
ウィルを待ちながら
Kawai Project
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/07/04 (水) ~ 2018/07/18 (水)公演終了
満足度★★★★
芝居というのは実に不思議なものだとつくづく思う舞台だった。
作・演出は河合祥一郎。東大教授で、演劇現場でも活動し、いわば文武両道の演劇界の星である。知識があるうえに、頭がいい、感性も鋭い。この公演のパンフレット、作品意図など僅か五行で、完璧に言いえて(当たり前のようだが、現在の演劇界では稀有である)、隙がない。義父の故・高橋康也もすごかったから、父子二代日本のシェイクスピア受容のレベルを上げてきた。
だが、シェイクスピアの名セリフを織り交ぜて、ベケットのシチュエーションを借りた老年役者の二人芝居をアゴラで、と聞くと、いかにも学者のお遊びのような印象を受ける。豊富な知識を振り回し英語の通(ツウ)しか楽しめないスノブ芝居ではないか?
ふつうの企画だと、そうなるのが当然の成り行きであるが、この舞台は違う。田代隆秀(シェイクスピア・シアターから四季)と高山春夫(早稲田小劇場から蜷川作品)と、日本の特異なシェイクスピア作品を脇役で経験してきた老優二人が配役されていて、老いに直面したシェイクスピアの名場面を軸に、二人のシェイクスピア体験(が現代演劇史になっている)の楽屋落ちや裏芸まで織り交ぜながら、演劇と言うものがどのように書かれ、演じられ、受容されるかと言う事を、面白おかしく見せてくれるのである。いや、頭がいいと言う事はすごいもので、素材の整理は行き届き、それぞれのエピソードも奥の深い見事な本だとほとほと感心した。演出も作・演出だが奇手を弄さずオーソドックス。こういうシェイクスピア・ヴァラエティのような舞台は本場英国にもありそうだが、ちゃんと日本的にできているのである。
しかし、酷暑の午後のアゴラ劇場まで来る客は残念ながらうすい。観客も拍手はするが、シェイクスピアの世界に想像力を刺激され、感動したか、と言うとこちらも心もとない。もしこれが、日本演劇協会とか、シェイクスピア協会の余興に演じられたらどうだったろう。多分拍手喝采。絶賛。だが、それは河合祥一郎の作品の主旨とは違う。そこが演劇を実際に街中で舞台に上げる難しさ、不思議さである。
1時間45分。

【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」
壱劇屋
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/07/12 (木) ~ 2018/07/17 (火)公演終了
満足度★★★
劇団壱劇屋は、舞台芸術口コミサイトのこりっちの年間の「舞台芸術ベストテン」で2016年と2017年に1位を獲得した人気劇団、野次馬根性で観に行ってみた。関西が本拠地の劇団だが、東京には毎年公演に来ていて今年は5年目とのこと。
作・演出・殺陣が竹村晋太朗の『独鬼』は、主演も竹村だ。
台詞は無く、眩い照明と大音響の中で、初めから終わりまで激しい殺陣の応酬が続くという新感線も真っ青な派手派手芝居であった。
ずっと一人で生きて来た殺されても死なない鬼、彼は普通に生きることに憧れている。ふとしたことで託された赤ん坊の女の子と生きることになった50年の間に彼は何を思ったのだろうか。虐げられたものを守ろうと身を挺する女を救うため、鬼は止めどない争いの中に身をおくことになるのだが。
前売り券で最前列の席だった私は、派手な立ち回りで舞台を駆け抜ける役者の起こす風を身体で感じる。最初は台詞の無い中で何とか意味を探そうとしたが、人が殺し合う立ち回りのカッコよさについ見とれてしまった。残虐さや残酷な印象はなく、ハラハラどきどきの連続だった。
最終場面で鬼がもたれていた大木に、女と一緒に育ち後に鬼を狙う男が、女の簪で何かを彫りつけている。鬼の姿を彫って、最後に鬼は死ぬのかなと想像したが、彫りあがったのは、合掌する女の姿だった。
老いて女が死んでしまった後も鬼は生き続ける。派手なチャンバラ劇ではなく、なんか深いものを感じさせる。
アフタートークのゲストは、下北沢の本多劇場グループの本多愼一郎さん。台詞がなくても分かるので、海外公演もいけるかも等と言われていた。鬼役の竹村晋太郎が喋るとコテコテの大阪弁である。いつか下北沢の全劇場制覇を目指したいとのこと。
壱劇屋は2008年に活動開始なので、劇団創設10年である。その意気軒昂なところが何とも羨ましい。

ウィルを待ちながら
Kawai Project
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/07/04 (水) ~ 2018/07/18 (水)公演終了
満足度★★★
題名はゴドーを待ちながらのもじり、劇中にさまざまなシェイクスピアの戯曲の台詞が引用され、台詞が代わる度に世界観がクルクルと変化する様が楽しい、筈だ。
如何にも芝居を観つくしている東京のお客さん好みの芝居で、そもそもシェイクスピアの芝居を数えるほどしか見ていない私には、交わされる台詞がどの芝居のものかが直ぐにはピンと来ないのだから、けっこう疲れる芝居だった。
ただ、ドーバー海峡で自殺をしようとするグロスター伯(田代隆秀)と騙して助けようとする息子のエドガー(高山春夫)のシーンが繰り返し演じられ、ここは「リア王」の場面だと分かった。当人が飛び降りて死にたいと思うと、実際に飛び降りなくても死んでしまうのではないかと怯えるエドガー。虚構と現実はどちらが勝つのか?
舞台は終始、二人の役者だけの芝居で、キャッチボールのように紗王の台詞を言って作品名の当てっこをする場面では、有名ではないコアな台詞を言いあって勝ち負けを競ったり。
アフタートークは、役者二人と河合祥一郎とゲストの松岡和子の4人のシェイクスピア談義。小田島訳に馴染んだ田代隆秀がつい、以前の台詞が出てしまうなどと話していた。
調べてみると、シェイクスピアの訳者ごとにハムレットの台詞も、
福田恒存「生か死か、それが疑問だ」
↓
小田島雄志「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ。」
↓
安西徹雄(主に演劇集団円)「生か死か、問題はそれだ。」
↓
河合祥一郎「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。」
↓
松岡和子「生きてとどまるか、消えてなくなるか、それが問題だ。」
のように流行が移り変わってきている。今は、松岡和子訳が人気らしい。
芸術は細部に宿ると言うが、東京の観客相手でなければ上演されないであろう芝居だったということでは、いい記念になった。

夏の夜の夢
mild×mild
新宿スターフィールド(東京都)
2018/07/11 (水) ~ 2018/07/16 (月)公演終了

【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」
壱劇屋
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/07/12 (木) ~ 2018/07/17 (火)公演終了
満足度★★★★★
なんとも切ない・・・
武村晋太郎が良く寂寥感を出していた
大熊隆太郎の殺陣が冴えていた
村木よし子の表情がすべてを語っていた

たからモノ
おきあがりこぼし芸術祭
座・高円寺2(東京都)
2017/06/30 (金) ~ 2017/07/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
第2次世界大戦で、魚雷に乗り込み敵の艦隊に突っ込む「回天特攻隊」の若い兵士とその周りの人々の物語。 自分の大切な人たちを思う心はとても気高く、そしてとても悲しい。 悲しすぎて涙が止まらなくなった。 戦争を知らない世代だからこそ観て良かった

ナイゲン
ILLUMINUS
浅草九劇(東京都)
2018/06/12 (火) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
みんなで何かを作り上げるときの輝いた表情。 真っ直ぐにしか大切なものを守れない不器用さ。 高校生ならではのあの雰囲気は懐かしいし、羨ましい。 最後の怒濤のスピード感は圧巻だし、舞台の中にいると錯覚するかのような臨場感もよい。 一回しか観れないのが残念。

最初で最後の真夏のララバイ
チーム・ギンクラ
テアトルBONBON(東京都)
2016/08/03 (水) ~ 2016/08/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
最前列で観劇。至近距離でみる役者さんの動き、表情、言葉、涙に圧倒される。ライブならではの迫力に心は鷲掴みにされ、笑ってたはずが、涙を流してた。ストーリーは面白いし、役者さんは素敵。

365枚目のスケッチブック
チーム・ギンクラ
テアトルBONBON(東京都)
2017/01/09 (月) ~ 2017/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
観るたびに笑って泣いて暖かい気持ちになった。 才能とは夢を見続けること この1年をどう過ごすかが大事 失敗とは起き上がれないこと 楽しいお芝居からたくさんの大切なメッセージを貰った。家族と職場にいるたくさんの若い部下たちにこのメッセージを伝えたいと思ったし、自分自身も噛みしめて日々生活していこうと思った。 いつも素敵な舞台を見せてくれる檜山さんと22人の素敵な役者さんたちに感謝。

愛しのマーレ ~海の家、はじめました~
チーム・ギンクラ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
物の見方を変えること。やりたくないことをやらないといけないこと。 今までの人生で考えてきたこと経験したことと絡み合って後押ししてもらった気分。5回観てもまだ観たいなあ。

あまんじゃく!
チーム・ギンクラ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
「チーム・ギンクラ『あまんじゃく~いつかのあなたの物語~』 笑って笑って泣いて笑って。 テンポのよい軽快な笑いと、ストレートに胸を鷲掴みにされる熱演が絡み合い、優しい気持ちにさせてくれる、これぞギンクラ。 たくさんの人に観て欲しい。 誰が観ても自分ごとに思えます。

白浪の彼方に
山本制作所
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/07/13 (金) ~ 2018/07/16 (月)公演終了

半神
hanshin-stage 2018
天王洲 銀河劇場(東京都)
2018/07/11 (水) ~ 2018/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
久しぶりに「半神」を観た。
今回は中屋敷バージョン。
脚本がしっかりしているので色あせない。素晴らしい時間を過ごせた。
随所に野田らしいレトリックが散らばされてワクワクする。
傑作!

プロポーズ難民
ピヨピヨレボリューション
吉祥寺シアター(東京都)
2018/07/13 (金) ~ 2018/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★
ぴよレボ、進化してるなぁ。
ミュージカルとして質の高い作品になってきている。
話としては、ちょっとそれは、という部分もあるが
全体としては面白かった。
特に、オープニングとラストの歌は出色!

プロポーズ難民
ピヨピヨレボリューション
吉祥寺シアター(東京都)
2018/07/13 (金) ~ 2018/07/22 (日)公演終了

日本文学盛衰史
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2018/06/07 (木) ~ 2018/07/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
珍しく(!)大評判の新作本公演、楽日にぎりぎり間に合った。高橋源一郎の原作は、それぞれ四場の葬儀シーンで上演される。障子を開け放すと日本庭園が望める。葬儀場へ続く廊下の手間に弔問客のための膳が並ぶ広々とした大広間といった奥行きのある舞台。
一場は明治27年5月の北村透谷の葬儀、
二場は同35年9月の正岡子規の葬儀、
三場は同42年6月の二葉亭四迷の葬儀、
四場は大正五年12月の夏目漱石の葬儀、
終始舞台上に出ずっぱりの島崎藤村(大竹直)と田山花袋(島田耀蔵、女性弔問客の座布団に突っ伏す)が狂言回しで、場面が数年後の葬儀へと転換されていく。
森鴎外(山内健司)と夏目漱石(兵頭久美、付け髭!)以外は、役者が何役もの作家や女中、それぞれの喪主を演じている。これが楽しい。
錚々たる大御所の作家の若き時代、デビュー当時の衝撃なども面白い。作家の人間像を描くというより、当時の「心で思ったことをそのまま文章で描く」ための悪戦苦労振りがユーモラスに描かれ、近代文学史に疎くても、詩を捨てた藤村や、華やかな一葉、晶子の逞しさ、啄木や賢治の清新さなど、身近に思い浮かべることができ興味深い。綺羅星のごとく文壇の有名人ばかりがお喋りを交わす様子は、文学好きには堪らないかも。弔問客には近所の人も加わり、二葉亭四迷を噺家?なんて聞いている。
島村抱月や坪内逍遥(志賀廣太郎)が自由劇場で上演される翻訳劇の訳のことで揉めたり、女中たちが楽しげにカチューシャを合唱したり。
四場では一挙に戦後活躍する作家たちが登場、それぞれ胸に坂口、太宰、芥川、康成などの名札をつけている。一気にお芝居ごっこめいた雰囲気、スマホで集合写真をとる高橋源一郎も登場する。
職工でも小説を読む時代を望んだ作家たちの苦闘の果てに、小説家が長者番付に並ぶ時代を経て、読者はやがて細分化され自分だけの小説を書き始める。芝居はその先の、ロボットが書いた小説をロボットが読む近未来へ。私たちが獲得した日本語はやがてどこへ行くのだろう。
自分たちの「言葉」をもっと大事にしなければと思った。

お蘭、登場
シス・カンパニー
シアタートラム(東京都)
2018/06/16 (土) ~ 2018/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/07/16 (月) 14:30
千秋楽に3度目の観劇。キョンキョンのファンで一杯な印象だった。

プロポーズ難民
ピヨピヨレボリューション
吉祥寺シアター(東京都)
2018/07/13 (金) ~ 2018/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
歌と踊りがふんだんに散りばめられて、とても楽しい舞台でした。ところどころに女性のバチバチも露わにされて、女は怖い、絶対に勝てない…。
個性もしっかり描かれて、とても愛らしい女性達?でした。暑さを忘れさせてもらった2時間でした。

プロポーズ難民
ピヨピヨレボリューション
吉祥寺シアター(東京都)
2018/07/13 (金) ~ 2018/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
ピヨレポ感たっぷりの舞台でありました!タイトルとはかけ離れたオープニング、ありありの女子感覚、ド派手な歌と見応え有りのダンス、派手で目に楽しい衣装、そしてそして強力キャラだらけの出演者!どれもこれも魅力的!あえて難点言えば、男子が弱い。女子の添え物的な感じ。女子の強い存在に負けない男子欲しいところですねぇ。まぁそれがピヨレボ感なのかもしれないけど。次も楽しみにしております。

【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」
壱劇屋
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/07/12 (木) ~ 2018/07/17 (火)公演終了
満足度★★★★★
大阪公演も観ましたが、東京公演は殺陣もお芝居も演出も、無駄なく見応えガッツリになっていました。
狭い舞台上を走り回り殺陣をする迫力は、息つく暇なく素晴らしかったです。主役、男、刺客はもちろんですが、モブのみなさんの集中力は計りしれません。
舞台と客席の距離が近く、潤んだ目まで見えたのはたまらなく涙誘発されました。
またこの劇場規模で観たい作品です。