最新の観てきた!クチコミ一覧

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unwelcome

unwelcome

劇団スクランブル

STスポット(神奈川県)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/25 (月)公演終了

満足度★★★★

Vol.20の貫禄
家族と他者にまつわる悲喜劇。オギャアと生まれた時からひとりのニンゲンとして扱われる外国の意識とは正反対に、日本人による日本人のための日本的哲学という印象をうけた。「アカの他人≒家族でない」という、あいまいな定義を上手に捉え、Unwelcomeという主題が忠実に伝わり、観劇後が爽快だった。10人の配役が実にBestマッチで、これ以上の適役が見つからない。さらなる10年のステージが楽しみ!!

ネタバレBOX

一族の長である礼さん役の光安さんがとても魅力的だった。(アカの他人である)須田さん役の牛尾さんとふたりで、部屋で映画を見ながら交わす会話があまりに素敵で、忘れえぬラストシーンとなった。
BENT ベント

BENT ベント

パルコ・プロデュース

世田谷パブリックシアター(東京都)

2016/07/09 (土) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

人間の残酷さ、卑劣さを忘れないように。まざまざと見せつけられて苦しい。お二人はもちろん、藤木孝さんがイイ。
重いテーマと内容は、今後ますます公演することの意義が強くなっていくと感じる。
人が人を差別、虐待することは、永遠に無くならないだろうと。
少なくとも世界を見るかぎり、100年や200年程度では絶対変わらないだろうと。
そう認識できているだけ、いくらかはましな状況なのだろうか。

主演の二人が出ている作品は、本当に自分にとってハズレがなく、
また、世田谷パブリックシアターとシアタートラムという劇場も同じで、
問題性と娯楽性、作者、演者、などバランスのいい選択だと思います。
ちなみに、個人的に大好きな藤木孝さんのシーンが、1シーンながらも、見逃せない。
その誠実そうで凛としていながらも、しなやかでしかし大きな背景を抱え込んだ様は、
作品の別のある一面、重さや広がりを感じさせてくれます。
実にカッコイイ。
(蛇足ですが、「シン・ゴジラ」では東京都副知事役とのことで楽しみ。
「仮面ライダーアマゾンズ」でも怪演されてます。)

※公演の説明長っ!!

枯山水

枯山水

味わい堂々

スタジオ空洞(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/26 (火)公演終了

満足度★★★★★

面白い。90分。
京都、龍安寺の石庭が舞台。味わい堂々の3人が繰り広げるミステリー。
宮本さんが特に面白い。前説で当パンを読むように言われます。
日替わり客演さんと関係あるのですが、めっちゃ面白いです、
わたしが見た回は、シベリア少女鉄道の土屋亮一さんでしたが、
出演中の浅野千鶴さんでさえ、吹き出しそうになってました。
終演後、販売していたTシャツを購入しました。
急遽予定変更して観に来た甲斐がありました。

空の舞台

空の舞台

とよた演劇祭

豊田市コンサートホール・多目的ルーム(愛知県)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★

空の舞台?

「上を・上を目指す」そのような意味でつけられたタイトルだと思うのですが
少し負けてますよ。a/b/cと3つの団体が演じていましたがそれぞれ30分の持ち時間その中で演じるのですから大変でしょうが。でも皆さんの熱意は解りました。

狙撃兵

狙撃兵

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★

メタファーを撃ち抜く銃弾
カナダの劇作家ジョージ・ウォーカー作の原題「デッドメタファー」の日本初演。分かりやすい物語だが、隠喩(メタファー)の効いた味のある舞台だ。
デッドメタファー、すなわち死喩は、ある言葉が使われるうちに別の意味を持つようになって変質していくこと。除隊した元狙撃兵が、再び狙撃兵として雇われるとき、その銃弾は誰を狙い、何のために放たれるのか。簡潔な、分かりやすい舞台だけに、客席に放たれるメタファーに考え込むことになる。

俳優座の出演者たちはさすがの演じぶりだ。特に、狙撃兵の身重の妻を演じた野上綾花に拍手!

INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

【[a][d][b][e]】の回観劇
それぞれの地域、役者の個性に特徴があって面白かったです。

ネタバレBOX

[a]「楽屋から」[from沖縄] 2014年初演 出演・脚本・演出:犬養憲子(演劇きかく「満福中枢」) 共同演出:大浜暢裕(ハイトラッド)  沖縄舞踊の演者が楽屋に戻って次の演目までの間着替えながら舞踊研修生に沖縄の本音を語る話。

衣装の下の衣装も見られてお得でした。★★★★

[d]「チンピラB」[from大阪] 2014年初演 出演・脚本・演出:隈本晃俊(未来探偵社)  エキストラに近い中年役者が、東京から来た小劇場役者にちょい役魂を熱く語る話。★★★★

[b]「如水」[from名古屋] 2015年初演 出演:おぐりまさこ(空宙空地) 脚本・演出:関戸哲也(スクイジーズ / 空宙空地)  認知症の母親を殺した娘の裁判風景。

まだらボケで正常に戻ったときに死を希望した母親。妊娠したせいか、結婚前に夫と飲んだ酒上善如水を苦く感じたのを思い出し、娘が飲ませた睡眠薬を溶かした液体を如水如水と言って飲んだのが悲しく、老いた母親、若い頃の母親、そして娘への切り替え毎に真実が明らかになっていく様は素晴らしかったです。★★★★★

[e]「或る男」[from大阪] 2015年初演 出演:徳永健治 脚本:西川さやか(月曜劇団) 演出:上原日呂(月曜劇団)  死んだり、生まれ変わったり、何かを盗まれたりする様子をバタバタと描いた講談風芝居。★★★
新米「ひとでなし」

新米「ひとでなし」

劇団Tempa

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

アフタートークも面白かった
みなとの花火大会と同日だったので、電車が混むのでは・・・と思ったが大丈夫でした。
今回の舞台の使い方も面白い。以前観た「人魚」という演劇を思い出した。
そして、冬の公演はあるのでしょうか???

Tempa初の他県からの客演。
いつもと違う雰囲気が溢れていましたが、ストーリーは越智さんだった(笑)
なので、「安心した」というのが感想。
そしてガリガリになった三上さんが心配・・・。

今回のアフタートークは、演劇に詳しい方の意見があり、観ることしかしない私は「そうなんだ~」と思うことがいっぱいでした。
今まで、開演までの観客の態度とか気にしてなかったけど、そういえば・・・と、福岡で観た公演も思い出しました。

私は輪廻転生を信じたい派なので、越智さんの作る世界が好き。
でも、その世界は越智さんだけでは作れないので、その世界に登場するTempaという劇団が必要だ!と、そのアフタートークで感じました。

ネタバレBOX

前半部分は後半部分のために、「どういう進展をするのか?」と思いながら観る。場面の転換が多いので、ついて行けてる?意味わからん・・・と思うこともあるが辛抱。
後半部分はついて行けてた。意味わかったきた!と、いろいろ繋がっていく感じ。
で、人であって人でないが、人であるときは人と繋がるべきである。
また、人と繋がりがなければ、それは人でないときなのかもしれない。
と、思ったのでした。

「ごあいさつ」にあった、「けれども、やっぱり劇団を続けていきます」
の言葉に、「よろしくお願いします。」と答えていました。
劇団としてやっていく苦難をアフタートークで聞き、確かに・・・と思いつつも、「それが劇団の良さでもある」と心の中で正当化。
「劇団」としての公演が観客としては安心感に繋がるのです。
「このユニットどうなんだろ?チケット代に見合うだけの公演なのかしら?」
なんて、一種のバクチみたいなお金の使い方は演劇を作る側に居ない私にはあまりできません。

「Tempa=越智さん=越智さんの世界観を越智さんが居なくても表現できる人の集まり」
これが私が勝手に願うTempaです。
『HUNGRY~伝説との距離~』

『HUNGRY~伝説との距離~』

ホチキス

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

初演は6年前か...
懐かしい作品が、とてつもなくパワーアップして帰ってきてくれた感じ。6年間でホチキスもとってもグレードアップしてきてうれしい!12時開演なのでうっかり昼食を後にしたのがちょっと失敗しました!おなかがすいてすいて~!皆さんの活躍を楽しみにいたしております!

マイ・フェア・レディ

マイ・フェア・レディ

東宝

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2016/07/10 (日) ~ 2016/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★

真飛イライザ
いつ観ても素敵な舞台!アスコットの衣装は憧れですねぇ!終わった後、ついつい「踊り明かそう」を口ずさんでしまう。セットの見事さ、そしてアンサンブル、特に熟年組は流石の歌声に演技(若手はまだ表情が硬いが)。また寿ひずるさんのピアス夫人。品格有り、凛として、それでいて優しさに溢れている。さて肝心のイライザ、彼女の本質の生真面目というか素直な部分がよく出ていたが、天真爛漫さは少し物足りない。多分(宝塚時代から想像すると)そちらは霧矢イライザの方がお得意ではないかと・・・。

『HUNGRY~伝説との距離~』

『HUNGRY~伝説との距離~』

ホチキス

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しさは増すばかり。
6公演目(12時〜)観劇
衣装も、この舞台に花を添えている。
そして、役者さんたちが、各々の、いろんな色の花を咲かせている。
その花が、音楽、ダンス、照明と調和して、光り輝やいている。
何度見ても、楽しさは増すばかり。

unwelcome

unwelcome

劇団スクランブル

STスポット(神奈川県)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

斉藤優紀さんはもちろん、藤井牧子さんと湖子さんも強く印象に残りましたね
記事は別途ブログに記載させて頂きましたので、そちらをご参照頂ければ幸いです。→

【速報!】劇団スクランブルの舞台「unwelcome」を見た感想をについて一言二言…「マダム」役の斉藤優紀さんだけでなく、「社員」役の藤井牧子さんと湖子さんは強く印象に残りましたね 

http://idolarayama.seesaa.net/article/440319681.html

『HUNGRY~伝説との距離~』

『HUNGRY~伝説との距離~』

ホチキス

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

ご飯と家族
期待通りの出来。いつもながらの米山ワールドで観客は笑いの渦に。ホチキスのテーマは一見バラエティに富んでいるが基本は常に家族愛。ご飯と家族、だから相性はピッタリ何だろうな。ドガドガプラスの丸山さんも普段とは違うキャラを見せてくれて面白かった。なっちゃんのオカン役も、、見どころ満載です!

恋する浮浪児は愛と東に活路を求め

恋する浮浪児は愛と東に活路を求め

劇団東京蝉ヌード

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

たくさん演劇を観ていると思っている方へ
たくさん演劇をそこそこ観ている思っている方へ(聞けばその殆どが四●とかキャラ●●~とかばかりっていう方も含む)。こういう芝居も日本には存在します。その目で確かめてみてください。

英雄コレクション

英雄コレクション

ジョーカーハウス

サンモールスタジオ(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

マチソワの罠
ヒーローと言ったらウルトラマンに仮面ライダーよねと思いながらチラシを見ていたら息子が「これはコナンでしょ、でドラえもんにサザエさんマル子にるろうに剣心・・・」え、そうなの?じゃこれはナウシカ?私は何を見に行くんだ?と思いつつ観劇。全然ゲームをしない私にはなんでそんなにゲームが楽しいのか分かりませんが、その世界ではヒーローになれるなら楽しいのかな。お芝居に現実逃避している(私ね)という点では同じかも。でもゲームの世界ではあんなに汗かかないよね。バグ???みたいなシーンもあって面白かったですが、その後のソワレの舞台が面白すぎてヒーローはすっかりかすんでしまいました。

ゴンドララドンゴ

ゴンドララドンゴ

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2016/07/16 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

今日明日明後日明々後日
とても面白かったです。
もしかしたら明日にはもう同じ感覚では観られないかもしれないほど、コンマで迫るリアルタイムな現実が、何十年と詰まった過去の事件を巻き込んで目の前に突きつけられてしまう。冒頭からラストシーンまでしっかり今観ることができて良かったです。千秋楽までにもう一度、何年後にももう一度観たいです。

月の道標

月の道標

ニラカナエナジー

座・高円寺2(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

酷さ
 1945年4月1日、既に3月26日に慶良間諸島などに上陸していた米軍が本島に上陸。

ネタバレBOX

首里のある北部は激戦地となったが、5月末司令部の置かれていた首里は陥落。日本軍は南部に撤退する。南部戦の悲劇は“ひめゆり”をはじめとして集団自決を迫られ、親が我が子を殺し自決する、母親が乳飲み子の鳴き声が煩いとされてわが手で乳飲み子を殺害させられる、といった余りにも酷い傷を沖縄の人々に強いた。戦闘の激しさについては、上陸以前米軍の埋め尽くした沖縄沖の海からの艦砲射撃の余りの激しさに島の形が変わったと言われていることは既に書いた。無論、未だに不発弾が回収される。何より沖縄住民の4人に1人が亡くなったとされる。このような激しい戦闘と、ヤマトンチューに近づこうと必死になって戦った「祖国」日本にも見捨てられ沖縄は今も呻いているのに、ヤマトンチューの感度は鈍い。それに引き替え、今作に登場するユタ役のおばあの品のあること。またその言説の質の高いこと。そして、学徒動員された女性徒達の個性的で、優しい強さと主人公の成長を通して現実と向き合い背負うことをキチンと訴えた作品の意味は大きい。
更に、現実をキチンと見る目を持った軍医や加えてノブレスオブリージュを心得た少尉のキャラクターを作っていること。大方の陸軍軍人の発想だったものを揶揄する視点を忘れていないことも評価したい。真面目に丁寧に作られた作品である。そして実際に起こっていたことを蛆の話や、麻酔無しに鋸で足を切断するオペ、ナイチンゲールがクリミアで実践した頭部強打による昏倒によってオペを実践した実例なども婦長の実践指導を通して描かれ、戦争を知らない世代にその実態と精神の崩壊を齎すような傷を示している点も見逃せない。今当に第3次世界大戦前夜、心して観ておきたい作品である。一旦、戦争を始めてしまえば片が付くまで終わりは無いのだから。而も現代の戦争には核の脅威が付きまとっている。

ライトワイライトライト

ライトワイライトライト

サムゴーギャットモンテイプ

OFF OFFシアター(東京都)

2016/07/20 (水) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★

みてきた
前回みたのが高校生?、今回は小学生、過去へのジャーニーが続いているようです。
今回も独特でした。

英雄コレクション

英雄コレクション

ジョーカーハウス

サンモールスタジオ(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★

観てきました
映画やドラマで見たことのあるシーンが所々に出てきて、それはそれで楽しかったけど、オリジナル性がないかなあ、と思いました。

彼らの敵

彼らの敵

ミナモザ

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★

日本の本格的なドキュメンタリー演劇
待ちに待った ミナモザ 瀬戸山美咲のドキュメンタリー演劇「彼らの敵」を観てきました。3回目。言葉の1つ1つが磨かれていて凄い作品だと改めて感銘を受けました。このメンバーで映画版・TV版とか、他劇団での再演とか、勝手に妄想しています。残っていって欲しい作品です。

ネタバレBOX

手紙や喫茶店シーンは変わらず生々しく、心に残ります。
特に、アイスコーヒーを運んで置く、それを待っている空気感がなんとも言えず、リアル。好きです。手紙のシーンはさらに壮絶で、ラスト・シーンは瀬戸山美咲さんが舞台に登場したんじゃないかと思うほどそっくり。
身体を傷つけながらギラギラ演じていた前回までほどの緊張感と熱気を受け取れなかったのはやや残念。小劇場の作品を大劇場にかけると、こんなに遠くなるのか。舞台装置も。3年に渡り40ステージもやっていると新鮮さを保つのは並大抵ではないですよね。上演を繰り返す商業演劇の凄さを感じます。
月の道標

月の道標

ニラカナエナジー

座・高円寺2(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★

骨太作品だが...
旗揚げ公演に太平洋戦争における沖縄戦...ひめゆり等の学徒隊をモチーフに取り上げた作品は観応えがあった。場内には、すすり泣きが聞こえる場面も多く、心魂揺さぶられる思いである。
素晴らしい公演であることを前提にしつつ、気になるところも...。

ネタバレBOX

舞台セットは、段差のある舞台を平行に設置し、その間の空間に壕か洞窟のような穴を作る。上手・下手には怒涛の波をイメージしたオブジェが立つ。

梗概は、ひめゆり等の学徒隊をイメージさせるような物語。説明抜粋「太平洋戦争の末期、激戦地となった沖縄。洞窟の中に設営された陸軍病院で、看護婦手伝いの学徒隊少女は、過酷な看護の日々を送る。しかし、日本軍司令部のある首里が陥落、アメリカ軍から逃れるために少女たちは南へ南へと逃げる。暗い洞窟の地獄から、爆弾の降る放浪」することになる。

戦争という最大の不条理、そこに見る人間の絶望と希望、弱さと逞しさを描いている。しかし、沖縄情緒豊かな地唄や映し出された風景は、凄惨さよりも旅情という印象が強く残った。また転戦(移動)するに従い、少女たちが成長していく様は悲惨さよりも逞しさを感じる。すべてにおいて、負なる言葉...恐怖・喪失・諦めを並べる必要はないが、戦時下という切迫感なり悲壮感が感じられなかった。そこに戦争の悲惨さと命の尊さ、生きる逞しさをどうバランスを図り印象付けて観せるか。

自分の好みとしては、もう少し戦時下における非人間的行為、それは大きくは戦争そのものであるが、自軍における倫理観が欠如せざるを得ない特異な状況を描くことで、より反戦を意識した公演にできたと思う。
この公演の中で、2箇所胸が締め付けられるシーンがあった。1つ目は、薬を譲る親切な行為に対し、お礼が手投げ弾を渡す。2つ目は、投降の呼びかけに「捕まれば米軍にひどいことをされると日本兵が言っている」こと。徹底抗戦が多くの犠牲を出した痛ましさ。
中盤以降、暗転が多くその間隔も短いため、集中力を保つのが大変である。また、女学生の衣装も含め小綺麗であるため違和感も…。その当時の姿、状況を視覚的に観せることも重要であろう。

「ひめゆり学徒隊」という呼び名(総称)があるが、本公演では少女一人ひとりの名前を大事にしていた。本来、総称ではなく一人ひとりの名前があり、前途ある若い人の命があったことを忘れてはならない、と改めて思った。

次回公演を楽しみにしております。

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