灯トモシコロ 公演情報 Fallen Angels「灯トモシコロ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    呪術
    的な作品である。

    ネタバレBOX

    舞台は神奈川の山奥の辺鄙な集落。10年前に起こった不可解な事件を巡って起こる新たな因縁話の体裁を取る。だが実際は、我々人間存在の光に寄り添う影のように必然的に齎される不条理の影を形象化しているか、或いは消化されなかった鬱憤や憤り、昇華されなかったアンビヴァレンツの底に蠢く得体の知れない影やパトスが形象化された作品と観た。
     形式的には刑事物、即ちサスペンスに近い形を採っているが、扱われているのは、極めて呪術的な世界であり、神話というよりはその影、サスペンスというよりは因縁話であり、人智の及ばぬ呪術的な世界が描かれている。凄惨極まる挿話が、この呪術性によってどこか神秘化され、様々な不合理を含めて受け入れ易いものにしている。
     噛みそうになったシーンが見受けられたが、これは、努力で改善して欲しい。亡くなった蜷川氏の舞台では、初日に完璧に科白が入っているのは当たり前という話であった。プロである以上は、この辺りのことは実現して欲しい。
     兎に角、現実にはあり得ない話であるから、その形なきものを形象化して見せた点は評価したい。シナリオ、演出、演技共に、この方向でまとまった。今後の発展を期待する。

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    2016/11/12 09:13

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  • まきさんへ
    日曜が楽でしたね。
    とりあえずお疲れ様。
    演劇は基本的には論理です。
    その最も単純な形式は二項対立を
    利用した形で、それが複雑に、より高度に
    なると弁証法的な形を取ると自分は考えて
    います、二項対立は、正義と悪などの形、
    弁証法は、この対立を通して、第三の道を
    編み出していったり、人間の争いを神々の
    節理と対置して、神々の節理が、二項対立を
    乗り越えてある結果を齎すような形を取ることも
    当然あるでしょう。ここまで論理r的に突き詰める
    ことができると面白い作品になりますね。
                         ハンダラ 拝

    2016/11/14 01:27

    ハンダラさま、ご観劇くださり、ご感想もいただき誠にありがとうございます!
    Fallen Angels では、表と裏、光と影といった二面性を持つ世界観の中で本質を浮き彫りにした作品づくりに取り組んでいます。
    ご期待にお応えできるよう、これからも精進を続けて参ります。よろしくお願い申し上げます!

    2016/11/13 02:49

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