最新の観てきた!クチコミ一覧

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河童

河童

DULL-COLORED POP

吉祥寺シアター(東京都)

2014/07/18 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度

驚いた
途中退席したお芝居は、久しぶりでした。

風のバッキャロー!!

風のバッキャロー!!

株式会社Ask

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

好きだ!この感じ
3部作?のうちの2作目。この作品だけだとイマイチ消化不良になってしまいそうになりつつも、そこをなんとかするくらい面白かった。役者同士の技の見せ合いよりも、登場人物達の何人かの空気感は、島の人達の感じが出ていて、いい意味で洗練されすぎていないところに好感が持てた。続きも絶対に観たい、と思わされました。

関数ドミノ

関数ドミノ

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2014/05/25 (日) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧巻でした
品川で新幹線を降りて、渋谷まではギュウギュウの満員電車。
三軒茶屋で降りて、シアタートラムまでの写真入りの地図で無事到着。
高い天井に奥行きのある舞台。壁側面には立ち見の方々。
いただいたチラシはメチャ分厚かった。
これが、東京の舞台なのですね。
内容は期待通りで、ホントに行って良かったです(*^_^*)

ネタバレBOX

とても近くて観やすい席をご用意してもらいました。
先行発売って、ありがたいです。

心から本気で思うことの「力」について、考えさせられました。
もしかすると、ドミノの力は全員が持っているのでは?
私は思いが足りないだけで、もっと本気で願うことができれば実現できる!
なんて考えさせられた・・・。
ラストは、「ひょ~っ」と思ったけど、ドミノの強靭な力を目の当たりにした気も。まさか消えてしまいたいという思いも叶うなんて・・・。

だけど、もっとびっくりしたのは、ドミノ幻想という疾患が現実的には無い?
どっぷりと、あの舞台空間の中に迷い込まされました。
河童

河童

DULL-COLORED POP

吉祥寺シアター(東京都)

2014/07/18 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

失業率
河童の世界を知ることで人間社会の成り立ち方が分かりました。

ネタバレBOX

世の中が煩わしくなって自殺しようとした青年が、同じく自殺しようとしていた河童を追い掛け、穴に落っこち地下の河童の国に行ってきた話。

当日パンフレットによると、芥川龍之介の「河童」をモチーフにしながら、メッタメタに書き換えたとのことでした。

河童の国は合理的でした。余計なことを考えなくても済みます。65歳以上は殺されるため年金問題や老人医療費問題はありません。働く意志の無い者も殺されるので失業率はゼロです。そして、殺された河童は食料に回されるためみんな大喜びです。そして、そういうことを理解した上で、生まれてくる赤ちゃんは、自分の意志で生まれるか生まれないかを決めることができるようになっていました。

こんな風に割り切ってしまえば楽ですが、プリオンの問題があったり、働き蟻の二割が働かないように、好機や非常事態が発生した場合のバッファが無ければ種として存続できないことから、世の中には自分とは考えの異なる邪魔で鬱陶しい人間が存在して、自分の思うように行かない、簡単に結論の出せない社会になっているのでしょう。

大人は働かざるもの食うべからず、子供は勉強。保護者以外からの施しは受けない河童たちですが、ラストで河童の少年は人間の青年から肉まんを受け取りました。ちょっと人間風の考えを取り入れたことで、将来河童の自殺志願者になるのでしょうか。

その前に、河童たちは世の中の激変に対応できず、もう既に滅んでいるのかもしれませんね。
KARAS APPARATUS1周年記念公演『誕生日』

KARAS APPARATUS1周年記念公演『誕生日』

KARAS

KARAS APPARATUS(東京都)

2014/07/18 (金) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題1178(14-226)
19:00の回(豪雨)。開場5分前の駆け込み、当日券で。

19:05~20:10、20:29トーク終了...雨は上がっていました。

初めて此処「KARAS APPARATUS」で観たのが『パフューム°R』(2014/4)、その後上映会にも足を運び、6回目となりました。

今夜は伊東さんのソロ、いろいろなジャンルの音楽と伊東さんのダンス、照明に光る両の手、闇に溶け込んでゆく身体、大きく緩やか羽毛のごとき動き、切り裂く鋭さ、多彩な演目。

1周年を迎え勅使川原さん(どうやら館長らしい..)のトークにも熱が入っていました。

カフカを読む、カフカを謡う、カフカを想う/カフカ トリビュートPart3

カフカを読む、カフカを謡う、カフカを想う/カフカ トリビュートPart3

夜想 presents パラボリカ・ビス

parabolica-bis(パラボリカ・ビス)(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題1177(14-225) 田中美沙子さん
17:00の回(雨)。受付はだいぶ前からやっているようです、16:00受付、VELOCEで待ち、10分前会場へ、16:55開場(チケット記載の番号順)。

田中さんは4回目。

前回(2014/2)と同じように入って右に座ります。コの字の座席、目の前には水をいっぱいに張ったガラス瓶、グラス。正面上部に椅子と蝋燭。上演中大量のスモークがあるのでマスクが配られます。

17:03前説...轟く雷鳴は戸外から...17:04開演、舞台に長方形に照明があたり、内と外とに分かれ、上手より登場、~18:14終演。前回と変えているところも多く、凄味が増したようです。

★★JOURNEY JOURNEY★★

★★JOURNEY JOURNEY★★

ダンスワークス

昭和女子大学 人見記念講堂(東京都)

2014/07/19 (土) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1176(14-224)
12:30の回(晴)。9:20会場着、昨年よりちょっと早めに着きました。今年もオープンキャンパス中でたくさんの親子が構内へ入っていきます。この時間で並んでいるのは約10名...チケットには「開演2時間前」から整理券配布と記載ありましたが、「開場2時間前」でした。チケット1枚に整理券1枚、31番。振りかえると40人位の列。

開場15分前にロビー開場、12:00指定席+10番ずつ入場、中央付近が「指定席」、やや後方に「招待席」、あとは自由席で前方から埋まります。家族、友人関係が多く、開演まで大賑わい。

今年で3回目、12:30開演のブザー、12:34~13:38で12組、休憩、13:57~14:58で10組、計22組とFINAL。ベース音で座席がピピる音量、煌びやかな照明、客席からの声援、タップやバレエ、小学生の子、ベテランも...幅広い演目が途切れることなく続く、夏の大イベント。FINAL後、舞台から客席を駆け抜け退場するダンサーはあどけない表情、ともだちを見つけ手を振り満面の笑み、ロビーは人でいっぱい。また来年も観たいものです。

ちいさなひまわり

ちいさなひまわり

ぱぷりか

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2014/07/18 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★

無題1175(14-223)
14:00の回(曇)。13:32受付、開場。

木製の椅子が3つ、じょうろ、天井から鉢植え(逆さまに)。

15:36前説(飲み物可、60分)、14:02開演..オレンジの傘、「あめふり(北原白秋)」..、強い雨、セミの声、~15:02終演。

ENBUの公演は何回か観たことがあり、阿部さんは「昼下りの岸田(2013/7@王子)」の卒業公演が初めてで、本作が5作目。岡本さんは時々自動の「生れて初めて出すフォルテ(2014/6@せんがわ)」からで2作目ですが、ミュージシャンと役者なのでずいぶん違った印象。岡さん、前田さんは初めて。

とても繊細な雰囲気を持っていて、この世代の女性らしいものなんだろうな、と思いました。特に岡さん(さく役)の存在が異質というか異色で好印象。

白地に水色が点在する背景、ライトが当たると淡い影をつくっているのが雨上がりの空を思わせてくれました。

終盤、倒れたとき(2回目)、作家はどちらを選択するのだろう、と思って観ていました...終わってしまうのか...続けるのか。再生..この結末でよかったと(個人的に)思うのでした。

どんなことをしてほしいの、ぼくに

どんなことをしてほしいの、ぼくに

HYP39

シアターシャイン(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★


あらすじから引かれて見に行きました。女性目線で書かれた(想像)ためか、彼女が求めたものが何かを、どこまで理解できたかなと思う。
ただこれで第2回公演というのが驚き。次をまた観てみたい。役者さん達も熱演で良かったです。

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★


震災に関する舞台なので、言葉は悪いがちょっと説教っぽくなることを心配していましたが、そんなことのないいい芝居でした。それでいて、震災とほとんど接点のなかった自分に、福島に生きる人、離れた人の気持ちの一端を教えてくれました。

マボロシ兄妹

マボロシ兄妹

悪い芝居

青山円形劇場(東京都)

2014/07/18 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★

デタラメな家族関係が面白い
まずは苦言から。

青山円形劇場で上演された本作、役者が派手に動き回るシーンも多い反面、役者の向きや位置関係が固定されたままに演じられる静的なシーンも多く、後者の場合、役者によっては延々と後ろ姿を見せられる羽目になってとてももどかしい思いをしました。

舞台をぐるりと囲むお客さんにできるだけ顔が見えるようこまめに体の向きを変えながら演じるのが円形劇場での演技術なのに、悪い芝居はこのタイプの劇場での公演経験があまりないのか、一観客として上のようなストレスを感じる結果になったのは残念至極。

ただ、そこに目をつぶるなら、様々な観方ができる、演劇的豊かさに満ち満ちたとても良い公演でした。


現実と幻想、地と図の区別の不可能性に迫った哲学的な劇としても、演劇によって演劇を考えるメタ演劇としても、また、全キャストがド派手な装いで現れて駆け回ったり踊ったりする目に楽しい劇としても楽しめますが、個人的には、主人公の妹で奥歯という名前の娘がじつはどんな様態で存在しているのか、それが徐々に明らかになっていく過程がとても面白かった。

そして本作、チラシその他にもある通り、ドサ回り一家を描いた家族劇でもあって、そのムチャクチャな家族関係も堪能。
家族というものについての社会通念のみならず、生物学の枠組さえも踏み超えたデタラメな家族関係は、これまでとは異なる新しい人類のあり方を示しているようでもあり、単なる遊び心の産物のようでもあり、とにかく面白かった。
この一家が登場するスピンオフ作品があったらぜひ観てみたいです。

ネタバレBOX

奇形児が生まれやすい血筋のドサ回り一家は、各地を転々としながら見世物小屋を開いて生計を立てているという設定。

残念なのは、興行のシーンが短いこと。

オチの部分しか見られない、シャム双生児の姉妹による自虐漫才は、できればフルで見せて欲しかった。
『ギア-GEAR-』Ver.3.70

『ギア-GEAR-』Ver.3.70

ギア公演事務局

ギア専用劇場(京都府)

2013/11/01 (金) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

光と風と紙ふぶき 宿る心 育つ心
ドールとロボロイド 共鳴する心
すべてに興味を抱く 幼い子供のように。

光と風と紙ふぶき 宿る心 育つ心
マイム ダンス ジャグリング 最高に面白かった。

ネタバレBOX

グッときました。 最高に面白い。
ドールが動き出す。
すべてに興味を抱く 幼い子供のように。
ドールとロボロイドが共鳴するように 心が、宿る 育つ。
ドールに流れ込む光 ・・・・・
ドールに涙 ドールから流れ出す光・・・・・
ロボロイドがドールを覗き込む。
ロボロイドがドールに手をさしのべる。

光と風と紙ふぶき 宿る心 育つ心
マイム ダンス ジャグリング 最高に面白かった。

積もるほどの 紙ふぶきは、このチラシ 
夕-ゆう-

夕-ゆう-

タクフェス

サンシャイン劇場(東京都)

2014/07/03 (木) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

名作
宅間さんが脚本された作品が好きで、今回名作「夕-ゆう-」をやるとの事で、何とか時間を作り、観に行きました。率直な感想はやはり「名作」です。

ネタバレBOX

主人公たちの高校生~30代と徐々に年月が流れていきますが、反感しながらも絶えず家族・近所で支えあうアットホームな舞台です。大好きな元弥にどうしても告白できない夕、夕の気持ちに気づいて何とかさせてあげたいと思う周りの人達、基本的に皆、自分の気持ちは大事にしたいが周りにも気を使える人達ばかりです。だからこそ、応援したくなり、歯がゆくなるのでしょう。
会話も演出かアドリブか分からないシーンも多く、これも魅力です。
上原さんに向かって、SPEEDの中にとても可愛い人がいるというシーンは必見です(笑)

好きなシーンは多々あるのですが、個人的には再入院する静の事で落ち込む夕の為に、元弥が宝物を上げるシーンと亡くなった後の宝箱に坂田が間違えて書いたチラシが入っているシーンには泣かされます。

素敵な役者さんが多かったのですが、その中でもやはり宅間さんの演技力は実に素晴らしい。高校生時代から大人まで見事に演じられておりました。

途中の撮影タイムや終演後のダンスなどもあり、まさにフェスティバルでした。
0号 -2014-

0号 -2014-

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/07/17 (木) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

王道エンターテイメントの神髄
人気のゲキバカ、初観劇でしたが、芸劇でほぼ満席、客層もバラケテおり公演前から様々な人に受け入れられているのが分かりましたが、公演を観て納得致しました。
「分かりやすいのに奥深い王道エンターテイメント」というフレーズに期待してましたが、まさにその通りでした。
奥深い脚本、実力派の役者さん、ダンス、殺陣等どれをとっても期待以上でした。

ネタバレBOX

最初現代から始まるが、オープニング早々から、舞台から降りて観客に話しかける、ある意味タブーな出だし、そして物マネとすぐに観客の心を掴む。ここまでは演劇というよりコントに近い立ち上がり。そこから2人の老人に会い、昭和初期の回想シーンへと入っていくがこの入り方も見事。昭和初期の活気あふれる状況が描かれる。大スターや大監督、そして大スターに憧れる若者達、また撮影所近くの定食屋さんや新聞記者達と、実にみな生き生きと描かれている。それぞれが、夢を持つ姿に心が打たれるのだろう。だからこそ、その後の戦火に徐々に巻き込まれる様子が涙を誘うのだろう。実際に、赤紙が届いた後藤と菊田の会話シーンは秀逸で泣かされた。個人的には、望月少佐と幸田のシーンも好きです。
千代子が後藤からの手紙を読むシーンも訛りが途中から出てくる演出や二人の名前だけが漢字で書けるという所はまさに涙腺のツボでした。
また、ケンちゃんや遠山が笑いのアクセントを上手くつけており、笑い・涙ありの王道エンターテイメントを実現していました。
これも各役者さんの技量の高さが秀でているからであり、素晴らしい演技力と素晴らしい脚本の作品だと思いました。
最後は、ある程度予想できましたが、本当に奥深い王道エンターテイメントでした。

0号 -2014-

0号 -2014-

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/07/17 (木) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

とにかく名作
初演,再演,そして今作と3度目の「0号」。定番のキャストもあれば,新たな役にチャレンジしているキャストもあり,途中盛り込まれるコントには余裕の遊び(今作の「千代子」さんも絶品である。)。そして,本筋は何度観てもいい,泣ける,笑える,感動する。やはり名作でしょう。これぞ芝居,これぞゲキバカ。大満足の観劇です。

0号 -2014-

0号 -2014-

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/07/17 (木) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

エンタメ王道
 今作の優れている点は、何より民衆の生き抜く力に対するエールだろう。今、この「国」は、未曾有の「国難」に陥っている。無論、アホそのものの宰相、安倍その他の馬鹿共の所為である。間違いなく、アメリカの植民地としての機能を果たす為、この植民地は、アメリカの利害によって他国の、殺したくも無い人々を正義に反して戮しに行き、自らも大きな犠牲を払うであろう。それでも尚、民衆のある部分は生き残ってゆく。その強かな生命力に対するエールである。描かれているのは過去と現在である。然るに、しっかり見つめられた過去は未来を包含する。今作はその域に達していると見て良かろう。
(ネタバレ後ほど更に追記)

ネタバレBOX

 ところでキネマに於ける”0号“とは、総ての作業を終えて一本のフィルムに画も音も収録され、スタッフ・関係者のみで最終チェックを行う為のフィルムである。従って、通常の試写会で用いられるのは、この後のバージョンである。今作では、第二次世界大戦前夜1938年3月のドイツによるオーストリア併合・日本では国家総動員法施工辺りから、1940年10月の大政翼賛会発会、1941年12月の真珠湾攻撃を経て翌年4月末の翼賛選挙、6月初旬、ミッドウェー海戦での大敗後、南洋諸島で連戦連敗の大日本帝国軍は、1944年ロジスティック面で大きな問題を抱えたインパール作戦を決行、大失敗を演じる。更にグアム戦でも守備隊、1万8千名が玉砕、直後にはテニアン守備隊8千名が玉砕すると、日本本土へはB29 の空爆が、日常茶飯となった。
 こういった負け戦情報をアナウンスで流すだけで、舞台上では、あく迄、登場人物達の、恋や表現者としてのプライド、人間関係等々が緻密に演じられてゆく。役のつかなかった役者が、初めて役付きになった時の喜びようや、役作りの抱負、役がついたので惚れた女にプロポーズする様、直後、彼らは、赤紙を受け取る。大スターであり、憧れであり、自分達の兄貴分であった坂妻が、初めて貰った役、忠臣蔵の吉良上野介役に抜擢されて喜んだのも束の間、愛しい千代子との恋路も切り、坂妻の跡目を継いだ鶴三郎との内蔵助、吉良共演の話も切って泣いて詫びた約束の反故も、鶴三郎への赤紙で意味を変じた。互いに矢張り南方戦線に送られたが、生きて戻って、必ず忠臣蔵で役を演じようとの当代一流の役者達の誓いも虚しく南洋の島々の露と消えた。鶴三郎最後の時、後藤は肌身離さず持っていた千代子のブロマイドを引き裂き、紙吹雪を作って雪を降らせる。無論、名作「南の島に雪が降る」を踏まえていよう。畳みかけるように、後藤から千代子への手紙、雪の降る中、千代子は、本分は総てひらかな、名前だけは、本人の名も千代子の名も漢字で書くことができるようになった手紙を読み上げる。途中から、方言で発音されるその文面の何と言う奥深さ、美しさ。南方の島々に送られた役者達は全員星になった。今作に登場する出征軍人・兵士のうち、生き残ったのは、望月とやんすのみ。二人とも役者ではない。良い奴ほど早く死んでしまう。それが、戦争だ。
高校生舞台ショーケース'14「たまごから。」

高校生舞台ショーケース'14「たまごから。」

ちょビすけ

スタジオ空洞(東京都)

2014/07/20 (日) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★

自分の頭で考えているのがグ-
 1本20分ほどの短編を5本とマイムのパフォーマンスが2度入る構成だ。各短編は、独立しており、相互の関連は無い。然し、どの作品も、手作り感に溢れ、高校生らしい問題意識が垣間見えるのは、爽やかである。更に、どの作品も自分達の頭で考え、問題を立て、解決しようとしたり、向き合おうとしている点を評価したい。若い人達故、無論、まだまだ磨くべき点はある。然し、果敢にチャレンジする姿勢に好感を持ったのも事実である。今後も、只管真っ直ぐに事象・時局を観察し、率直に人生に向き合って欲しい。どんなに困難であっても徹底的に率直に物事を見極め、且つ、それを表現する限り、表現者として堕ちることはないであろうから。

owl children

owl children

株式会社Legs&Loins

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

Aバージョン
セットが凄く、客席が四面にあり、照明や音響も心地よく、
始まる前からワクワク!!


始まりの女の子の寂しそうな顔からスタート!!

ネタバレBOX

人格登場!
個性たっぷり!!迫力満点!!

家族のシーンは
温まる感じから、後半はもう見てて苦しくなります。
子供達がセリフがないところでも
いい演技してました。

クライマックスはもう
哲さんと同じ息づかいになるくらい、
苦しくなって、物語には入り込めました


とっても面白かったです。
パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

おぼんろ

王子MON★STAR(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

今こそ呪文を
八幡山ワーサルシアターの後、岡山・島根と回って帰って来た王子公演。
ハコが変わると何かが変わるのか、42公演の40公演目を観に行った。
長丁場にも関わらず疲れを感じさせない声と
緊張感あふれるパフォーマンスが素晴らしい。
そしてわかっているのにやっぱり泣いちゃう。
リンリンの哀しい恋と、メグメが切々と歌う無念さ。
タックと一緒に空を見上げて、タックの知らないトシリモを想って…。

ネタバレBOX

天井の高いドーム型の劇場は、空間が凝縮されて
天井から光が差し込む場面がいっそうドラマチックになる。
工場長(さひがしジュンペイ)が懐中電灯を手に降りて来る場面では
その高さと距離感が十分に活かされていた。

スタートして5公演目を観た時より、人物像が濃くなっている。
それぞれのキャラから紡ぎ出される糸の色が
たっぷり染まって深みを増した感じ、と言ったらいいだろうか。
微妙に振れ幅が大きくなった台詞、
アドリブや客いじりの絶妙な加減のせいかもしれない。

2度目の観劇で改めて感じたことは
藤井としもりさんの声の魅力的なことだ。
艶のある声が良くコントロールされていて
次第に変化していくトシリモの心情が豊かに伝わってくる。
絶望的な世界で生きる者の、“絶望的な希望”とでも言うべき選択を
体現していて素晴らしいと思う。

必要悪の負の部分を一手に担う工場長は
冷徹さが増して、その分苦悩がいっそう濃くなった台詞が味わい深い。
さひがしジュンペイさんのリンリンに向ける慈愛のまなざしや
ベルトコンベヤーから落ちたタックを助けた顛末を語るところ、
絶望の中で工場長自身が救いを求めていることを感じさせる。

今回私はたまたま椅子席に座れたが、2時間半超を体育座りはキツイ。
シアターコクーンを目指すのであれば
どんな劇場でも自分たちのアクティングスペースを構築すること
その上で快適な客席を設営すること、が必須条件になるだろう。
誰かを誘いたい時、座席がネックでためらうのはあまりにもったいない。

末原拓馬さんの描く世界は深く示唆に富み、魅力的だ。
私としてはいつか彼に“純真無垢でない”ダークなキャラなんかも演って欲しい。
5人の創る世界は孤独な私たちを魅了する。
観客動員数4194人を達成できるかどうかわからないが
千秋楽は数字なんか忘れて行こう。
そして今こそ呪文を唱えよう。

「パダラマ・ジュグラマ」と…。






新撰組哀歌 -びいどろ揚羽蝶-

新撰組哀歌 -びいどろ揚羽蝶-

劇団 歴史新大陸

座・高円寺2(東京都)

2014/07/18 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

歴史エンターテインメント
劇団歴史新大陸「新撰組哀歌−びいどろ揚羽蝶−」を観てきました。

これまで新撰組と聞いても土方歳三や近藤勇くらいしか知らなかったので、時代背景や芹澤鴨がどういう人物だったのかネットで簡単に調べてから観に行きました。

でも、頭と要所要所に語りとして説明もあり、私のように歴史に詳しくない人間にも分かるようになっていました。

テンポのいい掛け合いに現代のネタも挟んで笑わせたり、迫力のある大立ち回りに圧倒されたり、シリアスな演技に引き込まれたりと、充実の2時間半でした。(でも欲を言えば、時間はもう少し短いともっとよかったカモ)

とにかく時代に翻弄された芹澤さんや土方さんの苦悩がとても伝わってきました。

そして、今回新たな芹澤鴨の人物像を浮かび上がらせるのに欠かせなかったのが、恋人お梅の存在でしょう。
演じた日向紗代さんは、可愛らしい容姿の中に凜とした佇まいがあり、声も素敵で、ヒロインにピッタリでした。

今回とても面白かったので、次回作にも期待したいと思います。

ネタバレBOX


終盤の暗殺シーンで、それまでコミカルな役どころだった平間重助が、惚れた芸妓の糸里を逃がして最後を遂げる展開は涙なしには見られませんでした。
実際のところどうだったのかは誰にも分かりませんが、お芝居としてはとてもドラマチックでした。

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