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夏の夜の夢

夏の夜の夢

劇団山の手事情社

山の手事情社アトリエ(東京都)

2024/07/27 (土) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/08/01 (木) 13:00

座席1階

山の手事情社の若手俳優による公演。劇団のアトリエにしつらえられた舞台はなぜか和風だ。掛け軸なんかも配置されている。観客が40人も入れるかどうかというこのスペースでシェークスピアの「真夏の夜の夢」が展開された。

この戯曲の見どころは、森の妖精が森に入り込んでくる人間たちに媚薬を塗って、その恋愛関係を複雑にしてしまうというところではないか。登場人物が多いので追いかけて理解するのはとても難しいが、媚薬を塗られた登場人物が、これまでの恋愛関係が逆転、輻輳化していく面白さは誰がどうしたという関係性が分からなくなっても十分に堪能できる。さらに、山の手事情社独自のメソッドでのばっちり鍛えられている俳優たちが繰り広げる身体表現で物語を構成していくのが最大の注目点であろう。この身体表現は、役者全員がそろって繰り広げるパフォーマンスを見るにつけ、やはり切れ味抜群だ。今回は特に、若いメンバーたちによる身体表現であり、その若々しさや粗削りの魅力も相まって、客席を魅了し続けた。
このアトリエは役者と客席の距離が1~2メートルと下北沢の小劇場よりも近接していて、迫力がすごい。目の大きな女性の俳優さんの強烈な視線を客席が浴びることになり、ある意味、お客さんが俳優によって媚薬を塗られるという錯覚すら感じる。媚薬の標的になったら最後、その役者に恋い焦がれてしまう。これがこの舞台のすごいところだ。

忘れられない演劇体験になる。真夏の強烈な日差しの中を歩いてアトリエに向かう価値はある。想像を超える出来栄えだった。客席の拍手も力強い。

幸せになるために

幸せになるために

“STRAYDOG”

新宿村LIVE(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

森田涼花さん出演。
東京公演の千秋楽を観劇。

開演時刻になるとSTRAYDOGさん名物の「指定席解除」が。空いている席を埋めるように中央に向かう移動が促され、空席が端のほうに移りました。途中入場の人が邪魔にならないようにする配慮です。
これはとても合理的なので、他の劇団さんでもやればいいのになあ、と思ってます。たとえ真ん中の良席でも「遅れて来た人の指定席は無効」なのです。
昔ブログで森岡利行さんが指定席解除について、船に例えてらっしゃいました。船は港を出たらもう乗れない、と。なるほどと思ったものです。

1985年8月12日の日本航空123便墜落事故を扱った演目です。

あれから39年経つのですね。テレビのテロップ「旅客機との通信が途絶えました」と。ほどなく「墜落しました」に変わりました。一時新聞で「7人が生きていた」と大きく書かれていましたが、それは誤報で実際の生存者は4人でした。

その後の報道。生存者の12歳の女の子の証言で、墜落してしばらくはお父上と妹さんが生きていたということ。自分は子供ながらに大きなショックを受けたことを覚えています。

ネタバレBOX

先日の「夕凪の街 桜の国」もそうでしたが、シリアスな題材で真面目なストーリーの中にも、それを壊さない楽しさ、笑いの要素を入れるSTRAYDOGさんはさすがです。

「とある廃工場に映画の撮影で集まった5組の家族」
「出演者が演じるうちに1985年8月12日に起きた日航機墜落事故の筋書きに変わってゆく」

それぞれの家族には、亡くなった人が含まれていることが分かってきます。幽霊なのでしょうか、幻なのでしょうか。

「忘れられていく事実を語り継ぐことこそ亡くなった人への最大の敬意」

忘れずに、語り継いでいきます。
犬の刺客 2024

犬の刺客 2024

友池創作プロジェクト

OFF OFFシアター(東京都)

2024/07/30 (火) ~ 2024/07/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
面白い会話で進むストーリーは、笑いの中に切なさがあり、ちょっと涙腺が緩みました。
芸能を続ける事の困難さ、葛藤、捨てきれない思い等、リアル感があり、役者さん達の熱演も良かったです。
面白くてガン見でした。素敵な舞台でした!

「君の死に方、私の生き方」

「君の死に方、私の生き方」

コルバタ

新宿スターフィールド(東京都)

2024/07/31 (水) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

「君の死に方、私の生き方」

「君の死に方、私の生き方」

コルバタ

新宿スターフィールド(東京都)

2024/07/31 (水) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

SFファンタジー。全体的に美しく浮遊感ある演出で観(魅)せる。
物語は説明にある通りだが、陸地と海底をあるもので繋ぐ。それは心にだけ聞こえる<声>、これが物語を支えている。少しネタバレするが、生死の狭間(世界)で人の優しさ思い遣りを描いている。
(上演時間1時間50分 休憩なし)【A・菅野組】

ネタバレBOX

舞台美術は、周りに白紗幕が垂れ下がり海中をイメージ。中央奥の一部が回転し公衆電話ボックスが現れるが、この装置が重要。

登場する人物は、島という場所柄から皆知り合いのよう。説明にある女漁師 高田七海(池内菜々美サン)は絵描きの 高橋天斗(ジャスティスMIKIOサン)と付き合っている。2人は美女と野獣カップルと揶揄われていたが、そんなことは意に介さず仲が良い。高田家の4人姉妹弟はすべて父親が違い、母はまた別の男と海外に住んでいる。ネグレクトされた子供たちは結婚願望が強い。七海や天斗と幼馴染の伊藤凜(Maoサン)は女だが、七海の妹 春(トギナナミ サン)が好きで結婚したいと思っている。しかし、同性婚は認められない。現代的なテーマを挿入するがサラッと流し深堀りしない。

或る日、七海・天斗・凛の3人は或る島に向かう途中、天候が急変し 落雷にあって海底にある楽園へ。地上では意識不明で生死を彷徨っている状態だが、楽園では楽しい時を過ごしている。その現実と幻想、それは生と死の狭間の世界の中にいることを意味する。実は天斗は既に亡くなっている。七海は意識を取り戻せば地上へ、一方 海底の楽園に居れば天斗と一緒にいられる。しかし地上では姉 美子(鰺坂万智子サン)や弟 義明(松田よしきサン)が看病し 意識の回復を願い、医師(マツダヒロエ サン)が懸命の治療。
また海田美咲(酒井葉子サン)という女性も楽園におり、こちらは母 花子(岩井杏加サン)が回復を待っている。タイトル「君の死に方、私の生き方」は、七海と天斗の選択 その揺れる心を表している。

楽園…竜宮城のように楽しいひと時を過ごしているが、地上では昏睡状態。その意識下へ交信してくるのが電話(ボックス)。現実と幻想の世界を繋ぐ唯一の手段が、今では珍しい公衆電話。多くは楽園のシーン、そこには くじら(☆★朋★☆サン)、タコ(花子と二役)、クリオネ(水野月葉サン)・ひらめ(菅野真紀サン) がおり、舞い踊り 時に意味深な行動や言動が…。そして七海と天斗のために粋な計らいをする。
全体的に明るい雰囲気で、生死の狭間という切迫・緊張感はない。もっと言えば海中の楽園ーパラダイスという感覚もあまりない。むしろ公演では、場所の設定ではなく、2人とその周りの人々の<優しい心>・<相手を思い遣る気持>に焦点を当てた描き方。それを 総じて若いキャストが等身大の若者像として体現して観(魅)せた 爽やか作品。
次回公演も楽しみにしております。
群論序説『ALICE IN WONDERLAND-不思議の國のアリス-』

群論序説『ALICE IN WONDERLAND-不思議の國のアリス-』

PSYCHOSIS

ザムザ阿佐谷(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/17 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/16 (火) 14:00

不思議の国(/鏡の国)のアリスと数学者・ガロア、宮沢賢治、二・二六事件の舞台上での邂逅。いわば和洋中折衷の料理に思いもよらない食材も加えて美味しく仕上げた、みたいな?
なので「あ、そのネタも出すのか」が多々あり愉しめたがガロアと群論に関して予習を怠ったため帰ってから復習したものの数学苦手勢としてやはりワカらん。(爆)
とはいえ高取脚本・森永演出の「シン・アングラ」、ギミックを仕込んだ装置や小道具も含めて堪能。

犬の刺客 2024

犬の刺客 2024

友池創作プロジェクト

OFF OFFシアター(東京都)

2024/07/30 (火) ~ 2024/07/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

解散した漫才コンビの現在と過去を織り交ぜながら描かれる人間模様。題材としては時折見かけるテーマではあるが、脚本・演出を手がけたのが芸人でもある方だけに、リアルで生々しい描写が随所に光る。
主演の二人は対照的なキャラクターで、コンビ結成から解散に至るまでの道のりには、激しい悲哀と哀愁が漂う。この二人の生き様は、ごく少数かもしれないが周りの人々へ与える影響は、計り知れないだろうと感じた。

犬の刺客 2024

犬の刺客 2024

友池創作プロジェクト

OFF OFFシアター(東京都)

2024/07/30 (火) ~ 2024/07/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

主宰によるチャらい前説を見て不安に思ったが、ストーリー内容は意外にまともで演技もしっかりしている。コンビの衝突と解散は、細かい食い違いの数々が積み重なった結果でいかにもありそうな話。出演者のブロマイドを販売していたのがまるで昭和の時代を思わせた。今でもやるものなのか。

日曜日のクジラ

日曜日のクジラ

ももちの世界

雑遊(東京都)

2024/07/25 (木) ~ 2024/07/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

所見の劇団さん。想像していた作風と違っていたけど,これは嬉しい誤算か?恥ずかしながら,「ももち」とか「ピンク地底人3号」という名の響きに引っ張られていたのです。面白かったですよ。場面転換の際のノイズが良い効果を出しています。最後の展開はなるほどねと思ってしまいました。架空の日本の物語ですが,とても身近なお話でした。

ビューティフル・サンデイ

ビューティフル・サンデイ

株式会社REVIVE

六本木トリコロールシアター(東京都)

2024/07/25 (木) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイトルや設定の妙からてっきり海外作品なのかと思いきや、しっかり日本の作品
なので主張のぶつかり合い、その言動の端々から日本人ならではのユーモアを感じ取る事が出来てめっちゃ面白かった
それにしてもこれっていつ頃の設定なのだろうと思っていたところ、何気に出てきたユーミンの話題から20年以上前だと判明
こういう何気ない会話から色々情報が付随してくるのも面白い

ゲイカップルの生活に女性が転がり込むという、ちょっと変化球の恋愛コメディー
その転がり込む女性役の美弥るりかさんは「さすが宝塚の男役!」と言うべきか、多少のお下品さや生々しい部分もことごとく上質な笑いに転換
ゲイカップルとの平和な抗争や友好のトライアングルで存分に笑い和んだ後にドロッと流れ出る黒い部分はたっぷりと笑い和んでいただけにドキッとする
かなり特殊な関係性であっても“人との繋がり”に思うところは誰もが共通するところであり大いに感情移入できる良作でありました

愚者と星と死神についてのいくつかの考察

愚者と星と死神についてのいくつかの考察

feblaboプロデュース

エビスSTARバー(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 観てホントに良かったと思える作品、華5つ☆!  若干説明を加えた(8.2)

ネタバレBOX

 この素敵なタイトルはタロットカードの絵柄から来ている。自分自身は占いという一種の経験則を全く信じないとは言わないが、それが占い師の人生経験や経験則を基にした判断に過ぎないと考えるので神秘主義的な解釈は全く信じない。とはいうものの、とても素敵なタイトルではないか? 内容的にも無論、この素敵なタイトルを裏切らない。而も、今迄演出を中心に、脚本は脚本家が書いた物を主として上演してきた演出家・池田 智哉氏初の長編戯曲である。言葉と散々格闘してきたことが明らかな聡明な池田氏の書いた初の長編は、言葉そのものの鬩ぎ合いが実にヴィヴィッドに、而も一見人間としての基本が落剝したとしか思えない最近の日本社会の劣化状況に於いても有為な若者たちが紛れもなく存在し凌ぎを削っている現実を見せつけて希望の芽を見出さずには居られない。これだけ良い作品が出来上がっているのは無論偶然ではない。新宿の小さな小屋で数々の優れた作品を上演して来、その演出を手掛け、歌舞伎町という世界を代表する不夜城の一つを観てきた経験からの観察眼と優れた洞察力、観察対象からの適正な距離の取り方と対応を通して得た諸々の情報を分析・統合して判断する力、そしてそれを適格に言語化する力それら総てが相俟っての結果、設定が絶妙である。物語が展開する場も適切。因みに登場人物は総て女性である。
 オープニングから暫くは、ホントにアホだよな! と呆れるようなアホな会話をするこのバーにやって来た客も登場する。が、近頃流行りのジェンダー論やハラスメントに関わる論議のうち今作で扱われるのは後者である。というのも今作に登場するのは総て女性だから直接的にはジェンダーの入り込む余地がないのだ。
掴みでは素人の占い師が、このバーで働く娘を占っている。この時に出て来たカードがタイトルにも用いられている死神、愚者、星であるが、タロットカードは正の位地から見る場合と逆の側から見るのとでは意味が反転する。そういったカードの持つ二面性をも極めて上手く織り込み、才能の弱肉強食の世界に生きる芸人やユーチューバーVS既存の社会体制の中である位置を占めて生きている女性たちとのギャップを今流行りのジェンダーとハラスメントのうち後者を軸に炙り出し、良くメディアで謂われる内向きの日本人達が作り出している現代日本の人間論をではなく、寧ろ未だに御家制度を内在化させたある程度裕福で実存と向き合わずに過ごすことが出来、一応御家制度内の人間として振舞っていれば人間として最低限必要なコミュニケイションの最低限迄欠落させても生きてゆける結果、一神教の世界では当然な神と対峙する人間存在としての実存を生きる必要が無い為、人間としての内実迄喪失した状態をも浮かび上がらせつつ(これが冒頭に出てくるアホな客であるが、このキャラの名誉の為に申し述べておくなら、現在彼女が身を置いているのは芸人の世界。然しこの世界に彼女が入ったきっかけは友人が勝手に彼女のプロフィールを書いて養成所に応募し試験も通ってしまったので同期とコンビを組むことになった、という経緯があった。然し養成所の先輩からコンビが売れないのは、この女性の所為だと詰られたのがきっかけで、相方は才能があるのに自分が足を引っ張っているせいで彼女を芸人として成功させることができない、と悩み、妙案も浮かばず頼ったのが占い。占いのペースは1か月に百件も占ってもらうレベルで肝心の稽古もすっぽかす有様。だが、それほど真剣に悩み自ら決めきれないことの中に御家制度が深く息づいているように思われる)そのような現状に対して、どのように対峙してゆけば良いのかの示唆迄与えている。前段でアホにしか見えないキャラとして登場するのが、この実存を剥奪され而もその事実に気付きもしない女性ということになる。自分自身はガキの頃から協調性に欠けるといつも通信簿に書かれ続けたキャラでもあるし、海外で暮らした経験もそれなりにあるので人間が実存として各々生きることが当たり前であるという価値観の上に立つから、己の生き様を己自身で決められないというのはアホにしか見えないのが取り敢えずの判断になる訳だ。とはいえ各々様々な人生があり、その人生を生きる他の術は無いから各々が自らの位地を占め尚且つより稔りのある人生にする為に力になるのは、矢張り他者とのコミュニケイションを於いてはあるまい。而も一神教の諸外国人に比し日本人の多くは最低限のコミュニケイションを紡ぐ方法を知らない者が多すぎるようには思う。今作はそのような日本の状況をあくまで個々の関りを通して浮かび上がらせているのみならず、その恐らく唯一有効な対処法を提示している。その点が素晴らしいのだ。
 どの演者も良い味を出しているし、役を生きている。観て本当に良かったと思える作品である。
ビューティフル・サンデイ

ビューティフル・サンデイ

株式会社REVIVE

六本木トリコロールシアター(東京都)

2024/07/25 (木) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いや~グッとくる会話劇でした。コメディタッチですが、かなりシリアスな内容で、引き込まれます。2000年頃の時代設定がいい。美弥るりかさん、この舞台で初めて知りましたが(失礼)、魅力的な女優さんですね。

7月の邂逅

7月の邂逅

KAIGYAC STAGE

APOCシアター(東京都)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

1時間弱の上演時間で、ちょっと急ぎ足の展開でしたが、この季節向きのファンタジーな群像劇(ちょいとホラー)、なかなかに楽しめました。

愚者と星と死神についてのいくつかの考察

愚者と星と死神についてのいくつかの考察

feblaboプロデュース

エビスSTARバー(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人生にはうまくいかない時や躓く時もある。これから先どうすればよいのか迷い悩んでしまう。そんな時 占ってもらい、少し背中を支えてもらうか押してもらう。占いは悩み相談でもあり、救いという自己暗示の効果を期待しているよう。

タイトルが意味深であったが、「愚者」「星」「死神」は、タロット(占い)結果における過去・現在・未来を表している。物語は、恵比寿にあるBarを舞台に繰り広げられる再起劇。まだ何者にもなれない症候群のような若者、職場環境・人間関係に悩む中年女性、承認欲求が強いユーチューバー、そしてBar経営者の気持を丁寧に掬い上げる。
登場人物は全て女性、一生懸命やればやるほど人との関係が拗れる。そんな歯がゆい思いが激情となって ますます相手を追い詰める。日常に見られる どうしょうもない光景、それでも占いに救いを求める切なくも滑稽な話。

エビスSTARバーを舞台に、間近で観る光景は、そこで起きている日常を覗き見ているような感覚。公演の魅力は、等身大の人々のリアルな生活が描かれているところ。そこに現代的な問題を落とし込み、その問題の捉え方に表裏があること、更にそれをタロットカード(占い)に絡める巧さ。まさに人間洞察、そこに脚本・演出の池田智哉氏の真骨頂をみる。
(上演時間1時間20分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、会場になったエビスSTARバー店内そのもの。冒頭、この店の客で占いをしている女性 渡邉さくら(40歳代)が店のバイトの女性 大園明香(20歳代)の運勢を鑑定している。占い歴は浅く、タロットカードの絵柄の説明(あんちょこ)を見ながら話している。さくら は企業のベテラン職員だが、後輩の指導が厳しかったのかパワハラで休職を命ぜられていた。

最近、恵比寿界隈でよく当たる占い師がいるとの情報、その あやふやな情報をもとに飛び込んできた女性、実は相手と上手くいかないという。相手は男ではなく漫才コンビを組む相手のこと。そして怪しげな変装をして来店した女性、実は店長 伊藤由依の姪 山下莉奈でユーチューバーとして活動している。漫才コンビ<濱松>ー濱岸夏鈴と松田美波。1人は地道に稽古に励み、もう1人は占いで将来を…。その意識の違いで衝突し相手のことが解らなくなっている。まだ何者にもなれていない若者の悩み。また莉奈は手っ取り早く稼ぐことで承認要求を満たそうとしている。人間洞察が深く、リアルな人物像を立ち上げている。またキャストは等身大の人物を生き活きと演じている。

占い(手段)は、占い師という見知らぬ第三者に悩みを打ち明けることで気持を鎮める。一方、占い師は 打ち明け話にどう寄り添った<言葉>を言うか。その<言葉>は厄介で、相手がどう受け止めるかによって薬にも毒にもなる。例えば 休職中のさくらは、一生懸命に後輩の指導をしたが、相手に厳しいと思われたらパワハラになる。漫才コンビにしても自分の主張と相手の気持を考え合わせること。そんな日常の一コマを切り取り、滋味溢れる物語を紡ぐ。

冒頭 さくら曰く、タロットのカードには正位置と逆位置があると。占いによって自分の気持を整理する。今の状況をポジティブに捉えるかネガティブに思うかによって、自分の取るべき態度・方向が決まる、要は自分次第。物語は、このBARでの出会いが良い方向に向かう大団円、そんな希望がみえる。
ラスト、カウンターの垂直下照明(シーリングライト)の諧調が実に印象的で余韻を残す。
次回公演も楽しみにしております。
新作『犬の観覧車』のためのオープンスタジオ & リーディング上演

新作『犬の観覧車』のためのオープンスタジオ & リーディング上演

黒い犬

ACT cafe(大阪府)

2024/07/29 (月) ~ 2024/07/29 (月)公演終了

満足度★★★★

公演にむけてのリーディング 内容はとても良かったです 楽しみです❕

第32回公演『少女仮面』

第32回公演『少女仮面』

劇団唐ゼミ☆

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2024/07/25 (木) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/07/26 (金) 18:30

価格4,500円

時代性を色濃く感じる

氷は溶けるのか、解けるのか

氷は溶けるのか、解けるのか

演劇プロデュース『螺旋階段』

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/07/26 (金) 19:00

95分。休憩なし。

ふたりのロッテ

ふたりのロッテ

劇団四季

自由劇場(東京都)

2024/07/21 (日) ~ 2024/08/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/26 (金) 13:30

120分。休憩15分を含む。

OBA

OBA

劇団タッチミー

アトリエ第Q藝術(東京都)

2024/07/20 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/07/20 (土) 17:30

90分。休憩なし。

瀬沼さんのことを誰も知らない

瀬沼さんのことを誰も知らない

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最終日、拝見しました。前回となにが変わったのかわからないけど、前回よりなぜだか気持ちが揺り動かされたような。競歩レースのシーンではなぜだか知らないけど、うるうるしてしまいました。なんでだろーなーと考えてみたけど、うまい答えは見つからない。理屈ではよくわからない。優しい情念のようなものを感じたとでもいいましょうか。シアワセな気持ちで劇場をあとにすることができました。どうもありがとう。

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