
郵便屋さんちょっと2017 P.S. I Love You
劇団扉座
紀伊國屋ホール(東京都)
2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/25 (日)
再配達版最終日観劇。
劇団関係者ではないが、個人的にそこそこの観劇歴、紀伊国屋ホールの重要性はよくわかってはいるつもりだが、これまでここでの観劇は自分の身の丈もあって座席運に恵まれず、あまり好意的な印象の持てない劇場であった。それが祟ったのか、今回、舞台位置のちょうどセンターに当たる座席からの観劇だったにも関わらず、当日は前列観客数人の体格が視界を遮る形となり、ほぼ、そのかたがたの後頭部を見ながら観劇する事に。今回の舞台の前評判の高さからかなり期待はしていたのだが、そういった事があり、初演観劇済みで話の展開は理解しているとはいえ、再演版の上書きが出来ず非常に無念。
再演ゆえか、役者さんの声の限りに時に叫びながら喋るも、台詞の流れは良くも悪くも滑らかに聞かれ、却ってそれが、つか舞台の足掻きながら観る熱量を上げるような舞台に感じなかったのは、口の悪い一般客の感想になるのだろうか。
ただし、今回も つかー幻冬舎見城氏ー横内さん の横並びの情熱は随所に感じた。惜しむらくは公演日程の短さと作品の性質上、もう観る事が出来ないという事か。

怪人21面相
ウォーキング・スタッフ
シアター711(東京都)
2017/06/19 (月) ~ 2017/06/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/21 (水)
以前、渋谷の廃屋さながら工場跡みたいな、なんかのアジトかと思わせるような芝居小屋で同作を見たが、役者と少しの演出の違いで作品の毛色も変化するんだなぁ。どちらも甲乙つけがたし。事件の真実は関わった人しか知る由もないが、この話も近い線入っているのかも、と思わせた舞台。場内が暑くて、ややバテたが今回も面白く拝見。
約130分。

ブリッジ
サンプル
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2017/06/14 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/21 (水)
観客も10周年記念セミナーイベントに参加する仕組み。劇中劇であろうがトコトン突き詰めた自分達の思いを訴えかける。側で見れば、特殊変態行動満載なんだけど。胡散臭い掌の上で主催者に転がされながら見ていたような感じ。あんなにリラックス出来ないヒーリング音楽も初めて聴いた。なんとも特徴的な面白い芝居でした。

君が人生の時
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2017/06/13 (火) ~ 2017/07/02 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/18 (日)
近代世界の歴史観をきちんと把握しておらず理解度が不十分、あまり自信はないが世界恐慌後に世界のあらゆる国から大勢が移民?移住した頃の、第二次世界大戦間際のアメリカのバーが舞台となっている。1幕は自己紹介的な場面が続いていたが、気がつけば全部が終わっていた。
オールドアメリカ浪漫なのかなぁ?沈黙ではない静寂な「間」が大半を占める約3時間(休憩あり)だったが、あまりの静けさに周囲のお腹の音がよぅ聞こえたのはご愛嬌。
出番これだけ!?って人もいたが、もともとの戯曲がそうなっているのかな。最終的に木場さんが全部持ってったような気が無きにしも非ず。毎回思うがアメリカ戯曲って根は暗いような。前半、物語の人物道標のような役割の丸山さんとか、役者さんはそれぞれ良かったんだけど…。劇中の葉巻の煙が、行方を燻らし立ち消える人間模様のようにも思えた。
今回見た上で、もう一度見てみれば、もっと違う印象を持つのだろうけど、私には手強すぎてカテコのスタオベにも参加出来ず。履修科目でアメリカ文学でも選考しとけば良かった。無念。
観劇当日、新国立保存用かカメラ収録日。

音楽劇 大悪名~The Badboys Last Stand!~
ココロ・コーポレーション
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2017/06/07 (水) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/06/15 (木)
タイトルにもなっている「♪Badboy~」の歌声が忘れられず、そして今回がラストというのもあってチケット取った。
今回は南米ブラジルの日本人街が舞台。かつて恋仲だった女性の忘れ形見でもある娘の為に、一肌脱いで漢気通して周りも助ける。粋な浪花節芝居。今回も生バンドのの演奏と圧巻の歌唱力で歌い上げる姿に、ジュリ〜‼︎と客席のお姉様方と一緒に声援を送りたくなった。そして歌の上手い人達に引っ張られるのか、南野陽子の歌が上手かった事に驚き。劇中、あの体勢で数分静止し続けるのって凄いわー。花組座長さんの座長さんらしい芝居とか、今回もおじさん役者たちの活躍に目を惹いたが、ナイロン100℃の松永さんが大活躍だった!休憩ありの3時間越えの舞台だったが面白かった。
各配役の個性活かした演出と音楽劇◎ ただし、サントラCDの販売はなかった。

九回裏、二死満塁。
パラドックス定数
中野テルプシコール(東京都)
2017/06/10 (土) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/13 (火)
野木さんの書く実録事件物の舞台を多く見ていたせいか、今回のようなフィールド・オブ・ドリームス(でもないけど)みたいな展開は意外でもあった。懐かしくて爽やかで、でも苦い部分もあって、学生時代の夏の夕刻のような感傷に浸るというか。個人的に過剰な劇伴を伴わないのもストライクゾーンな舞台でした。
井内さんの役柄のような男子高校生、いたなぁw。
約95分。

名人長二
明後日
紀伊國屋ホール(東京都)
2017/05/25 (木) ~ 2017/06/04 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/01 (木)
落語演目に疎いのでよくわからないが、高座でもあまりやらない演目らしい。
江戸末期、指物師として生きてきた男と、その所縁ある人達の出来事を口演よろしくな芝居噺。
一人語りの場面ではそれがどれも削れない場面になるため、見ていてやや冗長にも感じた面はあったが、出演者皆上手いので魅せて聞かせてくれました。

パーティーをはじめよう!
吉田商店
一心寺シアター倶楽(大阪府)
2017/07/21 (金) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

クロスロード
PROJECT一照
天満天六・音太小屋(大阪府)
2017/07/22 (土) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
ベテランお二人の二人芝居
面白かったです!
シンプルな舞台に
お二人の個性がぶつかり合った力強い演技に
面白いファンタジー的な内容のストーリーは
最後まで惹きつけられて見応えありました
役者力をひしひしと感じました!
役者さん自らお出迎えからお見送りまで
とても温かさを感じました
これからも続けてほしいですね!
※アンケートの時には思いつきませんでしたが
お二人に今後演じてもらたい人物
スポーツの著名人などを演じてもらいたいですね
あとはピカソとか画家も面白そうです

アイバノ☆シナリオ
BuzzFestTheater
ザ・ポケット(東京都)
2017/07/19 (水) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★
この演目2度目の観劇。初演のときよりもこなれた感じで、わかりやすかったです。よい作品なので繰り返し再演して欲しいですね。

キリンの夢3
THE REDFACE
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2017/07/21 (金) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★
幾分フィクションが入っているだろうけど、実際の事件に基づいていて、結構シニカルでハードボイルド。でもちょっとおちゃらけ。なかなかに楽しめました。

初めまして、劇団「劇団」です。
劇団「劇団」
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2017/07/20 (木) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

限りなく死に近い睡り、数話
楽園王
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2017/07/20 (木) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★
久しぶりの楽園王の観劇。短編3本立てですが、いずれもハズレなし。特に3話目の昼メロ的三角関係の話がイイですね。妙におかしいシニカルな掛け合い会話劇に魅了されました。

ファンタズマゴリア
天幕旅団
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2017/07/06 (木) ~ 2017/07/30 (日)公演終了
満足度★★★★
「天幕旅団の遊園地」観ました。本歌取りなしのオリジナルも流石です。ファンタジーの王道を行くような作品。フワフワとそれでいてしっとりした気分に包まれて、大いに堪能しました。

忘れたいのに思い出せない
yhs
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2017/09/23 (土) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/07/24 (月) 19:30
価格3,000円
認知症のおばあさんとそれを取り巻く人の物語。でもただ暗い話になのではなく、ああこういう人いるよなぁと思わせる人々の物語でもある。
見ていて上手いなと思ったのは登場人物の表現方法。登場人物紹介や相関図が当日パンフに書いてあって(それを見ていない人のために)芝居の導入部はそれをなぞる形になっていることが結構あると思うが、この芝居では当日パンフには配役しか書いてない。登場人物のキャラクターや互いの関係性はすべて舞台の上でスムーズにしかし多少の意外性を持って明らかにされていったと感じた。
多分見た人の年齢や境遇によって芝居を見た感想はさまざまになりそうな内容だが、是非多くの人に見て欲しいと思う。

『部屋に流れる時間の旅』東京公演
チェルフィッチュ
シアタートラム(東京都)
2017/06/16 (金) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★★
☆思い出し投稿☆
「現在地」を観たときに通じる、よ~く観て聴いていないと「ほわ~ん」とした時間の流れに心地よく浮かんで流されてしまう、静かな演劇。「現在地」より音楽は押さえ気味か。その分、親切でないが、言葉で広がる世界を重視したのだろう。
「現在地」は震災後の人間の「関係」と「心」に起こり得る現象を、先取るように描こうとした意欲作だったが、「恐れ」が現実から目を背けさせ、今に安住させる、ある種の自己操作を行なう人間のあり方が対話の中で顔を覗かせる。被災地にとどまる人間の心情を台詞化したようなもの、と私は感じ、「だから何だ」と思わなくもなかった。
「とどまる人々」が蔑視される現実どころか、「脱出した人々」が白眼視される現実が、すでに当時、公の部門が被害を「認めない」姿勢から必然に導かれることへの心配のほうが大きかった。
今回は、大変シンプルな、三人のみによる舞台だ。現在を生きる夫婦(恋人同士だったか)の家に、男の元妻だった女が霊として登場し、特に後半は延々と、自分の死を含むあれこれを語る。能のイメージが重なった瞬間もあった。三者は会話を錯綜させず、「現在・未来」へと向かおうとする女と男、過去の事柄を語り続ける女とその話を聴く男・・その単純な構図も、そのイメージに繋がるものがあった。
が、言葉の大半が耳に入って来ず(例によって睡魔にも襲われたが)、どの被災について言っているのか、あるいは特定していないのか、焦点はその「災害」にある事を十二分に仄めかしながら、台詞の大部分はうまくそれを回避し、十二分にじらして「それ」に触れる、というそんなテンポで進行していたように記憶する(眠っていた時間のことはいい加減に書けないが)。
このテキストの「効果」は、日常の中に「災害」の事実を、いかに忍び込ませるか、という戦術上の効果だ。そして、それ以上ではない。
マス=不特定多数を意識する(とみえる)岡田氏は、被災の事実を多くが忘れているマスの大衆の感覚に寄り添いながら、周到に、「災害は、ホラ、ここに私がいるように、あったんだよね」と、やんわりと触れ、そして「災害を思い出す」地点に軟着陸させる、という事になるのだが、この「効果」のみに照準し、それのみを言ったという、この舞台をどう捉えれば良いのか私には分からない。
ある人々に対しては、大変有効な戦術なのだ、という事になるのかも知れない。政治的・時事的な事柄を扱う芝居は、受け止め方に大きな差が生じるものだろう。が、私にはこのリマインダー公演、総じて情報量が少なく、(台詞の)目新しさもなく、ネームバリューが料金を引き上げているな、というのが今の正直な感想だ。

お題、「白鳥の湖」。
「ダンスがみたい!」実行委員会
d-倉庫(東京都)
2017/07/18 (火) ~ 2017/07/30 (日)公演終了
満足度★★★★
7/25江原朋子。お題に対し、正面きって(裏側ではあるが)の取り組みだった。妙な呪いをかけたロットバルトの意図は何か?に焦点を立てたものと、こちらとしては勝手に解釈した。オディールの高田静流はこのシリーズでは群を抜いてバレエがうまい。

サヨナラノ唄
企画演劇集団ボクラ団義
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2017/07/13 (木) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★
大風呂敷を広げるだけ広げ、畳みきれていない印象。
全ての伏線を回収していない訳では無いが、説明不足という印象が否めない。
それに加えて中だるみしたようなシーンの多さ。
もう少しスッキリと見せることもできたのでは無いだろうか。
また厄介なのが登場人物の誰ひとりとして共感できないストーリー。
設定としても無理がある部分が多く、そこを含め感情移入できなかった。
キャスティングに関しては文句なし。
ただ『劇団公演』として考えると疑問と不満が残る。
今回に関してだけかもしれないが、笑いを取るようなシーンも若干さむいように感じられた。
いつもは割と大笑いするポイントが何度かあるのだが……。
ラストシーンの演出はどこを取っても素晴らしかった。
あのラストで手前2時間の話がどうでも良くなるくらいの仕上がり。
役者の演技と、音楽と、動き全てにおいて文句のつけようが無い。

-平成緊縛官能奇譚-『血花血縄』
吉野翼企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/06/22 (木) ~ 2017/06/24 (土)公演終了
満足度★★★★
☆思い出し投稿☆
岸田理生フェス観劇3年目(全演目は観ないが)。吉野翼企画は見ておきたいユニット・・という記憶を拠り所に、「血の縄に花咲く」なる怪しげな題名を訝りつつ観劇に臨む。緊縛師エリアが舞台奥。それを囲むように位置取った母と娘7人が一人の男の玩具になっている。それぞれのやり方で調教された女たちが淫靡に求めよがる様は、主人公である思春期の末娘が覗きみる(あるいは思い描く)「大人の(女の)世界」の光景である。娘が大人(女)に変わる瞬間がやがて訪れる。その契機は男の玩具に見えた女たちが己の欲望のために男を利用していたという反転に重なり、その時点で男は操り手を失った人形のように頭を垂れてひざをついたまま動かなくなる。
今や、女性が欲望の行使の主体である事など常識の枠内だが、ライブで奏でるクオリティの高いギターと声が女たちの高らかな宣言(欲望に生きる告白)に随伴し、クライマックスを演出するとき、爽快さが駆け抜けた。古さを感じながら、しかし「今改めて」という気にさせたのは、同時進行で情動を突き動かす音楽=生演奏の功績だ。舞台の視覚的な美と音の融合が見事なアート作品。

ルーシー・フラワーズは風に乗り、まだ見ぬ世界の扉を開けた<赤ずきん、頭巾を脱いで自由を着る。の巻>
楽劇座
THEATER Rrose Sélavy (東京都)
2017/07/22 (土) ~ 2017/07/26 (水)公演終了
満足度★★★★★
もう、最初の狸さんから可愛すぎました!そして、日常のちょっとしたあるあるネタから現代における事件に繋がるようなふとした考え方まで‥巧みに戯曲化されていて見事でした。
お芝居だけでなくミニコンサートもとっても楽しかったです!