満足度★★★
シュールな...【Bチーム】
近未来の労働環境における管理社会(形態)のあり方を問うもの。特に雇用形態の弾力化・流動化によって管理層と非管理層の二分化が明確になる社会システムの弊害...現実の社会においても顕在化しているといえるだろう。それは正規雇用か否かという単なる雇用形態だけではなく、貧富差の拡大という「財貨」、同時に働き甲斐・生きがいという「気持」にも影響している。
近未来...その描き方が突飛な設定のように捉えかねないという遠慮、牽制の意味があるのかもしれないが、観客(少なくとも自分)はラジカルに思う。どのシーンも決して感情的ではなく、醒めたコメディを観ているようだ。国も地域も架空で特定しない寓話風に観せることによって悲惨な現実・現場を想像させない。しかし、ドタバタという騒動の中にしっかり問題提起を行っている。
この脚本の狙いは十分伝わるが、それを体現する役者陣の演技が弱い。一生懸命であることは分かるが、上辺だけで内面感情が覗けない。演技力のバランスも欠いたようで残念に思った。