
祀(MATSURI)
劇団め組
吉祥寺シアター(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
鍛えよう!世間知らず力
『祀』は吉祥寺の森に住む「七福神」が題材だ。そして、千秋楽後、商店街のアーケードから 聴こえたのはもう一つの賑わう『祭』だった。
あれは幻想郷か。まるで宮沢賢治の童話世界であり、スタジオジブリの新作映画である。鬼色に光る提灯が均等を保ちながら整列する。その下、境内の砂利道では、町内会が加入率を取り戻そうと躍起だ。太鼓サウンドに連動したいわゆる「盆踊り」をエンドレスに感じるのは気のせいだろうか。
明治学院教授・原 武史さん の新著『知の訓練 日本にとって政治とは何か』が新潮新書より刊行された。世間的には無名に等しい学者だが、「解説書」ではない、キャンパスの「授業風景」を収録した同著を大手出版社が刊行したのである。「日本のサンデルだ…」。そう新潮社担当者が考えたのかは定かではないが、「白熱授業」のコピーを帯につけるほど「今イチオシの人物」だ。
私は 原 教授の講義を受けたことがある。法政大学・市ヶ谷キャンパスに 潜り込み、建築学科生を対象とする「空間政治学」の 実践理論を聴いたのだ。「ちょっと、寝てる奴、寝てる奴 がいるじゃないですか。もう少し、建築だけじゃなく、専門外の政治にも興味を持った方がいいですよ」
原 教授は 法政大学生の態度にプンプンだった。ただ、自ら団地組合の資料を集め分析したという「現場主義」で、新社会用語「団地コミューン」を一部に浸透させた学者だ。講義はおもしろしい。「団地から戦後の55年体制、ひいては米ソ冷戦までを包括的に理論化する」アプローチは異端児でもある。
原 教授が新著で明かした「知の再発見」は「祀=政」である日本原論だ。2012参院選だと環境新党が「選挙フェス」PR作戦を展開し、この国の議院内閣制を一言「まつりごと」に置き換えていた。このニュアンスは、朝廷による常備軍(国軍)廃止と期を一にして武家パワーが軍事的権力を手にする西暦800年以前のレジーム構造だろう。
前置きが長くなったが、劇団め組『祀』は七福神と江戸幕府の二重「まつりごと」を、その安定した演技で顕在化したように思う。
お正月の薄型テレビが茶の間に放送する『七福神』ではない。
茶髪だったり、凛々しかったり、カダフィ大佐のような「強面福神」もいる。しかし、パロディーでもない。
それは「幸せ」の仲間達だった。
※ネタバレ追記あり

恋する小説家〜映画と舞台のW上演〜
Moratorium Pants(モラパン)
OFF OFFシアター(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
ネホリーとハホリー☆
(^^)/月曜の昼、下北沢で
[Moratorium Pants(モラパン)]の、
【恋する小説家】を観てきました☆
面白かったです。
小説家志望の青年が主役の、
SFハートフル・ラブ・コメディ♪
笑いがいっぱいで映画と違うラスト☆
元気がたっぷりもらえる舞台です!
観劇日記をブログに書きました。

レビュー夏のおどり
OSK日本歌劇団
新橋演舞場(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
すごい…
初めての、しかも、これまでより遥かに大きな劇場。
そして本拠地大阪から遥かに離れた東京。
それなのに、しっかりと”自分たちの公演”をしていました。
この人たちの勝負強さは本当にすごいな、と思います。
新橋演舞場での公演が、定例化されますように!!

UNIQUE NESS(ユニークネス)
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
生きた証!
日本人脚本家が作ったイギリス的なお話。
主人公ハロルドの機転の利いた受け答え、他の登場人物の嘘、などの絡みが見どころ。

黄金バット
オルガンヴィトー
三軒茶屋 太子堂八幡神社境内特設舞台(東京都)
2014/07/25 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
オルガンヴィトー初観劇。。。
この場所での演劇公演が恐らく見納めになるらしいとの事もあって今回観劇。
天井に届きそうな勢いの放水や水に浮かんで進むボート、宙乗りなどの仕掛けの数々。
テント芝居の醍醐味が堪能出来る舞台でした。
とは言え、自分にはちょっと縁遠い世界ではあるなぁと…。
上演時間:約2時間30分

UNIQUE NESS(ユニークネス)
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
演技、ストーリー、演出、舞台美術、どれも素晴らしかった。
役者陣は皆、(良い意味での)力と緩急のある演技でとても良かった。
舞台美術は素晴らしい。
ストーリーは、単に分かりやすく、happyというわけでも、unhappyというわけでもないが、この作品を観ることが出来て良かったと素直に思えました。

ノコッタカンカク
FLIPLIP
RAFT(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
見方の違い?
タイトルと幕開けからは想像しない方向へどんどん行く。観客一人一人に感覚を委ねる要素があるので考え過ぎてしまう人にはオススメ!w

キープレス
劇団森キリン
アトリエ春風舎(東京都)
2014/08/02 (土) ~ 2014/08/07 (木)公演終了

す き と お り
miel(ミエル)
スタジオ空洞(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/05 (火)公演終了
満足度★★★★
夏の清涼剤
白を基調にしたシンプルな舞台セットと衣装。役者さん達も皆爽やかな感じ。バラエティに富む短編集ですが、どれもスタイリッシュで、実に面白い。個人的には喫煙所での会話劇が一押しです。パーカッションの生演奏も雰囲気を盛り上げていましたね。エアコンも効いていて快適な一夜でした。

す き と お り
miel(ミエル)
スタジオ空洞(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/05 (火)公演終了
満足度★★★★★
細胞が・・・!
なんだこれ、なんだこれ!!!の連続で、未知なる刺激によって身体中の細胞がもくもく活性化していく音が聞こえました。真っ白な舞台は役者さんによって様々な色に染められていき、どのお話も全く違う色をしていました。とにかく凄い!面白い!生まれて初めて受ける衝撃に、凄いしか言葉が出てきません。

スノードロップ
みどり人
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/06 (水)公演終了
満足度★★★
孤独を描くなら哲学を 寂しさ程度なら孤独ではない
四つの話で完結する作品の第二話までなので、結末が分かるわけではないのだが、孤独レベルの話ではなく、とりあえずは、男女間の噺であった。申し訳ないが、孤独というのは、次元が異なる。まあ、ホームドラマレベルでは、なんとかお勧めなのかも知れないが、孤独という言葉を出してしまった以上、自分的には、お勧めはしない。評価は中間をとる。

岸田國士小品選
おででこ
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2013/09/06 (金) ~ 2013/09/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
忘れられない・・・
こんなに胸に突き刺さるような芝居は久しぶりに見ました。
この劇団の質の高さは、類を見ないです。
もっと知られてしかるべきなのに・・・!感想が少なくてびっくりです。
みんなコリッチ知らないのかな・・・!!!!
ギューギュー詰めの中でみたので、もっと大きな劇場でもいーのに、と思いましたが、やっぱこういう舞台は小さい小屋でやるからいいのかな!
また見たいです。再演したらもー毎日行きたい!!

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #13:VILLAGE VII 夏草がそよぐ村
セブンスキャッスル
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2014/07/29 (火) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★★
セリフの綻びを…
脚本はなく役者が人間、人狼という与えられた役割を即興的に演じる。舞台上の人間と人狼の闘い(暴きあい)は、観客も参加し楽しめる趣向になっている。だから役者同士の理論・心理の綻びを見つけて悦に入ることも出来る。
ただし、過去に観た“人狼”に較べるとセリフの迫力とミステリアスさに欠けたと思う。また、ビジュアル的には、メイクや衣装が見劣りする。
さて、本論だが即興性が試される芝居は、自分だけの演技に陥った時ほど、観客は置いていかれるだろう。
(ネタバレBOX)

交互に光る動物
ブルーエゴナク
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
じっとりした人間関係
希望もなければ、絶望もない。退屈もしないけどただただじとじとしている。そんな雰囲気の作品でした。
北九州から結成2年で東京に来ただけある。
役者の細かな立ち振る舞いや、発声にはまだまだな点が多いが、それでも充分みられるのは演出の技量だろうか。
千秋楽にもかかわらず40人ほどしかお客さんがいなかったのが悔やまれる作品。また王子小劇場でやってください。

す き と お り
miel(ミエル)
スタジオ空洞(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/05 (火)公演終了
満足度★★★★★
人生讃歌!(とあえて呼ばせていただきます)
階段を下りて地下一階の会場に足を踏み入れた私を待っていたのは、AMではまず掛からなそうな洗練された音楽、そして、オシャレに装飾されたアクトスペース…。
“来る場所まちがえたかも…”
客入れ時はそんな居住まいの悪さを感じたものの、いざ幕が開いたら、始まったのはユーモラスなダンスと趣味のいい音楽に彩られた良質な短編集。
作家陣に実力者を揃えているだけあってどの作品も人生の機微を感じさせて面白く、また、振付家/ダンサーでもある金崎さんが演出をしているだけあって、ダンスは幕間に演じられるのみならず、6つの短編のそこここに浸食、その踊りというのがどれも愛嬌に満ちていて、妙な動きを笑顔で繰り出す役者さんたちを見ているうち、なんだか幸せな心地に…。
私は開演までの居たたまれなさをすっかり忘れ、心の底からこの公演を楽しんでいたのです。。。
6つの短編の中には重めの話もありましたが、全体としては“人生讃歌”の趣を強く感じさせる公演で、見終わったあと元気がもらえる95分でした。
照明含め“白”にこだわり抜いた美術も見逃せないポイント。
「すきとおり」というタイトルにどれだけ見合った公演かは観てのお楽しみということで(笑)。

MACBETH
劇団初夜の会
ART THEATER かもめ座(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★
シェイクスピアごっこ
初見の劇団。シェイクスピアをやるということで観劇。小さな劇団がやるシェイクスピア作品ということで楽しみにしていました。が、期待は裏切られました。悪い意味で。

ハムレット
京都芸術センター
あうるすぽっと(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
無題1196(14-244)
13:00の回(晴、猛暑)。12:45開場。
手前に傾斜した舞台、上部に「THEATER」のサイン、13:09前説(アナウンス、開演が遅れていることについてのコメントなし)、大幅に遅れ13:13開演~15:44終演。
やはり、普通のシェイクスピアはダメでした。途中、帰ったと思われるお客さんも。
「ハムレット」は1998年、ケネス・ブラナー(監督・主演、4時間)の映画を観たことがあり、そのイメージで観に来たので、そこがあわなかった理由かと思います。非常に「軽い」、現代風の作風でしたが、なまじストーリーを知っているので、演出の妙味を..とはなりませんでした。

五反田の夜
五反田団
アトリエ劇研(京都府)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
五反田の夜
押し付けてくるものはありません。でもしっかりとそこに五反田がありました。素晴らしいです。おすすめです。
比べるのは五反田団には失礼なのですが、所謂「社会派」劇団の作品で社会を感じたことはありません。あれらは観客の自由な態度を否定するからでしょうね。

トヨタ コレオグラフィーアワード2014"ネクステージ"(最終審査会)
トヨタコレオグラフィーアワード
世田谷パブリックシアター(東京都)
2014/08/03 (日) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
多様な表現
最終選考に残った6人の振付家の上演会で、それぞれ異なる作風が現れていて、コンテンポラリーダンスの多様性を楽しめました。
捩子ぴじん『no Title』
男2人で4つ打ちビートに合わせたヒップホップ的な同じ振付で踊りながらも異なる質感が現れている様を見せ、後半では同じオノマトペや形容詞、名詞による振付がインド舞踊的に変容するという構成で、振付に対して批評的な意識が感じられました。
スズキ拓朗『〒〒〒〒〒〒〒〒〒〒』
以前に発表した『THE BELL』を制限時間に合わせてリメイクした作品で、ストーリー性を無くして歌とダンスの馬鹿馬鹿しくも精密なコンポジションとなっていましたが、エモーショナルな高まりがあまり感じられませんでした。
木村玲奈『どこかで生まれて、どこかで暮らす。』
男1女2のトリオ作品で、前半はバラバラに動き、中盤でユニゾンとなり、次第にまたバラバラな動きとなって最初のシーンに戻る構成で、音楽は用いずに電話の会話や具体音を流し、内省的なムードが印象的でした。もう少しベテランのダンサーが踊った方が合っていると思いました。
塚原悠也『訓練されていない素人のための振付けのコンセプト001/重さと動きについての習作』
仰向けに寝ている人の上に人が乗り、傍らに置かれた太鼓が鳴らされると照明が消えて、別の1人が出て来てカメラで写真を撮るというシークエンスが繰り返され、暴力性とユーモアがユニークに表現されていました。終演後に作品の仕様書が配布され、振付の定義について考えさせられました。
川村美紀子『インナーマミー』
女4人が爆音のノイズミュージックとストロボが点滅する中、カオティックに踊って始まり、ファミリーマートの入店アラーム、緊急地震アラーム、JRの発車ベル等、様々なアラーム音に合わせたソロが次第にダンスビートにミックスされ、終盤にはラジコンに乗せられたキューピー人形が何体も登場する構成で、ダイナミックな振付と派手な照明効果で引き込まれましたが、まとまり過ぎている様に感じました。
乗松薫『膜』
性的なイメージを喚起する作品で、赤と緑を基調にしたビジュアルが鮮やかで、上から吊り下げられたハンガーとフォークを組み合わせたオブジェや中盤で流される映像も印象的でしたが、構成やムーブメントにダンスとしての魅力があまり感じられず、美術パフォーマンスの様に見えました。
※川村美紀子さんが「次代を担う振付家賞」と「オーディエンス賞」を同時受賞しました。

The Kaidan アルプス一万尺 Final
劇団 CAT MINT
シアターサンモール(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
Kaidan
“ 怪談”じゃなくて“Kaidan”。だから軽い話ばかりで・・・怖くない話ばかりで・・・。
しかも最初から彼らが何者で、なぜそこにいるのか?分かり安すぎて、ミステリーという言葉が、意味なかったように感じる。ステージの使い方、メインのメンバーが客席から遠い。逆の使い方でよかったんじゃないか?と思わないでもない。