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『B.E.D(Episode 5)』

『B.E.D(Episode 5)』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

SAKuRA GALLERY(東京都)

2016/11/12 (土) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

興味深い
BED/マットレスがもつ概念とマットレスを用いたパフォーマンス(ダンス)との間にある距離を、観客が自身の想像力によって繋ぎ合わせることで成立する作品。

ネタバレBOX

コンセプトとパフォーマンスとの距離が、割と離れていた印象。
その点を、観客の想像力によっていかようにも解釈できる自由な作品と受け取るか、作者のディレクション不足と捉えるかで評価は別れるような気がする。
私は後者に感じた。観客の想像力への誘導も、言語的には為されているけれど、ダンスパフォーマンスを規定するものが言語(意味)であるというのでは、少し物足りない。
ただ、BEDという夜の室内を想定する概念に対して、ラストで昼の外光を取り入れ、さらに最終的には密室から屋外へという展開を用意したのは素晴らしかった。

蛇足だけれど、寺山修司は『盲人書簡』において闇に対するものとして、照明ではなく外光を使用した(装置の河田悠三のアイデア)。唐十郎は、屋台崩しにより、テント内の劇空間と屋外空間(つまり、社会)との繋がりを明示した。『B.E.D』のラストが、なぜかかつての日本のアングラ演劇と共通する要素があったのは何なのだろうと思いながら観終えた。
外道の絆

外道の絆

水素74%

アトリエ春風舎(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

写し鏡
非道(エゴ)い人たちの外道な振舞い、なのだけれど、見終わると世間を優しく眺めている自分がいる。彼らとの絆を感じて心の奥底を抉られた、どこまでもは否定できなかった自分がいる。’どこにでもうつるまぼろし’ は絶望的に面白い。

のぶなが

のぶなが

劇団そとばこまち

近鉄アート館(大阪府)

2016/11/11 (金) ~ 2016/11/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

ワクワク感と満足感
本能寺の変までの物語を独特の視点でとらえ、もしかしたらそうだったのかもと思わせるストーリーでした。いつもながら、そとばこまちさんの演劇は期待を裏切りません。息をつかせない展開と豪華絢爛な衣装や踊り、さらにお笑いも放り込んできますので、最初から最後まで舞台にくぎ付けでした。出演者全員が出揃う導入部でワクワク感がMAXとなり、2度目に全員が出揃うエンディングでは満足感に満たされます。エンターテインメント時代劇大好きです、またお願いします。

メガネニカナウ2

メガネニカナウ2

メガネニカナウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/11/11 (金) ~ 2016/11/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

おもしろかった~(^o^)/~~
AとCチームを拝見しました☆どちらも脚本が良く出来てるんで、ただでさえ魅力的な役者さんばかりの競演が、より見応えある作品に仕上がってました♪そして客入れと前説が山本香織さんという贅沢三昧☆★まさに演劇の宝石箱や~\(^o^)/

男子校にはいじめが少ない?

男子校にはいじめが少ない?

趣向

横浜にぎわい座・のげシャーレ(神奈川県)

2016/11/11 (金) ~ 2016/11/12 (土)公演終了

満足度★★★★

泣けない。泣けたら☆五つ
めっさ面白かったけど、陰気で軽い仕上がりに変化を遂げていた。
羽衣っぽかった箇所が幾つも有り、すっきりと楽しめた分-短編≧長編といった具合に満足度では2年前の短編に軍配が上がるかな。
はっちゃけていて疾走感がとても清々しい作りだった短編に比して、本作は湿っぽくて別物になっていたね。

かもめー海に囲まれた物語ー

かもめー海に囲まれた物語ー

ノアノオモチャバコ

テアトルBONBON(東京都)

2016/11/09 (水) ~ 2016/11/14 (月)公演終了

満足度★★★★

脆く美しい人間像
A・チェーホフの「かもめ」を原案にした、寺戸隆之氏の脚本・演出による「かもめ-海に囲まれた物語」は、日本の芸能界と重ね合わせているようだ。もちろん、原作のかもめの”人生と芸術”に苦悩する者、その人物を取り巻く人々の思惑、喧騒が...。純粋で不器用な者の愛しくも狂おしいような青春が観てとれる。ただし、冒頭は少し観念的だったと思う。
その者だけではなく、人間誰もがその場所から飛び立てるのを信じているかのように。「現代日本に舞台を移した全く新しい物語に蘇らせます」は観応え十分であった。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

舞台セットは、中央に回転サークル、その上部はドーム型の骨組み。サークル内には上からブランコ(孤独イメージ)が吊るされており、劇中で何度か座るシーンがある。上手側は奇形なロッカー、机・PCがある。下手側にこれも奇形ベンチが置かれている。全体的な印象は奇異でありながらファンタジー的な感覚でもある。ノアノオモチャバコの特徴である油絵のような空間造形が見られる。

梗概は、芸能界の大御所を母アキコ(松倉かおりサン)に持つ青年・カワタニケンタ(成瀬清春サン)は内気な性格。最近は鬱々とし話し相手はネコ(森口美香サン)のみ。バイト先の缶詰工場で女性ロッカーを開けてしまい、それを同僚女性コミヤ(伊藤あすかサン)に見られ弱みを握られる。この女性によりバンドを組まされ、女性の作詞作曲を歌うことになる。この活動支援のため母親の力を得る。バンド活動を通じ、芸能界アイドルのベッショキヌコ(早川紗代サン)と親しくなるが、コミヤによって悲劇へ...。
さて、登場人物は大御所/アキコ、MC/マツヲ、かもめ46などTVで見かける人物造形のようだ。

物語はカワタニケンタは売れっ子バンドボーカルになるが、その曲は自身が作ったものではない(世間的には作詞作曲を手がけていることになっている)。芸術における才能とは何か。自分の世界はどこにある。コピーではなくオリジナルの世界を模索、その苦悩が伝わってくる。芸術に必要なのは”忍耐”であると...原作「かもめ」の有名な台詞。

舞台セットの中は、カワタニケンタの心の内。いや芸術に関わる者の苦悩を吐露または咆哮するかのようだ。サークル外に多くの人々が囲み賑やか、その喧騒は心情とはかけ離れた遠い存在のようだ。このサークル内外の観せ方と第三者的な視座が独特な雰囲気を漂わす。ネコの存在であり、主人公の心に寄り添って見つめている。

冒頭の音響・音楽に台詞が重なり聞き取れないシーン...それは敢えて「人生はうるさいほど賑やかで、どうしようもなく孤独だ」というテーマ性を始めに描いているようだ。ラストは、白いかもめがゆっくり舞うダンス、一方、コミヤの黒ずくめの喪服のような色彩が対照的。エピローグの死は原作どおり。

役者は熱演...劇中劇の様相を入れるためか芸能記者が登場する。特にショウジ(大久保悠依サン)は迫力があった。
だた、パーカッションとして佐藤太志朗、野良人エリヲ両氏を迎えているが、その演出は音響効果としてのみの印象。もっと劇中の心情表現に関わる部分での演出があれば、と少し勿体無いと思った。

次回公演を楽しみにしております。
つややかに焦げてゆく

つややかに焦げてゆく

Antikame?

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/14 (月)公演終了

満足度★★

後ろ向きな人、
停滞している人が、淡々と愚痴のような独白や会話をしているシーンの連続なんで、単調で眠くなる。ウトウトして目を覚ますと、また同じようなシーン。あれで140分は厳しいなぁ。

『愚図』

『愚図』

KAKUTA

あうるすぽっと(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

巧み
外道でもなく、クズでもなく、愚図って何だろうって思いました。

ネタバレBOX

失恋して落ち込んだ女性と彼女を見守る親友、義姉や妻から浮気を疑われたものの平凡な男のしていたことは実は部下の女性社員と共謀しての横領、ホームレスに妻を死に追いやられた男の執念、失踪した父親からの手紙をもとに沖縄を訪ねた兄弟、これらが絡んだとき事件が起き、女性と親友が発見した白骨体の真相が明らかになりました。

浮気より横領が軽いのかと思わせる不思議さ、いくつもの事情が重なるストーリーテラーの巧みさ、娯楽性に溢れていましたが、深みまでは感じませんでした。

正蔵師匠は最近落語に専念しているのかと思っていました。落語家臭くなく普通の男らしい演技でした。
Short cuts 2

Short cuts 2

劇団ガソリーナ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/11/08 (火) ~ 2016/11/12 (土)公演終了

満足度★★

作品ごとの質にばらつき
A公演で6話、B公演で5話の短編集
そこそこ面白い話もあれば、あまり響かない話もあって、ちょっとそれぞれの差が大きかった。
劇の受け止め方は人それぞれなので、色々感想はあるかもしれないが、短編集とはいえども共通したテーマとか、芯になるものがあると観る方も救われるかなと。
あと、登場人物が自分の感情や意見を長々と台詞で説明する話が多めで、そういったことを登場人物間の関係性とか、舞台上の事象とか、演技としての表現で見せるのが演劇の醍醐味だと思っているので、特に短編だと心情の吐露が長めに感じてしまうので、ちょっと冷めてしまった。

出演していた役者さん達は魅力的な人達が多く、アフタートークは凄い面白かった

猿川方程式の誤算あるいは死亡フラグの正しい折り方

猿川方程式の誤算あるいは死亡フラグの正しい折り方

劇団ジャブジャブサーキット

ザ・スズナリ(東京都)

2016/11/11 (金) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

不思議な地方劇団
今回も筋書だけ読むと、なんだこれ!と言うむちゃくちゃな内容だが不思議につられてみてしまう。不思議と言えば、何年も岐阜の地方劇団が上京して打てるのはなぜだろう。作演出の長谷も最初の頃から脱力風だったがまだわかものの風貌だった。いまはさえない中年男風だが、作風は変わらない。細かいところは随分乱暴なところもあり、いいかげんにしろ!というような安易な性格設定があったりするが、時に、滅多に見られないすごくシャレているところがあって、全部許せてしまう。いや、ご苦労様、ぜひ次も見せてね、と言う気分になるのだ。ほんとに不思議な劇団だ。ひょっとすると、宇宙人の劇団かもしれない。

晩餐狂想燭祭~惨~

晩餐狂想燭祭~惨~

Dangerous Box

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/11/11 (金) ~ 2016/11/15 (火)公演終了

満足度★★★

全体として
中途半端

ネタバレBOX

廓での女郎や性同一性障害で悩む男衆の苦悩、客の栄枯盛衰を描いたメインのストーリーにポールダンスなどの彩りを加えたエンタテインメントショー。

中村中とショスタコーヴィチの曲でスタートし雰囲気は十分でした。ストーリーもショーも、おひねりもどきも中途半端に感じられました。
震えた声はそこに落ちて

震えた声はそこに落ちて

劇団時間制作

劇場MOMO(東京都)

2016/11/02 (水) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

密度の濃い舞台に感心
ここ数回、知人の役者が客演していた劇団時間制作の舞台を観に行った。実は今回の公演には知人は出演していなかったので最初は行こうとは思わなかったのだが、その役者が観に行くことを勧めてくれたのと、この劇団のテーマの選定が人間の生活の根源的な問題に直結する物ばかりで奥深さを感じさせられていたこと、加えてコリッチから招待券をもらえたことが重なり、11日の午後の公演に出かけたという訳だ。


ストーリーは複雑で難しい。誘拐・監禁にあって声が出なくなった三姉妹の次女が主人公。長女夫婦の営む高松食堂を舞台に、事件を忘れることが一番と信じて生きていく被害者一家。正体がバレていたいことを良いことに、高松食堂のバイトとして一家の生活の中に入り込み笑いを起こすことで被害者への謝罪とまっとうな生活を送っていると思い込みたい共犯者。もと誘拐事件の加害者一家の一人として苦しみ、今回の事件の関係者の本心を探ろうとする雑誌記者、そして、今回の事件の加害者男性の動機が被害者の親から受けた被害者意識から生み出された物だったという複雑さ。人という生き物は、時として加害者にもなり同時に被害者にもなり得る危うい世界に生きているという現実。そして、贖罪とは何をすることが正解なのか、まっとうな生き方とは何なのかという問いを観客に突きつける。やり場のない加害者と被害者の心の悲鳴に、多くの観客は涙していた。感動というか、やりきれない思いからの涙だろう。


役者では、共犯者だった佐藤凪役の倉富尚人、三姉妹の三女・神崎美鈴役の庄野有紀、加害者の周防孝道役の平岡謙一の演技が秀逸。熱演としては、三姉妹の長女の夫で高松食道の店主・高松浩司役の三関翔一郞、周防の幼なじみ・古野奈々与役の肥沼歩美が良かった。


しかし、本当のこの公演の立役者は、この密度の濃い脚本を作り上げた谷碧仁であろう。

『愚図』

『愚図』

KAKUTA

あうるすぽっと(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

つながる世界観
まず舞台装置が素敵でした!!
光と音の変化で、舞台上が色々な場所に変化する様は、
まるで映像作品を観ているように、
イマジネーションを刺激してくれました!

様々な人間の想いが、
螺旋のようにつながっていき、
結果、あの様になっていたとは(驚)

先にも書きましたが、
個人的には、舞台上に演出された「私有地の夏の気配」が
本当に素晴らしくて、
自分も森の中にいて、キャストと一緒に現場を目撃している気分でした。


『愚図』

『愚図』

KAKUTA

あうるすぽっと(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

愚図
夫は仕事に、主婦は平凡な毎日に、女は恋に、男は過去に、それぞれが日々溜まっていく爆発しそうなものを抱え、それが形を変えて放出されていく。その歪みが当たり前の生活を壊していく。小さな歪みを愚図愚図引きずって、やがて、泥に埋まる。なかなか面白い展開ではあった。また出演者のバランスも良かったのではないかと思う。因果は直接ではなく、巡りめぐってくるものだと、ラストを観て感じた。

つややかに焦げてゆく

つややかに焦げてゆく

Antikame?

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/14 (月)公演終了

満足度★★

理解できず
前日の寝不足のせいか、椅子から視線が下に落ちる舞台の造りとすぐ寝転ぶ登場人物のせいか(下を向いていると上瞼が重くなる)、それとも動きがあまりにも少ない演出のせいか(動きが単調)、舞台上の会話というより日常の会話のような台詞のせいか(ボソボソ感有り)、何度かうつうつした!(どんなに寝不足でも面白いと感じれば寝ることはない)特にこれと言って心が引張られる台詞もなく・・・・・理解できずに終わったのはいうまでもない。演じていた方たちには申し訳ないです。

虚構のペルソナ

虚構のペルソナ

TUFF STUFF

シアターサンモール(東京都)

2016/11/09 (水) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

陰な雰囲気
各ストーリーの導入部分の演出が面白かった。また全体としても「陰」な幻想的雰囲気、特に赤の使い方が美しかった。出演者も若いながら、なかなかの実力で、惹き付けられるものがあった。

魔女と賢者と永久の薬師

魔女と賢者と永久の薬師

劇団ゴールデンタイム!

劇場HOPE(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

世界観の好みが分かれそう
ファンタジー的要素が強く、RPG風の全般的に悲しい物語でした。登場人物の設定も細かく、殺陣が音響とのバランスが良い印象で、どこか映画的な要素も感じました。
公演中なので、ネタバレで。

ネタバレBOX

剣と魔法(二人だけですが)の世界に、人の恨みや妬みが絡まるダークファンタジー。個人的には好きな設定ですが好みは分かれそうです。
殺陣も多く、アンダリテ役の深月さんの殺陣が特に目を惹きました。シュカ役の青柳みさとさんとネスリム役の井家久美子さんをはじめ、特に女性陣に魅力的な役者さんが多かったです。
ストーリー的には、ダークな部分も多かったですが、もうひと捻りあっても良かったのではとも思いました。
薬師さんには何か秘密があるのではと思ってましたが、普通の薬師さんでした、最後は変わりましたが(笑)
灯トモシコロ

灯トモシコロ

Fallen Angels

シアターシャイン(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

呪術
的な作品である。

ネタバレBOX

舞台は神奈川の山奥の辺鄙な集落。10年前に起こった不可解な事件を巡って起こる新たな因縁話の体裁を取る。だが実際は、我々人間存在の光に寄り添う影のように必然的に齎される不条理の影を形象化しているか、或いは消化されなかった鬱憤や憤り、昇華されなかったアンビヴァレンツの底に蠢く得体の知れない影やパトスが形象化された作品と観た。
 形式的には刑事物、即ちサスペンスに近い形を採っているが、扱われているのは、極めて呪術的な世界であり、神話というよりはその影、サスペンスというよりは因縁話であり、人智の及ばぬ呪術的な世界が描かれている。凄惨極まる挿話が、この呪術性によってどこか神秘化され、様々な不合理を含めて受け入れ易いものにしている。
 噛みそうになったシーンが見受けられたが、これは、努力で改善して欲しい。亡くなった蜷川氏の舞台では、初日に完璧に科白が入っているのは当たり前という話であった。プロである以上は、この辺りのことは実現して欲しい。
 兎に角、現実にはあり得ない話であるから、その形なきものを形象化して見せた点は評価したい。シナリオ、演出、演技共に、この方向でまとまった。今後の発展を期待する。
インスタントカフェ・シアターカンパニー『NADIRAH』

インスタントカフェ・シアターカンパニー『NADIRAH』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2016/11/11 (金) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

他者とは、、、
 宗教(イスラムとキリスト教など)の違いから生じる問題を中心に、国家(シンガポールとマレーシア)の違いや民族(マレー人、中華系、、、)の問題など、さまざまな角度から、「他者」との共生の意味が問われている。
 IS(イスラム国)によるテロが世界的な問題となり、同時にイスラム教徒が不当な差別にもさらされる中、そしてアメリカではイスラムや移民を差別してはばからないドナルド・トランプが大統領になるという状況の中で、この作品が問う「他者」との共生の意味は大きい。
 正攻法で非常によくできている脚本、シンプルだけれど繊細に配置された美術と演出。演技もすらばらしかった。

ネタバレBOX

 何よりもこの脚本に内包された複雑さは、近年の日本の作品には見られないもの。作家の能力も勿論だけれど、多様な民族が共存し、宗教が存在している中で、このような問題が切実な亀裂として現実に起こっているのだと思う。
 それと同時に、物語構造としては非常にシンプルなのは、宗教という明確な分断事項があるために、問題の中心を明示しやすいのだろう。日本にも排他主義は跋扈しているけれど、問題の本質が掴みづらく、物語化を現実が拒んでいるような部分がある(例えば、在特会や相模原事件の犯人のようなわかりやすい差別団体や個人が一番の問題なのではなく、なんとなく似た感性をもってそれを受容してしまっている群れとしての社会の方が問題など)。日本の方がより現実の闇が深いとも言える。日本のこの問題に戯曲が言葉を与えるというのは、難しいなと思う。
Nice to meet you, My old friend

Nice to meet you, My old friend

劇団競泳水着

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/10/21 (金) ~ 2016/10/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

Bチーム観劇!中学の友にまた会いたい!
タレントの母校を訪ねるドキュメンタリー。
しかしタレントには友人は居なかった…。

忘れたい中学時代。
輪に入れず、通った美術室。
たった一人の友達。

濃密な70分。
思いもよらないラスト。
「友情は何度でもやり直せる」心に刺さる。
芝居なんだけど、この場にいる人達が幸せになって欲しい、そう思える。
本当に良かった。

茨木さん、永津さんはとっても役にはまった感じで良かった。
西村さんのプロに徹する感、谷野さんの心の切なさ、そして主役の山岡さんの心の哀しさ、とっても良かった。
涙!

大阪部、素晴らしい!

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