最新の観てきた!クチコミ一覧

60181-60200件 / 190004件中
突然スクープ

突然スクープ

月ねこ座

ART THEATER 上野小劇場(東京都)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/07/02 (日)

タイトルとあらすじを読んで面白そうと感じた月ねこ座さんの公演。今回で第21回目の公演らしいですが、個人的には今回が初見でした。序盤に何人かの役者さんが目をキョロキョロさせ客席を見ている様子が見て取れたのと全体的に台詞の棒読み感があるなど幾つか気になった点はありましたが、ストーリー的には面白かったと思います。主人公の妹役を演じられていた役者さんは涙ぐむシーンなど感情表現が上手いと感じました。脚本はしっかりしているので、舞台セット、小道具などを含め全体的な底上げに期待したいと思います。

せんがわシアター・セレクト

せんがわシアター・セレクト

せんがわ劇場

調布市せんがわ劇場(東京都)

2017/06/25 (日) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/02 (日) 15:00

価格3,000円

無題2089(17-092)

15:00の回(晴)。

14:40会場着、受付(中原さん、佐川さん)、いつもの飴はここでいただきました。

空いている席に座ります。暗幕でどんな舞台なのかは見えません。15:00チャイムが鳴り前説、セミの鳴き声。

劇団820製作所「踏みはずし(Retake)」15:05開演~15:45終演。

初めての劇団、もうひとつが「THEATRE MOMENTS」でなければ観に来なかったハズ。
第5回演劇コンクール(2015/7)での公演は観ていません。

もう少しで見逃すところでした。

幕が上がり、単なる勘なのか独特の雰囲気が静かに、でも瞬時に伝わってきます。

その期待に違わず、いや、はるかに超えた作品、役者さんたち。

長い台詞も粒がそろっていて生々しさは控えめ、冷ややかさ+透明感を感じるのでした。

舞台空間の「色」、照明と映像、そこにはいない/いる者。

ヒコーキは何を乗せ(載せ)ているのかあらゆる方向に一見自由を装い飛ぶ、実によく飛ぶ。手にとって眺めてみればテスト用紙で問題が書かれていました。

アフタートークによるとここに書かれている文字の内容に意味はないということでしたが、とても気になるものを感じます。

ヒコーキと化し飛んでは落ち踏みつけられるものと、カタチはないけどいつまでも飛び続ける想い、届けたい気持ちとの違いでしょうか。

亀尾建史さん「断末魔(2015/9@絵空箱)」「森海ノ魚(2016/3@百舌)」。

※こちらの劇団、どこかで接点はないものかとプロフィールを拝見すると
波田野さん「舞☆夢☆踏」「激情コミュニティ」、出演されているのがずいぶん前のことで直接は観ていませんが。

加藤好昭さん「R10-07B(2011/4@楽園)」もちろん出ていらしたことは全然覚えていませんがかなりびっくり。Project ONE & ONLYは今も活動しているのでしょうか...

印田彩希子さんもP.O.&O、「終わりよければすべてよし(2014/3@せんがわ)」

荒井るり子さんは「ゴールテープ(2011/7@「劇」)」の音響の方?

さらにここまでくるとほとんど関係ありませんが、玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科では「Oh,My Girl!(2013/2@3号館)」を。

終演後、台本を購入。

7月に入って「女子高生」がメインの芝居3本目、なぜだろう?

ベルリンの東

ベルリンの東

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/04 (火)公演終了

満足度★★★★

「屠殺人ブッチャー」とあわせて観劇する機会をもてて幸いだと思いました。
今だからこそ観る意味があるように思う。
私たちはつい都合が悪いコトは忘れたいと思いがちだ。それは思考停止のはじまりだと思う。

カンプラチンキ

カンプラチンキ

激弾BKYU

駅前劇場(東京都)

2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/25 (日)

旗揚げから30年を超える非常に歴史のある劇団さんのようですが、個人的には今回が初観劇でした。当日配布のパンフレットには小学校での巡回公演の様子が掲載されており、この日の会場にもチビッコ達の姿がチラホラ。小学生達でも理解しやすく大人も楽しめるようなよく工夫されたストーリー展開&演出に加え、経験豊富なベテランの役者さんと若手の役者さんとの融合も素晴らしいお芝居だったように感じました。小劇場公演ならではの良さを体感出来る劇団かと思います。

「屋根裏コスモス」「幻トラベラー」

「屋根裏コスモス」「幻トラベラー」

劇団ミックスドッグス

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/06/29 (木) ~ 2017/07/03 (月)公演終了

不始末な彼女

不始末な彼女

上智大学演劇三団体合同

上智小劇場(一号館講堂)(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/02 (日) 12:00

無題2088(091)

12:00の回(晴)。

少し早くついたので8号館自販機前のベンチで学生たちに混じって読書。が、何か検定試験のようなものがあるのか、留学生(?)の方々がたくさんいる、どんどん増える。

11:30受付、開場。

11:45/12:00前説(撮影あり、100分)
※お客さんの前なので両手は後ろではなく体の前で組んで、BGMの音量はもっと下げる。

12:05開演~14:00終演(この回だけ長かったのだろうか?)

「Will o` wisp」公演が6月初だったので続けてという印象、三団体とも観劇経験あり。

前日に、青山学院大学の公演を観ていて、両者に通ずるものがあるように感じる。

それは、昨年度後半に観た高校生の演劇大会に参加した各校、ずっと観てきた大学生たちの公演にもあったものと同じ。

せんがわシアター・セレクトのアフタートークで劇団劇作家代表の篠原 久美子さんがおっしゃっていた「学校に吹く風」。

それは、人生のあるときにだけ吹く風。

現役時に観ていた役者さんたちは何人も卒業、新しい生徒さんが入ってくる。そのたびに新しい風が吹く。そういうことかと思う。

5つの「時代」をわたってのお話。当パンに丁寧な配役が載っていますが、どのような「役」なのか(役名だけでなく)併せて記載していただくと理解しやすいと思います。「宗教の女」などわかりやすい。その(怪しい)丸山果倫さんからいただいた勧誘ティッシュのQRコードから出てきました→他にも動画ありました。

時代(時間)は流れ、世代は交代し続ける。そのなかでつながっているもの。

伝奇(ロマン)。なにか各時代を表象するような(わかりやすい)モノが舞台上にあったらメリハリがついたように思います。

上手、下手の棚、確かにちょっとしたものが味をだしている。

黒電話はわかるけど感覚的にはどうだろう...、本は...等々。

携帯は、やや上手側に座っていたので役者に隠れ全然気づかず、ずっと前の男と話しているかと思っていた。(その意図通りだったら)かなりうまい演出だと思いました。

始まりに、もっともっと強く深く、熱い、煮えたぎるような情念があると物語の幹がもっとしっかりしてくるのではないかと思いました。時代(時間)は流れ、世代は交代し続ける。そのなかでつながっているもの。少々優しすぎる面も。

あと、個人的には、終演時でよいので作・演出の方の挨拶があるといいなと思っています。

ドキュメンタリー

ドキュメンタリー

劇団森

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2017/06/30 (金) ~ 2017/07/03 (月)公演終了

満足度★★★★

大学生だけが住まうルームシェアハウス。
リアルに造られた広めの共有スペースには男子3名、女子2名。
この5名の共同生活がつくり出す空気は既にほぼ出来上がっており、日常のかったるさや各自の距離感もかなりリアル。
もし自分が同年代だったとして、このシェアハウスに入居したいかといえば絶対否!
女子の方にパワーバランスがちょっとなーという感じに偏っているうえ、何よりこの調和の中へ他者は入り難いものがあります。
男子が連れてくる彼女さんですら、ちょっとハブられている感があるし(本人は気付いているのか?)
そこに新しい入居者、大人しそうな女子が1名加わって・・・

タイトルの「ドキュメンタリー」はこのルームシェアをする若者達の生態を描いたドキュメントという事で冒頭に提示されていますが、演出の狙いとして更に挑戦的で挑発的な試みが施されていました。
やっぱりなー、実に早稲田らしい!

ネタバレBOX

演出担当の川口コウ氏はなかなか曲者のようで、策略家なところはその方向性も含め、とても興味深いです。
彼が追求するモノはかなりハイレベルと思われ、狙い通りの作品にするには役者さんにも相当な演技力が求められ、期待値が上がります。
目指すとなれば、もはや完全なプロレベルでしょう。
本作品は今後も上演予定があるそうでネタバレ出来ない為、何だかわかりにくい書き方で申し訳ありません。
とりあえず川口コウ氏、曲者という事でOKです。
ジョリー・ロジャー

ジョリー・ロジャー

ジョーカーハウス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/06/29 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

当たり前のことではあるが、遥か昔にみたファントマの作品でありながらまるで違う作品にも見えた。あの狭い舞台に何もセットがなく白・黒の旗と演者の作り出す背景で海や酒場を表現していた。「なかなかやるじゃん」と心のなかで呟いた。
シルバー役の彼女には不思議な魅力を感じた。初めての劇団だがまた見たいと思いました。余談ではあるが伊藤えんまさんが来ていた。あの体格をみると何故かほっとする・・・

ビザール~奇妙な午後~

ビザール~奇妙な午後~

一般社団法人 壁なき演劇センター

シアター風姿花伝(東京都)

2017/06/29 (木) ~ 2017/07/03 (月)公演終了

満足度★★★

「紛争後のセルビアそして世界の「リアル」を描いた、セルビアン・ブラック・コメディーが本邦初訳で日本初上陸。」との言葉で、観劇意欲を募らせた。しかし、この文言、前段と後段ではもろに矛盾していることを気付かされた。「紛争後のセルビアそして世界の「リアル」」はコメディーにはならない。紛争や戦争、混乱や厭世を感じずには見れない芝居だ。笑えないよね。だって、暴力と死に満ち溢れているもの。
チラシの絵柄は、芝居を見るととてもよく解ります。

ネタバレBOX

やたらと男性の裸が出てくる芝居です。
舞台装置は、転落を描くことが必要なので、斜面にしているのかもしれないけれど、どうも芝居の安定感を損なっている気がする。何か意図的に舞台を汚くしてもいるし(精神の荒廃を観せているのかな)。裸足で演じている方も多いので、装置の滑り止めの金具や、グラスや灰皿のような小物が舞台床に置かれていることも気になる(だって、踏んだりしたら危ないでしょ)実際、3幕目では電動ノコが滑ってきていたし。
ぎらばりの海の底で

ぎらばりの海の底で

青山学院大学演劇研究会

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/01 (土) 16:00

価格0円

無題2087(17-090)

16:00の回(曇)。

15:30受付、開場。椅子席(ひな壇、最前列は小)。お勧めは3列目あたりということだったのでそこにしてみました。どういうわけか今日は素直に傾聴。

スタッフ3名で場内誘導、全員、上は白、両手はきちんと前で組んでいる。

The Beatlesの曲が数曲(誰の選曲だろう)。15:45前説(60分)、15:57開演の挨拶、Queenで開演~17:01終演。

「トキグスリ、売ってます。」からの4公演目、初めての外部会場。※過去公演を観ていると外部利用もかなりありました。

誰もが夢見る頃のお話、セリフ...「わたしには夢がある」...それは「I Have a Dream」を意識していないにしてもそれをはっきりことばとして伝えること、そのために歩みだすこと。私自身について考えてみるともうずいぶん昔のこと。

3列目だから何かあるとは思えないのですが「セリフ」はよく届きました(??)。背景の仕切り板がうまく反響しているのか、とても新鮮でした。

ちょっと気になったこと。
・屋内シーンでは靴を脱いだほうがよい、と思う(かなりの違和感)。
・くつひもが解けたらその場で結んだほうがよい、と思う(普通はそうしない?)。
・開演前、受付待ちのお客さんをきちんと整列させる(ここの歩道は狭いうえによく自転車が通る)。

「巴」はリジッター企画の森脇さん的な要素か?もっと大胆に(大自然的に)動いてもいいのでは、と思いました。

薫役、小野内さん好演。

今が、オールタイムベスト

今が、オールタイムベスト

玉田企画

アトリエヘリコプター(東京都)

2017/06/27 (火) ~ 2017/07/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

楽しい!

幻月パーライティーナ

幻月パーライティーナ

salty rock

明石スタジオ(東京都)

2017/06/29 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/30 (金)

6月30日ソワレと7月2日マチネを拝見。

ネタバレBOX

プロットにすれば、実にシンプルで青臭いストーリー。
天才モーツァルトに対するサリエリの愛憎半ばする感情を描いた、映画『アマデウス』でもお馴染みの、普遍的なテーマ。
適宜、道化を交えながらも、全体として、一本調子な芝居のテンポ…

にもかかわらず(いや「だからこそ」か)、羨望・不安・理想といった、芝居に対する作者の様々な「想い」がこめられた100分間は、構成・演出・演技・セット・照明・音響の総合力をもって、個々の観客に強烈に迫ってきたようです。
かくゆうワタシも、そんな熱にあてられて、観劇後、誰にも邪魔されずに、人生のほろ苦さにいつまでも浸っていたい…そう思わせてくれた作品でした。

そして2回目。
なまじ話の流れを承知しているだけに、劇中の涙腺刺激ポイントで悉く被弾(笑)。エエ歳こいたオッさんの両の瞳が涙止まらず状態に!
あとで、感性豊かな某・若手女優さんが号泣されたという感想ツイートを目にしましたが、それもむべかるかな、と我が身をもって納得させられました。

演劇とは何の関係もない観客でも、誰もが一度は体験したことがあり、誰もが恐らく共感を覚えたであろう、理想と焦燥との狭間の世界。
『幻月パーライティーナ』、本当に良い作品に出逢えました、とさ♪

【付記】
自分の記録用なんですけど、以下、配役を記しておきます。

あンな邦祐さん…劇作家・土門
窪寺奈々瀬さん…土門の妻
小林カナさん…編集者・小倉ミサキ
長瀬巧さん…小劇団の座長・宜野座
千頭和直輝さん…劇団員(若き日の土門)
まついゆかさん…劇団員(若き日の土門の妻)
大寄正典さん…古株の劇団員・楽谷
フジタタイセイさん…劇団員・白野
伊織夏生さん…劇団員・簾藤(白野に思いを寄せている)
松本真菜実さん…戯曲雑誌の編集長、医者、あるいは「キロク」
松村瀬里香さん…ミサキの後輩編集者、看護師、あるいは「キオク」
ジョリー・ロジャー

ジョリー・ロジャー

ジョーカーハウス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/06/29 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/02 (日) 14:00

BLUEバージョンを観劇しました。ストーリー、アクション、見応えのある衣裳など、誰もが楽しめる舞台だと思いました。ただ、登場人物が多いので、当日パンフ等で相関図があったら分かり易かったと思います。音楽も迫力もありドラマチックで、演出も工夫されていて、舞台を盛り上げていました。役者さん達の熱演も良かったです。見応えのある舞台でした!

人魚の足

人魚の足

劇団子供鉅人

シアター711(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/03 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/02 (日)

7月2日ソワレを拝見。

ネタバレBOX

海辺の町に伝わる、幻想的ともいえる、1年前の不幸な出来事をベースに、悲喜こもごものエピソードが同時進行するストーリー。
大いに笑い・大いに切ない気持ちにさせられた2時間のエンターテイメント。小劇場演劇の世界では、近頃、記憶にない伝奇ロマンの貴重な演劇体験だった。

役者陣に関しては…
久しぶりに拝見する小野川晶さんの凛とした存在感は流石。
今宵の葉丸あすかさんには、これまで彼女に抱いていた認識を一新させられ、反対に、オザワミツグさんは、これまで通り、安心して観ていられた。
あと、本舞台が初見となる
(素敵な役柄を演じることによる「役得」は当然あったが)初見の天野はなさんのフレッシュさ
フライヤーのモデルでもある、女性タレント役・河合明日香さんの華やかさ
がとても印象に残った。
SilverRiverTears

SilverRiverTears

劇団異空間

スタジオ☆異空間(愛知県)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/07/02 (日) 13:00

こじんまりした会場でのドタバタ!
毎度異空間さんらしい舞台ですが、最後はなんだかほんわかした気分にさせてくれます。
今回もそれぞれが思いやりを持てた感じで!

SilverRiverTears

SilverRiverTears

劇団異空間

スタジオ☆異空間(愛知県)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/07/02 (日) 13:00

なんか宇宙警察地球支局東京支部ってうさんくさ~~~ぃ。
ひょんなことからマヤ姫をかくまうことになるのだが、ま~ぁわがままで………………。

一方でマヤ姫をめぐり賞金稼ぎ⁉
そこへ宇宙警察のメタボのおっさんが、宇宙通販でダイエット器具をこっそり頼むもんだから、賞金稼ぎと間違われる始末。、

ドタバタの末は、思いやりが生まれて~~~ぇ、ちょこっとほっこり( ^)o(^ )
馬の存在がよかったです。

大帝の葬送

大帝の葬送

ロデオ★座★ヘヴン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/02 (日) 13:00

十七戦地の柳井祥緒さん脚本・演出でこのテーマなら、
繊細さと大胆な構成を両立させるに違いないと信じていたが、まさに期待以上だった。
大帝の葬送の実行に至る裏方の160日間を、会議室という限られた空間で描く。
柳井さん得意の設定で、史実をなぞるだけでない厚みのある人間ドラマになっている。
こんな重いテーマなのに、時々くすりと笑わせるのは台詞と役者の力。

ネタバレBOX

天皇の体調悪化を受け、宮内庁内では具体的な準備が始まる。
お上に仕える奥の方と、事務、警察、儀式、法律など様々な分野の責任者が集合、
政教分離と伝統の継承に配慮した新しいかたちの葬送を模索する…。

現実的には会議室に入れないはずのライターを狂言回しとして配したのが良かった。
ラストで明かされる奥の方とのつながりから、お上に対する強い思いを持ち
同時に国民の一人としての素朴な視点も持ち合わせている。
演じる澤口渉さんの緊張感ある台詞がドラマを引っ張り、時間の経過が解りやすい。
「関係者席」として確保していた客席の椅子を3か所使ったのも上手いと思う。

同じく現実的ではないが、元華族(?)で右翼の女性「愛国の方」を入れたのも良いスパイス。
実際右翼団体の動きには神経を使っただろうし、発言・行動にはリアリティあり。
中村真知子さん、後半の精いっぱい虚勢を張った姿が強く印象に残る。

そのほかの登場人物は皆リアルで、それぞれの陛下に対する思いと
職業人としての高い意識を感じさせて共感を呼ぶ。
熱い思いが先走りがちなメンバーを押さえつつ会議をまとめていく事務の人、
演じる音野暁さんの実直なキャラがハマって、要の役割に相応しい。

奥の人を演じた朝倉洋介さん、お上のお側近くに仕える人らしい品格と端正な動き、
「鏡を使ってお上に月をお見せした」と静かに話すだけで涙が出そうになった。

同じく奥の方の女性役、百花亜希さんの着物姿が凛として美しい。
伝統と改革をバランス良く備えたキャラが大変魅力的で、皇室の未来を感じさせる。

崩御も“国家のアピールと国会運営の一環”とみなす政治家の先生が良いキャラ。
後半一転して、愛国の方に「スーパーのレジ打ちでしょ」とぶちかまして黙らせるところ
スカッとして実にカッコ良かった。何だ、いいとこあるじゃん、この先生と思わせる。
演じる大原研二さんの座る姿勢や扇子の使い方がいかにも”先生“らしくてリアル。

大喪の礼当日、見送る人々の傘が濡れていたのも細やかな演出でとても良かった。
メモや印刷物が乱雑に散らかった会議室内が、
事務の人によって丁寧に回収されていくシーンが象徴的。
ラスト、ひとり号泣する彼に共感せずにいられない。

難しい宮内庁・法律用語を上手く説明しながらの台詞に工夫があり、理解を助けられた。
当時を思い出して、改めて裏方の苦労をさもありなんと思う。
映像の使い方、チラシのデザインも印象的。

史実に別の視点を投入して、“事実を複眼で見せる”ことに成功している。
これが柳井流の面白さだと思う。
ライターと共に、時代の終わりと始まりを垣間見た思いがする。











泥の中

泥の中

VAICE★

駅前劇場(東京都)

2017/06/27 (火) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

小林さやかさんを観ただけで満足。
いろいろ内に秘めた思いをもつ人間たちの集まり。東京から来た怪しげな男。何かあるとは思いつつまさかあの人にあんな裏があったとは…。
ある意味人間らしさが見えてくる芝居、面白かったです。

髑髏城の七人 Season鳥

髑髏城の七人 Season鳥

TBS/ヴィレッヂ/劇団☆新感線

IHIステージアラウンド東京(東京都)

2017/06/27 (火) ~ 2017/09/01 (金)公演終了

鑑賞日2017/07/01 (土) 13:00

座席1階10列

価格13,000円

阿部さんの忍び捨之介は新鮮ですが、右近さん、カナコさん、タキさんの歌と懐かしい感じです。
今回も天魔王・捨之介分割タイプですが、細かく変えてきていて、解っていても楽しめました。
少し泣きそうになったり、花ではそこまで感じなかったのは、笑との緩急があるからかな?
早乙女さん、森山さんの殺陣は今回も必見です。回転するカテコがこの劇場の一番いいトコだと思います。

ネタバレBOX

詳細はこちらですが、ネタバレするのでこれからの方は観ない方がイイと思います。
https://blogs.yahoo.co.jp/minamonitokeruhikari/63936590.html
ブリッジ

ブリッジ

サンプル

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2017/06/14 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/24 (土) 18:00

1月に3331 Arts Chiyodaでの「サンプルWIPワーク・イン・プログレス公演 ブリッジ~モツ宇宙へのいざない~」を観ておいてよかった。

実際、今回の公演だけを観ても話の辻褄や展開などには全く影響は無いのだが。。。

モツ宇宙(コスモ)・腸・コスモオルガン協会・ムッシュさんをはじめとする信者たち、そういった世界観はいきなりぶつけられるよりは前回公演は予告編として十分な役割は果たされていた。

前回が協会のセミナー、今回が教祖の生誕祭ということで、なんだか自分がこの怪しい宗教にのめり込んでしまった錯覚に陥りそうになったのはびっくり。

あの狂気の世界に自分はついていけるのか、いや、ついていった方が楽なんじゃないか、と色々考えてしまう。
古舘寛治さんの力を抜いたというか自然体というか、なんとも不思議な教祖に惹かれながらも信者たちひとりひとりにも共感?反感?出来てしまうのが、人間ってことなんだよなあ~たぶん。

このページのQRコードです。

拡大