ドレッサー
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2018/02/23 (金) ~ 2018/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
戦中という設定はあるのだが、座長とか役者が抱える不安や老いと、役者としての自信・自負のせめぎ合いを濃厚に見せる。
役者や劇団の主宰は常にそうした戦いをしているのではないだろうか。
それが生身の加藤健一の姿に重なったりもする。
ネタバレBOX
劇中で演じられるのは『リア王』。
それにこの作品は重なっている。
リア王は座長、道化はドレッサー。
「道化は途中でいなくなる」の台詞にもあるような扱いをドレッサーはラストに受ける。
ドレッサーが道化になっているのかどうかが、この作品の肝ではないかと思うのだが(座長との掛け合いにおいても)、今回は流れるように台詞を言うので、やや一本調子な印象。
カトケンさんの座長はさすが!
カチナシ!
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了
満足度★★★★
ラビット番長本公演を初観劇。
将棋+介護というテーマ。
開演前に将棋についてのレクチャーあり。
ネタバレBOX
失礼ながら凄い脚本や凄い役者の演技、斬新な演出があるわけではないのに、面白い。
すべてがいい案配にミックスされ一体感がある。
全員が楽しくやっている、というのが伝わってくる。
ベタな笑いやベタのホロリとさせるシーンなのだが、ストーリーへの入れ込み方とタイミングが上手いので笑ってしまうし、ホロリしてしまう。
悪い人は1人も出てこないし、見終わって幸せになれる舞台。
介護の現場は過酷であると聞くが、ここではそれには触れなかったのは、本筋とあまり関係なかったからか。
ベッドへ入る、出るというちょっとしたシーンでの演出の配慮はなかなかだと思った。
演出と演技のクオリティが上がれば完成度が増し、さらに面白くなるのではないだろうか。
プラス、フライヤーももう少しオトナの観客を呼び込めるようにならないだろうか。今のままであれば、フライヤーを見ただけだと私はスルーしてしまったであろう。
大原の妻役・柴田時江さんがイヤ感じからの、大原にとってのイイ女がわかる感じがいい。こういう俳優さんが出てくると場面にリズムも出ると締まってくる。
おばあさん役の高橋杏奈さんもアトリエ公演『桜歌』に続き好演。
詩×劇2018 つぶやきと叫び―礫による礫ふたたび―
遊戯空間
新宿文化センター(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
空気が怖い! (第1回追記2018.3.23 04:04分)(尚今レビューには、一部、和合氏の作品からの引用があるが、原詩を確認している訳ではないので、表記に異同が在るかも知れない。また、音声から聞き取った作品をベースに自分がアレンジした文章も混じっている。どこが、どう違うかは、舞台を観て確かめて欲しい)
(第2回追記2018.3月24日01時半 二回目追記)
ネタバレBOX
福島は3月にも雪が降る、ぼた雪だ。その雪は汚染されて、今、車の窓から入ってくる。手に落ちた、溶けた。汚染された水になった。その水を何処に捨てたらいい? 雨が降る、雨が降る。この雨は、既に汚染されている。地震、津波で街が、人が、無くなった! 見付かっていない方も多い。而も、彼らを探そうとする場所も、斑に汚染されている。ガイガーカウンターは、一番肝心な時に手元に殆ど無かった。情報を求める声に正確な対応も殆ど無かった。その中で人々は、右往左往せざるを得ず、詩人は、多様で楽しく、而も豊かな言葉を失くした。唯、発狂しない為、彼は同じ表現を反復せざるを得なかった。あれほど多様で自由な、而も羽を生やしたような言葉を縦横無尽に駆使していた彼の表現が、同じフレーズの反復になった!! このことの意味する所をこの腐れ切った「国」で圧殺されようとしている人々の魂を代弁する詩人の声を今こそ聞け!
今作は、福島の詩人・和合 亮一氏の「詩の礫」「詩ノ黙礼」「詩の礫 起承転転」の言葉を遊戯空間の篠本 賢一氏が、再構成し役者の身体に落とし込む作業と言えよう。西洋流に言えばロゴスの身体化をその演出、衣装を含めた美術、そしてダンサーの動きとピアノ、チェロの生演奏そしてスクリーンに映し出される映像やメッセージ、説明を加えて立体化した作品である。従って当然のこと乍ら衣装は、黒子の着衣のような、無駄をそぎ落としたものである。
3.11の地震・津波後、メルトダウンした福島第一原発群による放射性核種汚染という三重苦に見舞われた上に東電及び政府の手際の悪さや必要な緊急情報の不適格な配信などによって被害は広まり、人々の権威や権力、企業、メディアに対する信頼はどんどんなくなっていった。その上、心配することはありません、と呼びかける原子力マフィアのプロパガンダが、チェルノブイリ同様行われた。当時首相であった菅直人氏は、東工大の応用物理出身であるから原発事故の行く末を正確に理解していた。即ちメルトダウン或いはメルトスルーの危険性をいち早く察知していたと考えてよかろう。そこで当事者の東電に再三報告や対策について問い掛けたが、肝心の東電最高幹部は、非常時であるにも関わらず己が責任の重大性に気付かなかったか或いは責任逃れの為にその頭脳と神経をすり減らしていたのであろう。碌な対応を採らなかった。ハッキリ言って、事故を起こした原発の格納容器内に燃料が収まっている内に冷却しなければ大事故になることは物理的必然である。(この程度のことは素人であると自認する読者も自分で調べて頂きたい。)どういうことになるか分かっていたのは、東電幹部で名の知られる人の中では、吉田部長くらいであろう。彼と現場スタッフは実際、命懸けで冷却対応に従事した。然しながら被災者の方々には正確な情報が齎されず、そのような場合に真の専門家が起こり得るリスクをキチンと伝える努力もしなかった。斑目が出鱈目と仇名されたことを覚えておいでの方々も多かろう。
ところで人災が起こったのは確かに民主党の政権下であったが、原発をずっと推進し続け、安全神話を作っては垂れ流し、地方財政の収支の厳しさに付け込んで補助金を出し続けて地域の分断を図り、結果地域全体を原発から離れられないように仕向けた張本人は自民党である。原発人災後、推進派は、数の論理に頼り、人権無視、憲法や国民の権利を無視することを繰り返してきている。おまけに第2次安倍内閣以降顕著だったのは、国民生活に重大な影響を与えるような案件については、先ず安倍が海外へ出向き、勝手に様々なことを取り決め、日本に戻ってそれを強行採決するというやり方である。国会での論議を蔑にし続ける政権の性質の悪さに不信感を募らせる暇すらなかった人々に対してのケアも不十分極まりなかったことが、増々状況を悪化させた。而も、当時東電社長であった清水は、人災発生で大混乱を極める現場から逃げ出そうとしていた。その彼も、後、ジャーナリストから問い詰められた際、人災であることを認めている。(参考までにこの事実が記されている本の名を挙げておく。(岩波ブックレットNo.893 福島を生きる人びとp.18上段)このことだけを見ても東電の最上層部の倫理的腐敗は悍ましい以外の何物でもない)
政府は、スピーディのデータもアメリカ軍には直ぐ流しておきながら、被災地の日本人には一切流さなかった。そして「直ちには、影響がない」と繰り返すばかりだった。ただちには影響がないということは、和合氏も指摘しているように、後々には影響が出るということである。
日本という「国」は棄民政策以外の政策を持てないようである。幕藩体制を嫌って、明治に入って以降も、海外移住や満蒙開拓団は当に棄民政策であった訳だし、戦中及び敗戦後沖縄の犠牲の上に成り立ってきたヤマトは、F1人災では、福島を切り捨てた。何という下司ばかりが上に立つのか!?
このようにして人々の間に醸成されたのが不信感と、其処から来る底知れぬ不安である。人々は自ら立ち上がらざるを得ない。例え、それが狂わない為だけの雄叫びという形であっても。
民主党は野田になってから、ハッキリどう言い逃れをしても認められないような体たらくであったが、無論、背景にアメリカの圧力があったことは明白である。鳩山下ろし、管バッシングの背景に控えていたのは、アメリカである。そしてアメリカのケツを嘗めて喜んでいる日本の下司官僚共だ。マスゴミがこれに追随した。結果、被災者は日本中からバッシングされつつ、分断された。更に故郷から放射性核種が原因で追放されたのだ。逆に人災を起こした東電は、我々に課された税金を使って救われた。
然し東電が負うべき責任から可能な限り逃げ続けている事情は、現在に至る迄一切変わっていない。その中で、被災者たちが詰め腹を切らされ続けている。こんな情勢の中で自民党政府の言う“安全神話”を誰が信じられようか? この5年間政界を恣に牛耳っている者こそ、自民党の中でも最も悪辣な安倍 晋三という大嘘吐きの愚か者であるという批判にも耳目を傾け、被災者の実情に耳目を傾けて欲しいものである。
核は制御できない。この単純極まる事実を皆が認識することが、この地球という命の星に生きる生き物全体を護ることに繋がるのだ。
最後の1フィート
犀の穴プロデュース
犀の穴(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
1本の映画を巡る、3話のオムニバス。期待以上の良い舞台だった。
笑ったり圧倒されたり、しんみりしたり、それぞれの物語を膨大なセリフとスピードと共に
演じきった役者達の力量は凄い。
映画を作る人、宣伝する人、裏で支える人、そして映写する人。映画には様々な人々が
関わっていることが描かれていて、作者の映画愛が感じられる。
ネタバレBOX
観劇時、外は雨が降っており、また劇場の目の前には演芸場があり、妙に劇中の設定と
シンクロしているなと感じた。
1話の「どうよ、このタイミング」が最高だった。
2話の二人芝居は本当に圧巻。
3話の清水凛さんには泣かされた。
真説・春琴抄
あかね色
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
第10回公演『オールド・フランケンシュタイン』
唐沢俊一ユニット
小劇場 楽園(東京都)
2018/03/14 (水) ~ 2018/03/21 (水)公演終了
満足度★★
フランケンシュタインがホラーだろうがコメディだろうが面白かったら良かったのですが。「お足元の悪い中」私はお芝居を観に行ったつもりだったのに、つまらないお笑いステージを見てしまったような気分でした。一発芸やらギャグやら役者任せにしすぎてませんか?
猫の夢をみていた
演劇ユニットastime
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
客席がとても対照的だった。涙をぽろぽろ流す女性たち、うつうつとしていた男性たち。この違いは何だろうか?話としては前者の気持ちがわからないでもないが、設定的に疑問も少なくない。まず生活感がない登場人物たち。これは有り得ないなと思わされることが多すぎて、どうにも感情が擽られずに終わってしまったような・・・良い話なんだけど、基本設定が甘すぎるのが最後まで付いて廻った。メインの猫も違うポジションなら“はまりもあるだろうが、どうにも曖昧な存在で終わってしまった。
ロミオとジュリエット=断罪
クリム=カルム
スタジオ空洞(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★
なんというか・・・まず配役に違和感。ロミオとジュリエットにカップル感がない。恋人としての絵がハマらないのだ。ストーリーとしては、いろいろ原作と違う部分が面白くも有り、?であり、複雑。ロミオとジュリエットのラストは原作とは違い、ロマンチックさに欠ける。なんだかとてもあっけない。また皆さんおっしゃる通り、セリフが聞きづらい。背中を向けてのボソボソは本当に聞き取れない。というか、全体的にセリフのボリュームが足りなさ過ぎる。なんかとても消化不良で終わった。
「LOVE」 Chapter3
シンクロ少女
OFF OFFシアター(東京都)
2018/03/19 (月) ~ 2018/03/21 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/20 (火) 15:00
価格2,800円
悪いヤツが出てこない芝居は数あれど愛されキャラしか出ていない芝居は珍しいのではあるまいか? 毎度微笑ましくトラブルがあっても(劇中人物にとってはともかく観客としては)深刻にならない秘密はそこではないか?などと考えつつ愉しく観劇。
ほのぼの具合はあだち充作品に、全体の雰囲気に「男はつらいよ」シリーズと通ずるものがあるのではないか?とも思ったり。
それにしても味わいの宮本さん、日本語が上手になったなぁ。(←そう錯覚するほどに「中国人が喋る日本語」っぽさが見事だった(笑))
しかしこのシリーズに慣れてしまうと次の本公演がいつもよりビターに感じられてしまうのではないか?(半分真顔)
真説・春琴抄
あかね色
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
70分。傘への名前シール貼りサービスとか丁寧だと思った。
ネタバレBOX
小説「春琴抄」の物語と、それを描いた谷崎(藤波瞬平)と妻松子(あきやまかおる)との関係に新聞記者(小山蓮司)が迫るという、二重構造作品。
新聞記者はいろいろ調査し、谷崎死亡後の松子をおもんばかって谷崎が悪魔的イメージを作っていると断じるが谷崎は意に介さない。それは顔に大やけどを負った春琴(あきやまかおる)をおもんばかって自らの両目をつぶした佐助(藤波瞬平)に通じるということか。悪魔的だ耽美だといっても、根底には常人と同等の(等身大の)感覚が横たわっているということか。
短い時間で充実の作品ではあるが、ドロっとした感情めいたものがもうちょいあると好みかな。陰的なものというか。佐助への想いを持つ照女・谷崎の前妻の丁未子(木野コズエ)や春琴への憎しみたぎらす利太郎・谷崎と距離を置く弟精二(田中智土)とかの負のオーラとかね。
たまには海が泳げ!
クロムモリブデン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
90分を
ネタバレBOX
人気子役のアロエ(土井玲奈)が時男(吉田電話)からレイプされ、時男が服役し、時男の長男が自殺してから5年後。時男家では妻の初音(花戸悠介)が次男の竜二(戸村健太郎)を父はすごい人なんだと嘘ついて育てていた。一方被害者宅では、母スミレ(奥田ワレタ)がアネモネ(渡辺とかげ)とともに、アロエを事件は芝居だったんだといって育てていた。時を同じくして小説書けない小説家(森下亮)の元へゴースト(小林義典)が現れ、事件の真相を暴くようけしかけていた。そして、時男が出所して…。
久々のクロムモリブデン。面白かった。
きわどいセリフと独特の演出で、序盤から中盤にかけ、ぐいぐい引き込まれる。終盤で、実際にレイプしたのは時男でなく自殺した長男と匂わせ(その原因はアネモネと思わせ)、BGMとパフォーマンス中心の演出にスライドする。ここでスミレが時男を銃殺し復讐するも初音に打ち殺される→「カット」を2回繰り返し3回目でアネモネが打ち殺され、スミレのカットの声もむなしく終幕となる。
終盤のシーンは見ごたえ十分。パワフルかつカッコイイ。ピザ屋の早瀬(池村匡紀)の表情が何気に好き。
ストーリー的にもうちょい見たい気もするけど、腹八分なトコが逆に良かったかも。結局ゴーストは何者なのとか。小説家はコレを出版したのかしらとか。アロエと竜二の愛情はどーなってしまうのとか。
小説家とその編集の須藤(岡野優介)とのゲスい会話とか、表向き虐待だけど、裏側に愛情のある初音やスミレの教育とか、いい感じに引っかかってくる作品。あと衣装がクロムモリブデンとしては普通だけど、いい感じだった。スミレ家の衣装は普通にかわいい。スミレの仕込み暗殺銃の小道具とか、めちゃかっこいいし、笑ったし。
たまには海が泳げ!
クロムモリブデン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
実に個性的で、内面の描写にはまった。アクが強いので好みが大きくわかれるだろう。本演劇祭では今のところ一番気に入っている。
『天国と地獄』
遠吠え
王子スタジオ1(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
なかなかおもしろい発想で、傑作に化ける可能性を感じた。現時点では、演劇部の学園物のところに重心が寄りすぎに思う。
渇愛
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2018/03/09 (金) ~ 2018/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
取事務所の作品は、いつもセンセーショナルで、刺激的で、芝居好きの私のつぼを付きます。
今回は韓国の作家キム・ミンジョンさんの作品です。
アジアの演劇にも興味があるんですが、なかなか観ることが出来ません。韓国、インドネシア、台湾の演出家の舞台を4回ほど観たことがありますが、同じアジア人なのにまったく違う感性を感じてました。
今回は作は韓国人ですが、演出、役者は日本人です。
寺十五さんの演出は、韓国の粘っこさ、重たさをとてもよく表現していたと思います。寺さんの演出は何本か観ましたが、日本人の中にあるあきらめ感というか、すがすがしいほどの寂寥感を感じたのですが、今回は重くて、執拗で身動き取れませんでした。
寺さんは役者さんとしても大好きです。
闇が支配するような舞台、過去の出来事が思い出の断片のように浮かび上がり消えていく、その断片を繋ぎ合わせ、登場人物たちの愛の断片を拾っていく・・・・・。なんと辛く、禍々しい愛なんだ。
ムーダン(巫女みたいなもの)の母と二人で育ち、ムーダンになることを母により運命付けられていたソヨン(森尾舞)が、若い画家ジェソプ(渡辺聡)と恋に落ち、母の反対を押し切り結婚する。貧しさのため初めての子どもを堕胎し、その傷を抱えたまま高校生となった一人息子ヒョンと今は美術教師となったジェソプとぎりぎりな精神状態のなかでも平穏な日を送っていた。ある日、ヒョンスが家庭に恵まれない友達ジンギ(西山聖了)を家に連れてきた。その日から、ソヨンが壊れていく・・・・。
壊れていくという言葉が適当なのかはわからないが、彼女が求めても、求めても得られなかった愛とジンギの求めても求められなかった愛が惹かれあったのだ・・・・。
亡くした子への罪悪感がジンギへの愛を駆り立てたのか、夫に求めた愛が物足りない結果だったのか・・・それは理解できなかったけども、彼女が母親の呪縛から逃れられなかったのはとても共感できました。声だけの母親の青山眉子さんが素晴らしい!!!
彼女の声にソヨンの逃れられない呪縛を強く感じました・・・。母親というのは良きにつけ,悪しきにつけ絶対的な存在であるのです・・・・。
登場人物の数だけ愛がそこにあるのに、皆自分の愛を主張して、お互いの愛をはねつけている・・・・大きな悲劇がそこにありました。
渇くほどに愛を欲し、愛を欲するがゆえに渇く・・・・そんな気がしました。
素晴らしい舞台でした。
ありがとうございました。
ブラインド・タッチ
オフィスミヤモト
ザ・スズナリ(東京都)
2018/03/19 (月) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
みせたいものと、みたいものの間には深くて暗い川があると思いました。
ブラインドタッチだと検索されないのですね、こりっちさんに改善を期待します。
検索時に・や(などを省くようにしていただけないものでしょうか。
隣の芝生も。
MONO
座・高円寺1(東京都)
2018/03/15 (木) ~ 2018/03/21 (水)公演終了
満足度★★★★★
とても練られている感じ。役作りも万全でした。リラックスして楽しめる。ユーモアとペーソスがバランスよく盛られている感じ。ステージの仕掛けも特筆すべきものでした。来年30周年?いろいろと大変だと思いますが息長く頑張ってください!!!
ロミオとジュリエット=断罪
クリム=カルム
スタジオ空洞(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
ロミオがジュリエットに出会う前、恋焦がれていた女性ロザラインは、シェイクスピアの戯曲では名前しか登場しないそうですが、例えばゼフィレッリ版の映画ではクレジットに役者名こそ出ないものの、ちゃんと登場するし、その名前も記憶していたので、今回の舞台の説明文にロザラインが「劇中には登場しない人物」と書かれていたのを読んだときは、「へっ!?そうだったっけ?」と原作ちゃんと読んでないヤツ感が丸出しになってしまったわけです。そういえば6~7年前に、このロザラインの視点でアダプトして、舞台を現代に置き換えた小説の映画化で、キーラ・ナイトレイに交渉中とかの話が出ていたけど、その後ニュースを聞かないから頓挫したのかもね。今回はそのロザラインが重要な役どころで出てきて(代わりに出てこない原作の登場人物も)、ベンヴォーリオとの関係なども含め、全体の人物関係もやや改変。
ネタバレBOX
序盤のロミオとベンヴォーリオのやり取りなど、早口なのはいいですが、何を言ってるのか分からないのではちょっと困りもの。他の方たちも書かれていたように、囁くようなセリフも、ぼそぼそと言ってるだけのようにしか聞こえない人がいて、その辺もイライラ(ただこれは、私も観た回が23日マチネだったので、他の方も書いていた妙な反応をするお客さんの影響があったかも)。運命に左右される4人、ロミオ、ベンヴォーリオ、ジュリエット、ロザラインの中では、私はもっぱらジュリエットの味方として舞台を観てました。
ブラインド・タッチ
オフィスミヤモト
ザ・スズナリ(東京都)
2018/03/19 (月) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
ラストシーンは魂を揺さぶられました。
ネタバレBOX
再審請求によって死刑から無期懲役に減刑され出所した左翼運動家篠谷が、獄中結婚した女性との人間関係を構築していく話。
ブラインド・タッチとは、篠谷が上野と組んでいたバンドの名前であり、鍵盤を見ないでピアノを弾くことであり、ピアノをむやみやたらに叩くように弾くことでもあるようでした。
左翼運動家としても中途半端、上野に合わせてピアノを叩いていただけの楽譜も読めない中途半端な音楽家という独白によって、評価を下げたというか首謀者の一人とされた男も普通の男だったのかと思いましたが、ラストの妻とのセッションは魂のこもった素晴らしい演奏で、やはり影響力があって権力側は恐れていたんだなと大いに裏切られました。
ロミオとジュリエット=断罪
クリム=カルム
スタジオ空洞(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
23日マチネの回(100分)を拝見。
ネタバレBOX
ロミジュリの基本設定・セリフ・登場人物を使った、オリジナルのストーリーだったが、単なる借り物に成り下がることなく、テンポ良く・わかりやすく・瑞々しい若さの溢れる舞台に仕上がっていたと思う。
役者陣。
個人的には、森本あおさん&高嶋友行さんの、劇団木霊のお二人が醸し出すフレッシュさに好感。
なお(自分がスピーカーのほぼ真下に座っていたからだと思い込んでいたが)他の方も指摘しておられたように、何人かの役者さんのセリフが不明瞭な場面が少なからずあった。ただ、これは声量ではなく、基礎的な発声の問題だと…(私は演劇の素人なので、以下略)。
あと、作品自体の話ではないのだが、上演中、ちょっと理解しがたいタイミングで声を出して笑う観客がおられ、大変、戸惑わされた。まぁ、こればっかりは文句を言う訳にもいかないので、運が悪かった、と諦めるしかないのだろう。
最後に配役を記しておく(※原作と設定の異なるキャラ有り)。
ジュリエット(キャピュレット家の娘)…能澤ゆかりさん
ロミオ(モンタギュー家の息子)…炬鉄刀さん
ヴェロニカ(殺されたローレンス修道士の後を継ぐ。ティボルトと恋仲)
…長田咲紀(おさだ・さき)さん
ロザライン(ロミオの片想いの相手だったはずが…。パリスの妹。ジュリエットの親友)
…森本あおさん
ベンヴォーリオー(ロミオの親友。当初はロザラインと恋仲だったが…)…高嶋友行さん
キャピュレット夫人(ジュリエットの母)…小沼枝里子さん
モンタギュー夫人(ロミオの母)…乃々雅ゆうさん
パリス(次期騎士団長候補。ジュリエットに横恋慕)…相庭奈美さん
マキューシオー(パリスの弟、ロミオの親友)…野中礼子さん
エスカラス大公(私見だが、このヒトさえしっかりしてたら、一連の悲劇わぁ…)…池田弘明さん
ティボルト(ジュリエットの兄)…安藤裕さん
ロミオとジュリエット=断罪
クリム=カルム
スタジオ空洞(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
そういう演出なのでしょうが、全編を通して囁くような台詞が多く、そのほとんどが聞き取れなかったのが残念で勿体無い。台詞の全てを聞き取れたのはエスカラスだけでした。。。