離もほぼ同じなのだが声がはっきり聞こえない。これは現時点ではどうにもならない「差」だと思うが…

レティクル東京座『芸能海兵ウズメ組』感想
正直説明のしようがない。レティクルライブだった。スジはあるのだが、レティクルライブだったと説明するほうが相応しい。千穐楽ということもあり、尋常でない熱気でファンの皆さんがキャーキャー言っているのを観て、やっぱりオンリーワンの魅力だと感心。

レティクルライブなのだが、青海アキががっちり軸を押さえていたのは印象的。最近の3作品しか観ていないが、レティクル東京座って、そこに彼女がいることが当然のようになっているのが、凄くいいと思う。

これは、僕の勝手な解釈でしかないが、シアターミラクルでレティクル東京座をはじめて観た時から、彼女たちはプロの劇団だと思っている。殆ど観ないので学生演劇を語る資格はないけど、感覚的に甘さとか緩さがない。先を見ていると感じる。
ファタジア・オブ・ザ・マーメイド

ファタジア・オブ・ザ・マーメイド

ムーンビームマシン

HEP HALL(大阪府)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった。
本公演を観るのは初めて。朝からワクワク。大好きなファンタジー。素敵な歌声に照明。耳でも目でも楽しみました。初ぽるんちゃん可愛かった。大塚さんが物販に登場して終演後も興奮。とっても嬉しい1日でした。

歌と朗読で贈る【愛の花束】

歌と朗読で贈る【愛の花束】

劇団東京イボンヌ

紀尾井町サロンホール(東京都)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった
お芝居はユーモアたっぷりでそのあとが正統派な歌でした。
2者のギャップが楽しかったです。
両者とも全力投球感が伝わってきてよかったです。

エンコード

エンコード

A´company

TACCS1179(東京都)

2014/06/04 (水) ~ 2014/06/10 (火)公演終了

満足度★★★

『エンコード』は,「竹馬の友」の物語だった。
下落合で,『エンコード』を観た。これは,「竹馬の友」の物語だった。小学校時代,縄跳びをしたり,トランプあそびをしたり,おしくらまんじゅう,缶けりをした仲間のお話だった。一緒に,キャッチ・ボールをしながら,お互いに幼稚な夢を語るのだ。しかし,子ども時代にも,その仲間に上手にはいっていけないお友達も必ずいる。それまで,人気者であったはずの子どもが,父親の転勤で,遠い街に離れていき,ずっと後になって,同窓会でお互いの変わりように驚くような展開に進む。よくあることですね。

『エンコード』は,ダンスもあったから,ミュージカルだともいえる。しかし,骨格は,ストレート・プレーだった。パンフレットにあった若者たちの,男たちの少年時代と,成人してからの懐かしい再会,それと,知られなかった真実の姿。かつて、劇団四季で見た『赤毛のアン』は良作品であったが,やはり,子どもたちをすべて大人が演じているのは,違和感もあった。しかし,今回は,子ども役は,本当に子どもたちが熱演していた。これは,これで,「竹馬の友」になっていくのかもしれない。

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