最新の観てきた!クチコミ一覧

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コンサート「イッツフォーリーズの原点」

コンサート「イッツフォーリーズの原点」

ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ

あうるすぽっと(東京都)

2016/06/16 (木) ~ 2016/06/16 (木)公演終了

満足度★★★★

贅沢な時間を
いずみたくさんの歌をたくさん聞かせていただきました。今陽子さんの歌声も素晴らしく贅沢な時間を過ごしました。

コンサート「イッツフォーリーズの原点」

コンサート「イッツフォーリーズの原点」

ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ

あうるすぽっと(東京都)

2016/06/16 (木) ~ 2016/06/16 (木)公演終了

満足度★★★★★

生演奏。
いい時間でした。泉たくさんのヒット曲の数々、私は記憶の片隅にしかないのですが、アレンジしているとはいえ生バンドでの演奏とても懐かしい感じで、いい時代だったんだろうなと思いながら聞いていました。そして今 陽子さんパワフルでした。歌さすがですね。機会がありましたらまた行きたいと思います。

ギンノキヲク2

ギンノキヲク2

演劇制作体V-NET

TACCS1179(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

Bちーむ初日を拝見 花四つ星
 こなれたシナリオ、流石である!

ネタバレBOX

 特別養護老人ホーム紀陽の里は、芸能プロダクションに買収されて以来、現在は飛べない芸人や、スキャンダルに塗れて謹慎している芸人、アイドルなどの禊の場として用いられている。芸人は人気商売だから、事務所は、所属芸人たちが健気に反省したり、地道な活動で困っている方や社会的弱者である認知症の老人などのケアをしている姿を社会に見せる。業界復帰を狙わせる為である。無論、飛べなくなった者、駆け出し芸人たちが取り敢えずの生活費を稼ぎだす為もあれば、アトラクションなどで芸を見せることで事務所として当人たちの可能性を両立させる。こんなエクスキューズを巧みに使い分けつつチャレンジできる者はチャレンジする道を閉ざさない。無論、ここでは芸能プロダクション自体のイメージアップと実績作りを狙っている訳だ。アイドルなどは年齢を誤魔化したり、事務所のプロデュースのノウハウによる犠牲を蒙らされ傷つく者もいる。それが、心理的な機制となって周囲との人間関係を壊したりもする。結果、表現する者にとって最も大切な、徹底的に率直であること、というスタンスを狂わせてゆくのだ。
 今作の優れている点は、以上のような様々な問題を、徘徊するキャラクターやおもらしをするキャラクター、認識に問題を抱えるキャラクター、疑心暗鬼に取り憑かれたキャラクターなど認知症の諸段階を一人一人の登場人物担わせて明確に表現している点。対してケアする側の実際問題である人手不足や過重な時間外労働問題、在宅ケア及び入居者ケアのスケジュール調整問題など実際に起こっている問題群を織り込みつつも、単に対比に終わらせず、そこに生起する恋愛や様々な人間感情のもつれをも、スタッフのたゆまざる努力と人間を肯定する力強さや優しさ温かさで乗り越えてゆく姿勢をキチンと打ち出している点、またこれらの処方で傷ついた者が己の姿に気付き変わって行く点を描いている点にある。
 奇妙な仕掛けとして、徘徊癖のある入居者が一種の狂言回しをしていることが挙げられよう。だがこのキャラクターが認知症患者でもあることが肝要なのである。何故ならかつて狂人が一種の神の使いとして人々から扱われたような、我らヒトの古い記憶と歴史を踏まえて造形されているからであり、機織り機のㇶのように縦糸に横糸を通し、関係を紡いでゆくことによって、今まではなかった有用で新たな形を築いてゆくからでもある。多くの人にその役割を気付かれないままに。
タイトルの「ギンノキヲク」もシルバーエイジと神器として使われた金銀などのレアメタル、神々しさという言葉に含まれる重みと気高さをもその原初の意味を重ねていると考えられる。
序盤Bチーム初日の硬さが見られたが、まもなくこなれてきた。この序盤の硬さを取り払えば増々良くなる。
 
雨夜の月に 石に花咲く

雨夜の月に 石に花咲く

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

雨夜の月に 石に花咲く
昭和の良き時代を思わせる舞台セットいいですね。壁に飾ってある金物屋の広告看板は右から左に向かって書いてあるものと、ファックス型電話の電話のアンバランスさは面白いですね。
記者たちの会話のやり取り、うまく作られているなあって感じでとてもよかったし、面白く観させていただきました。
主人公の金物屋の亭主のなんともいえなない顔の表情と語りうまいですね。
外の壁にある扉はなんなのだろうか、使ってほしかったなあ。

A Midsummer Night's Dream

A Midsummer Night's Dream

ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ

あうるすぽっと(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/14 (火)公演終了

満足度★★★★

真夏の夜の夢
いずみたくの楽曲をバックでのミュージカル、それも生演奏でとても気持ちよかったです。
いずみたくの楽曲ということもあり、和風仕立てになっていたとことは面白かったです。
妖精たちとてもかわいかったです。

時代絵巻AsH 其ノ八 『臙陣~えんじん~』

時代絵巻AsH 其ノ八 『臙陣~えんじん~』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2016/06/09 (木) ~ 2016/06/13 (月)公演終了

満足度★★★

大阪の陣
戦国のそうそうたる武将が終結しての決戦であり、いろいろな場面で名ゼリフが使われていてよかったです。
中には弱弱しい武将いたりして、チャンバラを少しだけしか行われず残念。
最後の真田の赤い鎧はすごくかっこよかったです。

ありふれた愛、ありふれた世界

ありふれた愛、ありふれた世界

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

笑って泣けてほっこりする
重いテーマを「笑い」の中で具体的に考えさせてくれました。また単にハッピーに終わらせるのでない終わり方も感心しました。タイトル「ありふれた愛、ありふれた世界」もうまい。テーマ音楽もあり、意欲的な作品に仕上がってます。

Tell Me on a Sunday サヨナラは日曜日に

Tell Me on a Sunday サヨナラは日曜日に

ホリプロ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

素敵な一人ミュージカル
演技力のある役者さんの一人芝居は最高!

シンプルな舞台、映像やイラストをうまく使って、とても洗練された小粋なミュージカルでした。

ほとんど歌だけなのに、エマの心象風景を見事に体現する濱田さんの演技力には、恐れ入りました。

できれば、もう一度観たくなる素敵な作品でした。

演出の市川さんにも、今後大注目したくなりました。

ただ、一つ残念なのは、覇気のないバックコーラスは、ちょっと余計な気がしたこと。せっかくの濱田さんの名演をぶち壊した気がします。

ネタバレBOX

舞台には、トランクが6つとエマが旅行に使うスーツケースが一つだけ。

これを濱田さんご自身が動かして、時にはベットになったり、椅子になったり。

他の人物は、イラストを使って、背景のスクリーンに投影した風景で、その場所を観客に知らせるという、小気味良い演出。

ロイドウエバーの楽曲は、華麗で、濱田さんがその折々のエマの心情を的確に歌に乗せて表現する様は、圧巻でした。

子供の頃から大好きだった「スイートチヤリテイ」を彷彿とさせる、エマの可愛らしさに、ぞっこんになりました。

最後の恋愛は、最近話題のベッキーさんを想起したら、濱田さんも同じだったらしく、アフタートークで、名前こそ出さなかったけれど、彼女の気持ちを想像したと話されていました。

たくさんの恋愛に傷ついて、やっと、自分を見つめ直して、前に進もうとするエマの姿に、共感します。
還暦過ぎた私も、もう一度、人生をやり直してみたくなりました。(笑い)
渋谷・コクーン歌舞伎 第十五弾 「四谷怪談」

渋谷・コクーン歌舞伎 第十五弾 「四谷怪談」

松竹/Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/06/06 (月) ~ 2016/06/29 (水)公演終了

満足度★★★

如何にも串田ワールド
これは、私の想像に過ぎませんが、勘三郎さんが亡くなって以降、コクーン歌舞伎は、全て、串田さんの意のままで、上演されている気がします。

だから、どんどん歌舞伎色が薄まって、串田ワールド色が色濃くなっている感じがします。

これからは、本来の歌舞伎ファンには、敬遠されがちなコクーン歌舞伎になりそうな予感。それが、吉と出るか凶と出るかは、まだ私にはわかりません。

ネタバレBOX

最初のシーンが、蜷川さんご存命でしたっけ?という雰囲気。

黒子や通行人が、背広姿の現代人だったり、如何にも串田さん風だし、所々は、別役さんも思い出したり…。

だから、原作も大胆にアレンジしてあるのかと思いきや、意外とそうでもなくて、ちょっと肩透かし。

もっと、直助とお袖の二人に絞って、全く新しい「四谷怪談」番外編にすればよかったのにと思います。もう南北の著作権はないんだから…。

三角屋敷の場をメーンに据えて、串田さんの手を加えた、新四谷怪談を期待していたせいか、どうも、作品が散漫になった感が否めませんでした。

国生君の小仏小平にちょっと感動!ついこの間生まれたばかりの気がするのに。(笑)
平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-

平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-

九十九ジャンクション

小劇場 楽園(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★

程よく纏まってはいたが・・・
社会派演劇と成るべく題材を扱った本作であるが、“事”の表裏、本音建前等々、作者の云いたい事が観客(私)には伝わってこない感があった。

また、ストーリーに捻りがなく演劇的面白さが足りないとも思った。

作家デビュー作としては程よく纏まってはいたが、心揺さぶるまでは至らず全体的にインパクトが弱い印象を受けた。

当日パンフに「想像可能な範囲でシミュレーションし・・・」と作者の言葉があるが、“想像可能な範囲”を超えてもいいのかな・・・と。

雨夜の月に 石に花咲く

雨夜の月に 石に花咲く

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

狂想曲...協奏曲のように共鳴して
たゆたゆの人とエゴの人のチグハグとした思いが妙に可笑しい物語。
舞台美術は、 SPIRAL MOONらしい丁寧な作りで、物語を展開する上でとても大切な役割を果たしている。そして気になるのが、この叙情(諺・故事)的なタイトルなのだが...。
(上演時間1時間25分)

ネタバレBOX

舞台セットは、地方の金物店の座敷。正面には両開きのガラスドア。中庭のようなところに自転車が置かれ、塀には蔦。上手・下手は廊下があり、上手は玄関に通じ、下手は台所など家内の各所へ通じるらしい。畳に丸卓袱台。来客に応じテーブルが運び込まれ、受賞結果を待つ控えのようだ。

開演までの間、ネコ、鳥、虫の声...風情が感じられる。
また制作サイド、客席の座席配置は前後席を多少ずらす。前の人の間から観ることが出来るよう配慮している。細やかな心遣いである。

梗概...都心から2時間であるが、都会の喧騒が感じられない地で金物屋を営む男・志田亀雄(久堂秀明サン)が、人生の記念に書いた小説が権威ある夏目文学賞の最終候補に残った。そして結果発表の当日、何となく落ち着かない男のところに、編集者、地元紙、全国紙、スポーツ紙の記者と地元TV局らが、受賞取材のために来ていた。最終候補者4人のうち2名が盗作疑惑、作風違いで辞退した。俄然受賞の機運が高まり周囲の人間も受賞を心待ちにするが、その本心は...自己都合、エゴむき出しといったところ。
マスメディアの人々、この志田亀雄は受賞者候補の中でも注目されていないが、万が一の受賞に備えて派遣された、二番手・三番手の取材者。ところが受賞の期待が高まりエース級の取材者と交代させられそうになる。どうしてもスクープをモノにしたく...そのドタバタが面白可笑しい。巡ってきたチャンス。
どちらも現実(目)にならない結果...タイトルの意味するようなことか?

候補者本人の気持よりも周りの人々の思惑に翻弄される。段々とエゴがむき出しになる、それにストレートに絡まないボンヤリ感が地方都市らしい情景と相まってホッとする。本人の当初の気持..処女作がたまたま評価されただけ、野心も次回作の予定もない。しかし、結果は、次作「ボレロ」も高評価を得る、とラジオ放送を通して聞かれる。

小説というネタがこの公演の面白いところ。偶然であれ、評価されて気持良くなり、通常であれば舞い上がる。ところが主人公はいたって淡々としている。この男の妻・鶴子(秋葉舞滝子サン)が実にうまく本人の気持を代弁する。夫婦のほのぼの感がうかがい知ることが出来る。一方、編集長の才能は大切。それは本人のためだけではなく、読者のためにある。本人の思惑とは別のところで働く芸術(読みたいという欲求)という視点の濃密な遣り取り、観応えがあった。

最後、第二作が「ボレロ」(本のオビに「変じゃない、恋だ!」)だという。有名な作品概要は、自分が踊る準備をしているが、周りはその気にならない。しかし段々と周りも巻き込んで盛り上がる。本公演とは逆パターンであるが、この公演も洒落た演出かも...。

次回公演を楽しみにしております。
雨夜の月に 石に花咲く

雨夜の月に 石に花咲く

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

“懐の深さ”
“SPIRAL MOON”は「銀幕心中」に次いで本作で二作目の観劇になりますが、
“圧倒的瞬発力”を謳った「銀幕心中」と打って変わり、“まったり”としたテイストの本作も面白く観させていただきました。演者の好演はもとより、“秋葉舞滝子”さんの演出:演技に、懐の深さを感じました。

次回作はどんなテイストの舞台を魅せてくれるのか、とても楽しみですね。。。

ものわかりのいい病院

ものわかりのいい病院

かのうとおっさん

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/06 (月)公演終了

満足度★★★★

「ものわかりのいい」ってこう言う事?
大病院に隠された謎が…、スキャンダルが…、真実は…闇から闇へ…。
と言う流れの中、院長総回診やら、地域誌ネタやら、笑い中枢をくすぐられるネタが、途切れることなく、仕込まれています。
ジーンと来るシーンもあったのですが、ナンセンスコメディがゆるーい感じで、とっても良いです。
お笑いのボケと緩さがのバランスが絶妙で、飽きるどころか、いつまでも観ていたい!そんな公演でした。

ココロコロガシ(26日完売!)

ココロコロガシ(26日完売!)

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2016/06/16 (木) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

飛び散る汗!
囲み3面が客席、どの方向にもサービスカット有り。おいしい、おいし過ぎる。スピード感のあるアクションと殺陣。細かいオタク表現。大笑いして泣かされました。今日の飛び道具、最終兵器日替わり座長、トクナガヒデカツ(X-QUEST)さん、暴れてました。毎日、座長目当てで行くのも楽しみです。

ネタバレBOX

ササヅカイン、出ます!
COLORS

COLORS

天才劇団バカバッカ

吉祥寺シアター(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱりバカバッカ。
ポケットの多いエンタメ性あふれる集団の楽しい舞台を満喫。
笑いのジャブが効果的で、ま
るで観客を巻き込む一体感を味わうコミックショー?の様に見えても、
ベースにしっかりとしたテーマ性を抱えている欲張りな物語。
役者さんのスキルの差が結構あったものの、
座長を筆頭に主要な役者さんが要所をしめるチームワーク。
人物の関係性を理解するのに少々手間取ったが
徐々にこのチームの心地よいリズムに巻き込まれた感覚。
劇場はスタジアム形式で全体的に見易くストレスフリーなのに、
音響的には、あの広い空間もあってか
少々台詞が聞き取れない場面(横向き、小さい、かぶる、早口)もあって、
ちょっぴり残念でした。

天皇ごっこ ~蒼白の馬上 1978326~

天皇ごっこ ~蒼白の馬上 1978326~

高木尋士主催 見沢知廉七回忌追悼公演

APOCシアター(東京都)

2011/09/09 (金) ~ 2011/09/11 (日)公演終了

満足度★★★

右の翼と左の翼を手に入れて跳ぼうとした少年の身体は重かった...。
今日の公演だけ、公演前にプレトーク「作品としての見沢知廉」が行われた。
世間知らずなんでメンバーの鈴木邦男という人が
どんな人なんだか知らなかった。
一水会のトップだった人と言われてもピンとこない有様で...。


ちなみに前の席にはレイニン(椎野礼仁氏)だろう人だった。
2003年、PANTAと一緒に開戦前のイラクに行った人だ。
(「パンタとレイニンの反戦放浪記」、とても面白い本)

おそらく雨宮処凛は来てなかっただろうな。


実は、今日の公演は「天皇ごっこ」の舞台化だと
席に座るまで信じ込んでいた。
実際は違ってて、タイトルにもあるように、
1978年3月26日の成田空港管制塔占拠事件を
モチーフにしたものだった。

奇しくも一昨日のライヴでPANTAが成田の抗争に触れ、
「あん時ゃ絶対成田なんか、と思ってたけど
できちゃうと成田から飛行機乗っちゃうんだよなみんな」
って発言があったりして、

1978年っていうと中学の頃で電車好きだったから
スカイライナーは見切り発車だなー位しか覚えてないわけだ実際。
三里塚のイベントを収めた「幻野」も遠い昔の事のように見たし。

それが今日の舞台で少しわかるんじゃないかと思い直して臨んだ。

舞台といっても舞台全体を鉄パイプを天井まで組み上げた
バリケードが覆っている。

そこに張りめぐらされたロープに、時に宙吊りになりながら
芝居をするという凄まじさ。

どう見てもパティ・スミス「LAND」のジャケットから抜け出てきたような、
黒い布で目隠しされ拳銃を手にした役者が印象に残った。


冒頭から随所に亘り見沢知廉の略歴が台詞に登場する。


このバリケードは見沢知廉そのものを表現したものなのか?



右の翼と左の翼を手に入れて跳ぼうとした少年の身体は重かった...。


見沢知廉の外面と内面。


亡くなる前に、PANTAの公式サイトの掲示板に
見沢知廉の書き込みを見つけた。
---いろいろご心配おかけしましたけれど、
もう大丈夫なのでこれからもよろしくお願いします、みたいなことを
簡潔ながら実に丁寧な文章で綴られていたのを覚えている。



それからしばらく経っての訃報。

言葉が出なかった。


見沢知廉という作家が存在したということは決して忘れない。

ネタバレBOX

見沢知廉を知ったのは2001年、PANTAが雑誌で対談した記事を
読んでから。

PANTAもビビるほどの経歴で、ゲリラと殺人罪
(事件は29年前の9月11日に起こった)で12年間投獄、

獄中に執筆した「天皇ごっこ」が新日本文学賞を受賞。
出所後は作家として活躍。
2005年9月7日自らで命を絶つ。享年46。


「天皇ごっこ」は文庫(アホみたいに安かった)で読んだけど、
これは絶対獄中でしか書けないだろうな、

獄中のドキュメントストーリーに、昭和10年代前半の出来事と、あと...。

何せ獄中で書いたものを4倍に加筆したというから読み応えあり。

様々で壮大なストーリーが並行して描かれている大作だ。
テイキング サイド ~ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日~

テイキング サイド ~ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日~

WOWOW

天王洲 銀河劇場(東京都)

2013/02/01 (金) ~ 2013/02/11 (月)公演終了

満足度★★★

We're Taking Sides Again
物語の内容は、今まで見たどの舞台よりも重い。


今日の舞台は動きが少なく、けれど圧倒的な台詞の量で
2時間半余りを数人のキャストで演じるというものだった。

見終わって劇場を出たら鉛のようにどんより空が曇っていた。
そんな気分だった。

開演前に食べたダブルソースオムライスなんかまだ消化しきれてない。

平日昼間だったせいもあるが、テーマがテーマだけに
やはり割引当日引換券が出るくらい空席もあった。

それでも見終わった後の名状しがたい気分になったとしても、
見ておいて良かった。

芸術(ここでは音楽)と政治というテーマは、
そう簡単に答えがでていいわけがない。

ずっとタイトルが気になっていたのだけれど、
OMDの3rdシングル「Messages」の詞にあることを思い出した。

B面のインスト・ナンバーのタイトルが「Taking Sides Again」だってことも。

どりょく

どりょく

かわいいコンビニ店員 飯田さん

北池袋 新生館シアター(東京都)

2016/06/02 (木) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

不思議な感覚
一粒で二倍三倍楽しめる短編集は大好き。再演ヴァージョンを観ました。
人間の本音の欲といやらしさを改めて見せつけられる様で案外重たかった。
笑いのツボとトラウマの琴線が紙一重に交錯する舞台。
一話目の「幸福の論理」は、
話も面白くエネルギッシュな役者さんに圧倒される舞台であったが、
あまりにも身につまされ、笑えず切なさがつのった。
三話目の「とべひこうき」は特に秀逸。
ブラック感満載だけど物語も演者さんも素晴らしかった。
あのGの方ブロッコリーみたいで面白い。声も良かった。
とてつもない物語でもないのに、
あらゆる方向から心に刺さる三本セットに感服。構成と台詞なのかな?
役者さんもみなさん素晴らしかったですね。

ネタバレBOX

ただ一つ…言えるのは、あまりにも身内?お友達?が多すぎるのか、
物語と無関係に大笑い…。
ちょっと残念でした。
うんぷてんぷ

うんぷてんぷ

株式会社ニッシー・プラス

横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川県)

2013/09/19 (木) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

ウソだろ? 冗談はよしてくれ
中秋の名月を愛でながらテラスを歩いて客席へ

聞き覚えのある曲が

というか間違いなくこれはヴェルヴェッツの「Candy Says」だ

席につくと次の曲
「What Goes On」

紛れもなく3rdを1曲目からかけてるのだ
開場と同時に

不遜な行為だ全く誰の 何の為?


開演まで30分しかないぜ

案の定、途中をはしょり

早々に「After hours」

と思いきや、再び「Candy says」から


そうか、「Jesus」...

ヴェルヴェッツは単なる開演前のBGMではなく、
開場と同時にまんまと蓄積されてた

大音量の「Jesus」がぶった切られ

オープンセットの舞台が始まる



そもそもタイトルからして運だの天だの神様だの、
どうせ説教めいた話じゃなかろうかと思ったけど

ヴェルヴェッツが普通に舞台音楽として
かくもふんだんに使われるとは思っても見なかった

んな情報どこにも見当たらず


最前列で黒川智花が見られるからいいやと
高をくくっていたのが思わぬ誤算だった。


それにしても
オープニング、「Waiting for the Man」をバックに登場する
黒川智花はミスマッチだな

最初はそう思った


終盤のクライマックスそしてエンディングと
そうか、この曲来るかの応酬

思わぬ事態に「運否天賦」とはまさにこのことだと思い知らされ

カーテンコール無かったのが残念だったけど

ネタバレBOX

信仰、宗教の類には距離を置くことにしてるけど

それでも時折 なにものかに守られてるとか

何かうまくいかなかったりしたときは 

そういう方が後々良い結果になるとか


そういうことは良く感じる


そいつを神だとか主だとか仏だとか霊だとかって
言い始めるからおかしなことになる


いんだよ、まもられてるんだから


そして何もかも全てうまくいくわけはなく


どん底の次は上昇するってことも



そんな黒川智花にまもられているってのも悪くない



と、たまには関係妄想
『ジャンヌ』 ―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―

『ジャンヌ』 ―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/24 (火)公演終了

満足度★★★

唄ってもいいよ、笹本。
ジャンヌにつきものの
「神の声を聞く」「オルレアンの戦闘」「戴冠式」「幽閉」「火刑」
といった場面は直接は描かれない。

だから、これらを期待する方にはお奨めできない。

そのかわりジャンヌに関わる様々な人の思惑が語られる場面が多い

これがかなり長く、その膨大な台詞には正直ちょっとツラかった

ってか寝てたたぶん

宗教裁判の場面は、心理戦であることが強調され、
結局は自ら火刑の道を選択せざるを得ないという
過程をとても丁寧に描かれていたのが興味深かった

最終的な罪は「男装」、これが“異端”であるという証だと

死刑執行人まで法廷に呼び寄せ処刑の恐怖を
徹底的に刷り込むという手段

一旦は宣誓書のサインをし火刑を免れるものの、
それが終身禁固刑であることを知らされ、
あくまでも釈放を主張するジャンヌが激情の赴くまま火刑の方がまだまし、
と誘導されてしまったのだ

長きにわたる幽閉、男装は監視のイギリス軍の兵士たちの目から
身を守る為のもの、幾度の拷問、繰り返される尋問
そして法廷での巧妙で冷酷な審議

どうあれ、初めからシナリオは決まっていた

それを二転三転、恐怖と安堵を弄ばれ、
混乱と混沌の内に平常心を奪い

普通の人間ならとっくに参ってるだろう

でもジャンヌは良く頑張った

そしてもう疲れた、そう思ったのではないだろうか正直のところ


これは現代でも法廷で良く使われるテクニックである


そして、エピローグ。


いままでこんなジャンヌの物語はお目にかかったことがないくらい
斬新で大胆なものだった。

まさか時空をも超える大団円になるとは想像すらつかなかった。

ラストシーンでライトがだんだん絞られていき、
スポットライトだけになった時

唄うか?笹本。って本気で思った

さすがにミュージカルではないので

でもあの退屈な時間を耐えたからこそ、
この何とも言えぬ感覚を味わうことができた。


唄ってもいいよ、そう思った



ジャンヌが火あぶりにされ、
聖女でも魔女でもなくただの女性なのだという証を群衆に誇示する為、
処刑中に女性器を晒されたという逸話がある。

ジャンヌに関わった人々は、
それで終わりだったかもしれないけど、



ジャンヌにとってはそれが始まりだったということがとても心に残った。


ジャンヌに向けられた印象的な台詞を二つ

「君は宗教に恋してるんじゃないのかい?」

「君は戦争に恋してるんじゃないのかい?」


7時開演で終演は10時10分

ジャンヌに少しでも興味があるなら見て損はない。

ネタバレBOX

そういえば、出演女優は笹本玲奈 ただ独り。
王妃や側近、家族など女性は一切出てこない。

一癖も二癖もある俳優陣の中で文字通り孤軍奮闘してる

生きてるうちも天に召されてからも結局ジャンヌは、
ひとりぽっちなのだという
原作の意図を汲んでのキャスティングだろうか。

こんなキャスティングも今まで見たことがない。

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