満足度★★★★★
6番シード結成25周年公演の第一弾はウェスタン・ミュージカル・コメディである。前回の番外公演とは打って変わって、わかりやすさ、楽しさ全開となっている。
ここでは演劇の部分は他の方にお任せして(美少女)ミュージカルの部分に絞って書くことにする。()が付いている理由はお察しください(笑)。
特筆すべきはダンスカンパニー・チャイロイプリン(CHAiroiPLIN)からの4名の参加である。とくにエリザベス・マリーさんは役者の他に振付を担当し、清水ゆりさんはアコーディオンの生演奏とオリジナル曲の作曲を担当している。増田ゆーこさんも当然ダンスの指導をおこなっているだろうし、ミュージカル部分はCHAiroiPLINにほとんど丸投げになっているものと想像される。
出演者32名のうち21名が女性である。実は21名というのはAKB系の女性アイドルグループの選抜チームの人数と同じであり、普段TVなどで見ている彼女らの人数である。多人数による迫力がありながら個々のメンバーの動きが埋もれない、黄金の人数なのである。アイドルグループのダンスも昔はお遊戯だったが、今は一流の振付師がついて、その激しさに歌は口パクになるところまで行っている(行きすぎだが)。今回の振付も、そういう系統のもので、いくつかのパートに分けて細かく動きを付け、集合し、離散し、ダイナミックな動きを作り出している。衣装の統一感がダンスを引き立て、舞台の大きさもドンピシャリで高い完成度が楽しめる。また、この種のステージでは珍しくタップダンスが披露される。樋口靖洋さんのちょっと?なパフォーマンスで観客を不安な気分にさせ、最後に女性陣がビシッ!と締める構成もうまい。
生演奏をする楽団はアコーディオン+歌の清水さん、バイオリンの田村龍成さん、パーカッションの松下高士さんの3人である。清水さんには演奏者、歌手ではなくアーチストのオーラがあった。もっとも初日のせいか歌が一杯一杯になっていたようなところもあった気がする。田村さんは自由自在に余裕の演奏で祭りの主役であった。しいて注文を付けると、悪人どもをおとなしくさせるところではもっとベタで泣ける演奏にしてほしかった。松下さんはパーカッションとは言っても箱一つで迫力のあるリズムを叩き出していた(この箱はカホンという楽器らしい)。
衣装は映画でよく見るアメリカ西部開拓時代のもので、しっかり作られた舞台セットと相まって観客の気分を高揚させてくれる。