最新の観てきた!クチコミ一覧

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女の平和

女の平和

劇団櫂人(解散しました)

上野ストアハウス(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

 描かれているのは、スパルタの属したぺロポネス同盟とアテネを盟主としたデロス同盟との27年に及んだぺロポネス戦争の頃であるから、今から2200年以上も前のことになる。作者は、戦争に反対し続け、批判的な喜劇を書き続けたアリストパーネスである。(追記2018.6.1 03:08)

ネタバレBOX


 自分はもう数十年前に岩波文庫で今作を読んでいるが、今回の上演で使われている訳は佐藤 雅彦さんという方が10年程前に訳したものだという。分かり易い現代語の訳が選ばれ、シャチコバらず、エンターテインメントとしての本領を発揮しながら而も同時に本質的であるという作品に仕上がっているのは、櫂人の劇団員各々が原作の登場人物に近い実年齢の役者達で、演技が自然なこと、演出家の作品への本質的な理解が正鵠を射ていること、そして我々の生きている現代日本との橋渡しが上手くいったということである。
 無論、今上に挙げたことだけで、此処までバランスの良い作品となった訳ではない。冒頭、現代日本が戦争に巻き込まれそうな状況や世界の紛争が示唆されたり、今作の舞台が遺跡と看做され観光客らが訪れて写真を撮りあったりしている所からギリシャ時代に飛ぶという形で始められているなど、時代と空間の橋渡しが工夫されているばかりではなく、ぺロポネス戦争以前の戦争を戦った世代であるジジ、ババ世代が現にぺロポネス戦争を戦っている後代に対するコロスとなって登場し、而もコロスの役割である現実情況への距離を置いた観方や批評性を示すと同時に時には示唆するという役割すら与えられていることを最大限利用し、舞台上での現役世代VSリタイア世代という距離が、劇を観ている我々と2400年前の時代との距離の縮図であるという構成を為している。
 但し、アリストパーネスの凄さは、このジジババ達の関与は、彼ら、彼女らの合意も又、合戦紛いの舌戦を幾度となく繰り返した結果漸く得られた知恵であり、それが彼らの年の功という経験知を通して漸く後代に伝えられる賜物であるという点だ。ここにも、アリストパーネスの揶揄が潜んでいるとみるべきであろう。
 女たちの戦略は、講和が結ばれるまでは徹底的に、性の相方を拒む、ということであったが、アテネ側、スパルタ側何れも男共は、己の性的欲望の未遂に欲望を肥大させ既に爆発寸前なのであるが、この状態を極端に肥大化した陽物で表し、これが本人の頭や顔とごっつんする様で、何とも言えぬ陽性な可笑しさを現出させた演出は見事である。
 また、終盤、講和の為った祝いの席で、素面の時の外交をけなす弁とその論理はアリストパーネスの真骨頂を表し流石に古典として残るだけの作品であると感心させられる。全く古びていないどころか、改めてこの天才の尋常ならぬ才能を感じさせるに充分なのだ。実際、どんな科白がどんな具合に表現されるか。舞台で確かめて欲しい。
殺人ラヂヲ

殺人ラヂヲ

オフィスPSCプロデュース

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/05/22 (火) ~ 2018/05/30 (水)公演終了

満足度★★★★

役者さんは熟練を感じまして、秋本奈緒美さんの飛び入りも楽しめました。脚本はもう少しひねりといいますか、観客を振り回した方が タイトルやフライヤーから来るイメージと近いかも?次作も期待です。

Q学

Q学

田上パル

アトリエ春風舎(東京都)

2018/05/25 (金) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

興味深く観させて頂きました!教育現場と演劇 とでも言うべき内容かと。キャストもあの人が??みたいな配置もあり、演劇ファンとしても楽しめました。ちょっと気になったのが運営。地下の蒸し暑く狭い場所に開演前に10分間 早く来た客を溜め込む仕組みは??これがなければ、もう少しの高評価でした。アフターも楽しめました。

TRUSH!

TRUSH!

劇団6番シード

六行会ホール(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

記念公演に相応しい、お祭り感のある公演。意外に哀しいストーリーのバックボーンの陰の部分がパフォマンスの陽の部分を引き立てていているように思える、新しいことへ挑戦しつつも劇団員がしっかり主要な役を担っているのは当たり前なのかもしれないが安易な方向へ流れていないのでいい。

ネタバレBOX

メジャーな公演のパフォーマンスを軸にしたノンバーバルの芝居の不満点として「芝居としてお粗末すぎる」事があったが台詞があるからということもあるでしょうが今回はそんなことはなかった。パフォーマンスが完璧ではないとの批判も当然あることと思うが、うますぎるとダメな演出が入っているし、完璧を求めるのであれば映像作品を見ればいいコスパもいいし、いつでも同じことをしてくれる。金額に見合っているかとという観点においてはお値段以上だったと思う。
ケレン・ヘラー

ケレン・ヘラー

くによし組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/30 (水) 19:00

 國吉咲貴の作る芝居は、ロアルド・ダールの小説のような「奇妙な味」がする。今回は、不謹慎と笑いの境目に注目し、お笑い芸人の女子(三澤さき)に起こるさまざまな事件と、その周辺の人々のエピソード群で展開される。もう一つ、國吉の芝居には「語り手」がいることが多いのだが、今回は主人公が女性であるのに男性が主人公に成り変わって語り手をやっていて、それが終盤効いてくるように思う。「奇妙な味」を楽しんだ95分だった。

楽屋 -流れ去るものはやがてなつかしき-

楽屋 -流れ去るものはやがてなつかしき-

ZOROMEHA企画

梅ヶ丘BOX(東京都)

2018/05/28 (月) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/29 (火) 19:30

 一昨年の楽屋フェスティバルに近い企画だが、松岡洋子を観たくて、「ぐるっぽ・ちょいす」の回を観た。今更ながら、奥の深い戯曲だと思った。6ユニットが『楽屋』をほぼ同じセットで上演するのだが、一昨年のフェスティバルや他の公演と比べてみても、ポップな印象の上演だった。チェーホフの『かもめ』を上演してる楽屋という設定だが、本体の『かもめ』はどんな舞台になってるんだ、と思わせる作りが巧い。以前、女優Bと女優Dの作り方が巧いと思ったユニットがあったが、今回は女優Cと女優Dが面白かった。

TRUSH!

TRUSH!

劇団6番シード

六行会ホール(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

6番シード結成25周年公演の第一弾はウェスタン・ミュージカル・コメディである。前回の番外公演とは打って変わって、わかりやすさ、楽しさ全開となっている。

ここでは演劇の部分は他の方にお任せして(美少女)ミュージカルの部分に絞って書くことにする。()が付いている理由はお察しください(笑)。

特筆すべきはダンスカンパニー・チャイロイプリン(CHAiroiPLIN)からの4名の参加である。とくにエリザベス・マリーさんは役者の他に振付を担当し、清水ゆりさんはアコーディオンの生演奏とオリジナル曲の作曲を担当している。増田ゆーこさんも当然ダンスの指導をおこなっているだろうし、ミュージカル部分はCHAiroiPLINにほとんど丸投げになっているものと想像される。

出演者32名のうち21名が女性である。実は21名というのはAKB系の女性アイドルグループの選抜チームの人数と同じであり、普段TVなどで見ている彼女らの人数である。多人数による迫力がありながら個々のメンバーの動きが埋もれない、黄金の人数なのである。アイドルグループのダンスも昔はお遊戯だったが、今は一流の振付師がついて、その激しさに歌は口パクになるところまで行っている(行きすぎだが)。今回の振付も、そういう系統のもので、いくつかのパートに分けて細かく動きを付け、集合し、離散し、ダイナミックな動きを作り出している。衣装の統一感がダンスを引き立て、舞台の大きさもドンピシャリで高い完成度が楽しめる。また、この種のステージでは珍しくタップダンスが披露される。樋口靖洋さんのちょっと?なパフォーマンスで観客を不安な気分にさせ、最後に女性陣がビシッ!と締める構成もうまい。

生演奏をする楽団はアコーディオン+歌の清水さん、バイオリンの田村龍成さん、パーカッションの松下高士さんの3人である。清水さんには演奏者、歌手ではなくアーチストのオーラがあった。もっとも初日のせいか歌が一杯一杯になっていたようなところもあった気がする。田村さんは自由自在に余裕の演奏で祭りの主役であった。しいて注文を付けると、悪人どもをおとなしくさせるところではもっとベタで泣ける演奏にしてほしかった。松下さんはパーカッションとは言っても箱一つで迫力のあるリズムを叩き出していた(この箱はカホンという楽器らしい)。

衣装は映画でよく見るアメリカ西部開拓時代のもので、しっかり作られた舞台セットと相まって観客の気分を高揚させてくれる。

大正浪漫に踊る~天空を翔るハイカラ姫たち~

大正浪漫に踊る~天空を翔るハイカラ姫たち~

劇団Brownie

小劇場B1(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

大正ロマンの喜劇。ダンスもある。殺陣も良い。生演奏も良い。可愛い女の子もたくさん。エンタテインメントとしては面白い。でも喜劇は難しい。客席全体が笑えるようになるまで、少し時間がかかった。初日だから仕方ないか。しかし芝居としては、もう一段上を目指したい。時代活劇なら、時代を感じさせなきゃ。これ、現代ですよ。せっかくの生演奏も名曲をつなぐだけ。場面との関連が今ひとつ分からない。でも、休憩無しの上演時間は適切。十分、楽しめましたよ。

あたしのあしたの向こう側

あたしのあしたの向こう側

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

前回の公演も見ていますが、今回の劇場でさらにぎゅぎゅっとおもしろくなりました。登場人物たちに説得力が増した感じです。もう1回見に行きたいです。
想像力をフルにフルに駆使して自分の見たいものを見たいように見る・・・と言うのは某劇団主宰の言葉ですが・・・

ネタバレBOX

8人の私がそっくりに見えて来ます。どこかで違う道を選んだ私が、悲しいことになっていないといいなと思えます。
Last Night In The City

Last Night In The City

シンクロ少女

ザ・スズナリ(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

歳の離れた友達を救えなかった、大切な人を失った、あの町の辛い思い出。それを乗り越えようとする時、そばには支えてくれる人が。上半期暫定1位かも。五味のキャラクター、夏木マリかよといった馬鹿馬鹿しさも素晴らしい!

Last Night In The City

Last Night In The City

シンクロ少女

ザ・スズナリ(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

最近のサラリーマンは水曜は基本的にノー残業デーなので夜のお芝居はありがたい。それでも残業を強いられるところは日本らしいところではあるが・・・。

おかげで劇場に着いたのは開演五分前で、夕飯の「ゆ」の字も食べていない状態。空腹のまま席に座り、終わってからゆっくり食べようと考えていたら「上演時間は2時間20分です」という拷問のような言葉。

ウソでしょ・・・空腹じゃなくてもその時間はきつい。

そうこうしているうちに始まったお芝居は何年ぶりかにこういった芝居をまともに観る自分には少々難解で・・・ああ、もうダメなら途中で出ようと・・・

と思っていたところが徐々に物語に入り込みのめり込み始め、2時間20分はあっという間に過ぎていた。

ネタバレの無いように内容については書かないが、とても良くできた話で、最後には目頭が熱くなった。

使用されている曲も大好きなものだったのでとても良かった。楽しめた。

六畳一間の唇

六畳一間の唇

こわせ貯金箱

甘棠館show劇場(福岡県)

2018/05/29 (火) ~ 2018/06/01 (金)公演終了

満足度★★★★

かなり面白かった!!! まさかの役者川口も観れたし幸せ♪
若いっていいね。ガラパを初めて観たときを思い出した。

誓いはスカーレット

誓いはスカーレット

劇団どくんご

北越谷駅前特設犬小屋テント劇場(東武スカイツリーライン北越谷駅西口)(埼玉県)

2018/07/04 (水) ~ 2018/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり引き込まれた~
この非日常感が半端ない!舞台も良かった。哀愁があった。

はこぶね

はこぶね

劇団おおたけ産業

新宿眼科画廊(東京都)

2018/05/25 (金) ~ 2018/05/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/30 (水) 15:30

今回は凄い。ダウナーな話ながらギリギリのリアルな繊細さ。「迫害ですか?!」
もう一度観たいが千秋楽だったのが悔やまれる。今年面白かった演劇ランキングトップレベル
キャストも少なくないのに芝居全体の雰囲気を全員壊すことなく上手く出来上がっていると思う

ネタバレBOX

冒頭宗教の円陣と勧誘シーンから始まり「あ~今回はそっちに寄せて来たかー」と少し穿った見方を始めてしまった。もっさりとした緩い世界で、でも世界は破滅するらしく、神の声が聴こえる太郎くんの寝癖とパジャマが最高で、藤原さんは当たり役だった。
お姉ちゃんは雑でいながらにして、とっても弟想いで、でも雑な感じがまたいい。地味に可愛らしい。
ある意味神を越える存在。彼女の「面白半分で皆を集めてみた」というのも愛だし。でもそこは母でなく姉で、微妙な距離感がまた面白いし、リアルに描き出せていたと思う。
高畑勲監督の平成狸合戦ぽんぽこの後半の面白さを「組織が崩壊していく様をリアルに描いた」との評があるが、今回このはこぶねという作品を観ながら思い出した。
はこぶねに乗っているのは太郎なのか。あるいは太郎と姉なのか。あるいは太郎と信者なのか。
太郎が結局世界の終わりとか言いながらしょーもない恋愛にほだされるのもとても良い。
メシア、ガーディアンと言い始めたメガネちゃんが信じるものを欲しがっているリアルさ。メシアの肉親に食って掛かる上に友人をサタン扱いする様は絶品でここら辺でこの台本が何をやりたいのかやっと見えてくる気がする。
友達が逮捕され勤め先も失った姉がまたあっけらかんとしてる感じもとても良い。揚げる前の春巻きの具だけ友達達に渡すの声をあげて笑ってしまった。
太郎くんがゲーム三昧の人生に戻ったのか戻りかけたのかもいとをかし
「グルは印象悪いかな」「心のストレッチ」「ヨガが元に」とかで某破防法適用団体に直結していとをかし
変化舞踊

変化舞踊

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2018/05/26 (土) ~ 2018/05/26 (土)公演終了

満足度★★★

舞踊は大好きです。習ったことは無く観るだけの私。観客の多くが舞踊習ったことがありそうですけど。そして長唄も大好き!こちらも習った経験なしの聴くだけ素人ですけどね。

あたしのあしたの向こう側

あたしのあしたの向こう側

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

トツゲキ倶楽部「あたしのあしたの向こう側」
とても良かった。
一つ一つの言葉が重いけれど楽しい。
楽しみながら元気がもらえるようなお芝居です。
あっという間の105分間だった。(⌒_⌒)

ルドルフハケン室内楽コンサートinTokyo

ルドルフハケン室内楽コンサートinTokyo

西谷国登リサイタル

大泉学園ゆめりあホール(東京都)

2018/05/22 (火) ~ 2018/05/22 (火)公演終了

なるほど作曲者のハケンさんの意図ならしかたありませんね。
でも凄い拍手でしたよね。あの三人の演奏なら当然ですね。

ところでハケンさんと西谷さんの足元にあった機材って何でしょう?
エレキギター用のコンパクト・エフェクターみたいな外観でしたが。

はこぶね

はこぶね

劇団おおたけ産業

新宿眼科画廊(東京都)

2018/05/25 (金) ~ 2018/05/30 (水)公演終了

満足度★★★★

このお芝居で描かれた「家内制手工業」的な新興宗教のお話を、たしか筒井康隆の小説で読んだような気がするのだけど、なんてタイトルだったか思い出せない・・。
筒井康隆の小説から毒気を抜き、アットホームにしたような雰囲気。
漂う不穏な気配は日本のラジオっぽさがありつつも、マンガ「働かないふたり」のようなほのぼのした感じもあって、ユニークだった。

はこぶね

はこぶね

劇団おおたけ産業

新宿眼科画廊(東京都)

2018/05/25 (金) ~ 2018/05/30 (水)公演終了

満足度★★★

何気ない集まりが、段々と新興宗教色を帯びてくる。ある出来事によって人々の生身の人間臭さが浮き彫りになってくるブラックユーモア。
(上演時間1時間25分)【Bチーム】

ネタバレBOX

素舞台、ときどき腰高の棚のような所に座るなど単調にならないような工夫が観られる。場内は明るい淡色で、現実感・生活感がなく浮遊感に包まれている。シーンに応じて衣装を変えるなど、室内に変化がないだけに観せる工夫は好かった。

物語はヨガまたは精神修養の教室のような集会に連れて来られた女子大生・鳩山(石井智子サン)が戸惑いながら、言われたポーズをするところから始まる。この冒頭シーン、数人に囲まれ強要ではないと言われるが暗に断れない雰囲気にさせるところは、新興宗教の勧誘を連想させ面白い。その光景を後押しするように、タイトル「はこぶね」に絡め旧約聖書の「ノアの箱舟」が朗読される。雰囲気は宗教色を帯びているが、実際は友達感覚の緩い集まりである。たまたまリーダー的な男・庵野タロウ(藤原拓弥サン)が人の前世が分かるという特別な存在として描かれる。グループ内の女・烏丸(西出結サン)がタロウを教祖のように別次元へ押し上げようと「メシア」「ガーディアン」などと言う独特な呼び方を始める。一方「グル」など別の呼び方をする者も現れ、チグハグな会話が緩い笑いを誘う。

鳩山は自分が見る夢とタロウがいう自分の前世がリンクしているようで、気になっている。タロウと2人で外出・散策しながら聞きだす姿がデート・恋愛に発展しているように誤解される。鳩山の友達感情と烏丸がタロウに抱く特別な存在の感情、鳩・烏の白黒感情が衝突したときに、不可解な感情が沸き起こり「悪魔」呼ばわりになる。普通に存在するようなグループが何かの拍子にカルト集団に変容する。それは判断、決断しない人々が回りの環境、状況、または風潮、雰囲気といった抽象的な事柄で流されてしまう危うさ、怖さを面白く観せている。

内容的には面白いが、籠められた”思い”のようなものがフワッとしてインパクトが弱く感じられたのが勿体無かった。好みとしてはもっとエッジが利いたほうが良かった。
次回公演を楽しみにしております。
纏者の皿

纏者の皿

フロアトポロジー×ヒノカサの虜

ギャラリーLE DECO(東京都)

2018/05/22 (火) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/27 (日) 13:00

価格5,500円

それを食べればその人になれるという夭逝したアイドル/女優・杏仁京子の肉にまつわる中編・短編各2本、千穐楽の赤・白通し上演(休憩込み3時間弱)を観劇。
基本設定があまりにもブッ跳んでいるために(笑)具体的なイメージが定まらずあれこれ想像(妄想?)を強いられる上に脳を損傷した患者に身体を失った患者の脳を移植した時のアイデンティティ問題、人魚伝説、ルパンvsクローンなどがアタマの中を駆け巡り、さらに時制が前後するので脳内で時系列的に並べ直したりでアタマの大運動会、みたいな?(笑)
こんな風にあれこれ考えながら観るのもまた楽しい。

最後を飾る短編・白は「愛する人を蘇らせたい」という切ないオンナゴコロがフィーチャーされてイイね、と思ったが、考えてみればそれ、ホラーやモンスター物の定番だったという。(笑)

なお、5月に上演された芝居のうち観た範囲内の2本にアイドルグループの解散ライブ場面が入るという小劇場シンクロニシティあり。

(以下、ネタ集(爆))
【笑ゥせぇるすまんver.】
喪黒福造「貴方、あれほど心臓だけは残しておきなさいと申し上げたのに食べちゃいましたね。それほど好きなら今後は杏仁京子として生きなさい、ドーーーン!」

【「ルパン三世 ルパンVS複製人間」的考察】
オリジナルの杏仁京子の心臓を食べた新・杏仁京子、の心臓を食べた3人目の杏仁京子、の心臓を食べた4人目……と続けているうちに次第に劣化したりしないだろうか?(笑)

【養殖杏仁京子】
なんならチンパンジーとかに心臓を喰わせて作った「養殖杏仁京子」とかも出てくるのではないか?(爆)

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