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ダンスアーカイヴプロジェクト2015

ダンスアーカイヴプロジェクト2015

大野一雄舞踏研究所

BankART Studio NYK(神奈川県)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

【プロジェクト大山】無題1397(15-045)
16:00の回(晴)。
プロジェクト大山は、「オオヤマニアック(2014/3@セッションハウス)」以来。

15:30会場着、ここでは高襟「高襟上海凱旋公演 無花果キネマ(2012/2)」を観ていて2回目、受付(前のときも無愛想だった)に訊いて3Fへ。エレベータを降りると受付(3A)、15:50頃開場との案内。

開場(3B)すると、コの字の客席。入り口側は桟敷+椅子席(3列)、左右は椅子席(2列)。正面扉の左側に大きなスクリーン。円柱の間がアクティングスペース。

なぜかそこに書道セット(半紙や硯)が3つ、客席に近い床にこれもコの字に沿って文字がかかれた半紙が多数「マスク」「石井漠」「をどるばか」…。奥の「3C」との間の壁際、下手に炊飯器と鍋、クッキングヒーター。上手にめくり台「をどるばか」。

15:57一人、座って文字を書き始め、続いて2人。右から長谷川さん、梶本さん、古家さん。「グロテスク」「怖がらせたい」「蛇精」「食欲をそそる」「からあげ」「ビール」「法悦」「自由が丘」「プロジェクト大山」…1枚書いてはコの字に並べられたところへ置き、戻ると少し後ろにさがり、最後は「3C」まで後退。その間、古家さんはにんじん、ジャガイモ、たまねぎを刻み、肉、水…ルーを入れ「カレー」を作っているのでした。

そんな感じで始まった本作はスクリーンの映像に合わせた振り付けがメイン。いつもの青い衣装ではなく、ごてごてと小さなぬいぐるみのような、房のようなものを身に付けていました。

とここまで書いて。2013年10月にも同じメンバーで上演していたのですね。
熱々カレー完食、バースデーケーキを一瞬でかわら割り、掃除…など変わった趣向。

ラストは「Can't Help Falling In Love(ELVIS)」、大野慶人さんの指人形と一緒に。

完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★

久々の中屋敷観劇 演出の洗練その一方
女体Sシリーズを第1弾(001)以来久々に観劇した。その間に柿喰う客公演と外部演出合せて3本ほど観た中屋敷氏演出の特色は、演劇の古典に「遊ぶ」イメージだ。知るほどに「宝庫」である演劇の世界に漬かり、コラージュしたりオマージュを込めたり、純粋にはしゃぐ演劇青年らしさが舞台に横溢。リズミカルな音楽で動きをまとめたり、お水の店員風情のキャラを多用。しかし私はそれらから「埋めてる」痕跡以上の何かが見えて来なかった。遊んでる事の恥じらいなのか元来の資質なのか、心情を深く追っかける事をせず、所詮芝居です、すみません。それでよければどうぞ。ギャグ的要素の強い細かな演出が、ある一定のテンポの中に収まり飽きないように並べられる「隙のなさ」が、どの方向を向いてなされているのかを私は見ようとするのだが、それが見えない、見せないのか、無いのか・・。原典があってそれを並べたり組合せたりも、アートとしての革新を狙ってるというより、「現代的」な会話のテンポ(「隙」を作らない意味での)を演劇で展開した、止り。つまりは私の好みではなかったという事なのだが、それでも、コラージュの才能を持つ若き演出家がその後どういう軌跡を辿るか気になり、時々見てしまう。

ネタバレBOX

さて今回。今までの印象を覆しはしないが、演出力の進歩は格段に思われた。ポイント三つ。まず何といっても選りすぐりの「女体」(容姿的バランスと技術を備えた女優。全員の取り合わせも含めて)、簡潔でテンポ感ある台詞(訳にも多々遊びがあった)、華麗な照明(+装置)。役者のほうは台詞の一本調子な(聞いててつらい)がなりは比較的少なく、展開はめまぐるしいが見せる所は見せる舞台となっていた。
チェス盤を模した演技エリア(3〜40㎝程上げてある)に七女優は出ずっぱりだが、狭い感じがしない。天井から低めに吊られた照明群と、左右の真横と下方からの照明、終盤で亡霊(幻想)に当てられるフロントから舞台奥へ向いた照明とによって、舞台空間の闇と光が自在に変転して美しい(近年普及してきたLEDを多用)。
女優らも黒い衣裳をまとって美しく、リチャード以外は3、4役を兼ねる。女優のみで作る「女体シェイクスピア」の宿命として、男役を兼任すると役のイメージが外見との関係で記憶に定着しない。その点を飲み込んだ上で最終的にドラマが見えて来るかどうかだが、リチャードの悪の所業の始点と終点が明確になる作りでしっかりドラマを味わった感が残った。間のやりとりは原作を知らない者にはきっちりとは入って来ないが上演1時間半の中で強調点が絞られ、そこでは役者の多様な活躍が入れ替わり立ち代わりスポットを浴びる形で、観客を楽しませる。新たな登場人物が出ると「新キャラです」と注釈が挿入されるなど、スピード感あってこその演出も。
印象深かったのは、容姿醜き主人公リチャードを歪な姿勢で表現させた演出(以前観た他のリチャードは台詞の中で醜さが語られるが外見は普通)。この「具体性」が醜さゆえの悪行という一面に説得力を持たせる。醜さによって差別されなければ、周囲の愛を浴びていれば、恐らくこういう人物は生まれまいからだ。世の中様々な差別があるが「被差別者」のカテゴリーに属していながら容姿の良さで好感を獲得し、物語の主人公として共感を得る地位に上ることも出来る。だが醜男醜女は逆にありもしない嫌疑や恨み、嫌悪を被る、究極の被差別カテゴリーである。このテーマは芝居になりにくい。シェイクスピアは希有にもドラマにし、「悪行」を中心軸にしながらその背景としてのビビッドなテーマを込めた。リチャードを必ずしも断罪しない原作者の戯曲上の意図がしっかり踏まえられたゆえに、柿喰う客の舞台の陰影が、華麗な照明とあいまって、今までになく濃く感じられたものだ。
丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

無題1396(15-044)
19:30の回(晴)。19:00会場着、受付(全席指定)、開場。コの字の客席、入って奥から左回りに「A~C」、「B」が正面席のようで、私は「A」。高さ30cmくらいの長方形の舞台(板張りの床)がやや斜めに設置、客席との間に椅子(4脚)。舞台中央に柱(下のほうが細くなっている)、こちらにも4脚の椅子、背もたれ部分は切り取られ、足も他の椅子と換えたのか不揃い。「正規」のものではない「不具合」さを表していたのでしょうか。8作目になりました。

何作か観ている役者さんが多く、それ以外でも高橋さん「朝にならない(2012/11@ATTIC」、生見さん「カラフルな猫、再び(2011/4@バーボンタコス)」「向日葵と夕凪(2012/8@BASE)」など。

開演前、上演中も場面転換以外では無音。比較的、場面転換(この間ノイズが響く)が多いような気がしましたが、観ている間、息を凝らした状態に近いのか、そっと息を吐くのでした。

19:29前説(アナウンス)、19:34開演~21:24終演

ひとつ皮が剥かれるとさらに醜い皮が現れ、それは己自身に内在するものであるように思われる。どこか諦念した感のある人物たち、表情、軽さの中の重い石、血によって繰り返される業、焼け焦げ黒くなった柱の下部ではもう登場人物たちを支えられないのではないか、かつてそこで起こったことと各人とのかかわりが心を焼き尽くす。

私が座った位置ですと、役者さんが重なったり、背中しかみえなかったりでしたが、横から観る機会が少ないので、これはこれでよかったです。

ZIPANGパイレーツ

ZIPANGパイレーツ

amipro

あうるすぽっと(東京都)

2015/02/15 (日) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

初日に観劇。
再演を繰り返す人気に納得。めちゃくちゃ面白かったです!

殺陣の迫力と爽快感がたまりませんでした。目が足りない!
そんな感じ。気を抜く暇などありません。まさに娯楽!
ドキドキワクワクしっぱなしで疲れましたね(笑)
海賊もカッコ良かったけど撮影クルーたちも負けてない♪

観劇後「おもしろかったー\(^o^)/」と誰もがなるだろう作品です☆

南へ

南へ

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

平田オリザの【南へ】を観劇。

20年ぶりの再演らしい。

とある豪華客船の船上が舞台で、乗客は日本人のみで、何処か遠い南の島へ避難もしくは移住をするようだ。
その船上では記念写真を撮ったり、詩を朗読したり、船長に悪ふざけしたりと裕福な人達の怠惰な風景であり、楽園のような時間が永遠と続いているようだ。
そして彼らは何故日本を捨て、南の島へ向かうのか?
その答えがまるで見えないまま、いや探そうとしないまま、その日本人達は永遠と無目的な旅に向かっているようだ。
そしてそんな何故?という疑問を残しつつも、作中には何も答えを提示すらせずに、乗客の台詞「今夜は綺麗な月が出るかなぁ?」で終わってしまう。
平田オリザ特有のテーマである、舞台で行われている疑問の答えは、蚊帳の外にあり、それをどのように捕まえるかは己の考え方次第と言っているようだ。
舞台ではテーマが何で、言いたい事は何を語る西洋かぶれの演劇手法ではなく、今現状に置かれた社会の状況をあえて同じく舞台で再構成して、
提示してしまう手法は、劇場に夢を求めにくる演劇ファンには悪夢である。

昨日【城山羊の会】が岸田戯曲賞を取ったのだが、過去の受賞暦の【ポツドール】【五反田団】【ハイバイ】【城山羊の会】などは青年団出身のようだが、彼らの行っている新鮮な作劇法は、結局は平田オリザの現代口語演劇の延長でしかないという事がはっきりと分かってしまうのだ。

何度見ても女優・李そじんは良い。
三人姉妹

三人姉妹

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2015/02/07 (土) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

いつの時代も
それぞれの登場人物、関係がわかりやすかったです。チェーホフが何を書きたかったのか、言いたかったのか、じわりと観る方に入ってきたと思います。ラストでは涙が出てしまいました。女3人に男1人の兄弟、知り合いにもいるけどこんな感じかも~って。白樺林のせっとも素敵でした。ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出のチェーホフ劇、「かもめ」も良かったけど早く次も観たいです。

ラパン! ラパン!

ラパン! ラパン!

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2015/02/15 (日) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

てっぱん
楽しかった。面白かった。笑った。別にこれといって新しいものがあるわけではなく、鉄板ネタ。スピード感に踊らされて歌わされて、今でも「ららららららら~~~~♪」とテーマソングを口ずさんでしまいます。1日限りの公演を観ることできて幸せ(笑)

學園使徒ノクト

學園使徒ノクト

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インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/02/15 (日) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

☆華やかな☆
スケジュール的にいろいろ危ぶんでいたので、予定には入っていなかった観劇でした。初日明けの朝、ツイッターからどんどん感想や、ステキ画像が流れてきて、これは行かねばならぬと急に行く事を決めました。
王子小劇場はレイアウト自由とはいっても、こんな?ここどこ?って状況。そうか、あそこは楽屋だったんですね。そして、2列目を確保しましたが、最前があんなにおいしいなんて!
そして、ツイッターで「交通事故のような舞台」と表現している人が居ましたが、まさにそんな感じ。いろいろビックリしました。
ライブコーナーも実に楽しい。ダンスもステキでした。

ハンサム落語 第五幕

ハンサム落語 第五幕

CLIE

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/02/13 (金) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

着物で観劇
2/16(月)
15:30 小谷嘉一×平野良 / 磯貝龍虎×末原拓馬
19:00 末原拓馬×平野良 / 磯貝龍虎×小谷嘉一
上記組み合わせで、
出来心・一眼国・心眼・八五郎出世の4ネタを交互に演じる。

落語の基本はそのままなんだけど、ちゃんと芝居。
わざと現代にも寄せてる場面も。
マチネの一番初めの枕が良かったな。磯貝さん、ほんと愉快。本人が楽しいんだろうな。
末原さん、美しい。所作がね、色っぽい。心眼のサゲで泣いちゃったよ。

夜公演は昼とのペアの違い、分担の違いを楽しむ。
小谷さんが最初の枕から崩壊してびっくり。
磯貝さんのプロレス技にびっくり。
平野さんの坊さんの喋り方にびっくり。
末原さんのびっくりした顔にびっくり。
どうしても、人情噺は泣いてしまう。
いや、違うな。末原さんの演じる人物の感情がバンバン飛んでくるから、泣けてくるんだな。最後の”兄”には涙。

 末原拓馬 @takumaobonro
 『ハンサム落語、オイラ、同じ演目、同じ組み合わせは一回ずつしかないんですなあ。』

心眼も八五郎出世も、今日のポジションが見れてすっごい嬉しかったよ。

ネタバレBOX

ハンサム落語 はそういうもの、と言われればそれまでだけど、台本が役者の前にあり、頁を繰るのが気になった。
落語家は台本を見ないで何本もの噺をするのに、と。

今日昼夜見た4名の中で、一人だけ頁を繰っていなかった人がいたように思う。
台本はセットするのだけども。
"演者"だな、と思った。
penalty killing【18日14時追加公演決定!!】

penalty killing【18日14時追加公演決定!!】

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2015/02/12 (木) ~ 2015/02/18 (水)公演終了

満足度★★★★

チームワーク
めっちゃくちゃ楽しかった!わくわくドキドキ楽しめるスポーツ題材の娯楽演劇。いわばテニミュのアイスホッケー版@小劇場。チケット三千円代とは思えない品質。 美術を目にするなり気分最高潮。スズナリで観られるのは贅沢過ぎ。アスリートの美学、スポーツ業界の現実は演劇にも当てはまる。18日昼の追加公演はまだ余裕あり。急いで予約を!お友達とどうぞ♪

丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

なのにエンタメ
奔放な母親の行動に振り回され続ける家族の思いがぶつかり合う
重苦しい展開なのに、どこか天井の穴から青空が見えるような
一筋の楽観主義が救いとなっている。
ひとつにはぶっ飛んだ母親のキャラによるところが大きいと思う。
このとんでもない母親が子どもたちに伝えることが出来るのは、
ただひとつ“赦す”ことである。
自分も人も、全て赦せば幸せになれるという、自己中心的で
究極の幸福論のままに生きる母親と
彼女を取り巻く登場人物のキャラがくっきりしていて説得力があった。
クールな弁護士の言動が爽快感を呼び、全体のバランスを上手くとっている。
「荒野1/7」に続く家族の物語は、緊張感の途切れない、
それいて思わず吹き出すような“抜け”もある台詞が素晴らしく、
泥沼家族をエンタメにする手腕が秀逸。



ネタバレBOX

三方から囲んだ舞台には歪な椅子が4脚置かれている。
いずれも4本の脚のうち1本は、別の椅子から取ってつけたように色や形が違う。
背もたれは低い位置で切り取られ、その切り口は赤い。
もたれることもくつろぐことも拒否された、登場人物たちの家を思わせる不自然さだ。

自分が幼い頃家を出た母親に、父が遺した指輪を渡したいので探して欲しいと
ひとりの女性が弁護士に依頼する。
子どもを置いて出て行った母親を探す必要などどこにある、と強く反対する夫、
最初は反対していたが、やがて本当は自分も会いたいと語る妹。
いつもは天然でおっとりした姉が、この件に関してはなぜか頑固で譲らない。
やがて依頼を受けた弁護士により、いくつかの事実が明らかになる。
家を出た母親は、刑務所に入ったことがある、万引きしたことがある、
そして家を出たあと子供を2人もうけていて、もうひとつの家族が存在する…等々。
2つの家族は、ひとりの母親を挟んで大揺れに揺れたのち
弁護士同席のもと、ついに母親も含めて集まることになる…。

母親は出て行ったが、父に守られてきた育ちの良い姉妹と
誰にも守られず、母親や社会に対して攻撃的な姉弟、
血のつながりはあっても対照的な2つの家族の違いが鮮やか。
家を出た後、実の兄の子を2人も産んだ母親も業が深いが、
自分の出自を知った姉が、自分も実の弟との子を産んで見せつけるという
母親への壮絶な復讐心に思わずたじろぐ。

最初声だけが聞こえてから姿を見せる、母親の登場シーンが超インパクト大。
若い男と人目もはばからずイチャイチャしながら再会の場へ出てきた母親は
ミニスカートにブーツで、唇も爪も真っ赤に塗っている。
この母親が、子どもに詫びを入れてさめざめと泣く…みたいな展開が一切なくて
「なーんか、みんな怖い顔してるぅ~」と男の背中に隠れるようなキャラなのが潔い。
開き直りにも見えるが、自分のしたことを後悔していない、つまり
自分の行動も、最初の家族、次の家族、ちゃらちゃらした若い男も
ぜ~んぶ肯定して大好きなのだ。
暗く重苦しい話の中に薄明るい光源があるとしたら
それはこの“ノー天気な菩薩”みたいなトンデモナイ母親の存在である。
結局菩薩に丸ごと肯定されることで、子どもたちは次の一歩を踏み出そうとする。
母親のかたちといってもいろいろあるのだ、と思わせられる。

もうひとつストーリーを面白くしてくれるのが“価値観のズレ”である。
母の愛人であるちゃら男の「みんな一緒に住めばいいじゃん!」的な発言には笑った。
ほかの人々がそれぞれ硬直した価値観にとらわれている中
母と若い男は、「まあ、それもいいじゃん」となんでも受け容れていく。
人を幸福にするのは、この“いい加減さ”かもしれない。

ちゃら男役の井上幸太郎さん、弁護士を襲ったりする一方で憎めないところもある
硬軟使い分ける男の二面性を自然に見せて素晴らしい。
ぶっ飛んだ菩薩のような母親を演じた安元遊香さん、
善悪を超えた度量の大きさを感じさせる。
母への復讐に燃える姉を演じた宍戸香菜恵さん、
緊張感の途切れないこわばった表情と台詞が、
終盤力の抜けた表情に変わるところが巧い。
ちゃら男を一喝、逆に利用するクールな弁護士役の生見司織さん、
硬質な台詞で魅力的なダークヒロイン(?)像を創った。

弁護士までがクライアントと共通の体験をしていなくても
良かったのではないかという気がする。
人に寄り添うのに必要なのは、体験より想像力だと思うから。


u-you,company 14th STAGE『UTSUKE』三部作

u-you,company 14th STAGE『UTSUKE』三部作

u-you.company

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

等身大…
人との関わりを通じて、自我に目覚め成長していく、というテーマ性は分かりやすい。その描き方は、芝居でよく見かける時空間移動というオーソドックスな手法を用いていた。
本公演のキャストは現役アイドルで、等身大の華やかさがあった。
さて、公演そのものは…

ネタバレBOX

「過去」「現在」「未来」の3編があり、自分が観た「現在」編は過去・戦国時代(織田信長が家督相続する前)に繋がっている、という設定である。物語は、崖っぷちのご当地(キャラ)アイドルグループが起死回生を目指したライブの準備活動中に戦国時代にタイムトリップするというもの。
織田信長と出会ったアイドルは、メンバー毎に抱く思いは異なり、それぞれが思い悩む姿が愛おしくなる。天真爛漫なアイドル(表顔)とのギャップを表現し、成長していく様が印象的である。
残念ながら、本公演しか観ていないので、なぜ繋がっているのかという「理由」が分からず、時空間移動が容易に出来てしまうのも物足りない。何らかの制約があり、それを試練という大袈裟なものでなくても、何か克服または乗り越えたような描写があると、緊迫・迫力感が増したと思う。
今後の公演も楽しみにしております。
丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

柱が邪魔だったが
いやァ~久しぶりにいい舞台と出会えた。
最高だぁぁ。
各々の役者が素晴らしい緊張感を以て最後まで魅せてくれた。

常々思うことだが、こうした良質な舞台はシネマコンプレックスのように柔軟にロングラン公演に切り替えられるシステムを確立すべき。
劇場側と舞台関係者間の専属契約による生活保障等、採算が取れる見込みが無いから誰もやらないのだが、・・。

近年の過去作品全てが大当たりなのは、ここと劇団5○5○(ランド○ー)と桟○童○位か!?

動物園物語

動物園物語

劇団けけ

桜美林大学・町田キャンパス 徳望館小劇場(東京都)

2015/02/15 (日) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★

そこはニューヨーク
ニューヨークの町並みが抽象的に表現されたセットがステキでした。
緊迫感のあるステージ。

蠅取り紙 山田家の5人兄妹

蠅取り紙 山田家の5人兄妹

劇団俳協

TACCS1179(東京都)

2015/02/14 (土) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

好公演(Bチーム)
準劇団員の公演…毎回楽しみにしているが、今回も期待を裏切らない好公演であった。脚本は、過去に何回か観たことのある演目であり、今回はその演出と演技に注目して観た。また、毎回感じることであるが、舞台セットが素晴らしい。上手は椅子席のダイニング、下手が畳部屋という二間…小道具等の装飾品も自然に置かれている。

ネタバレBOX

山田家の兄弟姉妹5名(ダブルキャスト)が主な人物。それに三女こずえの亭主・麻倉と母親(共にシングルキャスト)の2名が加わり、計7名が登場人物である。ハワイに行っている母親がいつの間にか帰宅しており、その頃、ハワイで母親が盲腸の手術後の麻酔から目覚めないとの電話が…。”魂”のみが帰宅したと思い込んだ子供たちの狼狽たえが可笑しい。そして、子供たちが現在抱えている「悩み」「思い」を話すシーンが感動的である。子供一人ひとりのキャラクターや役割を描き込んでおり、その気持が手に取るように分かる。家族の在り方に特別な設定はなく、どこの家庭にもありそうな出来事を坦々と描く。しかし、その心情は切ないほど感じ入る見事な演出であった。
それに応えるような演技…同じレベルで調和のとれた芝居は観ていて安心する。本当の兄弟姉妹のようで、その言い争いはどこかの家庭を覗いている様である。
次回公演も楽しみにしております。
こうして二人は幸せになりました、とさ

こうして二人は幸せになりました、とさ

MacGuffins

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

パワー溢れてました
水越さんバージョンを観劇。最初から最後まで、スピーディでパワー溢れる元気一杯の舞台でした。面白おかしい中にも、切なさがあり、自分の人生について考えさせる気もしました。ストーリーが分かりにくい点もありましたが、役者さん達の汗ビッショリの熱演で、好印象でした。面白かったです。

poiche

poiche

幻想芸術集団Les Miroirs

シアターシャイン(東京都)

2015/02/13 (金) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

雰囲気はあったが…
公演の全体的な雰囲気は、幻想的・神秘的という謳い文句通りであった。その主な要因は、登場人物の妖艶な衣装、メイクおよび仕草であろう。また舞台セットは奥行きのある舞台スペースを作り出し、前後を仕切るように黒いカーテン(緞帳のように重厚ではない)を張っていた。それは部屋間(舞台側・上手には白いシーツで被われたソファー)または屋内外という区分状況を作り出しており、演出は巧み。ただ、その物語を紡ぐには…。

ネタバレBOX

脚本で疑問を生じた。また、キャストおよび演技に違和感のようなものを感じた。
まず、未完の脚本を仕上げることと同時に芝居が進行する劇中劇の様相を呈するが、その結末に導く伏線のようなものが感じられなかった。主人公タクソス(朝霞ルイさん)が、実はマダム・パフィア(乃々雅ゆう さん)の実子ということであったが、その件は最後に一気に台詞で説明されただけ。さらに、パフィアが連れ去ったのが実子でないプシュケ(麻生玲菜さん)ということ。常識的に考えれば、実の子を連れ出すと思う。2人いるうち、実の子とは知らなかったという前提であろうか?

演技は、男性キャスト(富樫勘九郎さん)が登場するまでは、声が小さく聞き取りづらかった(最前列に座っていた)。その後、男性の声量に応えるように声に張りが出てき、滑舌も良くなった。また女性だけの演技(発声も含め)は宝塚歌劇団のように誇張したようでもあった。それに比べ男性キャストの演技は極めて普通で、同一舞台上ではギャップを感じた。舞台雰囲気の統一感を重要視するのであれば、男性キャスト(中性的な男性ならOK)の登用要否についても一考が必要ではないか。

舞台雰囲気は素晴らしいものがあり、それが特長であることは十分伝わった。
今後の公演も楽しみにしております。
マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015

マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015

劇団ショウダウン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/01/15 (木) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

お疲れ様でした。
一人で2時間ガッツリのお芝居。
連日3公演は、キツかったでしょう。
おつかれさまでした。

ネタバレBOX

詳しくは自ブログにも書きました。

http://ameblo.jp/gooharuhide/entry-11990676400.html
ユメオイビトの航海日誌

ユメオイビトの航海日誌

LIVEDOG

シアターサンモール(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

見てきた。
ストーリーは分かりやすく、2時間があっという間に感じられました。ほかの方の感想を拝見しますと、自分も同じような感想でしたのであまり長くは書きません。また今後再演などされる時は、更に若いパワーのある作品になりますよう期待しております。

南へ

南へ

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★

Aチームを観劇。説明不足が過ぎる。/約110分
 観る人それぞれに様々な感慨を引き起こす作品なのではないか?
 初演から四半世紀を経て再々演されるこの劇について作・演出家はそう言うが、これは裏を返すならば、どう受け止めるかを客にほぼ丸投げしているということ。
 実際、母国からとある南島へ移住するため船旅の途上にある富裕な日本人達がどんな動機でどんな島へ渡るのか、当人達はほとんど語らず、それを我々は推察するほかない。

 これは不親切に過ぎるのではないだろうか?

 冗漫な詩談義に多くの時間を割くくらいなら、その時間を使い、南島へ渡る理由を各人にもっと語って欲しかった。

 初演時はバブル期の真っ只中にあり、本作は異常な好況がさらに進んだ近未来を描いている。
 当時の日本への強い怨嗟を込めて書いたと作・演出家が言うだけあって、好況を背景に思い上がっている日本人が悪意たっぷりに描かれているが、新天地へ向かう彼らはどういうわけか一様に倦怠感を漂わせ、何かに苛立っている様子。新天地への期待感はあまり窺えない。
 その理由も私にはつかみかねた。

 多賀麻美さん演じる底抜けに陽気な女の子がたいそう魅力的でした。

ネタバレBOX

 外国人やハーフの船員がいるにもかかわらず、船内は日本語以外使用禁止。
 船客の中には外国人への嫌悪感を口にしてはばからない貴婦人もいて、船客達が日本を去る理由の一つが、バブル景気が日本へと呼び込んだ無数の外国人労働者への嫌悪感であることが窺い知れる。
 彼らは移住先の南島に日本人だけの楽園を作ろうとしているのかもしれない。

 作・演出家は本作を今このタイミングで再演することに意義を感じているようだが、本作に現代性を見出すとするならば、船客の多くが“思い上がった富裕層”であるという点だろう。

 彼らは外国人への、とりわけ、かつて征服を試みたアジア諸国の人々への強い差別意識を抱いているが、格差社会化が進む今、この差別意識が外国人でなく、同じ日本国籍を持つ“貧民”へと向かったら……

 そう考えたらゾッとしたが、ひょっとするとこの想像はもはや現実になっているのかもしれない。

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