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見よ、飛行機の高く飛べるを

見よ、飛行機の高く飛べるを

同志社小劇場

元・立誠小学校(京都府)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

 
学生劇団だから仕方がないのだろうけれど、安易に、特に素人に写真撮影の許可を出してはなりません。今日の2人の素人カメラマン、一人は最前列中よりでカメラを構え、効果音よりも激しいシャッター音の連発で、芝居を木端微塵に破壊なさりました。後ろでも激写されている方がいて、サラウンドのシャッター音。残念。3月6日13時の回での出来事でした。

BAMBI TIME-バンビタイム-

BAMBI TIME-バンビタイム-

Cooch

ザ・ポケット(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白満足しました!
この団体の前公演は、ストーリー展開の意外性をビックリ楽しく観劇しました。今回は冒険モノってことで「最後は大団円」かなと思っていて、概ね想像した通りではあったんですが、冒険モノらしく最後までドキドキワクワク感満載の舞台でした。観終わって「あー、面白かった」って印象は前作同様で。
今回は本や演出はもちろんですが、特に役者さんやセットの魅力が盛り沢山でしたね。例えればそうだ、バイキングでいろんな好きなモノを好きなだけ食べて満足したような、そんな感覚で帰路につきました。

「いと、といと」

「いと、といと」

インプロカンパニーPlatform

ART THEATER かもめ座(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★

これも駆け引き
開演前にこの作品は即興演劇、インプロですと説明が。
全部が台本なしの芝居というわけではないだろうけども、急展開での役者陣の機転を利かせた応酬は見応えがあった。

ネタバレBOX

彼女いない歴=年齢のオタク系主人公が、「三日以内に運命の人と会う」という占い師の予言を聞き、出会った三人の女性と物語を作っていく。
展開や結末は決まっていない。
シーンごとに場所等の小さな設定を観客に決めてもらい話を進めているので、見ている側も舞台に参加している感が増し楽しめる。
途中で「どの女性と主人公が結ばれて欲しいですか?」というような質問を観客に投げかけ拍手の具合で展開を考えたり、はたまた開演前に観客に考えてもらった台詞を使ったり……
とにかく観客も巻き込んだ芝居だった。
小さなエピソードが連続していたけれど、即興故の必死さやリアルさなのか、不思議と印象に残るシーンが多い。
「即興が、多くの人が楽しめる舞台作品になりえるのか?」という疑問が自分にはあり、答えはまだ出せないけれど、こういう楽しさがある! というのが伝わる芝居だった。
走るおじさん

走るおじさん

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★

これはもう、あひるなんちゃら版『長距離ランナーの孤独』ではないか
……なわけはなく、いつもの「なんちゃら調」。
というか、「完成度の高い」「なんちゃら調」。

70分で、前売2000円。
お得だ。
面白いもんね。

ネタバレBOX

「たっぷり笑って、後に何も残らないコメディです」的なキャッチフレーズの舞台作品を散見することがある。
しかし、多くの場合、それは言い訳の類であって、「何も残らない」どころか、「どこで笑うんだ」という怒りだけが残ることがある。

あひるなんちゃらは、そう謳っているわけではないが、びっくりするぐらい「何も」「ない」。
教訓どころか、主人公の成長も、謎の解明も、オチみたいなものすらない。

潔い。

しかし、「笑い」はある。
あとには「面白かった」という記憶と、役者のうまさが刻まれる。

あひるなんちゃらの舞台は、とにかくすべての「間」がいい。
この舞台に関して言えば、そこが大きなキーポイントになっている。

特に「間」を意識した作品ではないだろうか。
その完成度はとても高い。
「完成度の高いなんちゃら芝居」と言ってもいい。

彼らの舞台にしては珍しく、観客席の通路を使う。
観客席後方には走るおじさんが走っているグラウンドがあるという設定。

そこに向かっての芝居は、グラウンドで起こっているだろう出来事に対するリアクションだったり、そこへ向かったり、そこから来たりする時間も「間」である。

グラウンドを見ていて発する台詞のタイミングもとてもいいのだ。
観客の呼吸と合うというか。

走るおじさんの妹(石津美和さん)と弟(澤唯さん)のやり取りは、絶品だ。
観客は笑いのスタートラインで、笑いのきっかけを待っているのだが、それに気持ち良くいい合図を出してくれる。

単に2人の間がいいだけでなく、笑いのタイミングの「間」もうまいから、いい感じで笑えるのだ。
脚本もいいのだろうが、やはり役者がいいのだろう。

走るおじさんの友だち(園田裕樹さん)は、特に間を意識した演出になっている。自分の中で間をつくるのだが、その外し加減がなかなか良くて、「変な」感の醸し出し方がいいのだ。

見ている人(志水衿子さん)は、変な人だと思っていたのだが、どうやら同僚(篠本美帆さん)と単に赤いおじさん(堀靖明さん)をからかっていて、暇つぶしのようなことをしているのではないか、と思わせるところが、変すぎなくていい。

見ている人の中にいる、赤いおじさん(堀靖明さん、前も赤いジャージを着ていたことがあったように思うが、彼のイメージカラーは「赤」なのだろうか)は、いつもながら、気持ちいいタイミングで、気持ち良く突っ込んでくれる。さすが! うまい。

タイトルになっている「走るおじさん」を演じる根津茂尚さんは、やっぱりうまい。
出番は少ないのに、きちんと「普通」のおじさんを、「普通」に演じている。
エキセントリックが支配しがちになってしまう、こういう作品にあって、その、淡々さがとてもいい味になているのだ。

笑いを取りに行こうとして、前のめりにならないところが、あひるなんちゃらの良さでもある。
なので、根津茂尚さん同様に、おじさんの娘役の松本みゆきさんも、落ち着き具合がなかなかいいのだ。

しかし、登場人物たちについて、いろいろ疑問が生まれてくるので、それがストーリーの後半に行くにつれて、徐々に見えてくるものと思っていたら、ぼんやりとわかることもあるのだが、ほとんど明らかになってこない。

走るおじさんを「いつも走っている、変なおじさんがいるなー」と、見ている人たちが、彼のことを何も知らずに(断片的にわかることもあるが)、見ているように、また、逆に彼らのことを、「バンドやってる人たちかな」ぐらいの感じで見ている、走るおじさん側のように、観客も、それを「見ているだけ」ということなのだろう。

積極的にかかわっていくことをしない、距離感がある。
各々のグループ内では、それぞれ濃厚な人間関係があるのかもしれない。
しかし、「見ているだけ」の我々にはわからない。
「他人のことなんて、何もわからない」のだ。
というテーマがこの作品にあるわけもないとは思うのだが、そういう寂しさも感じた。

走るおじさんの娘は、おじさんを殴ることで、何かが始まったか、変わったかして、おじさんも、何かが少しだけ起きたか起きなかったかして、おじさんの友だちも、走るおじさんきっかけでなさそうだけど、就職なんかして、見ている人たちは、何かのアイデアが生まれたり生まれなかったりして、ぐらいの変化は起きていて、それが「何なのか」は、やっぱり当人にしかわからないことであって、「見ている人」の観客は、「見ている」だけしかできないということなのだろう。

観客も人も、結局は常に「見ているだけ」なのだから。
屋根の上の魔女

屋根の上の魔女

劇団 浪漫狂

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★

舞台としての演出
物語としての内容はしっかりとしもたのがあったと思うが、舞台としてみていて、メリハリがなく、長時間に感じた。もう少し笑わせたり、どきどきさせたりと演出を面白くしたほうがよいかと思う。

梅子と「ボクらの青春交響曲」

梅子と「ボクらの青春交響曲」

『熱きロマンを胸に、生きる勇気と希望を与えるべく突っ走り続ける奴ら。』

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/03/03 (火) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっとばかり・・・
心苦しいが・・・やっぱりビジュアル的につらい!その度胸は認めるし、芝居としては悪くなかった。作品としても面白かった。しかし、梅子の初恋の君にはどんなにボサボサの髪であろうと、キュートな笑顔が似合うイケメンが欲しかった!なぜって、人は自分の思い出を美化するものだから。自分の想像の世界を自分の都合で作るのなら、当然それはあるべきではないかと・・・イケメン好きなおばさんは思う。

梅子と「ボクらの青春交響曲」

梅子と「ボクらの青春交響曲」

『熱きロマンを胸に、生きる勇気と希望を与えるべく突っ走り続ける奴ら。』

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/03/03 (火) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

大好物です!
こういう舞台大好きです!

熱い!!楽しい!!素敵な時間でした!

ゲジゲジ

ゲジゲジ

散歩道楽

小劇場 楽園(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/10 (火)公演終了

満足度★★★★

どこにいても辛い
ひっそり生きているのにねえ。

ネタバレBOX

孤独で気の弱いげじげじ眉の新聞配達員が理不尽な目に遭い、不眠症のせいもあってか、妄想の中で弱気のままでいたり、強気になったりする話。

すぐに様々な自分がああでもないこうでもないと言い合う同時出現的多重人格物と分かってしまいちょっとがっかりしましたが、後半のりちゃんの性格が豹変したのは工夫が見られ良かったです。

気の弱い奴につけ込む様子は、川崎中一殺人事件を見ているようでいい気分はしません。ですが、新聞配達員に新聞を取らせる拡張員の手腕には、その豪腕振りに驚くとともに、作者の発想の豊かさを痛感しました。

殺人事件があったように思わせるところや、先輩配達員も一瞬妄想の人かと思わせるようなところはちょっと不思議感覚を味わえ素敵でした。
白魔来る-ハクマキタル-

白魔来る-ハクマキタル-

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

アンリ バビュルスの地獄(Aキャストを拝見)
 雪の降る時、惨劇が起こる。開演前、舞台はかなり昏めだが、天井からは植物の枝葉が垂れ下がり、への字のように作られた縁側、障子の辺りの枝葉は下手から青のライトで照らされ、オープニングでは、不気味な風の唸り、津軽三味線の太棹の音。明転すると若者達が、漸うの体で転がり込んで来た所である。彼らの背後には、三味の音の後、影が、音も無くこちらへ回り込んでくる。若者達は、怖気をふるうが、この古びた家の者であった。

ネタバレBOX

 物語は、この老人が、何故、この村には、人が居なくなり、この老人は、何者であるのかを明かすに至る昔話を語る、という形で進められる。
 時は、約100年前、日清・日露戦争後もまだ多くの農民が貧困に喘いでいた。そんな農民の前に開拓をすればその土地は自分のものになる、という話が聞こえてきた。場所は北海道だという。飢饉があれば、年頃の娘は売られ苦界に身を沈めねばならないような時代である。若く自分の土地を持たない多くの者が開拓地に夢をはせた。
 貞夫一家も、そんな夢を負ってこの地に入植してきた一家である。貧しさ故、ここ迄辿りつく為に持ち金の殆どを費やし、新しい土地を農地にする為に必要な牛馬の手当てなど思いもよらない。だが、村長以下、先に入植していた者達は、この一家の為に馬を購入、新入植者への贈り物として与えてくれた。無論、馬は大変高価なものである。村人達が新たな入植者にかける期待の大きさと好意が並大抵のものではないことが、この一事によって示されている。{無論、まだまだ他に多くの一筋縄ではゆかない問い掛けが潜んだ作品ではあるが、上演中である。頗る敏感な人も居るであろうから、ネタバレは取り敢えずここ迄(追記2015.3.12)}
 この後、人々の大きな心の傷が描かれる。その具体例は差別されることによって己の居場所を失くし、自らのアイデンティティーを自らの属する社会(既に失われているので見出しようが無い)に於いて見出せない者。アイデンティティーが成立する為には、二重の前提が確保されねばならない。即ち、社会の類的存在として確立されるべき自己自身の内面と社会の中である役割を果たし認められて在る自己との無矛盾の統一性である。然るに、自らの属する社会全体が、マジョリティー乃至は力ある者から否定され尚且つ自らが属すべき社会からも拒絶されているとあれば「自分」とは、無限の崩壊過程以外何者でも無い。この現象は自らの認識に於いては、無限に深まりゆく虚無感でしかあるまい。平吉の抱えている地獄はこのような四面楚歌であり、自らを自らであると措定できない、まさしく地獄なのである。平吉が狂わないでいられたのは、当に彼が天才マタギだったからであり、狩られる羆に敬愛の念を持ち得たからで、人間界などの及びのつかない世界をアイデンティファイの場として持ちえたからである。逆に、老人が狂気に陥った原因こそ、平吉のような被差別体験を他の人間との関係の中で殆ど味あわなかった為、養い親の平吉を失った後は、寧ろ羆と精神の一体化を果たし、人間にとっては錯誤であることが、彼には条理であったという結論も、意味深長である。
 もう一つ、見落としてならない点がある。貞夫が助かった自分の子(即ち語り手の老人)の命を共同体である村に捧げなければならない、と考えている点である。このような発想は、欧米的な個人意識とは相いれない。日本型村社会乃至は近世迄の道徳律であろう。同時に貞夫の判断に内在する狡さにも注目しておきたい。即ち己の家族を守れなかった罪の意識や弱さ、情けない無力感を、生き残った赤子を魔と規定することによって転嫁し、殺害しようと目論む論理に実に日本的な狡さを見るのである。これこそ、村社会を支える滅私奉公の論理、安倍の目指す国家優先の論理に連なる欺瞞そのものを表象していると見ることができる。つまり、滅私奉公の論理とは、責任転嫁によって更に陰湿に隠されたより凶悪な魔を隠す擬制の論理と見るべきなのである。安倍如き下司は、イスラム国を批判できるだけの内的倫理の統一性を持たぬが故に、非難する資格は無い。無論、イスラム国の蛮行は非難すべきであるが、彼らを生み出した先進国の欺瞞にも同時にキチンと公平・公正な批判の目を向けるべきなのである。

おまけ:観方によって、イスラム国成立の背景まで読み取れる作品である。少なくとも自分はそのように観ていた。

さて、おまけに記したイスラム国成立についても少し話しておこう。イスラム国の中心メンバーには、イラク、フセイン政権時代のバース党出身官僚や軍人、警察官などが居るということは以前コリッチの別な所で書いた。無論、現在も彼らの動きを見ていれば、それが単に烏合の衆ではなく、相当実務に秀でたメンバーが居ることは間違いない。で直接的にはそのように優秀な人々が何故このようなムーブメントを起こして行ったかである。最も直接的な最近のきっかけは、アメリカが国際法に反し、単に自分達の利益の為にイラク戦争を強行し、フセイン政権を倒し、バース党関係者を追い払ったこと、その後暫定政府を立てさせ選挙を行わせて、シーア派のマリキを首相として傀儡政権を操ったこと、マリキの下でクルドの民兵組織、ペシュメルガは、シーア派と共闘して秘密警察のような役割を果たし、スンニ派を捉えては酷い拷問や虐殺を繰り返したこと。アメリカが開戦の理由とした大量破壊兵器等無かったにも拘わらず、チェイニーやらラムズフェルド、ウォルフォウィッツらネオコンは、イラクの豊富な石油から上がる利権に群がり収奪したばかりでなく、チェイニー等は、復興を大々的に請け負い大儲けした。更に、軍を民営化したブラックウォーターメンバーらは、レイプ、略奪、虐殺等何でもしたい放題やって居た訳だ。ブラックウォーターの社長エリック・プリンスは、SEAL要員だったと言われている。またアメリカ軍の特殊部隊員・CIA暗殺要員に暗殺の仕方を教えたりとCIAエージェントとしても関わっていたとの情報もある人物だ。非公式ではあるが、サブラシャティーラ虐殺の理由とされるレバノンのハリリ暗殺は彼に関わりのある事だと言うし、パキスタンのブット暗殺に関わっていたとの情報もある。何れにせよ、糞野郎だ!! 公式国家レベルに戻ると、英米は、バクダッド等の都市部でも大量のDU(劣化ウラン弾)を使用した。その影響としか考えられない奇形、白血病や癌等の極めて深刻な症例が多発している。因みに、DUから出た核種で長い半減期のものは44億7千万年である。
 更に、米英等イラク戦争で客観的な戦争犯罪を犯した連中は、荒らすだけ荒らし、奪うだけ奪って、キチンとケアもしなかった。その結果、イラク国内に残されたのは、痛みと不可能、混乱と破戒、貧しさと悲惨、不信と恐怖、病と飢え、死の蔓延と絶望であった。このような混乱とカオスからイスラム国は生まれ落ちたのである。即ち、イスラム国を作ったのは、第一にアメリカ、第二にイギリスである。無論、イギリスには、サイクス・ピコ秘密協定の前科もあるのだ。アメリカ、イギリスに、DUというトンデモナイ兵器・弾薬群を使用した戦争犯罪の罪を問うべきである。そして、被災者総てと親族に対し、一人1億ドル(この額は間違いではない、仮に人類の末裔が、44億7千万年後まで残っていたとして、遺伝子破戒による悪影響を半減期だけでも適用する必要があろう。実に控えめな額なのである。実際、寿命を60年で計算すると44億7千万年の間にヒトは7千4百5十万世代を経るから一世代辺りの保証額はたった、1ドル34セント強でしかないのだ)程度の賠償金を支払うべきであろう。それほど被害は酷いのだ。
 
 これらが、我らヒトに負わされた負の性向であるならば、それを現前化させる為に、井保氏は重層化した人間関係を多面的に描くことによって演劇という表象に結実させたのである。


 
家族

家族

オーストラ・マコンドー

吉祥寺シアター(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

小津ワールド
“小津安二郎に捧ぐ”とあるように、映画「東京物語」を彷彿とさせるシーンが多かった。
笠智衆そっくりの話し方と、たっぷりの間、それに現代には不自然なほど丁寧な
「~ですわ」「~ですの」という言い回しが再現され、まさに小津ワールド。
日頃はぞんざいに扱いながら、ひとたび失えば痛切な哀しみに襲われる
家族の普遍性が、“渡鬼”を超上品にしたような日常の中に描かれる。
作者はこれを伝えるために、この作品を作ったのかと思わせるラストが切なく
とても温かな気持ちになる。
亡くなった夫を忘れることを拒否し、それでも次第に忘れていく自分を許せない紀子の姿は
3.11を前に、「死んだ人を忘れること」を鋭く問いかけてくるようだ。
MOGMOSさんの歌とギターが流れたあの場面で、一気に涙腺決壊。
ひとつ疑問なのは、どうみても会話のテンポや古風な言い回しが昭和レトロなのに
なぜ“スカイツリー”のある現代に置き換えなければならなかったのだろう、ということ。
昭和のままで、いつの時代も変わらないんだなと思わせても良かったような気がした。

ネタバレBOX

劇場に入るとまず銀色に輝く舞台のセットに目を奪われる。
中央に盆踊りみたいなやぐらが低く組んであり、客席側に傾斜している。
奥の鏡がそれを映して観客にやぐらの床の上をさらにはっきりと見せる。
銀色の床にはちゃぶ台、両脇には生活必需品らしき赤いやかんなどが置かれている。
ここが物語の舞台となる部屋なのだと思って眺める。
舞台の袖近くには上手下手に対称的に、洗濯物を干した竿が高々と掲げられている。
昭和の庭先を思わせるつくりである。
やがて正面にあった鏡がするすると奥へ引っ込み、やぐらへ上り下りする階段が見えた。

ここは多賀士と安子の次男の嫁、紀子(趣里)の部屋である。
次男司は既に亡くなって6年、七回忌の席ではかつての悪友達が
未亡人となった紀子を気遣い、陰では見合いをさせようなどと話している。
やがてその部屋に、七回忌を兼ねて東京見物に来た
多賀士・安子の老夫婦がやってくる。
長男・長女はいずれも自分たちの生活に忙しく、親の面倒まで手が回らない。
結局仕事を休んで東京を案内し、自分の部屋に泊めたのは紀子であった。
亡くなった息子の姓を名乗りいつまでもひとりでいる紀子に、老夫婦は
「もう忘れて新しい人生を歩んでほしい」と告げるが、紀子は頑なに拒否する。
「司さんを忘れたくない、なのに自分は忘れていく、それがどうしても嫌なのだ」と・・・。
やがて安子が急死して、多賀士はひとり故郷に帰って行く。

映画では名場面として名高い、ひとり田舎の居間に佇む笠智衆の姿で終わるが
この作品ではそのあとが、現代に向けたメッセージとなっている。
家族とは“血縁”ではない。
家族とは“作っていくもの”であり、時間をかけて“成っていくもの”である。
だから誰かを喪ってもひとりではないのだ、家族は続くのだという
温かいメッセージを感じる。

多賀士役の康喜弼さん、マイペースで鷹揚な物言いで笠智衆さんを完璧に再現、
紀子に「もう息子のことは忘れていいんだ」と告げるところで一気に心情がこぼれる。
フリーターの三男を演じたMOGMOSさんのギターと歌が素晴らしく
多賀士と紀子が本心を吐露する場面が一層切なく優しい。

作者の映画への深いオマージュが伝わってくる作品だが、台詞や間の雰囲気を
忠実に再現した分、テンポがゆっくりでスカイツリーの時代設定に違和感を覚える。
時代を昭和のままにしても家族の普遍性は語れたように思う。
それにしても美しい言葉が交わされた時代だったのだなあ。
そのことにわたくしとても感動しましたの。(←まじめにそう思っている)  







artificial emotion!!

artificial emotion!!

Reset Limit

上野ストアハウス(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーハホリー☆
(^^)/4日の夜、上野で
[Reset Limit]の、
【artificial emotion!!】を観てきました☆
面白かったです。
SFハートフルコメディ☆
アクションはすごい!
役者の個々の演技力もナイス♪
お笑い・小ネタも満載!
メカニカルな魅力たっぷりです☆
観劇日記をブログに書きました。

屋根の上の魔女

屋根の上の魔女

劇団 浪漫狂

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

これってコメディ?
この内容なら、いつもの浪漫狂の芝居の方が、バカバカしい分だけ観るものがある。

GHOST SEED

GHOST SEED

カプセル兵団

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/02/26 (木) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

余韻が未だに…。
ゴーストシードの再再演の舞台を観て、自分はこの舞台ははじめての観劇でしたが、世界観が良くどのキャラクターたちもいきいきとしてて、始まってすぐに引き込まれていました。そしてカプセルさんらしいアドリブがあるのに、泣かせるところはしっかりとあるのがほんとすごい。このアドリブが苦手な方もいるかもですが、そこがカプセルさんの味だなと思います。ゲストさんは津久井さんと柴田さんのを観ましたがお二方それぞれの個性がしっかりとあって、同じ役でもここまで変わるのかと…役者さんってスゴいです。初日と2日目も見たかった…。
縁とは廻る者たちの物語、心地よい余韻が残ってます。

大失敗。

大失敗。

モモンガ・コンプレックス

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★★


思いのほか前衛的な感じのところが多く、モモコンでもあり、好みだった。

梅子と「ボクらの青春交響曲」

梅子と「ボクらの青春交響曲」

『熱きロマンを胸に、生きる勇気と希望を与えるべく突っ走り続ける奴ら。』

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/03/03 (火) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★

創作における魔法の言葉
序盤の平坦さ、中盤のハチャメチャさ、なのに、終盤で全てが整理される。
ちょっとびっくりした。

どう転んでも10代に見えない大人たちが堂々と小中学生を演じられるのも、梅子が小説を書くのも、同じ理由。
その『創作における魔法の言葉』が聞けたのはよかった。

直前に映画『幕が上がる』をみていました。
創作という同じキーワードに全く違う方向からアプローチしているとおもった。

でも、やっぱり序盤の物足りなさと中盤の過剰さは気になる。
世界に入れず、あくびすら出た。


制作さんの案内関係は丁寧で、明るくて、カンパニー愛も感じられました。


路上芝居-劇場版-

路上芝居-劇場版-

くによし組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/03/03 (火) ~ 2015/03/04 (水)公演終了

満足度★★★★

千秋楽を観劇。
舞台美術・装置と呼べるものは特になく、殺風景で雑な感じなんだけど(前説のグダグダな感じとか油断させられる)、内容はとても興味深く面白かった。観る側を引き込む力を感じるというか。

特にシニカルな笑いのセンスは好みでした。


上演時間:約60分

屋根の上の魔女

屋根の上の魔女

劇団 浪漫狂

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★

期待ハズレ
ドタバタのコメディといえばドリフの「8時だよ!全員集合」が頭をよぎる。が、まったく違った。そもそもコメディになっていない。ドタバタとはいえ緻密な計算がされていないので、冗長でとりとめのない舞台になっていた。そもそも130分弱の上演時間は長過ぎ。ピザ店員役の女優さんは甲高い声で、音量が小さいので台詞が聞き取れないなど、致命的なミスキャスト!舞台美術の質はともかく、設定がスナックの店内みたいでまったくストーリーと関係ないような作り。遅刻した客を誘導するスタッフが、立ったまま席を案内するため、観ている客の視界を遮るのも信じられなかった。ご丁寧に2回も!!

ブラッドブラザース

ブラッドブラザース

松竹

大阪松竹座(大阪府)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
ステージ上のセットの上に生オーケストラ隊が曲を奏でます。
わかりやすい内容でミュージカルの醍醐味を十分に引き出した作品でした。

ネタバレBOX

詳しくはこちらに。
http://ameblo.jp/sunpack/entry-11997760282.html
ヒガンノウタ

ヒガンノウタ

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/21 (土)公演終了

満足度★★★★★

無題1413(15-061)
プレビュー公演 20:00の回(曇)。19:28受付、開場。入って右側(カウンターとは反対側)に客席、ミニイス、ソファなど。岩倉さんは入り口側で弾いている。ちょうどチラシに写っているあたりとカウンター内が舞台の中心。

本日のスープ「カボチャとセロリと豆乳のスープ、バケット添え」、奥のドアにはライブの告知「PEACE LIVE(3/21/土)」。

19:51前説(75分)、20:05開演~21:08終演、ミニライブ~21:24終了。

先月、「鵺的」の公演(@雑遊)に奥野さんが出ていらして、こちらのことを知りました。此処は「向日葵と夕凪(2012/8)」以来です。

ギターはチラシと同じもの(VOXのアンプは使用せず)、奥野さんは「KISS」柄、山本さんは特別に「関西弁」のセリフ。本公演の最終日が「3/21」春分の日...「ヒガン」とカタカナなのでほとんど意識していませんでしたが観客を柔らかく包み込んだ、それは優しい構成でした。終演後のライブ、笑いすぎました。

ネタバレなしで。

ネタバレBOX

お彼岸...ご先祖さま...だけではありませんでした。とても切なく、でも爽やかな終わり方でした。
路上芝居-劇場版-

路上芝居-劇場版-

くによし組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/03/03 (火) ~ 2015/03/04 (水)公演終了

満足度★★★★

五寸釘、ペヤング、白線
前説。
役者が裸足なので、五寸釘とか踏んで痛いもの落とさないで下さいねって。
そうそう、つい持ってきた五寸釘を落としちゃう事あるよね!
気を付けなきゃヽ('ー`)ノ

受付のところにペヤング超大盛の容器がきちっと置いてあってこれもすごく気になっている。
食べ掛けを置いて忘れたとかじゃないんだ。
必要だから置いてあるテイでヽ('ー`)ノ
→受付の道具入れだったとのこと。
クールだ!
前説とかもそうだけど、独特の雰囲気があってそういうの大好きです。!


こちらも今の自分にちょっと触れる様なとこのある作品だった。
そのものずばりと言うより、同じ様な感覚になる、というか。

ストレートなお話、芝居だったと思うので、細かいデティールはちょっと気になった。
今、その場がどこなのか、とか。

そう言えば、お話しの上で夢破れたり、壁にぶち当たるのは30歳とか多い気がする(今回の話に限らず)
もしくは20代半ば。
既にその年齢を越えてる身としては「ふーん、そんなものか」と思う部分はある。
そっから始めようとする奴だっていて、それが不正解とは思いたくないから。

ネタバレBOX

冒頭の白線渡り、でも別に白線から落ちる事を気にしてなかったので何か意味があるのかなー?

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