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「ソドムの紅い月~やっぱ、すっきゃねん~」「想い出パレット~乙女の戦、なにわ場所~」

「ソドムの紅い月~やっぱ、すっきゃねん~」「想い出パレット~乙女の戦、なにわ場所~」

大阪ゲキバカ

世界館(大阪府)

2016/01/28 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

ソドムの紅い月
感想が遅くなりましたが、ソドム観劇しました。
本家から参戦の伊藤亜斗武さんの存在、そして、パワー溢れるキャストさんの存在。
おバカでパワー溢れるだけでなく、涙も出てきてしまう。
素敵な作品でした。

赤い竜と土の旅人

赤い竜と土の旅人

舞台芸術集団 地下空港

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/03/03 (木) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

MVPは
個人的には商人の妻ガレ・タンレ役の鎹さやかさんだった。
再演もあるかもしれないので、以下はネタバレに下記致します。

ネタバレBOX

主要な登場人物の中で、物語の最初と最後で彼女が最も考え方も感じ方も
姿勢も変わった人物であったように思う。
その移ろっていく心情変化を見事に演じていたように感じた。
特に、醜聞を聞いた帰宅後の演技は、初日、3日目、楽日と3回観劇したが、
3回ともに胸に迫るものがあった。特に楽日の演技は全2回とは違い、
特に胸に迫る感情の爆発があった。とても素晴らしいものを拝見できました。

また、直前に代役となった、商人ヤビン・タンレ役の奥田努さんも大変素晴らしかった。ほんとに直前での登板だったと聞いていましたが、初日でも、
全く遜色がなかった。言われないと誰が代役だったのかわからないくらい
でした。多少のセリフトチリはご愛敬でしょう。楽日に台本通り「蒸気機関」
と聞けて、台本を頂いた自分としては、余計に楽しめました。

舞台装置の黒い椅子に関して。
私見ですが、舞台背景が大黒幕のように真っ黒であったため、
黒い椅子は「目を凝らさないと見えない非日常のモノ、人工的なモノ」
というとらえ方を最終的にしました。
その対比として、「日常の風景や自然」を白い椅子で表現されていたと
思っています。

穴があいたモノが見つかるたびに、黒い椅子に砂が落ちていく、音としての
違和感は感じているが、正体を見破れない。忍び寄ってくるもの。
最後に旅人が舞台の前方に黒い椅子をもってきますが、これは、
「ほら、こんなになるまで気づかなかっただろう。目の前の日常に目を奪わ
れて、本質を見ようとしない。目の前にだされるまで気づかない。
日常のみにとらわれず、物事の本質に目を凝らせ、違和感を感じたら
目を凝らせ」という観客への問いかけがあの最後の黒い椅子だったのだと
私は感じています。
問いかけはシンプルではありますが、人間が生活していく中で、
普遍的な命題だと再認識した舞台でした。

最後に、鎹さやかさん、奥田努さん、大塚由祈子さん、野々目良子さん、檀上太郎さん、綾坂なんりさんの他の舞台が是非観劇したいと感じました。
ワークインプログレス・子どもたちは未来のように笑う

ワークインプログレス・子どもたちは未来のように笑う

遊園地再生事業団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/16 (水)公演終了

満足度★★★★

妊娠
面白い。80分+AT30分。

ネタバレBOX

子どもや出産をテーマに、朗読して劇してという作品。ワークインプログレスの意味ってよくわからんが、作品として楽しめた。

始発とか終電のくだりがくだらなくて笑えたし、全体的になかなか濃淡があったかな。ラストのダウン症の子(障害児?)が生まれるかもという女と、生めという姉と生むなという店員のとこは、もうちょい刺さってくる感じがほしかった。

あと、落合監督のエッセイは、(テーマと外れてても)面白かったし、胎児の女の子の子宮には一番卵子があるというのもへーとなった。民俗学(橋とか水子の関係)の本も、非常に興味惹かれた。

ATでアホと言われた大村わたるの秋の演技に期待している。
ココナッツ・ホリデー 落語長屋でお花見だョ!娯楽座

ココナッツ・ホリデー 落語長屋でお花見だョ!娯楽座

大江戸ワハハ本舗 ネオ大衆演劇・娯楽座

シアターブラッツ(東京都)

2016/03/10 (木) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

てんこ盛り!
ネタにネタをかぶせた、笑いのてんこ盛りでしたが
ネタの接ぎが巧くいっていたので、ノンストップ130分という
長丁場が、中弛みを感じさせず割と短く感じられるくらい。
ラストの方に、お祭りマンボを持ってくるところは
これぞ、娯楽座!を観せてくれました。

わははの全体公演が控えていることもあり
次回は10月ということですが
全体公演での経験・試練を乗り越えてきた公演となるので
更に、面白さを期待しています。
できれば、浅草で公演していた時のように
コント主体ではなく、"芝居"も見せて欲しいですね。

しんじゃうおへや

しんじゃうおへや

yhs

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/03/12 (土) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

最低2回は観て欲しい作品
とても重くて暗いテーマで3話構成のオムニバス形式のお芝居でした。
本来、シリアスで生死がテーマのストーリーはとても苦手で、正直言うと好きな劇団じゃなかったら観なかったかも知れません。(ただの暗い重いだけでもない素敵な作品でした)

以前母親から「死刑の執行は刑務官のストレスを軽くする為に、いくつものボタンがあって、そのボタンを数人が同時に押す」と聞いたことがありましたが、縄と共に実際にボタンの付いた壁を見てまさに「自分の目の前に存在するもの」への恐怖を感じました。
1話では刑務官といえども人間であり、人間でいようとするジレンマのようなものが凄く伝わってきました。
2話ではコメディ調で電気工が点検に来たという設定で執行部屋とその真下の部屋の構造など、刑務官が説明するには不自然になる死刑執行にかんする情報を分かりやすく伝えてくれたと思います。
3話では話しが少し遡って死刑囚の生前の出来事がメインでした。
犯した罪としては決して許される内容ではないけれども、三塚という人は間違いなく人間でした。
とても辛い環境におかれると人は自分を守る為に「自分じゃない自分」を作り出すことがあると言います。
記憶を消したり、他人事として区別するんです。
そうすることでしか自分を受け入れられなくなります。
それをとてもリアルに小林エレキという役者は演じてたと感じました。
自分からはあまり話しかけないけれど、話しかけられれば反応は出来る。
多少不器用だけど普通の人にも見えるのに、時々凄く狂気染みた目をする。
全てを受け入れたはずなのに生きる楽しみを持ってしまっている葛藤、自分ではどうにもならなくて小栗課長にすがる姿は涙が止まりませんでした。
また、小栗課長の貫禄は在るけども柔らかい言葉遣い、懐の深い感じや人間みんなに対する平等な優しさ信用する姿勢に本当の強さを感じました。
そして一番怖いと思ったのは新人?のヤタベさんでした。
単純な善悪だけで言えば正義の立場にいるはずなのに、人を憎み信用できず自分の中の正義が強すぎる。人間の本質を考えさせられる役でした。
後半は全てがレイヤーのように重なっていって怒涛のエンディングを迎えます。
観劇直後の衝撃はもちろん、その後の余韻がずっと重い石が乗ったようにずっしりと続きます。
椅子や天井の閉まる音、ノイズもとても効果的でずっとドキドキして観てました。
2回観ましたが、まだ足りないと思える作品です。

アンジョルラス

アンジョルラス

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2016/03/16 (水) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★

ああ
無常

ネタバレBOX

防御に有利な閉鎖的な個室キャバクラに立てこもり、檄を飛ばし、最後は集団自決した学生たちの話。

意味不明で暴力的なところがこの劇団らしいところでした。

政府を信じている過激派というのが不思議でしたが、三島の盾の会のようなものかと考えながら観ていました。レミゼをモチーフにしてとのことでしたが、青と赤はレミゼ的、登場はしませんでしたがコゼットという源氏名のキャバ嬢の存在や警察関係者の存在でああそうなのか、集団自決でああ無常、屍が立体的に配置されればもっとレミゼだったのかなと思いました。

そして、初日で良かったと思ったこと、声がかれて出なくなりそうな人がいたこと。
BALL

BALL

東洋企画 TO4O KIKAKU

アトリエS-pace(大阪府)

2016/03/04 (金) ~ 2016/03/07 (月)公演終了

満足度★★★★

演出が凄い!センスが凄い!
東洋企画さん、いつ拝見しても、演出が凄い!
ビジュアルへの訴え方、センスが光ります。

前回に続き、オリジナル脚本で、少し難解なところもありましたが、気になることなく、東洋企画さんの世界にダイブできました。

とっても見ごたえありました。

対岸の永遠

対岸の永遠

てがみ座

シアター風姿花伝(東京都)

2016/03/04 (金) ~ 2016/03/30 (水)公演終了

満足度★★★★

チラシも良くって
「祖国」と「詩人」。もうそれだけで大作を観たという満足感。祖国を想う心、父を想う心…。役者さんたちの技量もあって見応えありました。対岸に何を想うのか、あの窓から見える風景を想い描き未来が戦争のない世界になる様に祈ります。

大きな木の下で ~あの頃俺らの毎日はウザいくらいアツかった~

大きな木の下で ~あの頃俺らの毎日はウザいくらいアツかった~

Smile Earth Project

俳優座劇場(東京都)

2016/03/16 (水) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★

役者まかせ?
アドリブなのか?ハプニングなのか?脚本にはない?らしい笑いが絶えず客席に溢れた。場面の転換のブツ切れ感とか、舞台全体の使い方とか、演出のお仕事があまり感じられない。ただただ、なだぎ・岡田・柏・宮下・磯貝各氏の舞台強さに支えられた舞台と感じた。昼の学生達の芝居が固い。先輩達の芝居を自分でも吸い込んで、もっとこなれた演技が出来るよう頑張って欲しい。ラストの件で客席には涙を零す方たちが多かったようだが、なんだか“泣かせます!”的な運びで、番長が“後から”の台詞で先が読めてしまった。もっとナチュラルな流れが良いのでは?

ワークインプログレス・子どもたちは未来のように笑う

ワークインプログレス・子どもたちは未来のように笑う

遊園地再生事業団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/16 (水)公演終了

満足度★★★★

好きだなぁ
特に男三人での父親学級の待合室での会話。あの「あるある」感。その他この公演を観て本をとても読みたくなった。本公演忘れずに観に行かなきゃ!!

大きな木の下で ~あの頃俺らの毎日はウザいくらいアツかった~

大きな木の下で ~あの頃俺らの毎日はウザいくらいアツかった~

Smile Earth Project

俳優座劇場(東京都)

2016/03/16 (水) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★

久しぶりに泣きました。
アドリブなのか台本なのか?もう、笑い満載なのに最後は泣かされました。ストリ-もわかりやすく、番長が本当に憎めないキャラで、あんな人が居たら毎日楽しいんだろうな…なんて思いました。

Blackbird ブラックバード

Blackbird ブラックバード

幻都

APOCシアター(東京都)

2016/03/16 (水) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

激しい会話と…
舞台セットは、登場人物の心の内を映し出しているようだ。この翻訳劇は、心奥にある思いを激しくぶつけ合う、そんな濃密な会話で成り立っている。この公演、舞台美術はもちろん音響・照明という技術が印象的であった。戸外から聞こえる走車音、心情の変化に伴う照射光の違い。狭い空間に二人しか登場しないから、その芝居にメリハリを持たせる工夫であろうが、実に効果的であった。

演技は素晴らしい。しかし、女が(下手)床に横たわるシーンは後部座席から観難いと思うし、台詞も聞きづらくなるので、工夫が必要だと思う。

この作品には、現在の”児童ポルノ”に通じる問題も想起させるような...。
英国が「児童の権利に関する条約」を締結していたかな?
(上演時間 1時間35分)

ネタバレBOX

公演は、ある事務所の一室に男女が縺れるように入ってくるところから始まる。その室内は、中央にテーブル、椅子やダストボックス、上手にロッカー連、下手壁は曇りガラス窓とドア。テーブルの上はもちろん、床の各所にゴミが散乱している。そして室内全体が荒廃し寂寥感が漂う。

冒頭、何の目的でこの女(中村美貴サン)が来たのか、それが分からない。サスペンス風であったが、そのうち少女期(12歳)に、この男(大森博史サン)と性的関係を持ち、当時から現在までの苦しみ、恨みごとを訴えに来た。男は、今の幸せな生活があること、当時の言い訳と刑務所で悔悟したことを説明する。この互いの思いを綴る15年間の回想話。その会話はあちらこちらに漂流(女は世間の冷たい目に晒されつつも同じところに住み、男は名前も住むところも変えるという対照的な生き方)するように揺れる。そのうち、男は苛立ち、激高しゴミを蹴り散らかす。それがいつの間にか二人でゴミを蹴り、投げることで、過去の蟠りを払拭するかのような行為...狂気が狂喜に変わり冒頭の憎悪が浄化され愛情へ変化していくようだ。

男女の関係になるのに年齢差は関係ない(当時男は40歳、女は12歳)。男の”性癖”がクローズアップされ、情交しようとしたところで暗転する。そして明転すると10代と思われる少女(山岡愛姫サン)が入ってくる。この男の子供(実子か妻の連れ子か判然としない)だという。しかし、時を経てもその性癖は...と思わせるようなラストシーンである。

「大人は嘘をつく」という台詞…純真な少女が、無垢な気持を弄ぶ性癖の男へ放った痛烈な非難。一方、それでも愛を確認したい、少女から女性へ成長しても、そこは女の”性“なのだろうか。その愛憎、哀切さが心に響く。

次回公演も楽しみにしております。
Blackbird ブラックバード

Blackbird ブラックバード

幻都

APOCシアター(東京都)

2016/03/16 (水) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

無題1773(16-063)
19:00の回(曇)。

18:42開場(予定では開演30分前)、最前列は小さな丸椅子+クッション、2列目の椅子席に座ります。

下手に大きな窓(すりガラス)、ドア、中央にテーブルと椅子、上手にはスチールロッカー。そこかしこにゴミが散乱。

18:55前説(アナウンス)、19:06、窓の外から何かの音が近づき、開演~20:39終演。

お二人とも初めて。当パンにもありますがThe Beatlesの「Blackbird」...ならまだ弾ける、ということで観に来ました。つまりお芝居の内容を理解していないまま観ましたということで...加えて翻訳劇はかなり苦手、始まって少しの間は「やはり...」と感じていたのですが、同時に、だんだんと引き込まれてゆくのを感じました。

ここは何処で、何時なのかは明示されていなかったようです。

大きな身振りと説得調の長台詞の応酬、山あり谷ありの展開をお二人は十分濃密な演技でみせてくれました。ただ、このテンションは何処から来るのだろうと思いながら。

終盤、下手の床に横になっているシーンは最前列に近いため私の席(後方の方もそうだったのではないかと)ほとんどみえませんでした。ドアの近くならみえたと思います。

最後は、あぁー、そうか、そうかもね...と思いました。

パンドラの匣

パンドラの匣

NO-BRAND ACTORS

船場サザンシアター(大阪府)

2016/03/12 (土) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

久々のお芝居観賞でした
友人が出演しているということもあって、見に行った今回の公演。
普段お芝居を見に行く機会がほとんどないので、十年ぶりくらいのお芝居観賞でしたが、見事にはまりました。

ストーリーは私の好みにどストライクでしたし、キャラクターは個性豊かでキャストさんの演技もそれぞれの特徴をしっかりと捉えていて引き込まれました。
合間合間にギャグのスパイスが入るところも大好きです!

購入する舞台DVDが手元に届いたら、また見返して余韻に浸りたいと思います笑

居酒屋「夢の郷」殺人事件2016春

居酒屋「夢の郷」殺人事件2016春

居酒屋「夢の郷」☆製作委員会

居酒屋「活鮮旬菜 夢の郷」 (東京都)

2016/03/12 (土) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

三連ちゃん
前半戦三連ちゃん、観て、歌って、感じてきました。ついでに、飲み食いして・・・楽しくてあっという間です。だんだんと、この快感に浸っている方々が増えています。さあ、後半戦に突入だ!

白い巨根

白い巨根

Peachboys

シアター711(東京都)

2016/03/15 (火) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★

観てきた
下ネタ、パロディ満載、おバカな方向に全力で振り切ったコメディ劇。
高校生の妄想をそのまま形にしたような、ある種潔さすら感じました。
ドカンドカンウケていて、会場は爆笑の渦でした。

舞台衣装や着ぐるみも手作り感はあるけど、ぱっと見で分かる絶妙なライン。
物まねも微妙に似ていて面白かったです(笑)
SM○Pのネクタイなど芸が細かいです。

危険すぎて絶対に映像化できない作品ですね(笑)
楽しかったです。

アンジョルラス

アンジョルラス

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2016/03/16 (水) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

とにかく見て
損はしない。絶対に。

しんじゃうおへや

しんじゃうおへや

yhs

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/03/12 (土) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

簡単に言葉に出来ません。
実際に死刑制度というものは存在しているけれど、私はどこか非現実的に感じてしまいます。罪を犯し執行され、そして立場は逆でも同じ人間が執行している、その今では『当たり前』のことに改めて恐怖を感じました。
大切な人を失う悲しみはこれから経験することが多くなるけれど、人を殺してしまった苦悩を抱える人間はそういない。もちろん自業自得だと思いますが、死刑囚がただひたすらに執行されるのを待つあの期間は一体何なのか、いくら反省しても死者が戻ってくることは決してないのにとすら思ってしまうほどでした。
上手く言葉に出来ませんでしたが、数年後にはまた感想も変化していると思うので、再々再演期待しています!
大阪で観れて幸せでした。



家庭内失踪

家庭内失踪

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2016/03/11 (金) ~ 2016/03/23 (水)公演終了

満足度★★★

豪華メンバーなのだが
風間杜夫、小泉今日子、小野ゆり子。出演者は豪華なのに、いまひとつピリッとしない。なぜだろう。それぞれの複雑な胸の内を出し切れてないのか、脚本に難があるのか。
ベテランの風間杜夫が要所で締めてはいるものの、ちょっと違うかな、という微妙な違和感は解消されないまま、最後まで来てしまった。もっと何かあるはず、という期待感は、カーテンコールが終わっても消えなかった。

キョンキョンの色っぽさがうれしい。

赤い竜と土の旅人

赤い竜と土の旅人

舞台芸術集団 地下空港

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/03/03 (木) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

「生きぬく」ことの重み
背景もなければ小道具もない。
幕さえもないのだ。
だから本番直前にそれぞれ気を高める出演者の様子がいやでも目に入る。
当初はその意図がわからず大いに戸惑った。
が、
劇が進むうちに腑に落ちてくる。
そもそも最初の前口上で、その意図らしきものも述べられている。

「伝えたいものは『想い』だ」と。そして「皆さん、俳優でも観客でもなく、皆で一緒に考えましょう」ということなのだろう。

そしてその意図は、登場人物の極めてリアルな人間関係と、俳優の熱演によって、見事に達せられている。

ネタバレBOX

「黒い竜」は明らかに「原子力」だ・・・単に原発に止まらず原爆をも含む、本来人間の手に余る巨大な力だ。
そして、その力を利用しようとする「商人」も「役人」も登場する。

では、その「商人」や「役人」を倒して万々歳というストーリーなのか?
正義の味方「赤い竜」によって、無事に「黒い竜」を倒してめでたしめでたしという結末なのか?

どちらでもない。
sの、凡百の「反原発もの」と異なる展開こそが、本作の大きなポイントだろう。
「商人」も「役人」も、思ったほど悪人には描かれていない。
人々も、罪を背負おうとする人々も存在する一方で、誰かのせいにしたがる人もいる。
「赤い竜」は「黒い竜」と相打ちとなり、その声は最早聞こえない。町は人の住めない土地となってしまった。
・・・何ともリアル過ぎる結末ではないか。

そんな中、主人公達はこの現実に雄々しく立ち向かおうとする。
何とも強かなことに、利益のみを追求する「役人」の思いを利用しようとさえする。
「赤い竜」の声はもう聞こえないが、「いつか必ずまた聞こえる」と信じる。
そして、
今は住めないが、「必ずここに帰る」と固く心に誓う。

・・・気負った様子もなく、
上から目線ではなく、作り手も観客も同じ立場の者同士として、語りかけ、問いかけるのだ。

ようやく「原発」に真正面から向き合い、決して逃げ隠れしようとしない作品が生まれた。
そのことが、嬉しくて仕方がない。

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