最新の観てきた!クチコミ一覧

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こんなにもお茶が美味い

こんなにもお茶が美味い

ニットキャップシアター

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/10/16 (金) ~ 2015/10/19 (月)公演終了

満足度★★★★

ねじれた歪が面白い
文章のような起承転結の話が何となく繋がる。しかし、必ずし筋道立てて観やすくするという意図は感じられない。
オムニバスではなく、或る家族...姉弟たちの日常を少し誇張して描いている。それは少し捩れて歪んで観える。そのズレが何とも可笑しい。

少しずつズレる会話、すり替わる話題、緩いテンポながら妙に心に入って笑い、架空と現実の混沌とした世界観。

ネタバレBOX

4つの話
第一話...亡父の三回忌で集まった姉弟の茶の間での話。色々あって父の遺影の前で、弟は姉におチンチンを見せるが、姉はチンチンをながめ理由なく涙を流す。
第二話...場面は横断歩道に変わり三回忌の夜の出来事。妹は兄と再会する。 兄は17年前に交通事故で死んだ。 事故があった電信柱のそばで、妹は兄と再会する。 妹は33歳になっていた。兄はあの頃のままだ。
第三話...日本を離れてヒマラヤをのぞむネパール山中での話。弟は性的に淡白で、その妻との間に子はなかった。場面変わり、弟の妻はネパール...ヒマラヤをのぞむ深い山々での話。
第四話...第一話から1年たった姉弟たちの様子。

三回忌という「起」から始まり、「承・転」を経て1年後の「結」になる。
テーブル 和室畳 ロープの吊り、生演奏(キャストによる)仮面(その動きがコミカル、愛嬌、表情の凡特徴)が逆に印象に残る。

この何とも奇妙な展開をさりげなく繋ぐのが、”お茶どう”という台詞。そしてパントマイムでお茶を淹れる。父親が亡くなった以降、姉弟は記憶とうまく向き合えていないかもしれない。過去にあったことが回想録のようにも感じられ、記憶の蓋が少しずつ開いていくようだ。三回忌で集まることで溢れ出す父との思い出、それまで抱えていた悩みなど、その傷をなめ合うだけの家族。滞積していた日常から少し希望の光が射すようだ。しかし1年後...弟の妻が妊娠しており、新たな「生命」の誕生とともに「苦悩」も生まれそうである。人間の業の深さのようなものが垣間見える。よき思い出の記憶、忘れたい記憶、過去とうまく向き合うことが出来ず、流されるようである。

そんな歪でズレた芝居は面白かった。

次回公演も楽しみにしております。
四谷怪談

四谷怪談

ジェイ.クリップ

俳優座劇場(東京都)

2015/10/18 (日) ~ 2015/10/20 (火)公演終了

満足度★★★★

情念豊かに...
東海道四谷怪談...お顔岩の顔が変わり果てというイメージが強いが、本公演は男女の悲恋を群像劇として描いたというもの。台詞は原作に沿った歌舞伎調が謳い文句である。
さて、歌舞伎の見巧者ではなく、ましてや生半可な付け焼刃的な知識も持ち合わせていない。歌舞伎的云々の台詞回しについては割愛(というか書けない)する。
全体的な印象は謳い文句のとおり男女の恋愛物語であるが、そこに描かれたものは、個人レベルの恋愛と封建時代(武家社会)における「家制度」のあり方という二面性があったと思う。
人間(個人)の欲望のひとつかもしれない情念を「本能」、一方、現代的に言えば貞操の「倫理」という対立を封建(武家)社会という軸の中で描こうとしていたようだ。
歌舞伎が容色本位の見世物から演技を観せる劇へ進歩したと考えた時、この芝居はその観(魅)せるを追求したようだ。

ネタバレBOX

始めは2話の関連性の触り、それから個別に展開し終盤に収斂。独立しつつも魅力的。男のエゴ、侍の意地、武家社会の理不尽、仇討ちの不合理・無情。時代に翻弄されるも、男・女の愛憎、妖しく儚く幽魂。 美しく官能的であるが、一方不安や疑念を巻き込んで展開する濃密で極悪なサスペンス。
 
当日パンフによれば、これは忠臣蔵の裏物語だという。舞台登場人物も相関図があり、四谷家、伊藤家、売春宿の3つの括りで示される。主人公は民谷伊右衛門(鯨井康介サン)で、四谷家のお岩と夫婦。お岩の妹にお袖、その夫が佐藤興茂七、このお袖に横恋慕するのが直助である。この夫婦二組の愛憎を中心に描かれる。そこに忠臣蔵の浅野家家臣(民谷・佐藤両名)、吉良家家臣(伊藤家)が絡み、武家社会の理不尽な様相が見え隠れする。大きく二組の男女の物語がそれぞれ独立して描かれているようであるが、仇討ちという時代軸を通して繋がる。その紡がれ方が情感たっぷり。ラストの殺陣や印象付ける余韻は秀逸であった。
この時代の倫理観、道徳観と現代は違うと思う。敢えてこの人物(主人公)像は、社会の秩序や規範に抵触するが、個人の行動(反倫理)を社会の矛盾に苦しむ姿として投影することによって魅力あるものにしていたと思う。葛藤が深刻に掘り下げるほど「運命」への抗いが観えて面白い。
俳優座の舞台が、エレクトロニックな光(照明)と歌謡曲(音楽)に包まれ、物語としての江戸時代(過去)と歌謡曲(現代)、そしてエキセントリックな感じの照明(未来)の融合...少し暗い照明に現代の歌謡曲と一瞬ギャップを感じせるが実は微妙にマッチしこの公演のオリジナリティを感じせる。そこに大きな世界観を感じた。

次回公演を楽しみにしております。
OZ♀4♂3

OZ♀4♂3

チームジャックちゃん

ザ・ポケット(東京都)

2015/09/23 (水) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

[靴チーム]
「オズの魔法使い」の13年前を描いたエピソード0、元ネタを知っていると頬が緩みっ放しの前半と終盤の感動との対比が鮮やか。
前半は元ネタの「三人のお伴(?)」にあたる役の設定が名前も含めて特に見事で、それぞれのパートナーと共通の色使いをしている衣装もイイ。
そしてクライマックスでは宰相グリンダと王妃ロシーヌの友情がクローズアップされて感動(そう言えばロシーヌと“もう1人”の名前にも仕掛けが…)。
そんなこんなで「歴史上の事実が語り継がれているうちに変わっていってできたお伽噺」の元となった史実のような物語を堪能すると共に発想に感服。
また、一部が可動式でトランスフォームする装置も効果的。

ネタバレBOX

それにしても原典の主要キャラクターであるライオン、カカシ、ブリキ男を人間として出し、彼等が勇気、脳、心を失ったのは何故かも語るという発想はイイなぁ。
四谷怪談

四谷怪談

ジェイ.クリップ

俳優座劇場(東京都)

2015/10/18 (日) ~ 2015/10/20 (火)公演終了

満足度★★★

観てきました
劇場の椅子のせいかも知れませんが、時間長すぎてお尻も痛くて後半キツかったです。

殺陣のシーンが色々観てきているからか、ちょっとぎこちなくて残念でした。感情がなかなかはいれないので残念

ライブラリアン〜海賊司書〜

ライブラリアン〜海賊司書〜

よろずやポーキーズ

世界館(大阪府)

2015/10/16 (金) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかった。
よろずやポーキーズさんの公演は衣装もセットも素敵。
それだけでテンション上がる。
今回は物語の中のヒーロー、ヒロインが大集合。
それもみんなどこか普通ではない。
1番大変だったのは今西さん演じるアーサー王じゃないかな?
濁点を話せないってきついよ。
やっぱり今西さんは凄い!!

こんなにもお茶が美味い

こんなにもお茶が美味い

ニットキャップシアター

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/10/16 (金) ~ 2015/10/19 (月)公演終了

満足度★★★★

奇をてらった感じはなく、 独自の表現・・
“ニットキャップシアター”初観劇。

「観たい」コメントに、“評価の分かれるところが魅力”と、書いたのだが、
本作は、面白かった。

奇をてらったと感じる脚本・演出を上演する団体を、たまに見受けるが、
“ニットキャップシアター”は、奇をてらった感じはなく、
独自の表現をしており、魅力的な舞台だった。

荒野の三猿

荒野の三猿

劇団 EASTONES

ザ・ポケット(東京都)

2015/10/20 (火) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

上質なエンターテインメント
 男の子!!

ネタバレBOX

 卒なく練られたシナリオに定番の価値観を上手く嵌め込み上質のエンターテインメントに仕上がっている。ホント、三猿、男の子だよね。仇役の新三郎、そして小姓としての蘭丸の哀れも、その病的な審美眼と犯罪への応用も見るべきものがある。
 だが、本当にこういう作りでいいのだろうか? 自分はラディカルな作品が好みだ。何故なら、其処に表現する者の念が込められていると思うからだ。何の為に、自らが表現するのか? という点である。破綻も含めて存在の有象無象が問題提起されるのは、このようなラディカリズムに於いてではなかろうか? 仕事で疲れた観客を楽しませるというのも無論立派な仕事ではあるが、表現する者として自分自身に不如意は感じないと言えるのだろうか? できれば、表現する己と観客の満足両方を目指してもらえたらと考える。
 作品自体は楽しませて頂いた。
リボーン・チャンス

リボーン・チャンス

カムヰヤッセン

ワテラスコモンホール(東京都)

2015/10/14 (水) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★

それぞれの再生
ワテラスコモンホールという舞台で使うのが初めてという会場での観劇。
老舗テーラーをめぐる兄弟そして家族の確執と絆が描かれていた。

ネタバレBOX

気になったのは兄と弟の性格や気持ちをわかった上で愛情表現として厳しい態度を取れる母親が妹があんなになったままにしておけたのかということ。
人の出入りが多いから家の中も自由にできず部屋に引きこもってしまったのだろうか・・
幽玄音楽劇「ロミオとヂュリエット」

幽玄音楽劇「ロミオとヂュリエット」

鮭スペアレ

ザムザ阿佐谷(東京都)

2015/10/20 (火) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1629(15-318)
20:00の回(晴)。19:30からイベントがあるため19:16受付、開場。

ウタイ&楽隊のセットの前に椅子/マイクが2つ、本日は「ガレージホール」代表二宮さんと中込さんとのトーク、19:31~19:56、本編20:02~21:16終演。

生身の身体が生身の身体に会いにゆく...そのとおりです。

2月に黄金町八番館での公演を観ていて、ザムザが締めくくりの公演となるようです。

まるっきり演出が変わっていました。思い思いの場所に座って見上げていた八番館とは違いザムザのひな壇と対峙するかのような黒い楽隊/ウタイと白い演者。生ある人とそうではない人形。物語に翻弄される登場人物と影のような楽隊とウタイ。

マイの片さんはThe Bambiestの公演2013/9が初めてで、セッションハウス「catatsu」公演(2014/5)以来。もうお一人の石和田さんもThe Bambiest「The Swing of Sympathy(2013/7@Neuro Cafe)」他。

千秋楽で再び。

ひとまず

エゲツナイト♡

エゲツナイト♡

GORE GORE GIRLS

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/10/13 (火) ~ 2015/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

ゴアゴアの原点◎
まさにゴアゴアの「面白さ」のすべてがつまった傑作だった。『さらば演劇界』からずっとゴアゴアの舞台を観ているけど、今回の作品が一番好きかな。上演時間:80分

ネタバレBOX

ダンボール作りもっと上手く出来たほうが良いかな。
四谷怪談

四谷怪談

ジェイ.クリップ

俳優座劇場(東京都)

2015/10/18 (日) ~ 2015/10/20 (火)公演終了

満足度★★★★

東海道四谷怪談+αで赤穂浪士テイスト入りです
台詞回しがユニークであった
(でも某スクープハンターさんとこみたく字幕が入るわけではない=
なので合わない人は合わんだろうなぁと思ったですよ)

も少し細やかさがあれば良かったろうに・・
とは思ったが熱量は伝播したですよ(^^)
→2時間20分強っす

(でも隣のお兄さんがラストのとこについて解説してくれと
ゆ~てきたんで・・・わかり難さが多いんだろなぁとも思ったです)
(=隣に座った兄さんに上手に答えられなかったんで、
「ネタバレBOX」には丁寧に粗筋をUPしようと思っとります。)

カリスタの海に抱かれて

カリスタの海に抱かれて

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2015/05/15 (金) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

動画にて見ました・・・・
なんか古めかしい大航海時代~のような
海洋冒険もの・・というかRPGのような感じもしたです

イメージ的には皆が主人公って作りで少々甘くないかな~
って思ったら新人さんのお披露目公演=であれば納得かしら(^^)

もっと愛憎入り混じってエグく作ったりは・・できなかったでしょうなぁと感想
(1時間30分強)

ワンピース

ワンピース

松竹

新橋演舞場(東京都)

2015/10/07 (水) ~ 2015/11/25 (水)公演終了

満足度★★★★

漫画の舞台化としては大成功
これを歌舞伎と呼ぶべきかは後世で判断されるだろう。男宝塚のような印象も受ける。見せる工夫が随所にあり、ひたすらと楽しい。少年漫画なので深みには欠ける。

おさらば恋ヶ淵

おさらば恋ヶ淵

蜂寅企画

劇場HOPE(東京都)

2015/10/15 (木) ~ 2015/10/20 (火)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
短編オムニバス公演でも物語が全部つながっていてキャストの皆さんもどこかに(笑)を入れていて客席からも(笑)があって楽しめ楽しめ舞台観賞でした☆
山崎麗央奈さん!可愛いかったなぁ(^^)

フカンショウジョ

フカンショウジョ

私立ルドビコ女学院

サンモールスタジオ(東京都)

2015/10/17 (土) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

心憎い俯瞰
今回から、あくつ先生による特別ホームルームがある回と無い回が設定され、ある回を選択。無い回が設定されたということは、二幕に分けずに一気通貫で見せられる作品を目指したものと思います。それは奏功し、良い作品になっていました。
フライヤーの明るい雰囲気とは裏腹に、人間のダークな面や学校裏サイトなど今日的な問題を採り入れつつ、いつもながらのダンスや歌などのエンタメ性で彩り見事なパッケージングでした。ダンスのレベルがまた上がっており、けっして広いとは言えないサンモールスタジオの舞台で約20人が一糸乱れず踊る様は圧巻でした。

ネタバレBOX

クライマックスでの七海の嗚咽に心動かされました。美波と七海のやりとりを少し離れた位置で見続ける渚の距離感が絶妙。こうした演出が冴えていました。
ラストで俯瞰というのも心憎い。
皆殺しの旋律が聴こえる。

皆殺しの旋律が聴こえる。

M's企画

渋谷LUSH(東京都)

2015/10/20 (火) ~ 2015/10/21 (水)公演終了

満足度★★★★

みてきた
おいおいおいおいって感じですけど、こんなのも有りかも知れませんね。
公演時間さえもチラシを拡大して見なきゃいかんしね。

さらば、トレイン仮面

さらば、トレイン仮面

崖淵五次元

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2015/10/11 (日) ~ 2015/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

怒涛の展開!楽しかった♪
勢いで最後まで押し切ってくれました!
「何でそんな事で警察に追われるねん」という突っ込み代を与える間もなく、怒涛の展開!
気が付けば、主人公たちを応援している自分がいました。

みんなそれぞれのヒーローを抱き、ヒーローを応援し、ヒーローに近づこうと頑張っている!
それぞれのヒーローに対する伏線、面白かった!
前回公演も良かったけど、やっぱり、この劇団さんはテンポと勢いのある芝居が似合っているかも…。

いいかげん振り込んで

いいかげん振り込んで

バカボンド座

枝光本町商店街アイアンシアター(福岡県)

2015/10/17 (土) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★

可笑しくて下品で良質な悲劇
身近なひとたちや、いや、こいつらヤバイだろう!系なひとたちを混ぜ交ぜにして、漫画ちっくによりデフォルメして、もう可笑しくて切なくて、そして下品で良質な悲劇を観た感じです。
芝居でデフォルメっちゅうのも変な話なんですけど、ほんと面白かったです。

観終わったあとの帰り道、あまりの空の青さと、スペースワールドから聴こえてくる楽しげな笑い声で、はらわたの奥が少し切なくなりました。

チラシの絵から来るイメージで腰が引ける人もいるかもしれないけど(笑)、この劇団がつくる芝居を好きな人たちは、潜在的にまだ沢山いると思う。
そして、奥がまだありそう。

ネタバレBOX

天才バカボンやハレンチ学園の永井豪、がきデカにおぼっちゃまくん
あの辺りのナンセンスでハレンチなテイストを上手く演劇に溶け込ませてるように個人的には思うんだけど、どうなんだろう。。
無頼茫々

無頼茫々

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2015/09/12 (土) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

単純に
今だからどうこうは抜きにして
ただ単純に面白かったです。

MAD非正規雇用X

MAD非正規雇用X

岡本塾・ペーチカトライブ

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2015/10/17 (土) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★

シュールな...【Bチーム】
近未来の労働環境における管理社会(形態)のあり方を問うもの。特に雇用形態の弾力化・流動化によって管理層と非管理層の二分化が明確になる社会システムの弊害...現実の社会においても顕在化しているといえるだろう。それは正規雇用か否かという単なる雇用形態だけではなく、貧富差の拡大という「財貨」、同時に働き甲斐・生きがいという「気持」にも影響している。

近未来...その描き方が突飛な設定のように捉えかねないという遠慮、牽制の意味があるのかもしれないが、観客(少なくとも自分)はラジカルに思う。どのシーンも決して感情的ではなく、醒めたコメディを観ているようだ。国も地域も架空で特定しない寓話風に観せることによって悲惨な現実・現場を想像させない。しかし、ドタバタという騒動の中にしっかり問題提起を行っている。

この脚本の狙いは十分伝わるが、それを体現する役者陣の演技が弱い。一生懸命であることは分かるが、上辺だけで内面感情が覗けない。演技力のバランスも欠いたようで残念に思った。

ネタバレBOX

産業ロボットの出現している現在において、人間の労働力は特定分野にのみ発揮している、という設定である。いわゆる対人間関係を重要視するサービス産業において必要だとしている。各業種に出進している巨大企業「ブラックサバスホールディングス」、その多くは非正規社員で構成されwている。正社員への登用を夢としている姿は、雇用調整を心配する派遣労働者を想起する。
梗概...主人公・猪狩大は、非正規雇用労働者の勤務環境の改善を本社に訴え、逆に辺境のコンビニエンスストアに左遷される。そこは人口減少により荒廃し、スラム化した砂漠の町であった。そこで「ある計画」について知らされる。それは、全国の非正規雇用労働者たちが一斉にボイコットすること。

企業名からブラック企業のイメージ。経営トップ(CEO)は責任を負わない、どこかの国の企業体質のようだ。
この公演で気になる事が...
第一に、辺境に左遷された時、首枷(鎖)を付けられたが、それは自由を奪う比喩として観ていたが、辺境も管理社会か?また、本社で正規社員(シャイン)となっても、自分で首枷をした理由は何か?
第二に、交渉人となった主人公の今後である。雇われるより雇う側、管理する側として起業したのか?人の痛みを知った上での交渉人なのか、ラストのイメージは交渉・ネゴシエーションではなく、総会屋・エゴティズムのように感じてしまう。
次回公演も楽しみにしております。

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