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Dilemman-Being〜イツモソコニイル

Dilemman-Being〜イツモソコニイル

劇団赤鬼

ABCホール (大阪府)

2016/12/23 (金) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

板挟みジレンマの時、人はどう行動するのか?
そして人はその決断を後悔する。
人間を越えたものが辿り着く先は?
ロボット三原則の呪縛とは?
アトムに代表される日本らしくハートフルなロボット物。
SF好きには堪りません!

メロン農家の罠

メロン農家の罠

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2017/01/12 (木) ~ 2017/01/18 (水)公演終了

満足度★★★★

花四つ星。
相変わらず尖がってて、しっちゃかめっちゃかで楽しい作り。
下らなくて幼稚で、浅いんだか深いんだか分からないけど、これは面白いッ!!

メロン農家の罠

メロン農家の罠

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2017/01/12 (木) ~ 2017/01/18 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/12 (木)

夢も現実も失敗も、怒涛の台詞でぶつけ合うのが心地よいのは
次第に露わになる“本音”が清々しいから。
ここまで言うから、あのラストかぁ!と妙に納得。
役者がキャラに上手くはまって大変楽しかった。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、アマンダもいいセン行ってる。
台詞と演出の一体感が素晴らしい。

ネタバレBOX

上手はメロン農家の居間、下手に突き出た雑然としたスペース、
ここがCDショップの事務所やら、車の中やらに変化する。
もう10年も毎年メロンを盗まれる農家、今年こそはと罠を仕掛けたりしている。
現在10歳の妹が生まれてすぐに母は家を出て、その後父が亡くなり
家を守るのは独身の兄と、結婚に踏み切れない姉。
万引きなんかするような妹を心配しながら暮らしている。
そこへ姉に結婚を迫る男や、元ホスト、中国人研修生、風俗店経営者らが関って
怒涛のラストへと突入していく…。

人の好い兄(森崎健吾)のキャラがリアルで切ない。
妹の幸せを願い、みんなの幸せを願い、自分も幸せになりたいと願う。
そんな素朴なキャラがぴったりの風貌で実直な兄を熱演、惹き込まれた。

次第にエスカレートしていく姉(嶋谷佳恵)の言動も説得力がある。
登場した時は曖昧な返事をしながら意思表示の弱い人物像だったが
少しずつ不満を募らせて最後は大爆発、聴いていてスカッとした。

兄と妹が“本音トーク”でバトる演出が面白かった。
CDショップの夫婦が柔らかな関西弁で話すのも心地よい。
この脚本家は聴いても話しても生理的に心地よい台詞を繰り出す人だ。
相手を攻撃し罵倒する時でさえ、カタルシスを覚える。

下ネタや差別ネタは好みが別れるところだろうが
それも本音のひとつで、実はみんなが何かしら抱えていることだ。
最後、妹の暴挙が若干飛躍しすぎのような気がした。
ここまでのリアルな手触りが一気に漫画的になったようでちょっと残念。

初めて観た桃尻犬、面白い劇団だなあ。
隙の無い役者陣もキャラにはまって、生き生きと台詞を繰り出している。
台詞とテンポ、リズムが私的にはどストライク。
台詞と演出の一体感が素晴らしく、次の作品が楽しみになった。

メロン農家の罠

メロン農家の罠

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2017/01/12 (木) ~ 2017/01/18 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/12 (木)

座席1階4列

予想以上にヘビーで緊迫感溢れる感じでしたが、随所に笑うポイントがあって楽しめました。

幸せを求めれば求めるほど遠のいていくような。
そんな安喰家と周りの人々を観ていると、次第にいたたまれない気持ちになっていきました。
そんないたたまれない気持ちを吹き飛ばすような終盤の怒号飛び交う掛け合いの応酬が凄く良かったです。

トリスタンとイゾルデ

トリスタンとイゾルデ

ネルケプランニング

DDD AOYAMA CROSS THEATER(東京都)

2017/01/12 (木) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

2.5次元ミュージカル系のアクションとフィジカルシアターとパペットと映像と、英国と日本のモチーフのミクスチャー(?)で驚いた。内容は国と島との戦争と、男女の愛憎劇。約2時間35分、休憩15分込み。

ネタバレBOX

ドラゴンのパペットが良い。でもドラゴンのセリフは(エコーのかけすぎで?)全く聞き取れなかった。残念。
ignition

ignition

演劇ユニットP-5

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/01/11 (水) ~ 2017/01/16 (月)公演終了

満足度★★★★

面白かったです!
後半からのテンポの良さが、
最初から出ているともっと良いと思いました!
各シーン、話の展開がダレる部分があるので、
80分ぐらいにまとめてしまっても良いのではとも思いました。
出演者の方たちカミすぎー(笑)

イマジン

イマジン

イマジネイション

「劇」小劇場(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

イマジネイション10周年記念感謝祭「アドリブ・ナイト」。演出は大好きな「味わい堂々」の岸野聡子さん。基本は朗読だけど、少なくない登場人物+ストーリーテラーの間での受け渡しの妙がカッコ良すぎで心地いい。終わってみてほんわかと温かい気持ちになれた。風琴工房時代からちょこちょこ観ていて凄いなと思ってる笹野鈴々音さん。出番自体はそう長時間ではなかったものの、相変わらずの存在感!。彼女を観てると、自分が舞台役者さんに求めたくなる要素の一番大事な部分を持ってる人なんだなっていうことを感じる。

「夢見る二人」。オムニバスかと思って観てるうちに、いつもの間にやら時代のパズルが合わさり、最後は1つの大きな物語として完結するという絶妙な流れを作ったのは、一昨日観た「アドリブ・ナイト」も演出された「味わい堂々」の岸野聡子さんの作・演出によるもの。改めて素晴らし過ぎて、帽子をかぶってないのに脱帽でした。200%リスペクト名女優浅野千鶴さんに、竹井亮介さんという、ハイレベルな2人が繰り広げる丁々発止のやり取りに、ドあたまから爆笑のしっぱなし。浅野さん、竹井さんがあれだけのセリフと運動量、感情が無理なく出せるのも、このお2人のことを隅々まで知りつくてる岸野さんならではのものかなあと。前半から中盤まで爆笑の渦で充満した会場が、後半にはほんのりと温かい空気と少しの寂しさとに包まれて終わった。そんな展開に最大級の拍手!。ホンッとに素敵な、あっという間の60分でした。

ゴドーを待ちながら

ゴドーを待ちながら

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2017/01/05 (木) ~ 2017/01/10 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/08 (日)

ゴドーはお2人のお父さん柄本明さんと石橋蓮司さんの舞台を観たことがある。言わずもがな、エストラゴンが柄本さんで、ウラジミールは石橋さんだ。明さんと時生さんは、芸風が似ていて、エストラゴンとのぼけた味がとてもよく出ていた。時生さんは、弟なのに老成している感じがあるし、脇に回っても全く嫌味にならない。うまいというよりか、存在が納得感を持たせるので、テレビなどでも、どのような役をやっても違和感を出すことはない。むしろ、天性のバイプレーヤーなのだろう。年齢とともに凄みのある役もこなせるようになっていくのだろうと思う。
さて、お兄さんの佑さんである。登場した瞬間から「うまい」と唸ってしまった。その歩き方、表情、セリフ回し、そう完成しているのだ。ウラジミールとして足りないとすれば、老い、哀切、擦り切れ感、そうしたものだけだ。と同時に、時生さんと比べると、当面、役者としては難しいだろうな、とも思った。石橋さんのように灰汁が強く、自分を押し出す芸風でもない。芝居がうまくて、それで人柄のよさがにじみ出てしまう。脇で使うには主役を立てるというより、主役を食ってしまうだろう。とはいえ、主役にするほどの押しがあるわけでもない。早くよい演出家(お父さん以外)と巡り合い、佑さんの他にはない一面を引き出しててもらえることを願ってやまない。実際テレビの「コック刑事」は、落ち着いた演技の中で、視聴する側の心をくすぐる面白味があったし。でも深夜ドラマだからあの役は可能であったので、何か1つ抜け出して欲しいなあ。

ネタバレBOX

この舞台、2人の若さが物足りないんだけれど、一方でギャグパートになると、若くて動けるということがとても素晴らしい。ラッキーの首の縄を使って縄跳びになるところなどは、躍動感溢れていました。やるときは後先見ずに徹底してやるところは、乾電池イズムなのかな。また、数年後の2人のゴドーが観たい。
ブリッジ~モツ宇宙へのいざない~

ブリッジ~モツ宇宙へのいざない~

サンプル

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2017/01/11 (水) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

入りにくい入口、すでにそれは腸の中。
笑えるが笑えない宗教の話。でもやっぽ笑える。
「〜したい、いやしたくない!そんなことはどうでもいい!」が好き。
役者の個性を活かす劇のように感じた。ドクターのキャラがナイス。終わり方もいい。

豚小屋 ~ある私的な寓話~

豚小屋 ~ある私的な寓話~

地人会新社

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2017/01/07 (土) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/01/10 (火)

舞台の上は、においのするような豚小屋・・・・北村さんすごい!
閉じこもっていた年月がそこにあり、彼の精神状態がばら撒かれていくような気がしました。息苦しかった・・・。力のある役者さんだと、あらためて思いました。

ignition

ignition

演劇ユニットP-5

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/01/11 (水) ~ 2017/01/16 (月)公演終了

満足度★★★★

まさにシチェーションコメディ。状況の変化が、バカバカしい笑いを誘うのだけれど、そのシチェーションに至る理由が、多弁に過ぎない範囲できちんと所々で、説明されているのがよい。何でこんなことが起きているのか、不具合なく話がさくさくと進んでいく。だから、観客も「?」となることなく、素直に笑いに入っていくことができる。3つのユニットで演るということで、テイストはもちろん、ラストも若干違うらしい。時間があれば他のユニットも観てみたい。

ネタバレBOX

説明となるのは、博士が買ったアンティークの仕掛け、助手の音(楽?)の趣味、なぜ同じ服装が2着あるのか、拉致された男の異常な記憶能力(記憶の共有や開錠のパスワード暗記に通じる)、新婦の男性の趣味、秘書の科学おたく、薬の効果など。これらが、きちんと劇中で述べられている安心感は半端ではない。脚本の作り込みがしっかりしている。ともすれば、面白さのみを追求して、独りよがりな展開に陥ってしまうコメディも多い中、丁寧な作りだ。ただ、ラスベガスのホテル代の件は見当ついたし、ストーリーが人情話に落ち着くことは、ちょっと残念。ラストの落ちも、もう少し判りやすくなっていればと思う、「いいよ」(?)「いいや」(?)どちらか、滑舌(あえてぼかしたのかな)のせいか、聞き取れない。薬の効果と言うなら、あれだけ飲んでいた、博士の方で落とした方が面白かったかも。
軽い重箱

軽い重箱

殿様ランチ

新宿眼科画廊(東京都)

2017/01/10 (火) ~ 2017/01/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

A・B両チーム。

どちらもクスッと笑えるお話で好き。
なんか芝居に変な力(リキ)が入っていないのが心地よい。

リピりたいけど、行ける時間のチケット売り切れ。
今度あるベスト盤を楽しみにしよう。

ネタバレBOX

好きなところを思い付くままに。

なぜか鳥からが両方でフィーチャーされている。
クイックルワイパー
タヌキメイク
Aチーム男性陣のスーツも着こなしが素敵
怪しげなドリンクの色
喫茶店店員の声掛け(掛け声もだけど、その掛け声をする設定が知らされているから)
結婚式のお祝いメッセージ
どすこい(役者魂を感じる)
肉の匂い
コーヒーカップとトイレの電気
いじめ
変装からの戻り方がリアル
如何にも横領しそうな女子行員
70点と60点
ミュージカル「わたしは真悟」

ミュージカル「わたしは真悟」

ホリプロ

新国立劇場 中劇場(東京都)

2017/01/08 (日) ~ 2017/01/26 (木)公演終了

満足度★★

ダンサーと振り付け、演出が素晴らしい!映像美術や音楽も、「わたしは真悟」の特殊な世界観にすごく合っていた気がします。
ただ、脚本が・・・。私が原作を読んでいないからかも知れませんが、ぶっちゃけついていけませんでした。「ストーリー」としてではなく、「表現」として、良い舞台だったと思います。

ネタバレBOX

東京タワーからジャンプした後、病院で気づいた真鈴がいきなりロビンっていう人にプロポーズされてて、あまりの年齢差に、『東京タワーのシーンから何年か経っている(植物人間だったとか?)の?それともあの人ロリコン??』と、頭の中は?だらけ。悟も、東京タワー以降あまり出番がないし、悟に付きまとう3人の黒づくめもなんだかよくわからず・・・。最後まで「???」な舞台でした。
ミュージカル「わたしは真悟」

ミュージカル「わたしは真悟」

ホリプロ

新国立劇場 中劇場(東京都)

2017/01/08 (日) ~ 2017/01/26 (木)公演終了

楳図かずおさんの漫画を映像、ダンス、演技で表現。映像が地味目でダンスが雄弁で、とても面白かった。高畑充希さん、成河さん素晴らしい。原作知らず拝見。今、まさに通じる内容でもあり、35年前の漫画とは…。約2時間20分、休憩20分込み。物販混んでました。

メゾンの泡

メゾンの泡

無隣館若手自主企画vol.15 柳生企画

アトリエ春風舎(東京都)

2017/01/07 (土) ~ 2017/01/11 (水)公演終了

奈落にも妹のような人もいる、と前向きにとらえたくなった。

月刊彗星マジック 「ヒーロー」

月刊彗星マジック 「ヒーロー」

彗星マジック

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2017/01/10 (火) ~ 2017/03/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

とってもとっても熱いお芝居。
コメディーかと思いきや、中々に辛い結末。
ただ楽しいだけでは無い舞台。
きっとずっと忘れられない。。。

フォトジェニック

フォトジェニック

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/01/10 (火) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/10 (火)

今年最初の観劇作品。鵺的らしい独特な雰囲気と映像とのコラボがまた違った一面を見せていたような作品だった。キャストそれぞれに独白のシーンがあってそのあたりは良かったと思う。『悪魔を汚せ』の要素が作品の随所に入っていた感覚はある。後半のあの展開は意見がそれぞれ分かれるところだと。

ネタバレBOX

後半のスペシャルゲストがまさかの人だったのには驚いた。『悪魔を汚せ』を観た方ならなるほどと思われるかも。あの作品の数年後的なちょっとしたパラレルワールド?みたいな話になっていたような。
ゴーラウンド

ゴーラウンド

法政大学Ⅰ部演劇研究会

法政大学外濠校舎 多目的室2番(東京都)

2017/01/10 (火) ~ 2017/01/13 (金)公演終了

満足度★★★★★

 原作は、ウクライナのアレクセイ・ライツキー。監視社会の中で作品の殆どは公演されずに終わったという。1993年に51歳で亡くなったというが、自分は初めて出会う作家である。

ネタバレBOX


だがこんなに優れた作家を探してくる法政Ⅰ劇、流石である。無論、今回も期待は裏切られなかった。実際、極東のこの辺りでは、息を吐くように嘘を吐くという内容の川柳が投稿されているらしいが、無論、ジャパンハンドラーの言うままに動く、植民地総理、安倍晋三という下司の話である。彼の虚ろな頭の所為で、迫りくる戦争の気配を実に正確且つ敏感に感じ取っている若者達のセンスの鋭さに思わず戦慄を覚えるような作品である。殊に避難民をこともなげに射殺するシーンの迫力は凄い。
 この凄味も、彼が学生時代はかなり上手いミュージッシャンで、プロとして食ってゆくだけの才能は無いと自覚できるだけの腕があった、ちょっとリアリスティックな視点を持つ学生という設定が効いている。
つまり極めてありふれ、まったりした学生の日常や、避難民の子供の食べ物の好き嫌いを巡る小さなそしてどこにでもあるようなふくれっ面、若い恋人同士の淡い恋のさや当て、それらを極めて自然に生き、其処に生まれる何気ない日常が続いて行く中で、宇宙探査の為の機器が撃ち落されたことをきっかけに、多くの庶民が皆を守らねばと戦士になり、或いは自分の為と言いつつ戦争遂行の当事者となり、互いに銃を向け合って戦い合うのみならず、遂には核戦争迄行う。
即ち愚かにも制御不能な状態に陥ってしまう。どんな結末を迎えることになるか? 誰もが明確に知り、その愚かさをも知り抜き乍ら誰も止めることができない。この恐怖と、そうなることを充分想像しており、尚且つ愚かな結末しか齎さないことを明確に認識しながら流されてゆく人々の哀れは殊更である。
ゴーラウンド

ゴーラウンド

法政大学Ⅰ部演劇研究会

法政大学外濠校舎 多目的室2番(東京都)

2017/01/10 (火) ~ 2017/01/13 (金)公演終了

満足度★★★★★

 原作は、ウクライナのアレクセイ・ライツキー。監視社会の中で作品の殆どは公演されずに終わったという。1993年に51歳で亡くなったというが、自分は初めて出会う作家である。

ネタバレBOX


だがこんなに優れた作家を探してくる法政Ⅰ劇、流石である。無論、今回も期待は裏切られなかった。実際、極東のこの辺りでは、息を吐くように嘘を吐くという内容の川柳が投稿されているらしいが、無論、ジャパンハンドラーの言うままに動く、植民地総理、安倍晋三という下司の話である。彼の虚ろな頭の所為で、迫りくる戦争の気配を実に正確且つ敏感に感じ取っている若者達のセンスの鋭さに思わず戦慄を覚えるような作品である。殊に避難民をこともなげに射殺するシーンの迫力は凄い。
 この凄味も、彼が学生時代はかなり上手いミュージッシャンで、プロとして食ってゆくだけの才能は無いと自覚できるだけの腕があった、ちょっとリアリスティックな視点を持つ学生という設定が効いている。
つまり極めてありふれ、まったりした学生の日常や、避難民の子供の食べ物の好き嫌いを巡る小さなそしてどこにでもあるようなふくれっ面、若い恋人同士の淡い恋のさや当て、それらを極めて自然に生き、其処に生まれる何気ない日常が続いて行く中で、宇宙探査の為の機器が撃ち落されたことをきっかけに、多くの庶民が皆を守らねばと戦士になり、或いは自分の為と言いつつ戦争遂行の当事者となり、互いに銃を向け合って戦い合うのみならず、遂には核戦争迄行う。
即ち愚かにも制御不能な状態に陥ってしまう。どんな結末を迎えることになるか? 誰もが明確に知り、その愚かさをも知り抜き乍ら誰も止めることができない。この恐怖と、そうなることを充分想像しており、尚且つ愚かな結末しか齎さないことを明確に認識しながら流されてゆく人々の哀れは殊更である。
ぬるい体はかたくなる

ぬるい体はかたくなる

深夜ガタンゴトン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/01/05 (木) ~ 2017/01/09 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/06 (金)

霊安室を舞台に別れるということを考えるお話。踏み出すために別れるとか、別れたけど別れられないとか、別れるときになって大事だったということに気がつくとか。作者が実際に体験している霊安室の物珍しさ含めて物語は観客を引きつける。
セリフの最後に、ぼそっと小さい声で付け加えるという演出は意図的だと思うけど、個人的には好きじゃない。

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