満足度★★★★★
今年一番やられました…。余韻が2~3日続いた。
今年一番やられました…。
作品の余韻が2~3日続いて、
それこそ「わたしを離さない。」
普通の作品なら、映画化作品を当然観るのですが、
ストーリーがわかっているので、
つらくて、もう一度見ることはできない。
蜷川幸雄が、まさかこのような静かでストイックな
SF作品を選ぶとは思わなかった!
社会とは完全に遮断された特別なルールの世界の中、
疑うこともなく教育された純粋な心を持った子供たち。
そのまっすぐさゆえに、幼い青春の心が本当に切ない。
その世界は特殊ではあっても、その営みは外の世界と
変わらない-恋、いじめ、友情、嫉妬-青春そのもの
である第一幕。
第二幕では外界を知り、自分たちは特別な存在である
と信じていた信念が揺らぎ、自暴自棄となり荒れる
者もいれば、それでも自らを律して生き延びようと
する者もいる。
第三幕。
すべてを信じていた昔を懐かしむ登場人物たちの
想いがとってもとっても切なくて痛い。
この世界をリアルに感じさせる、
天井が高く両側に窓がある寄宿舎の壁面、
蛍光灯のある舞台装置、美術もいい。
そして何より、多部未華子の第一幕で見せる真摯な
透明感、二幕以降の揺るがない存在感が素晴らしい。
三浦涼介の一貫した少年の佇まいもいい。
「仮面ライダーオーズ」レギュラー時と同様に、
染めた髪がとても良く似合う。
今年で一番強烈な印象を残した作品。