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「結婚しようよ」終演しました。ご来場誠にありがとうございました!

「結婚しようよ」終演しました。ご来場誠にありがとうございました!

The Stone Age

浅草見番 (東京都台東区浅草3-33-5)(東京都)

2015/09/11 (金) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

バランスよい。
笑いどころ、泣きどころのバランスがよいように思えました。

コテコテ関西劇だなってとこもありましたが
それもまた味なのであります。

こんなにもお茶が美味い

こんなにもお茶が美味い

ニットキャップシアター

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/10/16 (金) ~ 2015/10/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽でした。
2回目のこの日は、なんだか怖くて、哀しい・・・・。
家族の茶の間で語られるのは、いつも出来事が起きた後なんですよね。
しでかした事、嬉しかった事、残念な事・・・など、など、報告する本人から聞いたことに一喜一憂する家族たちは、見ていないことも経験していないことも
、本人と一緒に体験したような気分になる茶の間・・・・その懐かしく、暖かい空間は、時間の経過と共に変化し、消えてしまう・・・・。
昔の実家でのひと時を、思い出しました。

桃太郎と鬼娘

桃太郎と鬼娘

劇団のの

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2015/10/09 (金) ~ 2015/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

タイムリーなテーマをコンパクトに
鬼退治後、きび団子屋で生計をたてていた桃太郎に復讐を目的に近付く鬼の残党の娘、そして他にも桃太郎を狙っている者が…。
民話やお伽噺の元となったであろう史実をそれに近い形で描くスタイルゆえ「鬼」には角がない…どころか普通の人間として描かれる。
それはそのまま桃太郎の驚きでもあり、正義と思って鬼退治に“参加”して鬼ヶ原に行けば、そこにいたのは鬼などではなくごく普通の人々、とてもそんな相手を討つことはできずに一人戦列を離れたことから「敵前逃亡」の罪で追われる。
そうなんだよ、戦時教育で「鬼畜米英」などと刷り込まれ…というより洗脳されたとしても、相手は鬼でもなければ悪でもない。
キナ臭くなってきた昨今、これを忘れてはいけない。
そう考えると鬼退治系のお伽噺ってけっこう過激なんだな…とも。
ヒロインである鬼の娘もそこに気付くが彼女の鬼…いや兄が復讐を諦めないことで起こる終盤の悲劇には考えさせられる(1年戦争時のエルメスのララァを想起したが、のあ主宰はご存知ないそうで…う、ジェネレーションギャップ(爆))。
そうして迎える最終場は「もしかするとこうだったかもしれない」和やかな平行世界。
後味を悪くしないためと思ったが「こういう世界であって欲しい」という願いや祈りとも受け取れ、そう考えると深い。
80分という尺に巧く収めたなぁ。
それにしても、ここの芝居で殺陣を見ることになるとは…!(笑)
あと、TEAM空想笑年、柿喰う客に続く桃太郎ネタ、この後にはタッタタ探検組合も控えているし、何なの?桃太郎生誕〇年とか没後〇年とかなの?

瑠璃の頌歌(るりのオード)

瑠璃の頌歌(るりのオード)

DANCETERIA-ANNEX

横浜市泉区民文化センター テアトルフォンテ(神奈川県)

2015/09/26 (土) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

いろいろな曲が聴けた!
公演を重ねるごとに徐々に大所帯になっていくとともに
役者の上達を感じました。きっと指導者の方が素晴らしい技能をお持ちなのでしょう。
なにより生バンドの演奏が舞台を盛り上げてくれるのが、聞いていて楽しいです。いつもよりも曲のジャンルが多岐に渡っていて、最後まで飽きずに鑑賞することができました。特にGOH IRISさんの歌声は何度聴いても美しい。
皆様のこれからの活躍に期待します。

DOWNTOWN HOTEL

DOWNTOWN HOTEL

SECOND・N PRODUCE

千本桜ホール(東京都)

2015/10/13 (火) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

初日だったから固かったのかなー
好太郎と鈴木ゆか出演ということもあり、観て来ました。大和さんの作品は初めて。そういう期待も込めて!!

ネタバレBOX

初日ということもあり、色々荒削りな箇所が目立ったが、大和さんの本の力で飽きずに最後まで観る事ができたという感じ。好太郎がいい感じに出ているのだが、最初から最後までテンポに乗り切れていなかった。好太郎に限らず全体的にぬるい空気だったのが何よりも残念。ただ後半の公演で見に行った仲間によるとそんなことは全然なくて楽しめたという意見が多かったので修正したのだろうか?申し訳ないんだけど、主役の男の子の芝居が厳しかった。何となく全体的に上からの目線で芝居をしているように思えた。本当はそうじゃないのだろうけど。二枚目芝居を二枚目気取りで演じていたら寒いだけだと教えてあげたい。そんなアドバンテージがありながらもこの作品は「秀作」でした。
こんなにもお茶が美味い

こんなにもお茶が美味い

ニットキャップシアター

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/10/16 (金) ~ 2015/10/19 (月)公演終了

満足度★★★★

意外と
変な話ですが分かり易かったと思います。

ネタバレBOX

姉、弟、妹のきょうだいの話。

普通に考えれば挙動不審で理解できない行動はありましたが、妙に落ち着いていて変な話として理解できました。

とは言え、最後には殺人事件が起こり、妻と外国人との間に生まれる子供を自分の子供として育てる覚悟を持ったとしてもそれはそれで大変です。

性欲というその人に属する別人格を表現したり、操り人形のようにして別人を表現したり、今回のお面の使い方は具体的で良かったと思いました。
ミュージカル「ラ・マンチャの男」

ミュージカル「ラ・マンチャの男」

東宝

帝国劇場(東京都)

2015/10/04 (日) ~ 2015/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★

悲哀
生きる事への哀しさ、なんかしみじみ感じました。良かった。

ネタバレBOX

あの階段が怖い。
劇団東京乾電池の月末劇場 総集編

劇団東京乾電池の月末劇場 総集編

劇団東京乾電池

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2015/10/02 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

なんでみんな行かないの?
あの空間でこんなに贅沢を感じる舞台は無いのに。本当は全て通いたいのだけどね。。。来週も行きます。
「二人で狂う好きなだけ」これ何度観ても見飽きない。他の作品も、東京乾電池ならではの味わいがあります。

四谷怪談

四谷怪談

ジェイ.クリップ

俳優座劇場(東京都)

2015/10/18 (日) ~ 2015/10/20 (火)公演終了

満足度★★★

“歌舞伎調台詞”の意図は・・・
“歌舞伎調の台詞”が、この芝居のポイントの一つなのだろうが、
馴染みがない上、速い台詞回しが多く、台詞の内容を理解する方へ意識が行ってしまい、芝居全体を楽しむことが出来なかった。

当日パンフに、演出:西沢氏の本作に対する思いが記されていたが、
『現代の不条理に立ち向かう』と、いうのであれば、
現代の、若しくは“それ”に近い言葉で台詞を書いた方が良いのでは?
と、思うのは私だけだろうか・・・。

役者さん達の熱演が伝わってきただけに、勿体無く、残念な気持ち。

ドリームランド

ドリームランド

ロデオ★座★ヘヴン

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/10/08 (木) ~ 2015/10/12 (月)公演終了

ダークサスペンスな愛憎劇
ミステリー風な結構重厚な物語だった。
どうなっていくんだろうと引き込まれて良かった。

ただ130分と個人的には長く感じてしまい、ちょっと疲れてしまった。

四谷怪談

四谷怪談

ジェイ.クリップ

俳優座劇場(東京都)

2015/10/18 (日) ~ 2015/10/20 (火)公演終了

満足度★★★

たしかにラブストーリー
お岩さんの最期の行動にきゅんときた。
登場人物それぞれの感情が描かれていて面白かったが、お袖のエピソードがかなりの分量を占めていて、主役は彼女なのかとちょっと感じてしまった。
歌舞伎調のセリフは全部は理解できないけれどテンポよく小気味よかった。皆さん上手だったけど特にお槙の人が所作もセリフ回しも自然で素敵。
まや、主演の鯨井さんの色悪っぷり、たまに垣間見える不安にドキドキした。

四谷怪談

四谷怪談

ジェイ.クリップ

俳優座劇場(東京都)

2015/10/18 (日) ~ 2015/10/20 (火)公演終了

満足度★★★

青春ラブストーリー?
四谷怪談という物語。いままで読んだことも観たこともなくて、唯一何かであらすじを読んだことがあるだけ。でもそのあらすじを読んでも、なんのこっちゃ、意味がわからなくて。
ということがありまして。今回初めて、四谷怪談というのは、こういう物語なんだなあということを知りました。
どうしてこの人はこの人を好きになったの?とか、この人はどんな悪行をしたの?とか、詳細な部分を加えると、物語的には、ものすごい量になるのかなあという気がしました。
だからそれを二時間にまとめたこの舞台は、四谷怪談のダイジェスト版という印象を受けました。そのせいか誰にも感情移入は出来なくて。
詳細がわからないために、登場人物の行動も不可解なことが多いような気がして。四谷怪談自体がそういうもんなんですかね?
青春ラブストーリーという、触れ込みもあまりぴんとはきませんでした。

隣の席の客が、はじまってすぐに寝始めたのも、興ざめした一因かもしれません。あの人は何を見に来たの?

従軍中のウィトゲンシュタインが(略)

従軍中のウィトゲンシュタインが(略)

Théâtre des Annales

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/10/15 (木) ~ 2015/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★

哲学についての考察
ヴィトゲンシュタインと言えばこれというテーゼ=「語り得ぬものについて人は沈黙せねばならない」の含蓄は、あらゆる事柄について何らかの形で「語り得る」と、普段考えている理性の土台を揺るがす所にある。
 沈黙はしなくたっていいだろう、折角言葉があるのだから・・。黙るか喋るかは人の性格や個性の問題だ。・・そう思いたくなる。
 これを、不可知の領域を知り、潔く認める事の尊さについての言葉だと解釈してみる。・・人間は知る事のできない領域がある、現に今、自分にとって知らない事がある、その事実を「希望的観測」による根拠なき言説で置き換える不遜さは、例えば、放射能の被害について「無害」に寄った説を唱える学者に、見る事ができるだろう。確かに言いたくなる、「確証の無いことについて適当な事を言うな」と。
 さて舞台は、第一次大戦中の前線部隊の生き残り5人(ヴィトゲンシュタインを含む)のお話。実験的な戯曲だ。彼の哲学の定理が生み出された源泉は前線での体験にあった、というのが史実かどうかを知らないが、最後は撤退を余儀なくされる前線の行き詰まった局面でのやりとりに、特異な視点を持つ彼は反論したり介入する中で「言葉」に関する発見をする。彼自身のドラマの軸は同性愛の相手との空間を超えた対話にあるが、彼の分かりづらい哲学の着想と、前線での体験に結び付ける試みは、果たして成功したかどうか。
 私はこれでヴィトゲンシュタインという人間が見えた(彼の哲学の言葉と相まって)、とは思えなかった。面白い試みであったし、ドラマとして面白く見れたが、ヴィト君をもっと知りたいかも、という思いを残したまま芝居は終わった。
彼を「ホモ」と侮蔑する男の発言を際立たせる事で話を盛り上げていた感が強し。また、ある命の危険のある役割を選ぶのに、ベテラン隊員が自ら腕に覚えがあって志願したのに対し、隊長は自分が作ったくじを引かせる事にこだわり、最後まで譲らない、この奇行の理由もよく分からぬままだ。
「語り得ぬもの」という言葉の響きの深淵さと、彼の[発見」の際の台詞のトーンが、いまいちそぐわない、というのが正直な感想だった。

月の獣

月の獣

俳優座劇場

俳優座劇場(東京都)

2015/10/04 (日) ~ 2015/10/13 (火)公演終了

満足度★★★★

秀作戯曲の舞台化
トルコによるアルメニア人虐殺の史実は、今年観た「新冒険王」で触れられていた(確か)。
本作は、二十世紀の前半、虐殺を逃れてアメリカへ亡命した二人の男女・・正確には手に職を持つ成人した男と、彼によって伴侶となる女性として「選ばれた」少女の、到着日即ち結婚生活初日からの、二人の交流の物語だ。二人の間には年齢ばかりでない様々な理解の障壁が存在し、永遠に埋まらないかに見えるのだが、ある時その壁が瓦解する。そこに至るまでのあれこれや、対話の日々が二時間の間に展開する。二人の出自がアルメニアである事の紹介から始まるこの芝居だが、中盤ではあまりその事実に触れられず、その独特の出自を作者が選んだドラマ上の必然性は最後に至ってようやく確認できる。登場人物は二人と、彼らに出会う事になるある浮浪少年、そして少年が老人となった「語り部」の4人。占部房子の彼女らしい演技がピッタリはまり、4人のつなぎ役として良い仕事をしていた、と思う。
海外戯曲の貴重な紹介の企画の一つ。

猿ノ献身、

猿ノ献身、

劇団献身

OFF OFFシアター(東京都)

2015/09/24 (木) ~ 2015/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★

自虐的献身の果てに
当劇団は二度目。学生演劇出身でその当時の舞台が「伝説」と、ある人が言っていた。
その片鱗を十分感じさせる舞台だった。(前回観た作は荒唐無稽であったがメッセージ性に難有りであった。)
終盤の奇妙な展開が「筋を追う」事を拒絶しているのか、説明不足(若しくは私の理解力不足)なのか分からないが、「痛いキャンパス生活」の顛末の中で、理不尽さや力関係の無情さへの怨念が吐きつけられるカタルシスに到達しているため、十分「観た」という気分で劇場を後にできた。
学生生活のリアルに、やはり強みが。
今後の旺盛な活動に期待。

カタルシツ『語る室』

カタルシツ『語る室』

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/09/19 (土) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

軽いタッチ
イキウメの舞台との「違い」があるとすれば、やや軽いタッチである。中嶋朋子が凡庸な一庶民を演じる所(イキウメならもっとセンセーショナルでスタイリッシュになりそう)。板垣雄亮が一人、観客との接点を持ち、要は語り手となる部分があるが、そのドラマ進行上の役割が重要になっている所。
 謎を含む場面が、登場人物との接点を洗い直す事で、その場所の磁場が「失踪」と「出現」を生んでいる事に気づく人物を出現させる。同じ場面を別角度から再現する事で、最終的には謎解きに至る模様だが、観客にはよく見直さなければすっきりと理解に至らない。が、その位がちょうど良いようである。
 イキウメならば、「なぜそこに磁場が生まれているのか」という問いにまで触手を伸ばすだろう。それには、複数の人間がその事実に気づき、疑問を突きつけ合う事が必要だ。が、この「語る室」では、気づくのは板垣氏演じる占い師のみであり、人物らが体験した「謎」の解明をした時点で、身を引く。「なぜ身を引くのか」という疑問を封じるため、占い師は観客に語りかける。一つのミステリーが解決を見た事を共有し、劇は終わる。
こうした特色が、「軽い」テイストと言わしめる所以だろう。私もそれ以上の感想はないが、悪い後味ではなかった。「もっと深い問いを、あなた自身が見出す事も可能です」・・そんな風に言われてる気がしないでもない。

ピッピピがいた宇宙

ピッピピがいた宇宙

あひるなんちゃら

OFF OFFシアター(東京都)

2015/09/18 (金) ~ 2015/09/21 (月)公演終了

満足度★★★

最後の台詞
こんな脱力芝居を堂々とやってる。宇宙ステーションに休暇を使ってやって来て、足止めを食うというハプニングがあり、それが解決してホッと安心。
 宇宙人が板付で居る。もっともそれはイスになる台のようなもので、なぜか彼ら(三人)の間では宇宙人であると、知らされたのでそれは既定事実である。この無理設定をとりあえず信じて疑わず、適度に疑問をさしはさみ、ピントがずれてたりする具合を、成立させるのは間延びしたキャラに拠るところが大きそうである。コントに近い。こんなお芝居をやってられるような平和が続くといい・・ そのバロメータを買って出ている劇団、とは穿ち過ぎか。

どん底

どん底

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2015/09/10 (木) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

思い出し投稿◎個人的な感慨
個人的感慨が強し。江戸時代の長屋を舞台に翻案した黒澤明監督『どん底』(1957年)を何度となく見たくなってレンタルし、借りれば2,3回見るので10回以上は見ている。原版の舞台化は初見で、戯曲は一度読んだ気がするがあまり覚えてない。実にうまい場面運び、人物の紹介のさせ方、二場の構成も黒澤版は忠実に踏まえていて、日本への置き換えが憎い。アンサンブルの今回が初という「どん底」を、この映画の名場面(殆ど全場面)をなぞるように見た。
今回の原作版では、皆で唄う歌が労働歌のようで感動的だったが、映画では「コーンコーンこん畜生」「コンコンチキのこん畜生」「ハァ地獄の沙汰も金次第」と続くお囃子風。この場面は映画で二度あり、終盤では興が乗って最後までやる。途中「オヒャイト~ロ」と、テンポダウンして笛の擬音の旋律が流れ、鳴り物の掛け合いから段々とテンポアップ、盛り上がって行き、普段憎まれ口を叩き合ってる者らが祭り気分で踊り出す・・。
その映画も10年以上ご無沙汰したこの歳で原作の舞台を観て気づいた事は、如何にこのドラマの人物らの言葉に若い自分が影響を受けたか、だ。舞台を観ながら終始頷き、ほくそ笑み、快哉を心で叫んでいた。
違っていたのは、終盤も終盤、中々に長くたっぷり「演説」がぶたれる。このあたりは作者の書きたい欲求が勝ってしまったのではないか、と感じる所があった。もっとも自分の理想が黒澤の映画版にあったため、全く個人的感慨のための観劇となった嫌いは大いにありそうである。

そんな具合ではあったが、アンサンブルの舞台、若手の演出の下、この古典戯曲を現代に生き生きと蘇らせた秀作だと思う。舞台美術も機能的かつ美的であった。

MAD非正規雇用X

MAD非正規雇用X

岡本塾・ペーチカトライブ

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2015/10/17 (土) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しめる
 面白いのは、日本を代表する企業のブラックサバスグループのCEOが、弱肉強食の論理が即ち真の平等だと捉えている点である。

ネタバレBOX

実際、この主張には一定のリアリティーがある、と思う者も居るだろう。戦後日本社会では、飛び抜けた能力を持っていても飛び級ができなかったり、会社では能力主義ではなく年功序列だったりと非効率的な制度が常態化していた。能力が極端に異なるのに皆と一緒にレベルの低い授業を受ける苦痛に対する配慮や、非合理的な判断しか下せない上司の下でも、一応は先輩を立てなければならないというのは時間と労力の無駄であることははっきりしているし、能力の高い者がインセンティブを失う契機にもなろう。
 CEOの認識はこのようなものであり、一定のリーダーシップを発揮するために論拠とするにあたって、CEOの社会への向き合い方が言葉通りなら、説得力を持つだろう。無論、背景には進化論の単純解釈や優性保護思想があるにしてもだ。今作でのCEOは、かなりその発する言葉通りのキャラクターとして描かれている。つまり強権を持ち、君主のように君臨していても下司ではない、ということだ。
 さて、にも関わらず、問題は起こるべくして起こる。何故か? 社会的格差が予め生じる余地を払拭していないからである。この件についてシャイン(shineと社員のWミーニング・もう一つの極は非正規雇用労働者。シャインが合言葉を述べる際、ナチ式の敬礼をするのは、無論おちょくり)の猪狩は、両極化した社会の是正を進言するが、幹部会で査問され、この世の果てと呼ばれるエリア、西浪のコンビニに左遷された。無論、彼の提言はCEOの所まで上がっていない。
 さて、猪狩は、このエリアで早速暴行の洗礼を受けるが、もともと、非正規雇用者の待遇改善を要求するような変り種であったし、IT技術を用いることもでき、シャインでもある所から非正規雇用労働者サイドにとっても利用価値がある為、命は救われる。彼らはある計画を立てていた。ある日、総ての非正規雇用者が、仕事をボイコットして休む計画であった。この計画実現後の待遇改善の為、彼らは猪狩と手を組んで本社へ乗り込む。
 現実の格差社会を経験している若い世代が多いグループであるから、力が入っていて観ていて気持ちが良い。
 もう一つ面白いのは“交渉は戦いと共に、戦いは交渉と共に在る”という発想である。このテーゼが今作を最近のデモや異議申し立てによくあるスタティックな姿勢にせず、ダイナミックでヴァイタルなものが湧き出ることを自然に導き出す。また、交渉術に関してのCEOや非正規雇用サイドの認識が、共通している為、格闘シーンが活性化することにも役立っている。エンターテインメントであることを意識した作りだから、こういう仕掛けは大切である。一方、同じエンタメ指向にしても皆がやっているからという理由で矢鱈にダンスを入れるのは如何なものか? シナリオと緊密な関係があって、ダンスに必然性があるように作ってほしいものだ。また、ブラックサバスの警備が軍隊並ということでマシンガンなどが登場するが、連射されてこれを棒っ切れ2本で防げる訳がない。まあ、ご愛嬌と言えばご愛嬌だが、折角正鵠を突いた良いシナリオで役者陣の演技も中々楽しませてもくれるのだから、この辺り、もう少しリアリティーなり何らかの技が欲しい。
 役者では、柔にして剛、剛にして柔の主役、猪狩を演じた町田 椋氏が特に気に入った。
 ラストで、彼がCEOとして、この世の涯のような西浪で起業するというオチも理想とのギャップは兎も角、納得のできる終わり方であった。
ワーニャ伯父さん

ワーニャ伯父さん

演劇研究会(慶應義塾大学公認学生団体)

慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)

2015/10/17 (土) ~ 2015/10/20 (火)公演終了

満足度★★★★

熱演、力演 チェーホフにかぶせた植民地・日本
 既に戦争は始まった、と述べる言論人も存在する、昨今の昏い植民地だが、その時代を敏感に反映してか、チェーホフのワーニャ叔父さんである。
(花四つ星。)

ネタバレBOX

 有名な作品だから、筋などは一切省略するが、主役のワーニャを演じた内野 聡夢くんが素晴らしい。アーストロフ役稲岡 良純くんもグー。
 今作では、所謂既存の劇団によって演じられるワーニャ叔父さんより、ワーニャはエキセントリックで傷つき易い、そして至極全うであるが故に変人たらざるを得ない人物として描かれている点で、確かな演出が為されていると感じる。
 即ち、こういう形で当時のロシアの実情を浮かび上がらせているであろうと考えられるからだ。無論、医師のアーストロフは、ワーニャの謂わば影・精神的双生児という側面もあるだろう。一方、大学教授をやっていたアレクサンドルは、文学だ、芸術だ、論文だと言いつつ実際には何も分かっていない愚物だ、と言う指摘は、痛烈なアイロニーでもある。翻って我が「国」を思うとき、一体どれだけまともなエライサンが存在しているかとなれば、お寒い限りである。
 少しだけ実例を挙げておこうか。安倍が第二次政権でやった主だったことの総てはアメリカの指示通りだったことは、既に述べた。今回は、連合が武器輸出三原則撤廃に動いていたことを付け加えておこう。国民の命など何とも思わぬ下司共が共闘して我らの命を奪いに来ている。最も近くに居る我ら民衆の敵とは、即ちブルジョワジーであり、それにぶら下がって甘い汁を吸う官僚、政治屋という下司共である。これら下司共の悪行を暴かないメディアも敵、裁かない裁判官も敵、蜥蜴のしっぽ切りをやっている連中も敵である。
 ところで、東芝の不正経理の一番の根っこは、原発ではないのか? 世界が再生可能エネルギーに舵を切った頃になってウェスチングハウスを買い、大赤字を出したが、国策が絡んで居る為にそれをキチンと会計処理することができなかった結果ではないのか? ということだ。
 アホ極まる安倍はロナルド・レーガンに乗艦するし、レベルの低い漫画しか読めない麻生、国会答弁ではしどろもどろ、メディア発言では、答弁と矛盾することを平気で言って知らんぷりの中谷も一緒であった。軽挙妄動の極みである。政治家の風上にも置けないこういう下司共が、でかい面をしてふんぞり返っているのは、当にアレクサンドルの姿ではないのか? 我ら民衆は、先ず、ワーニャになって、キチンと下司共に異議申し立てをすべきなのである。

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