最新の観てきた!クチコミ一覧

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Don't freak out

Don't freak out

ナイロン100℃

ザ・スズナリ(東京都)

2023/02/24 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/07 (火)

ナイロン100℃!!だ!!
と頷いていました。すごい。
スズナリが、えっ!??という感じに
惜しみなく舞台が出来ていました。
しかも物語、メイク、照明、プロジェクションマッピング、音楽、音響…本当に演劇って文化総合芸術だ!!と感じました。
あの世界観にどっぷり浸かることが出来ました。
ひゃぁ~~
それから、着物の足さばきの見事さが見どころ??でもあったわ。

橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

演劇や人への愛がつまった素敵な作品だったと思いました。

橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

重く悲しいテーマなので、色々と考えさせられるのですが、観終わった時には感動して優しい気持ちになれるのは
演者さんやスタッフ等のみなさまが暖かく優しい気持ちで取り組んでいるからかなぁ・・・と思いました。
演者さんがそれぞれ何役も入れ替わり立ち代わり演じてるのに、混乱せず観ていられるのは演技力なんだろうと思います。

掃除機

掃除機

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2023/03/04 (土) ~ 2023/03/22 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

岡田利規という劇作家は、自分には世界がこう見えている、と脚本・演出して舞台を作ってきたように思う。その唯一の風景が的を射て、たちまち平田オリザ一派の通俗現代風俗劇を押しのけてしまった。アーティストとして時代を見る実力がある。
今年はその岡田が書いた戯曲を本谷有希子に演出を任せたり、自分で書いた脚本に依らずに木ノ下歌舞伎で演出した。注目の舞台である。
「掃除機」はまず2019年ミュンヘン・カンマーシュピーレ劇場に書き下ろし自ら演出した作品『The Vacuum Cleaner』(ドイツ語上演)で上演したものを、初めて母国語で上演するという珍しい公演でもある。
「未練の幽霊」のように、今回も「もの」が登場する。今まで「道具」としてしか登場しなかった「もの」も確かに人間の日常に入り込んでいて、それなりの機能を持っている。冒頭、自走掃除機にのって「掃除機」(栗原類)が、その機能の意味を語る。これがなかなか面白い。舞台はスケートボードの競技場のように曲線になったスロープでこれが、80-50問題そっくりの家族構成の家庭である。すでに中年になった娘が引きこもっている二階に相当するスロープには、ベッドが転げ落ちんばかりに置かれているし、そのむかいにある老親(男)(モロ師岡、俵木藤汰、猪股俊明、三人が次々に登場して一つの役を演じる。ここには個性はない)の籐椅子は半分舞台に埋もれている。この舞台の登場人物は、ハノ・チョウホウ(80 代)ハノ・ホマレ(チョウホウの娘・50 代) ハノ・リチギ(チョウホウの息子・40 代)(山中崇)の家族。それぞれ台詞はほとんどモノローグで、父親の意味の無い会話を求める発言は黙殺される。ときおり、ヒデ(リチギの友人):(音楽の環 ROY)が何気なく舞台を横切ったりする。デメ(掃除機): 栗原類。
格別ストーリーがあるわけでもなく、原題の80-50問題の家族の風景であるが、人によっては胸倉を捕まれるようでもあろうし、またかきむしりたいほど切ない人もいるだろう。
本谷有希子も引きこもりの体験があると言うし、岡田も有名大学を出てからコンビニのアルバイトをかなり長くやっていた。現代の空気を確かに伝えている。これは間違いなく現代の生態を描いた現代劇である
二つの舞台ではいずれも、岡田は非常に慎重である。それがどういう進展を見せるかはまだわからないが、次なる進展が楽しみである。今はちょっと立ち止まって、木ノ下や本谷とお茶しながら考えているというところだろう。

橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/09 (木) 19:00

この事件の背景がよく演出されていて、いろんな視点から再検証している。決して家庭の事情によるものでは無く、いろいろなファクターが複合的に働いて、事件が増幅されたように感じた。
家庭環境の要因が大きいと思うが、家庭だけで解決できるものでは無い事が分かり、課題にどう向き合うことがいいのか考えさせられる。

ムーンパレスの解凍法

ムーンパレスの解凍法

江花実里企画

STスポット(神奈川県)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/04 (土) 13:00

95分。休憩なし。

カミサマの恋

カミサマの恋

ことのはbox

萬劇場(東京都)

2023/03/01 (水) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/03 (金) 18:30

葉チーム。130分休憩なし。

蜘蛛巣城

蜘蛛巣城

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2023/02/25 (土) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

オリジナルは黒澤明監督の1957年の映画で、シェイクスピアの「マクベス」を日本の戦国時代に移したものである。私は10数年前にこの映画をTVで観て黒澤映画とシェイクスピア戯曲の面白さを初めて理解できたのであった。

それが今回舞台化された。出演者を見てみると
・マクベス→鷲津武時(わしづたけとき):三船敏郎(37):早乙女太一(31)
・マクベス夫人→鷲津浅茅(あさじ):山田五十鈴(40):倉科カナ(35)
となっていて、三船と山田という超名優に対して今回のお二人がどんな風に対抗してくるかがポイントである。山田さんは実際の年齢以上に見えてしまうのに対して倉科さんはかなり若く見える。それは三船さんと早乙女さんについても同じであってどちらも20歳くらいの違いにすら見える。重厚対新鮮の戦いやいかにというところか。

最初から若くストレートな演技でぐいぐいと引き込まれた。そして残り30分までは星5つだったのだがエンディングは映画とは異なるもので私好みではなかった。そこだけが残念。

ネタバレBOX

『マクベス』、『蜘蛛巣城映画』、『蜘蛛巣城舞台』で気が付いたことを脈絡なく記す。それぞれ「マク」、「蜘蛛映画」、「蜘蛛舞台」と略記する。「蜘蛛映画」と「蜘蛛舞台」に共通することは単に「蜘蛛」とする。

「マク」はいくつか省略したと思われるところがあって、長時間バージョンがあったのではないかと言われている。「蜘蛛」ではそういうところを補っているので「マク」にくらべて納得させられながら進んで行く。そう感じるところを重点的に挙げて行く。

*スコットランド王ダンカン(=都築国春、以下では大殿と記すことが多い)の長男マルカム(=都築国丸)は目立った記述がないのだが「蜘蛛舞台」だけは道化の役目を与えられている。ここは原作よりもシェイクスピアらしい。次男のドナルペインは「蜘蛛」には登場しない。

*ダンカンがマクベスの居城を訪問することは「マク」では直接マクベスに伝えている。「蜘蛛」では突然大殿の兵が居城の周りを囲んでしまう。この恐怖が鷲津が大殿を殺す決心をする大きな理由となる。まあしかしちょっと不自然ではある。さらに「蜘蛛舞台」ではその後の宴で大殿父子が浅茅を我がものにしようとするかのような言動をする。これは倉科には山田のような説得力のある冷酷な夫人はできないので、殺害の決心をするダメ押しの必要を感じて付け加えたのだろう。ここで浅茅と国丸が社交ダンスのように舞うシーンがある。かなり無理があるがここは倉科の特性を逆に生かしたものだ。

*マクベスがバンクォー(=三木義明)とその息子フリーアンス(=三木義照)を殺害するが、「マク」では「他人の息子を王位に就けるために悪魔に魂を売ったのか(=ダンカンを殺したのか)」という不満が原因である。ここでは夫人でなくマクベス本人が主導する。「蜘蛛」では義照を養子にするお披露目の宴の直前に浅茅が身ごもってしまう(その後流産)。それが主要な動機になる。一方でマクベス夫人が妊娠することはない。

*マクベスがバンクォーの亡霊を見る宴会は「マク」では通常の晩餐会だが「蜘蛛」では義照を養子にするお披露目のものだった。

*マクダフ(=小田倉則保)は最後マクベスと1対1で戦い倒す、他方則保は「蜘蛛映画」では軍師として森を動かす指揮をとる。しかし「蜘蛛舞台」では妻同士が姉妹であることから序盤で気を許して大殿に対して不満があるようなことを鷲津に言ったりする。また最後には国丸に殺されてしまう。

*マクベス夫人の名前は不明である。親兄弟の記述もない。浅茅も「蜘蛛映画」では親兄弟の記述はない。「蜘蛛舞台」では小田倉夫人の若菜が妹である。

*マクダフ夫人(=小田倉若菜)と息子が殺されるシーンは「蜘蛛映画」では存在しない(そもそも夫人は登場しない)が「蜘蛛舞台」では子供の旭丸と共に殺されてしまう。若菜が浅茅の妹という設定が悲しみを深める。

*最後まで生き残る人
「マク」フリーアンス、マクダフ、マルカム、ドナルペイン?
「蜘蛛映画」三木義照、小田倉則保、都築国丸、鷲津浅茅?
「蜘蛛舞台」三木義照、鷲津浅茅:則保は国丸に殺され、国丸は義照に殺される。「蜘蛛舞台」は下剋上を徹底している。冒頭の戦いの謀反人も一家皆殺しにされている。他は本人だけ。

*マクベスの出自の記述は無い。「蜘蛛舞台」だけは百姓出身となって独自のエンディングにつながる。もっとも農民と兵隊の兼業がほとんどだっただろうから区別に意味はないのかもしれない。

*マクベス夫人は狂って自殺する、「蜘蛛映画」では狂うが生死不明、「蜘蛛舞台」では狂うも最後まで生きている。

*ダンカンが殺されるのはマクベスが引っ越す前なのでグラームズ城(=一の砦)であるが国春の場合は鷲津が昇進して引っ越した北の館(=コーダー城)である。

*あの魔女の予言の一つ「女から(自然に*)生まれた者にマクベスは殺せない」という理解が難しい言葉は「蜘蛛」では出てこない。しかしこれがないので普通の人間に一対一で殺されるわけには行かない。そこで映画では家来達の射た大量の矢で殺されることにした。しかし舞台ではそれはできないので落ち武者になって百姓たちの手にかかるシーンを追加した。百姓から成り上がって百姓に殺されるという形をとったのである。その結果、折角盛り上がった戦いのシーンからすっかり白けてのエンディングとなってしまった。
ここで(自然に*)は後で「実は帝王切開で生まれたのだ」と言ってもインチキにならないためには日本語では入れる必要があるが実際にセリフに出すとネタバレになってしまうというジレンマがある。英語だとそんなことはなくて単に one of woman borne で後から帝王切開と言ってもああそうかで済むらしい。まあそんな説明をグダグダするのを嫌って「蜘蛛」ではそういう設定を止めたのだろう。

参考文献
Yu_Seさんのnote
舞台 「蜘蛛巣城」 観劇レビュー 2023/02/25
は大量の記述で圧倒される。この舞台に興味を持った方は必読である。
リンクは検索してください。
橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/09 (木) 19:00

価格4,000円

主人公の生い立ち…それは 身近 ではないが
かと言って“他人事”では決してない。。。
重く…考えさせられるテーマ

でも…主人公の身の上に…一人でも多く
想いを馳せることができるなら
こんな“悲劇”はいつかなくせるに違いない‼ と
想いたい1時間50分でした

なるべく派手な服を着る

なるべく派手な服を着る

MONO

吉祥寺シアター(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

もう30年以上の歴史がある劇団なのに、今日が初観劇。今回は劇団員だけによる上演だそうだが、みないいキャラクター造形で、クスクスが止まらず。セットも素晴らしい。最後まで楽しませてもらった。

割と近くの席に、何度となく携帯のメールか何かの着信音を(それも結構な音量で)響かせてた○○がいたのが残念…。

LAST SMILE ラストスマイル

LAST SMILE ラストスマイル

学園座

関西大学・千里山キャンパス内KUシンフォニーホール(大阪府)

2023/03/09 (木) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

大阪の学生劇団では間違いなくNo.1(阪大の六風館も良いけど)
演劇は人数があると迫力もあって、観ていても面白い
今回はタイムスリップやタイムリープをしながら、争いや平和の意義を問いかけていく流れ
間に殺陣(音響とズレあったけど、気にならない程度)もあったり、三時間弱の長丁場であるが飽きさせない工夫が盛りだくさん
泣ける場面もあって大満足

DADA

DADA

幻灯劇場

AI・HALL(兵庫県)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

音楽劇として、やや珍しいアプローチに取り組んでいる点が印象に残りました。物語パートと歌唱パートに分け、それらをレイヤーとして重ね合わせることでひとつのシーンを構築しようとする。その見え方も観客によって各々異なるでしょうし、様々な感想を呼び起こす効果があると感じました。僕の観た回は客席の反応も上々で、ファンをしっかり形成する活動歴を誇る団体であることがうかがえます。社会問題を内包するモチーフを選んだ一作なので、登場人物の内面描写から飛躍させ、何かしらの問題提起まで到達できれば、更に良かったかも。

蜘蛛巣城

蜘蛛巣城

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2023/02/25 (土) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

黒澤と『マクベス』を全く知らない方が楽しめるのかもしれない。一体何を観せられているのか途中不安になった。『マクベス』の翻案ものの最高傑作とされる黒澤明の『蜘蛛巣城』。それを下敷きにこんな作品を作る人間の業。「蜘蛛手の森」の妖婆の笑う声が聴こえるようだ。

衝撃を受けたのは開幕から幕間ごとに流される曲。お経を英語でがなっているようにも聴こえたフスグトゥン(Khusugtun)の『Tes Gol』他。モンゴルの伝統音楽グループのニューウェーヴ。和洋折衷なおどろおどろしさ。この曲を選んだ人が今作のMVP。
美術のセンスも良い。蜘蛛の巣の張られた背景を仕切る幕。

主演の早乙女太一氏は声が通るので台詞が聞き易い。マクベスにしてはカッコ良すぎるが。弟の早乙女友貴(ゆうき)氏の方がこういう汚れた役は似合いそう。

「蜘蛛手の森」の妖婆役は銀粉蝶(ぎんぷんちょう)さん。上品で声が朗々としている。

黒澤明は『マクベス』を「自分の身の丈以上の地位を求めた故の悲劇」と語っていた。
ちなみに黒澤明のシェイクスピア翻案ものは三作ある。『マクベス』は『蜘蛛巣城』、『リア王』は『乱』、そして実は『ハムレット』は『悪い奴ほどよく眠る』だったりする。(外国人からの指摘)。日本人よりも外国人の方が気付き易い。

ネタバレBOX

蜘蛛手の森が歩き出すシーンとラストの鷲津武時の矢ぶすまをどう表現するのかが注目ポイント、どちらもなかった。

城主が妻を所望する描写や主人公の行動を正当化する要素を挿む必要はなかった。あくまでも主人公の心の出来事であるべき。逆に何の文句もない素晴らしい君主に描いた方がテーマがハッキリする。

倉科カナさんはミスキャストだろう。山田五十鈴の役だぞ。
ここまで弄るならマクベスと夫人が隣国に生き延びるラストでも良かった。(どうでもいい)。

収録日だったのだが、城主が主人公の武勲を称え「北の館」の主に任命する場面、「北の館」を「一の館」と言い間違えてしまうハプニングがあった。

『マクベス』の恐怖の本質は“罪悪感”だと思う。欲望に負けて主君を殺め、親友にまで手を掛ける。全て望みが叶った筈が“罪悪感”の後ろ暗さで不安で不安で堪らない。その不安と恐怖を掻き消す為に誰も彼もを殺していく。一体、自分が欲しかったものは何だったのか?妖婆の高笑いが聴こえてくる。精神の安寧、心の平穏こそが一番人間に必要なものだったのだ。
Don't freak out

Don't freak out

ナイロン100℃

ザ・スズナリ(東京都)

2023/02/24 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇団初めて三十年、先に「しびれ雲」いまこの「D!ont freak out」。同じ昭和戦前期ものをそれぞれ好きな先行作品の本歌取りをしながら、自分の長い付き合いの俳優たちと作るのは作者冥利に尽きることだろう。Conglaturation!!
松永玲子 村岡希美の二人に捧げたような作品だが、二人から引き出すものは引き出し、しびれ雲とは真反対のホラーである。それでいながら、ともに芝居見物の楽しさを十分味合わせてくれる。スズナリでは見たことがないようなマッピングや照明、道具操作の技術を尽くして、昭和期なら松沢病院、といった感じの脳病院院長一家の不気味な安逸を、松永・村岡の奇妙にメイクした女中二人の目で追っていく(二人、快演)。つじつまが合っているような、合っていないようなストーリー展開もステージ技術で見せられてしまう。
「女中たち」のようでもあるし、狂人幽閉の話もどこかで見た(イプセンの幽霊?)ような気がするが思い出せない。客席一杯に客を入れているが二百までは行かないだろう。このキャスト・スタッフで普通にやれば赤字である。チケットも8千円を割る。こういうスズナリという劇場に配慮できるところもKERAの偉いところである。補助席も出ていて手に入りそうだから、一見をおすすめする快作である。意外に短くて2時間20分。


ぬるま湯のあとさき(12/26.27の公演中止)

ぬるま湯のあとさき(12/26.27の公演中止)

ツケヤキバ

OFF OFFシアター(東京都)

2022/12/21 (水) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

笑わせてもらいました。男特有のエネルギーは好きです。これからも応援します。

デラシネ

デラシネ

鵺的(ぬえてき)

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

役者たちの演技はとても良かった。観る人を選ぶ作品かもしれない。もうすこし考えたい。

デラシネ

デラシネ

鵺的(ぬえてき)

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鵺的の芝居は思い込みの激しい程面白くできあがるのだが、この作品は、業界内輪話としては、中村ノブアキのように陽性ではなく、陰気な告発調で、中身も今までにも言われていたことで今更舞台で見ても気が滅入るばかりだ。
すっかり創造力を失ったヒットメーカーが、周囲の才能をパワハラ・セクハラで食い尽くして生き延びる、という話はテレビ・シナリオ業界ばかりで無く、商業芸術(とまでは行かない広告なども含め)の世界にはよくある話で、おおっぴらに語られなくなった今でも、その産業システムの中に内在しているのだから、どこにでもある。他の業界にもあるだろう。
そこでなにか新しい生き方を生きる人物でも描き切れていれば、面白くなるのだが、(現実に泳ぎ切った人はこれまたいくらでもいる)ここは、昭和のパターンを一歩も出ていない。エピソードも主演女優が勝手なことを言うとか、ロケハンと称してセクハラとか、一家のホームドラマとか、昔の週刊誌、噂の真相並では迫力に欠ける。
似たことは今でもあるだろうが、才能が埋もれる確率は非常に低い。今は周囲が放っておかないし、周囲も商売なのだからそれなりに真剣なのだ。
主演の佐藤弘幸をはじめ女優陣も一本調子なのもうまくない。なんとかつじつまを合わせるのはうまい寺十吾を今回は手がつきた。これで「デラシネ」と言われても気取り損ねたという感じだ。



幽霊塔と私と乱歩の話

幽霊塔と私と乱歩の話

木村美月の企画

小劇場 楽園(東京都)

2023/03/01 (水) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/02 (木) 19:30

 かつての奇妙な縁の宮地一郎、駒込いちこ、清掃員大月春吉とともに権正さとみは幽霊塔に入っていき、不可思議で不安と恐怖、そして途中から江戸川乱歩の孫の?江戸豊も加わって、物語の前半から中盤にかけてはごく平凡でありきたりな若者の屈折した青春群像劇劇で、劇のタイトルと、主演の女優さんの個性的な雰囲気や独特な喋り方とは裏腹に全然期待はずれだったのが、一気に乱歩的な世界観と現実が交錯してきて、劇世界にいつの間にか引き込まれていた。

 特に幽霊塔内で主人公も含め、それぞれの登場人物が仲間とはぐれ、自分の過去が立ち現れてくるという自分との闘いであり、そして少し不思議な場面でもあるが、非常に現代において、ふと立ち止まって考えることの大切さを感じた。

カミサマの恋

カミサマの恋

ことのはbox

萬劇場(東京都)

2023/03/01 (水) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「お前さんの言うことはもっともだ」カミサマは相手の話を否定しません。話を聞いてもらう時共感してもらえたらいいですよね。イタコのような力もあるようです。
愚痴のような話から、これからの人生まで。
いかにも田舎の家という作りのセットもよかったです。
脚本ですが、これは他の地方の人にもわかるくらいの易しい津軽弁にしてあるのかなと思いました。

ペリクリーズ

ペリクリーズ

演劇集団円

シアターX(東京都)

2023/03/01 (水) ~ 2023/03/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シェイクスピアのセリフのきらめき、嵐や女郎屋をイマジネーションで現出する野田秀樹的見立て表現、ギリシア劇にもとづく波乱万丈と壮大なハッピーエンド。これらが結合した出色の舞台だった。
特に船が嵐に翻弄される、演劇ワークショップ的ダイナミックな動きは抜群。またペリクリーズ(石原由宇)が娘(古賀ありさ)と再会した時の、信じられないけど信じたい、信じたいけど信じられないという行きつ戻りつを誇張しつつ、最後の歓喜の涙に至るシークエンスは見事だった。

話は荒唐無稽だが、それを神々しいまでのドラマにして、見ていて目頭が熱くなった。若い中屋敷法仁の大胆な上演台本・演出の成功である。2時間20分(休憩15分)。語り手(藤田宗久)もよかった。

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