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PTA

PTA

ホチキス

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/08/20 (日) 18:00

座席1階E列

ホチキス『PTA』東京芸術劇場 シアターウエスト

自転車免許制度のありやなしやを議論する『十二人の怒れる男』的な密室会話劇。
あらすじを読んでかなりシリアスなお話なのかなぁと思っていたのですが、
想像以上にコテコテのコメディしていて面白かったです。

まいっちんぐマチコ先生

まいっちんぐマチコ先生

舞台版まいっちんぐマチコ先生実行委員会

ブディストホール(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2017/08/20 (日) 12:00

座席1階4列

舞台版まいっちんぐマチコ先生実行委員会『まいっちんぐマチコ先生』ブディストホール

最後までブレずにやり通していたのは良かったと思います(^_^;)
妖怪チームが楽しかった。

チック

チック

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2017/08/13 (日) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

観終わって、友情はいいよなぁーって、思いました。なんだろうね、この甘ったるい、純な感情は。心の底から信じ切る…、そんな感覚は無くなってしまっていたかなぁ〜。損得に機敏になるのが今の世の中生きて行くのに必要なスキルになってしまって…。14歳の頃のドキドキに戻れる舞台ありがとうございました!長台詞、素晴らしかった!

【SAF11】TangPeng30 B

【SAF11】TangPeng30 B

TangPeng30【シアターグリーン学生芸術祭Vol.11】Bグループ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/08/15 (火) ~ 2017/08/22 (火)公演終了

鑑賞日2017/08/21 (月) 19:30

価格1,500円

「セッカン。」

無題2119(17-122)

19:30の回(曇)

18:50会場着、もう受付していました。19:00開場、最前列はミニ椅子、2列目に座ります(クッションあり)。

ただ、それなりに窮屈な座席、お隣で勢いよく団扇を振り回されると....

AかBか考え、襟マキトカゲのTANG PENG 30 GROUP「B」に。

襟マキトカゲは旗揚げ公演「少女博愛主義(2015/2@だるま座)」を観ています。

望月香菜子さんは「カリヤド(2016/4@バビロン)」「或夜の感想(2016/6@ST)」も。

舞台中央、そこだけ照明があたったところになにか紐でくくられたものが。その大きさとよく聴く「音」から「・・・」ではないかと想像。

19:26前説(3組で約100分)

19:31開演~20:03終演。

冒頭、意表をついた、奇妙な、そしてとても不自然な動き。

「セッカン。」とは「折檻」のことだと思いながら、これはどう受け止めるのか? ブラック・ユーモア ???

過去のことでも未来のことでも、仮定の話でもなく、リアルなものを扱っているのだと思うのですが、もうひとつ掴みきれず。

しょうちゃんの一日

しょうちゃんの一日

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

場面というパズルピースが次々と演じられる。
無関係に見えたピースは繋がり合い、一枚の絵に。
この絵はロールシャッハ?だまし絵?
どう見えるかは観客次第。

私自身、この絵の解釈がまだ定まっていません。

短短結婚譚

短短結婚譚

劇団SHOW

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/08/15 (火) ~ 2017/08/22 (火)公演終了

鑑賞日2017/08/21 (月) 20:30

価格1,500円

無題2118(17-121)

AかBか考えTANG PENG 30 GROUPは「B」に。

尚美学園大学の演劇は初めてですが、こりっちの過去作品を確認すると、

「栗☆兎の芝居 行動展示(2016/4@RAFT)」のスタッフ欄に黒澤多生さんとむらのほなみさん。むらのさんは「凡人の言い訳(2016/3@眼科画廊)のスタッフでも。黒澤さんは「うたうたゆたう(2016/4@吉祥寺YORU)」。宇津木千穂さんは「あゆみ(2016/6@アートスタジオ)」。

20:36開演~21:19終演。

タイトルに「結婚譚」とあるものの華やかさはなく、重荷を引き摺るような日々がなんとか崩壊することなく続いている(ようにみえました)。

味気ない食事の毎日、その代わとして食事をするバイトなのか、電飾を施したビニール傘だけが何かをしのぐよりどころで、ドーナツ状になった服の内側はやはり水溜りにみえる。

普通だったら「箱」ですべてが喪失するのではないだろうか。それすらも超えて続くものってなんだろう。などなど。

金色夜叉『ゴールデンデビルVSフランケンシュタイン』

金色夜叉『ゴールデンデビルVSフランケンシュタイン』

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2017/08/18 (金) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇には様々な側面がある。
芸術でもあり、興行でもあらねばならない。
時代性とか、普遍性とか、相反するものを内包している。
しかし、そんなものを超越するかのように面白かった!
「金色夜叉」をゴールデンデビルとし、フランケンシュタインと相対させるところから
はじけっぱなし。
浅草的なレヴューとして楽しませてもらいました。

VACANCES!!

VACANCES!!

楽劇座

THEATER Rrose Sélavy (東京都)

2017/08/18 (金) ~ 2017/08/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

夏らしい事できなかったけど、すごく夏を満喫できました!!!

今回のテーマは『観光』でしょうか。
本来あるべき姿、目的のあまり意味をなくしてしまう虚しさ。今回も奥深かったです!!

みなさんの新衣装も夏らしく爽やかでいつもとひと味違ったのがまた面白かったです!!

プレイヤー

プレイヤー

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2017/08/04 (金) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★

自分的には、こういう話は好き。
現実世界と劇中劇の世界がいったりきたり。
でも、2階席はあちこちで寝てる人がいましたw
帰りの通路でも、「よく分からなかった」という感想がチラホラ。
正直、評価が分かれる作品だと思いました。

花嫁は雨の旋律

花嫁は雨の旋律

ILLUMINUS

ザ・ポケット(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

鑑賞日2017/08/18 (金) 19:00

座席K列8番

価格4,800円

チーム♭を観劇。
人生やり直したいとは誰もが一度は思うことであろう。しかし自分の人生は必ずしも自分のものだけではなく、他の人の人生の一部にもなっていて、そこに対する責任も引き受けねばならない、ということなのだろう。
「まついゆか」さん、良い役でした

ネタバレBOX

心が幼女に戻ってしまった女性を連れて帰って育てるという話は、たとえ相手が妻だったとしても今のご時世どうなのだろう?…と余計な心配をしてしまった。とはいえ全体としては甘いテイストで女性の支持を受けているようであるから、問題視されないようである。
主人公の周りの人間たちの物分かりが良すぎるのが、ドラマとしては物足りないかな。
メトロノウム

メトロノウム

ENG

d-倉庫(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/03 (月)公演終了

満足度★★★★

前半は物語に馴染めなかった。喋りが早すぎて聞き取れなかったりもした。隣の人も着いていけなかったようで寝てた。中盤でようやく世界を知れた。後半で包括構造の仕組みや能力が分かって、最後は図シリアス万歳。

私は!ああいう!図師さんの!シリアスが!大好きです!そして表裏一体なのが星璃くんっていう贅沢さ。二人のシンクロ場面、素敵だったな。超単純化すると“一役二人”という役が他にも幾つかあって、ヒィと赤の女王の表裏も最高でした。達観と執着の狭間で揺れ動くセクシー担当。美しすぎ!
ヒィ役の、ジンジャー/遠藤沙季さん、知ってたけどお御足が美しくてな…。膝上20㎝のスカートなんじゃなかろうか。それで黒のロングブーツ。ヒール10cm。背高!
衣装系で言うと、白ウサギとサンガツウサギのモフモフが正義でした。あ、シーンによっては沙季さんも黒ウサ耳だ。何故???
ENGは戦う男性陣がカッコいいんですけどね、戦う女性もカッコ良くてですね!!!
筆頭がユニコ役の、サファイア/内山智絵さん。芯が強い、素早い、脚の打点が高い。体幹スゴい。なのに乙女!セイウチの旦那が、元の世界での旦那でキュンキュンした。だからユニコの死も、セイウチの死も泣いた。
戦う男性は、石部さん、太田さん、竹内さん、門野さん、澤田さんの5強のアクションがレベル高くて!狭い上に段差の多い舞台面でよくまぁあんなに動けるもんで…。個人的には初見の太田さんに圧倒された。前置きの動き無しで回転繰り出すってどうなってるの!
CRさんのハンプティ可愛かったなー!

今回の公演で、というか、今回もスタッフワークが良かった。テクニカルはもちろん、ロビー周りもね。
票券が翼さんで、運営面に登紀子さんだもの鬼に金棒だよなぁ。d倉庫、そんなに使い勝手がいいとは思えない小屋だけど、気を配ってた感じはあった。
そんなこんなで4,500円は安いよなぁ。

秋心SUMMER

秋心SUMMER

宰団紡人企画

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

鑑賞日2017/08/17 (木) 19:00

価格3,500円

死と生、聖と俗とは隣り合わせ。そうした二面性があるのが人生というもので、それについては誰もとやかく言えないものなのであろう。
元は高校演劇だったとのことだが、非常に素直な作品。演出の蒼木鞠子氏、舞台演出は初であるが堂々としたものである。なおかつ女優としての鞠子氏については、今まで見たことのない新しい芸風を見せてもらった。

ネタバレBOX

おばあちゃん役の方は、さすがに見た目が若すぎる。何故、老けメイクをしなかったのか疑問が残る。

中は見えなかったが、もし棺桶の中にずっともう一人役者が居たとしたら、凄かったと思う。
ストリッパー物語

ストリッパー物語

9PROJECT

d-倉庫(東京都)

2016/09/14 (水) ~ 2016/09/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

見てきました

長屋紳士録

長屋紳士録

劇団東京乾電池

北とぴあ つつじホール(東京都)

2017/08/18 (金) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

はじめて東京乾電池を見てきました

真心願-machinegun-

真心願-machinegun-

super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船

萬劇場(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

真に願う心は、身分差別もなく、誰もが自由な世の中。そこには争いもなく平和な暮しがある…そんな世の中を築くため奔走した坂本龍馬の生き様、その人物の魅力をたっぷり観(魅)せてくれた。公演は「伏竜編」と「昇竜編」に分かれており、自分は池田屋事件から暗殺されるまでの「昇竜編」を観劇した。
今年は龍馬没後150年にあたり、それを記念して各地でイベントが開催されている。龍馬が現在の日本、いや世界を見たら何て思うだろうか。
(上演時間2時間45分 途中休憩なし) 2017.8.22追記

ネタバレBOX

セットは、壁または襖をイメージさせるため、大きさ(横幅)の違う赤い格子を左右に立てる。さらに下手側上部に欄間のような作り。シンプルな作りであるが、観客(自分)に情景や状況を認識させる最小限の造作。それは広いスペースを確保し、殺陣の魅力を十分に引き出すため。その動きの大変(激し)さは、襤褸(らんる)になったような着物姿、声の擦れ、台詞の言い直しなどから観て取れる。

梗概…坂本龍馬が池田屋事件を経て薩長同盟実現させ、徳川幕府に大政奉還をさせるという明治維新の立役者としての人物伝を描く。物語は龍馬という人物に焦点を当てたもので、その行動を通して当時の社会情勢・状況が浮かび上がる。疾駆するように生きた人物の魅力が十分に感じられた。

幕末という時代背景を知らないと、龍馬が奔走した土地、会っていた人々の関係などが理解し難いかもしれない、それほど展開が早い。小説などと違って読み(観)返しが出来ないから、分かろうとしている間に次々シーンが変わる。当日パンフ等に人物相関図、時代年表などが書かれていると予備知識になると思う。

”坂本龍馬”は、劇はもちろん映画でも上映され、エピソードも知られている。新たな人物像を引き出すことは難しいため、公演では国家のあり方を論じるという懐が深く、視野が広いという立ち位置で見せている。また龍馬が中心であるから、登場する人物にも配慮し、他に魅力的に描いている者は少ない。例えば、新撰組にしても近藤、土方、沖田など有名な者は出ず、藤堂、斎藤など組隊長が登場しているに過ぎない。

この劇団の魅力は、何と言っても殺陣であろう。本公演でも立ち回りは素晴らしかったが、龍馬自身が(抜刀して)殺陣に加わることは少なかったように思う。そこに将来の日本、争いごとがない平和な時代を暗示させているような…。

次回公演を楽しみにしております。
バルバトス

バルバトス

TABACCHI

小劇場B1(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

当日パンフに戸田武巨氏が、本公演はアーサー・ミラー作「るつぼ(坩堝)」(邦訳題)が下敷きで、本来その上演は4時間超の大作であるが、2時間強の抜粋作品にした旨、書かれていた。この上演権は高額で小劇場ではなかなか上演できないらしい。舞台は薄暗く、全体的に不安・不穏な雰囲気が漂い、ある種の息苦しさが圧し掛かるようだ。
(上演時間2時間15分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

当初は素舞台であるが、場面に応じてベット、テーブル、机等のセットが運び込まれる。自分なりの場幕イメージは「信仰」「生活」「裁判」「神魂」といったところ。全体の構成は次の通り。

●第1幕-パリス牧師寝室
時代は17世紀中頃。
深夜の森で、少女アビゲイルたちが全裸で踊っているのを牧師のパリスに発見される。この行為は神への冒涜とみなされ、少女の一人で牧師の娘ベテイが意識不明となる。町の有力者夫妻が「悪魔を呼んだからだ」と言い、悪魔払い牧師がか来る。そして町のさまざまな問題が露呈し、少女たちは町の人々を魔女として告発する。

●第2幕-プロクター家居間
アビゲイルらは聖女扱いとなり、町では無実の人々が次々と逮捕、処刑される。プロクターはアビゲイルとの不義のため妻と気まずい関係にあり、またパリスが気に入らず教会に行かないことを指摘され、魔女の嫌疑をかけられる。しかしプロクターは、魔女告発の一人である下女の言動から少女たちに疑惑を抱く。

●第3幕-法廷控室
プロクターらは判事に妻の赦免を願い出る。そしてプロクターはアビゲイルと対決する。少女たちがプロクターを魔女と告発する騒ぎになり、プロクターも拘引される。あまりにも不条理なやり方に憤る。

●第4幕-牢獄独房
街は多くの人が入牢したため、家畜が町をさまよい、収穫もできず混乱が続き魔女裁判はおかしいと人々が気付き始める。身の危険を感じたアビゲイルは失踪する。裁判の正当性と保身のため、プロクターに魔女の告白をさせ、その代償に今朝の処刑を中止すると持ちかける。家族への愛から偽りの告白をする。また判事に説得され供述書にも署名するが、市民に署名を見せると聞いて良心の呵責に耐えかね、供述書を破り、従容と朝日に輝く処刑台へ上って行く。

悪魔の存否が法の裁きになじむのか。その証拠云々を叫ぶが、目に見えない若しくは存在しないものを証明するのは難しい。それこそ「悪魔の証明」そのものではないか。公演では、悪魔という人の心に棲む邪悪、邪心その存在であるかのように描いている。少女たちの偽証がいつの間にか当時の社会状況や状態の綻びを切り裂くようだ。その陥穽によって、主人公プロクターは絶望的な状況下に追いやられるが、それでも人間としての尊厳を失わない姿に感動する。物語の通低・背景にある宗教・法律・生活の不可分、その切り離せない(悪弊)関係を重厚に観せている。

舞台の雰囲気は、電気もない頃の蝋燭火に照らし出されたような薄暗さ。暮らしの小物や人々の衣装にも時代を感じさせる。全体的に丁寧な作り込みだと思う。
役者は登場人物の性格、置かれた立場、状況をしっかり体現していた。その個々の演技tと全体のバランスもよく迫力に満ちていた。

次回公演を楽しみにしております。
フィクション・モテギモテオ

フィクション・モテギモテオ

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

祝!下北沢初進出です。それに相応しい,とても面白い作品でした。いつものライオンパーマの世界に新たな扉が増えた感じですかね。最後は,あー落としてきますか。全く予想外でした。自分としては下北沢は遠いし,特に駅前劇場は震災の時間にそこに居たんで,トラウマになっているのですが,出かけて行って良かったです。いつもの寸劇がなかったのは寂しいけど,この2時間,大満足です。

昇天

昇天

U-33project

高田馬場ラビネスト(東京都)

2017/08/18 (金) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★

生まれ出悩み…人は生まれた時から死に向かって歩み始める。何のために生まれてきたのか?この哲学的な命題をあっさりかわすような台詞、その言葉が象徴するかのような緩い公演であった。
タイトル「昇天」から、物語の設定は何となく想像できるが…。
(上演時間1時間25分)

ネタバレBOX

セットは、スナックまたはBarの店内のような感じ。上手側に店扉、立て看板「昇天」、下手側に馬、頭蓋骨のエッチングのようなものが飾れている。中央は、カウンターイメージの横長テーブルに椅子5脚。

店内と思った場所は死後の世界…といっても来世と現世の間のようなところ。ここに集まっている死者は、何らかの原因・理由で亡くなっているが、あるゲームで勝ち抜け(10ポイントを獲得)した者は生き返ることが出来る。そのゲームを面白く見せようとしていたが、心からは笑えない。そもそもゲーム参加者が何故亡くなったのか、全員のことを説明していない。2人はスライド(プロジェクション・マッピングではない?)で見せているが、その映像技術も緩い。一人ひとりの人生と死の原因等を説明するなど、丁寧さを欠いたようで残念。

生前、各人は夢・希望を持っていたと思う。それゆえ現世に未練が残り勝負に拘っていたが、1人が「生き返っても、いずれ死ぬ」と言い出し、勝負を放棄した。諦念なのかシニカルなのか判然としない。夢・希望の描き伝えが弱く、生への強い執着が見えてこないため、物語が生き活きとしてこない。
また、役者の演技力に差が見られバランスを欠いたような…。

次回公演を楽しみにしております。
秋心SUMMER

秋心SUMMER

宰団紡人企画

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

損得勘定という言葉があるが、この「損」と「得」の順番が大切である。損した気持は得した時よりも気持を引きずる。この公演では「笑い泣き感情」を見せる順番が上手く、観る人の感情の落差を大きくすることで、物語の印象を強くし余韻も残した。
物語は富山県に実在する冠婚葬祭場が舞台のようだが…。
(上演時間1時間10分)【Aチーム】

ネタバレBOX

セットは、中央に柩、左右に黒椅子が並べられている。中央奥に扉があるが火葬炉前をイメージさせる。シンプルな作りであるが、物語を観せるには十分である。

梗概は、川でぬいぐるみ(自分は「黒猫」だと思うが)を拾お(助けよ)うとして溺死した。まだ16歳で、本人は死んだことが自覚出来ていない。上演前から柩に横たわり、時々寝返りをするなど生きているよう。その動きは死んだ自覚がない証であり、まだ生きていたいと思う気持の表れでもある。親族、学校関係者(担任教師、友人など)が参列し、悔やみの言葉を述べることで、徐々に死んだことを自覚してくる。その過程を面白く笑わせているが、参列者が焼香しつつ故人への想いを告げるシーンは、一転泣かせる。まだ高校生という若さ、親より先に死ぬなど現実であれば滂沱するところ。

叔父の「無駄死にという言葉はあるが、無駄生きということはない」という台詞に胸が締め付けられる。もちろん主人公の姿は見えない。それに対し参列者はいろいろな思い出を話しだす。死者の聞こえざる声と参列者の声をシンクロさせる、その手法自体はありふれている。しかし、記憶の中の死者は死んではいないとも聞く。葬儀で死者の生前のスライドを映し出す…という斬新さ。そう言えば、この会場はもともと結婚式場で、天井には豪華なシャンデリアが吊るされている。葬儀の重苦しさはない、むしろサッパリと笑い泣かせる秀逸さ。

葬儀社の新人とベテラン社員の会話、坊主の読経など脇ネタでも笑わせる。この葬儀一連の進行が物語の展開そのものである。ラスト、主人公が火葬炉へゆっくり歩く姿は感動的。その時に流れる音楽、演出効果は見事であった。

次回公演を楽しみにしております。
PTA

PTA

ホチキス

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

本来の「PTA(アソシエーション)」の親(P)・教師(T)・会(A)の略がアトラクションに思えてしまうような楽しい公演。表層はコメディタッチであるが、内容は深く考えさせる秀作。少し寓意的で教訓臭がするが、それよりも面白さの方が上回った。
PTAの会議がいつの間にか裁判のような様相を呈し、さながら「12人の怒れる男」を連想してしまう。シチュエーション会話劇、伏線も回収し見事に収束させる巧みさ。2時間がアッという間であった。

ネタバレBOX

セットは、安井小学校の教室(または会議室)内。校舎は斬新なデザインで建てられているが、機能的には不都合が多いらしい。例えば壁に「転倒注意」の張り紙が貼られているが、よく児童が転ぶらしい。
当初、真ん中に机が並べられ、後壁は上手から下手側に斜め(階段状)に下がっており、上手側の上部に別空間を出現させている。また壁には刳り貫いた窓のような。下手側には三角形をしたオブジェのようなものが立っている。会議が始まると自由自在に机を動かし観易くする。

梗概…学校の女教師が交通事故死した。その結果、児童に自転車運転免許制度を導入しようと話し合いの場が持たれた。低学年、高学年の2区分で、仮免許・本免許という免許制度の採用是非は漂流するように賛否が揺れ動く。その会話・議論の過程が面白可笑しく描かれる。そもそもPTAの会議に用務員などが参加しているのも不可解であるが…。免許制度の採否を本筋にしつつ、全国模擬試験最下位(平均48点-フォーティエイト)であること、女教師の事故原因に問題がありそうなこと、女教師がスーパー優秀教師像が持たれていたが、本当は普通の教師であること等、サブストーリーを上手く絡ませる。

会議を仕切る立場にある教頭が、イエスマンで誰の意見にも賛成・迎合してしまう。他人と摩擦を起こさない処世術のようだ。この何もせずダンマリを決め込む姿が滑稽であるが、現実にいそうな人物像である。狂言回し的な教頭の演技が実に上手い。もちろん、他の役者も登場人物の性格、立場、バツクボーンをしっかり見(魅)せ、あちらこちらに話題が転じるが、その点と線が見事に繋がり収束する。教育委員会から送り込まれた「解体屋」の正体も明かしスッキリさせてくれる。

教頭の思惑では、無難にすぐ終わるかと思われた会議が、波乱の展開になるアイロニー、親や学校が決めたルールでは息苦しく、伸び伸びとした学校生活が送れない。また画一化された文房具(学校指定)の弊害(折れないことの実験)が全国模擬試験最下位の結果を招いたアイロニー。いくつもの課題・問題を潜ませた公演は、笑いの渦を起すが、その底は深く考えさせることばかり。観応え十分であった。

次回公演を楽しみにしております。

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