河童 公演情報 DULL-COLORED POP「河童」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    失業率
    河童の世界を知ることで人間社会の成り立ち方が分かりました。

    ネタバレBOX

    世の中が煩わしくなって自殺しようとした青年が、同じく自殺しようとしていた河童を追い掛け、穴に落っこち地下の河童の国に行ってきた話。

    当日パンフレットによると、芥川龍之介の「河童」をモチーフにしながら、メッタメタに書き換えたとのことでした。

    河童の国は合理的でした。余計なことを考えなくても済みます。65歳以上は殺されるため年金問題や老人医療費問題はありません。働く意志の無い者も殺されるので失業率はゼロです。そして、殺された河童は食料に回されるためみんな大喜びです。そして、そういうことを理解した上で、生まれてくる赤ちゃんは、自分の意志で生まれるか生まれないかを決めることができるようになっていました。

    こんな風に割り切ってしまえば楽ですが、プリオンの問題があったり、働き蟻の二割が働かないように、好機や非常事態が発生した場合のバッファが無ければ種として存続できないことから、世の中には自分とは考えの異なる邪魔で鬱陶しい人間が存在して、自分の思うように行かない、簡単に結論の出せない社会になっているのでしょう。

    大人は働かざるもの食うべからず、子供は勉強。保護者以外からの施しは受けない河童たちですが、ラストで河童の少年は人間の青年から肉まんを受け取りました。ちょっと人間風の考えを取り入れたことで、将来河童の自殺志願者になるのでしょうか。

    その前に、河童たちは世の中の激変に対応できず、もう既に滅んでいるのかもしれませんね。

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    2014/07/21 11:11

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