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ハジケル、

ハジケル、

もぴプロジェクト

池袋GEKIBA(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★

もぴプロジェクトの新たな挑戦...面白い!
オムニバス3話であるが、その共通テーマはタイトルにもなっている「ハジケル」である。下平慶祐氏のオリジナル「ハジケル、汗」 岸田國士氏の「動員挿話」 久保田万太郎氏の「三の酉」であるが、それぞれの趣きは異なる。全体としては荒削りに思えるが、それよりも勢いと観客を楽しませようという思いが伝わるところに好感が持てる。

下平氏の手書き挨拶文が挟み込まれていたが、そこには「凡そ、1年間劇団公演をお休みしていた訳ですが、その間たくさんの商業演劇(所謂、大劇場)に携わり、内4本ぐらいはブロードウェイの翻訳劇でした。」と。正直に言えば、公演を重ねるごとに面白くなってきた(申し訳ない!)。岸田、久保田両作家の原作と下平氏のオリジナル作は異質に感じるが、その構成や観せるためのイメージ...その舞台セットにも拘りが表れている。

次回公演も今年中に予定していると聞いた。先にも書いたが、荒削り(説明不足や衣装・和服の着こなしなど)かな、と思うところも散見された。公演全体の中では矮小なことであるが、精力的に活動されるとあれば...。
(上演時間1時間40分 アフターにソプラノ歌手による音楽10分程度)。

ネタバレBOX

オリジナル「ハジケル、汗」
高校サッカー部の話であるが、とにかく走るシーンがほとんどである。シンプルであるが、青春群像が見て取れる。主人公はサッカー部1年生のルーキーが、先の試合で”何か”でやる気を失せている。また新キャプテンに対してその力量を疑問視した蟠(わだかま)り。練習での外周走に絡んでバスケット部など他部と競走することになり...。まさにハジケル!である。
気になったのは”何か”である。キャプテンへの蟠りは、この競走で解消される理由が分かるが、自分の内省面は説明不足のような。もう一つ、サッカー部内での練習(外周走)中、その直後にそのまま他部と競走出来るのだろうか。

「ハジケル、血」 原作「動員挿話」
第1幕、日露戦争が始まり、主人のもとにも出征の命がくだる。主人は馬丁を呼び、一緒に戦地へ行くよう勧めるが黙ったまま返事をしない。実は女房が断固として反対している。主人や夫人の説得も妻は聞き入れず、主人は主従の縁を切ると怒りだす。
第2幕は、主従の縁と義理、世間的立場と夫婦の愛の間に悩むが、ついにひとり戦地へ行く決心をする夫に、妻がとった行動は…。ここでは弾(はじ)く! 

「ハジケル、涙」 原作「三の酉」
舞台中央に男が座り本を読んでいる。その傍らで若い女(おさわ)が語らう。朗読ならぬ読書を通じた2人劇。三の酉での出会いから、おさわの少女時代からの苦労が浮き彫りになっていく。だんだんに過去が明らかになる。悲しい話をさらっと話す芯のある女性。詩・抒情的な印象を受ける。これは弾(ひ)くというイメージである。

1作目は「動き」、2作目が「深み」、3作目が「味わい」といったイメージである。その作品ごとに特徴、魅力を十分感じることが出来た。
舞台転換も薄暗の中で要領よく行っている。観客の気を逸らさない工夫が見て取れる。しかし、その時間が短い分、着替え(運動着→着物)は大変であったと思うが、着くずれも見えて。
舞台セットも見事。上手側にはロマン溢れる日本髪結の女性と熊手を描く。下手側には旭日旗、舞台(板)は、サッカーの激しさを表すような荒々しく勢いのある描き。しっかり3作に合わせた舞台絵柄であった。

1話目を引き合いに出せば、オリジナル作品(下平氏)は、2人の先輩(岸田國士、久保田万太郎)の力を得て疾走する姿のようである。まさにこの公演そのものではないか。

次回はどのような公演になるのか、楽しみである。


モナ美

モナ美

東京あたふた

APOCシアター(東京都)

2016/09/02 (金) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

長い月日を感じさせるには
50年という月日を感じさせるのは、なかなか難しいものだなと思いました。
登場人物どうしの関係性がもっとわかりやすく表現されていると、もっと良かったと思います。

ネタバレBOX

主役の2人と漆原以外は全員、二役以上を担当。そのせいか、内容がわかりにくくなっていました。当日パンフを終演後に見たので、途中まで皆、同一人物かと思っていたのです。各登場人物の演じ分けが、あまりなされていないようでした。
また、モナ美とトモ世の年齢設定がよくわかりませんでした。最初にモナ美が出てきた時、トモ世の母親かと勘違いしてしまいました。
衣装と小道具がリアルなのに、メイクと髪の毛がリアルではないのも、年齢設定がよくわからなくなる要因だったと思います。60歳オーバーと言いながら全員、髪の毛が黒々としていたので。
母が口にした「進歩」その言葉はひどく嘘っぽく響いていた

母が口にした「進歩」その言葉はひどく嘘っぽく響いていた

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2016/08/30 (火) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★

難しかった
難解のストーリー展開。なかなか難しい話で私にはついていくのが厳しかったです。役者さんの演技も確かで、舞台装置も面白い。でも難しいんですお話が。一生懸命に見たけど。。。ごめんなさい

イエドロ落語2016

イエドロ落語2016

OuBaiTo-Ri

小劇場 楽園(東京都)

2016/09/02 (金) ~ 2016/09/07 (水)公演終了

満足度★★★★

面白かった
イエドロ落語の魅力に、新たな風が加わり、とっても面白かったです。 過去作品を、新たな構成と演出で、 新しい作品として仕上げていて、良かった。3人の実力ある役者さんでしか、創り出せない空間が、魅力的でした。

ネタバレBOX

イエドロ落語は、2回しか見ていないが 、過去の作品に比べ 、ややポップな印象で、かなり笑った。

役者さんの表情も視線も饒舌で、魅力が輝いていて、よかったです 。

劇場の中央に、斜めにとった長方形の演技スペースに、 木製の小机(?兼長椅子的に使用)と大きな壺。
シンプルなセットだが、 障子戸を上手く使い、光と影や照明を、生かして、雰囲気が合っていた。
撃鉄の子守唄 2016年版

撃鉄の子守唄 2016年版

劇団ショウダウン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/09/01 (木) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい
素晴らしい舞台なので、毎日、見に行ってます。
なのに、毎日、物語の世界観に引き込まれてしまいます。
そして、この回は本当に素晴らしい出来で、
クライマックスでは早くから涙が溢れてしまいました。
見終わってからのグッタリ感も半端なかったです。
1幕と2幕では物語の質が変わります。
2幕はファンタジー要素が強くなります。
その違いもより、楽しめました。
更には色々なツボが盛りだくさんで、笑っちゃいました。
素敵な舞台でした。

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

【Bチーム】観劇。
『七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)』と『笑の太字』(各45分)を
間に10分の休憩をはさんで2本立て。

各作品上演前に、
脚本演出の冨坂さんがご挨拶してくれました。

2作品とも、現場を見てただ笑いながらも
「笑いをつくること」に関して考えさせられる部分もあって、
楽しかったです。


早期予約&事前入金して
当日受け付けに申し出るとキャッシュバックされる
「(大)貧民割り引き」があるのも面白いです。

ネタバレBOX


『ワイフ~』での、
スタイリッシュ大作戦(勝手に命名)で時計が外されてからの展開に笑いました。
更なるハラハラドキドキ要素も加わって、
ラストまでゲラゲラ笑いながらも手に汗握ってました。
(アナログ時計よりデジタルカウントダウンの方が
焦燥感と誤魔化しできない感じがあって、
あの切り替えから空気が変わった気がしました)

途中に挟み込まれるあれやこれやで
「どうせ円満に解決するんでしょ?」って気が見ていてしなかったのがすごかったです(笑
べつに「あのコメディを演じてる役者さん」の人生について
作中で語られることはほとんど無いのに、
彼らの話し合いシーンで垣間見える「芝居へのスタンス」の違いで
彼らが普段どういう役者で、
他にどんな感じの作品に出てるのかなど
想像できるのも楽しかったです。
「実はスタイリッシュ作品が好きな、チャン役の役者」
を演じてる津和野さんの
片言を禁止された後の「アイヤー」の日本語訳、面白かったです。


『笑いの~』は、
観劇前にはタイトルの意味がよくわからなかった(モトネタにピンときてなかったので)のですが、
そういうことか! と気づかせる序盤のやりとりと、
タイトル映像の、有無を言わせない感じにのけぞりそうになりました。

「甲田くん」の屁理屈爆弾と、
それにツッコミながら対応する「津和野先生」の、
短い言葉なのに的確で破壊力ある感想の言葉のチョイスが
すごいなと思いました。
「不死身か!?」最高でした。

怒涛のセリフ量に圧倒され、
仰天のオチ、
その後繋がっていくシーンでの表情にドラマを感じました。

撃鉄の子守唄 2016年版

撃鉄の子守唄 2016年版

劇団ショウダウン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/09/01 (木) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

だから舞台が好きなんだ。
舞台から伝わるエネルギーと緊張感・・・・スリリングな物語運び、迫力あるアクションに気持は前のめりです(舞台鑑賞でリアル前のめりは禁止ですので)。ユーモラスな人物設定やら、せりふ運びには笑いもあります。
ラストの二人には、涙がぽろぽろ・・・・・。
このラストからエピローグがとっても好きです。
とても面白く、とても楽しみました。

un mask ing

un mask ing

演劇ゆにっと卯号室

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/09/03 (土) ~ 2016/09/03 (土)公演終了

満足度★★★★

仮面が剥がれた後 無防備
アンマスキング 「un mask ing」露呈する 題名のスペースを一緒に埋めて頂けたら・・・当日パンフに書いてある。 舞台は上下に部屋への入り口と上にマンションの玄関。 オープニング カホーンとシンバルン マイムで男と女二人 とりとめもない やがて 揉めだす コップのに水をかける ビンタ 男に矛先が向く。物語の骨子 //  暗転 場転 マイムの骨子に台詞がついて演じられる。 社長の兄が事故 弟夫婦 兄の嫁 もしもの時 社長の椅子 子供のいない兄夫婦 妊娠促進剤を飲む弟の嫁 弟はマヨネーズが嫌い 悠二さんの意志? 戦略は? 開発中のスーパースルットパッチン 世界をマーケットに ピンポーン隣に引っ越してきました・・・・・ 兄嫁と不倫 弟が自ら白状してしまう。 女性二人の対決 戦い 殴り合い 殺陣 張り出した舞台が、戦いを客席近くで見せる。 本心を隠すマスクが剥がれる怖さ 剥ぎ取る気持ちはないのだが、一人の仮面が自ら取ってしまった事で三人の仮面が剥がれる。 兄が回復 先走ってもめて素顔を見せて この物語は終わる しかし後が本当に恐い 仮面が剥がれた後 無防備 現代の恐怖話です 面白かった。

シバイシマイ番外編 詠い詠む 第三夜 朗読+Live

シバイシマイ番外編 詠い詠む 第三夜 朗読+Live

シバイシマイ

LIVE&CAFE BAR PLACEBO(大阪府)

2016/08/27 (土) ~ 2016/08/27 (土)公演終了

満足度★★★

好きな感じの曲 。
Live「orblight」 眠くなる?いえいえ 好きな感じの曲
Live「片彩眞璃 仁津真実」柱が邪魔やった、聞く物ですがね。
朗読 「是常祐美」 次回公演予告編「いつかの夏は」

心霊探偵 武智小次朗の事件簿

心霊探偵 武智小次朗の事件簿

劇団大扇風

シアターOM(大阪府)

2016/09/03 (土) ~ 2016/09/03 (土)公演終了

満足度★★★★

清水谷町へ移転した 初めての会場
「沼底より愛を込めて」120分 面白い物語 オープニング 髑髏と話す その意味が最後に繋がる。 陰陽師の血を引く?占い見習いが狐を大切に持ち帰る。そして恨みと想いと誤解が解ける。依頼の狐 挨拶なしに縄張りに入った狐 閉じ込められた沼底の世界が元に戻る。 清水谷町へ移転した 初めての会場 出る時入り口の逆方向に進んでしまった。(笑)

夢で逢う / サマーホーム

夢で逢う / サマーホーム

劇闘企画

シアター風姿花伝(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★

第1回公演
いくつかの劇団等によって企画・結成された演劇ユニットの第1回公演。
学生寮の夏を描いた「サマーホーム」、現実と妄想の狭間の恋を描いた「夢で逢う」という中編2作の公演であった。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

サマーホーム:お盆期間の大学の男子学生寮を描いた作品。帰省しなかった学生が、彼女を連れ込む計画を立てる。学年によるヒエラルキーが生み出す微妙な距離感やいわゆる学生ノリが楽しい。特に何度も留年して学生寮に居続ける年長者への微妙な気まずさが面白い。その学生の過去への回想から歴史は繰り返すを実感させる。その学生があえて家族と呼ぶ、恐らく昔の学生寮の仲間達への思いや哀愁も漂わせるが、この辺をもう少し掘り下げれればより面白くなったかもと個人的には思った。

夢で逢う:語り部の女性二人と異なる4組の同性愛を描いた作品。4組の話は現実と妄想の狭間であり、それが語り部である可能性もあるが、濁して想像させる。ただ、やや分かりにくく女性同士の恋愛という事もあり感情移入はしにくい。梯子を使った舞台作りに工夫がみられ面白かった。
イノチボンバイエ

イノチボンバイエ

MENSOUL PROJECT

ザ・ポケット(東京都)

2016/08/24 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

観ないと後悔すると思って
最初に観劇したのは、8月28日でした。精神病棟が舞台ということで、重たい感じなのかなぁと想像しいたんですが、笑えるシーンも多くて、とても観やすいです。笑えるシーンとシリアスなシーンとの振れ幅が大きく、優しく寄り添って、背中を押してもらえる、観終わった時、そんな気持ちになりました。流れるような転換で、観ていて集中力が途切れません。

浅野温子さんのお芝居を間近で観られることが既に凄いことなんですが、男魂(メンソウル)の皆さん、客演の皆さん、心のこもった演技で、あっという間の2時間でした。次の土日のチケットは取ってあるんですが、1週間待てず、この作品、もっとたくさん観ないと、ゼッタイに後悔すると思い、急遽、平日にも2回観劇。観るほどに、感情移入が深くなってます。

パンフレットにある、浅野温子さんと演出の野崎さんとの退団で「綺麗な人たち」と書いてあるのですが、その意味が分かりました。

観ないと、もったいない!

大型

大型

3.14ch

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/08/25 (木) ~ 2016/09/03 (土)公演終了


本水でした。
舞台美術、プロジェクター投影による映像演出は技術レベルが高いものでした。衣装も沢山あり、お金がかかっている舞台だなという印象です。
お芝居の内容は、毎回このような趣向でやってらっしゃるとしたら、それはそれでこの団体のスタイルなのでしょう。

ネタバレBOX

結局のところ芝居をしているのはメインのキャスト4人だけで、あとの役者さんたちはアンサンブルでした。冒頭30分、プールサイドでラりっている4人の描写があるのですが、それはその後の展開とはほぼ無関係。残りの50分は、ひたすら変な神々が入れ替わり立ち代わり出てきます。そこには明確な意味はありません。
麻薬にやられた(大麻と酒だけであんなになるか?という疑問はありますが)女の見る幻想と言ってしまえば陳腐ですが、それ以上の意味があるとしたら、私にはそれが読み取れませんでした。色々疑問はあります。何故第8ラウンドで終わってしまったのか、とか。
撃鉄の子守唄 2016年版

撃鉄の子守唄 2016年版

劇団ショウダウン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/09/01 (木) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

全然長さを感じさせない グイグイ引き込まれる舞台
 「左利きの拳銃」というタイトルの映画があった。

ネタバレBOX

今作にも登場するビリーザキッドとパット・ギャレットのことを描いた西部劇である。無論、この2人は実在した人物でビリーが初めて人を殺したのが14歳、亡くなった21歳までに計21人を殺した西部史上最大のアウトローと言って構うまい。因みに今作に登場するニューメキシコも実在の地であり、フォートサムナーは、ニューメキシコに実在する小さな集落である。1881年当時、彼らはこの町に居た。彼らとはビリーザキッドとパット・ギャレットである。史実と創作を巧みに交差させながら演じられる今作、他にも西部劇では有名なキャラクターが登場する。カラミティー・ジェーン、アニー、バッファロービルなどだ。更に主人公らを襲撃させる黒幕の元大統領・ヘイズ、副大統領ウィーラーらが、エージェントとしてパット、バッファロービル、アニーらを「敵陣」に送り込んでいる点、また更に確実に彼らの罪深き欲望を達成する為に陽動部隊としてならず者を組織し、送り込んでいる周到さが描かれている点である。何より大切な点は、このような人物達が、最先端技術を持った野蛮人という現代アメリカにも通底する本質を巧みに描き出している点である。また、話に捻りが加わっているのも興味深い点である。チプチャの王族、キャロルと共に生き残った最後のチプチャ族、妖術師の末裔シャロンが、元大統領のオブザーバーとしてヘイズにエルドラドでその宝を入手する為のサジェスチョンを与えているのだ。彼女の名前がイスラエルの元首相と重なることも興味深い。
 ところで基本的にアメリカ社会は、知的であることを嫌い避ける傾向がある。所謂反知性主義であるが、それが実施されていることは中に居ては中々理解できない。自己主張しなければ、存在していると看做されないというシステマティックな社会ということもあり、自ら深い内省を通して思想化された言説を述べることができるのは、ごく一部のマイノリティーの中から出てくるインテリのみであり、他ではない。現代でいえば、それらの代表がサイードだったのであり、チョムスキーである訳だ。因みにサイードはパレスチナ人、チョムスキーはユダヤ人である。
 今作はコナン・ドイルを語り部として美しく悲しいファンタジーの形で作られた舞台という形は取っているものの、そして登場するキャラクターは英米や南米の人々中心の外国人ではあるものの、翻訳劇に多く観られるような違和感が無いのは、作家が日本人であり、アメリカによる侵略を受け、実質的植民地としての現代日本に生きる作家だからでもあろう。即ち、此処に描かれたキャロル同様、被差別者なのであり、その視座からアメリカを見ている為に、アメリカの公式の顔ではなく、自分達がその文化・知性の低さを知らぬが故に、他民族を野蛮と看做しジェノサイドを実行しておきながら、自らに都合の良い嘘をでっち上げる彼ら差別者の、血塗られ極めてプラグマティックな虐殺史が描かれ得たのである。一例を挙げておけば、西部劇で良く使われるプロパガンダ“インデアンは残虐だから殺した白人の頭の皮を剥ぐ”というのがある。史実はまるっきり逆で、ネイティブアメリカンを騙し尽くし、殺し尽くす為、侵略者である白人は、ネイティブアメリカンを殺した証拠に頭皮を剥いで保安官事務所へ持ち込めば賞金がもらえるというシステムを作り実行したのである。当時、白人たちが嘯いていたことばに「良いインデアンとは死んだインデアンである」というものがあり、これは現代イスラエルが初代首相、ベングリオンの施政方針とした国境を作らぬこと、ネイティブをジェノサイドによって滅ぼすこととそっくり同じなのは、ベングリオン自身が証言しているようにアメリカの真似をしたからなのである。無論、シオニスト達の暴言には現在でも「良いパレスチナ人とは死んだパレスチナ人である」というアメリカ人の発想とそっくりな表現がみられる。彼らがテロリスト呼ばわりするイスラム教徒の大多数は、力を行使して戦うことを望んでいるのではなく、ネイティブ・アメリカンと同様、侵略され、占拠され、支配されて人間の尊厳を奪われることに異議申し立てのデモを組織したりしているのであり、それは人間として当然の権利だ。従って欧米と米国植民地日本の体制派は、イスラムフォビアを即刻止めるべきなのである。
 休憩を挟んで3時間10分という大作だが、作家のナツメクニオが言うようにハラハラドキドキの悲痛で美しいファンタジー形式を取っている。が、今作のインスパイアしてくれる内実には、以上に上げたような、現代社会に通じる、深くリアルな差別主義をベースにした、技術を持つ野蛮人の本質も描かれていると考えるべきであろう。而も英語という言語は、その場に居なければ事実か否か確認できないという言語として決定的な弱点を持つ言語である為、為政者はその言語特性を支配や外交に利用してきた歴史を持つし、現在においてもその流れは変わらない。
 作品の長さを感じさせないでぐいぐい物語にk\引き込んでゆくシナリオに花のある林 遊眠のキャロル役、中心になるキャラクターには上手い役者を適格に振って絞まった舞台にしているキャスティング、ファンタジックな美しさを演出した照明や、情感を盛り上げる音響もグー。
東京学生演劇祭2016

東京学生演劇祭2016

東京学生演劇祭

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★

[C]観劇
三者三様

ネタバレBOX

the pillow talk 『​腰抜けは道徳と遊んでろ』  最近、受動喫煙がほぼ確実にから確実に肺癌リスクがあるということが明らかになったことを受けて、観客に副流煙を流し続けようと企んだ作品。別の言い方をすれば、二番目の母親の三回忌に暴君的父親を殺した五男と兄弟が事後処理を巡ってタバコを吸いながら色々画策する話。

挑戦的、恐れ知らずの行動には恐れ入りました。(8点)


水道代払いたい 『​せかいのはじめ』  上玉利明音という女優が本人とはじめという女の子の一生を演じる話。

小賢しくウザったい感じもしましたが、演劇を勉強している現況を強調し、説明台詞は客が離れるとか、演出家からヘタに演じるように指示されたなどと言われると、二の句が継げなくなります。(5点)


シラカン​ 『​永遠とわ』  机に恋する女性の話。

虫を愛でるお姫様のような感じかなと思っていましたが、机が別の女性が好きと言った時点から大激変、完璧な四つ巴となってからのしっちゃかめっちゃかになる展開は見事でした。

三人の声の大きさが普通、中、微小な点は気を付けてほしいと思いました。(10点)
遊侠 沓掛時次郎

遊侠 沓掛時次郎

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/08/27 (土) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

印象に残ったもの
「二十歳のエチュード」読んでみたいな、って。沓掛野時次郎は無声映画で何度も観ているのですが、この舞台で長谷川伸の世界観があまり伝わってこなかった。そういえば任侠物自体現在では死語同然に思えてる。日本ならではの涙あり笑いありの「人間」が描かれた作品なのですよね。。。。

ネタバレBOX

後半、舞台の劇中劇だかその後のストーリーだかわからなかった。きっと演出上そうしたかったのかな?とも思えたけどなんか落ち着かなかった。
七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑った
コメフェスでも見た作品は相変わらず、面白かったです。
シットコムからのまさかのアガリスク得意の展開に。
面白かったです。
そして、新作二人芝居はまさかのあの劇作家へのオマージュ。
思い切った台詞も出て来て、メチャクチャ面白かったです。

撃鉄の子守唄 2016年版

撃鉄の子守唄 2016年版

劇団ショウダウン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/09/01 (木) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

充実の超大作
3時間の超大作です。でも,全く飽きることありません。途中,10分の休憩があります。それでも,途切れることなんてないんです。物語の作り方が実に上手い。全体を通して,素敵なファンタジーとなっています。そして,もちろん林遊民が良い!でも,林遊民だけではないんです。メインの役者さん,みな良いんです。この劇団の持ち味が十二分の発揮された作品。最後までワクワクしており,自分的にも観れて良かった,大満足です。まだ見ていない方,この劇団,林遊民の一人芝居だけじゃないんです。絶対おススメです。

撃鉄の子守唄 2016年版

撃鉄の子守唄 2016年版

劇団ショウダウン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/09/01 (木) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

もったいない!
まるで小説、もしくは映画を観ているようなか感覚。
でも役者さんの熱量がすごくて、熱い舞台でした。
これを観ないなんてもったいない!!
観に行ける方はもちろん、観に行けない方もがんばって行った方がいいですよー♪

くたばれ!ロミオとジュリエット

くたばれ!ロミオとジュリエット

新沼ゼミ公演

明治大学和泉キャンパス・第一校舎005教室(東京都)

2016/09/02 (金) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

大人の話になってます
面白いです。昨今はお子様風というか単純純愛の演出が多いですが、今作はずっと大人感覚になっています。振られ女が登場することで、舞台はガラッと新しく面白くなるのですね。再演して、よりシェイプアップしてもらいたいもの。

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