最新の観てきた!クチコミ一覧

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La Mère 母

La Mère 母

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/04/05 (金) ~ 2024/04/29 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★

久しぶりに二日続けての演劇鑑賞。それも格調高そうな交互上演の2作品なので期待大だった。しかし昨日の息子の方はまあ普通だが今日の母にはガッカリ。演出の都合上内容が薄いのは仕方がないがそれにしてもこちらの想像を一歩も出ないストーリーには呆れてしまった。

まあこんなストーリーで商売が成り立つのはフランスの事情なのだろう。チェーホフの描く没落貴族の贅沢な悩みと同じだ。木戸銭を払うことのできる階層相手に商売をしているわけだ。日本のお父さんは家庭内の居場所は早々に失い、定年で会社という居場所も失うという悲惨な状態なのだが、彼らは演劇なんか観ないので芝居になることはない。そしてこんな母よりもっとたくましい(=鈍感ともいう)。

若村麻由美さんの熱演がかろうじて芝居の形を作っていた。それでようやく☆3つ。

電撃メトロ

電撃メトロ

ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/04/13 (土) 13:00

内戦勃発により国別に設置された地下鉄の駅内のシェルターに避難した日本人たちの物語。第一幕ではシェルターでの様子、第二幕では内戦終息後の各人物を描いているが、昨今の世界情勢から妙なリアリティを感じさせる。
そして終盤の「あの台詞」はずっとそうあって欲しいという堤さんの願い/祈りと受け取ったが、それが痛烈な皮肉に聞こえてしまう現状……。まさにイマの世界(特に日本の)情勢に警鐘を鳴らす意欲作と言えよう。

ネタバレBOX

終盤の「あの台詞」とは「日本という国は戦争をしないし日本人は優しくて思いやりがある」というもの。
哀しいかなこれが痛烈な皮肉に感じられてしまうイマの日本の姿……
朗読劇「Aiと命」

朗読劇「Aiと命」

WizArt

Art Live Space 「Special Colors」(東京都)

2024/04/13 (土) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 朗読劇である。尺は約1時間。全3回公演の楽を拝見。

ネタバレBOX

 板上はホリゾントセンターに大型スクリーンを据えて人間の歩んできた各時代の景色等を映写で示し、スクリーン手前にセンターを開けてカキランを配しハの字に重ねた平台の上に2人掛けのソファを1つずつ配してAI役が2体ずつ腰掛ける。時代設定は数世紀後、人類は既に死に絶えんばかり。無論、戦争のあからさまな結果故である。登場するのはサイボーグ化した身体に人間の意識を移植し数百年を生きる最後の人間・カキランと第1世代から第4世代迄のAI達。AI達は何れも不死を獲得している。そして皆、寿命を持っていた人間、戦争という愚かな行為を繰り返しつつも各々が生きていた意味について思考していたことの意味について検証する為に転生するカキランの生の軌跡を追って答えを得ようとする。
 即ち物語は不死を獲得したAI達が持った疑問を検証する為に二足歩行をするようになって脳が肥大化し狩猟・採集によって生きることを可能にした人類文明の黎明期からシュメールを始めローマ等数々の文明を生き死んでいった人間の有様を通して死が思考に与える影響を考えるという体裁を採っている訳だ。
 尺が短いことも、恐らく脚本家が若過ぎることなどもあり、AI各世代の性能による人間評価の差異というよりは、女の子の形をしたAI個々の性格の差異という観点からしか描かれていないように観えたのは残念。また、人間のように感情を持つようにプログラムされた後代AIが不死を得て退屈という怪物に悩まされずに安穏と日々を送っている点などにも疑問を覚えた。また、転生を繰り返すカキランにはシュメール文明を立ち上げたキャラとして活躍することなども織り込まれるが、このようなことができたのはAIが時代を遡って関与した結果であることを示しながらタイムパラドクスについての顧慮も無い点は問題だろう。
 AI役の4名の内、音響に負けて台詞が聞き取れない役者が2名いたことも残念である。この辺りは全3回の公演とはいえ演出家がキチンとダメ出しをして音響を抑えるなり、台詞を大きな声で言わせるなり対策を施すべきであった。
電撃メトロ

電撃メトロ

ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

SSチーム千秋楽観劇。
1幕はあまり乗れず。危機的状況の中で心理的軋轢の描写がもっと欲しかったなというのが正直なところ。
秩序を乱す存在と受け取ったテントの男、もっと暴れても、、、と思う。
ある意味、日本人的倫理観を象徴していたのかもしれないが。
一転、2幕は面白かった。
戦後の闇市の未来版とでもいうか、人々のエゴが見え隠れするストーリーに引き込まれた。
結局、だれも救われずに終わるかに見せかけて、最後の歌ですべてを持って行った感じ。胸熱くなった。
松子の存在がかなり異質というか空気読めない系の人物だったが、社会情勢に無関心、何事にも受け身な日本人の暗喩として物語全体のキーパーソンだったのでは?と思った。
外れているかもだが。

さよう、ならば、また、

さよう、ならば、また、

時速246億

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/04/13 (土) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

初日さようチーム観劇。
青春ファンタジーで既視感あるも小劇場らしい展開でまずまず満足。世代間ギャップネタ、ベタだけど笑える。
ただ、ライトすぎるというか、テーマといえる「接続の物語」やプロローグとエピローグの繋がりが少し薄い感じが気になったかな。

アイドルは AT 車に限る

アイドルは AT 車に限る

怪奇月蝕キヲテラエ

新宿眼科画廊(東京都)

2024/04/12 (金) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

劇団名からは想像できないストレートな作品。
だが、理解はできるが共感できず。所詮アイドルは偶像に過ぎないという冷めた人間なので…怒られそう。
とは言え、藤真さん、平安さん、荒井さん見たくて行ったというこの自己矛盾。

那須塩原とか宇都宮とか、元県民なので何となく嬉し。

ひぐるま、ゆもとが中心なのは当然として、アイドルと一般人どちらの感覚も持ち合わせている感じの那須娘がいてこその話かな。
2人の演技、良かったなと。

マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」

マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」

ホリプロ

東急シアターオーブ(東京都)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

新たなジャンルの舞台を拝見しました。
台詞は全くありませんから、あらすじ読んであとはステージを見るだけです。

こういうものはどれも好みだと思いますが
個人的にはかなり高得点のステージでした。
台詞がたくさんなのも大変かもしれませんが
全く台詞がなく全て身体表現っていうのも物凄い大変でしょうね。。。
1つ間違えたら大ケガをする事になってしましますから

外人好きという方では無いと思いましたが
隙のない構成、ダンススキル、人形の様に美しいキャストと満足感は高いと思います。
台詞好きには勿論勧めませんw

悪童日記【4月15日夜~4月16日公演中止】

悪童日記【4月15日夜~4月16日公演中止】

サファリ・P

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2024/04/12 (金) ~ 2024/04/16 (火)公演終了

満足度

名前が少しとおってルからといって、この対応は観客を小バカにしていて、コロナ経験を全く生かされていない…😢最低な劇団

ネムレナイト

ネムレナイト

大人の麦茶

ザ・スズナリ(東京都)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

ふんわりと始まったのに、知らないうちに複線回収だぁ、と気付いて、あ、あれがあーなってと思っているうちに
互いに思い合っている気持ちがわかり合えない、伝わらない、叫びに涙した。
思い合う気持ちって、素直に伝えられない、伝わらない。
これは神様、仏様のいたずらか?

さよう、ならば、また、

さよう、ならば、また、

時速246億

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/04/13 (土) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/04/13 (土) 18:00

座席1階A列10番

価格8,800円

2チームあるうちのさらばチームの初日を観劇。
地縛霊11人と生きながら彼らたちと交流を結ぶJKのお話。
様々な理由で死に至り、高校の屋上を住みかとする地縛霊たちは、やがて来る廃校の日と取り壊しでよりどころを失うことに。
ヒロインでJK役の道本成美さんとその友人で行きながら霊たちと交流するJK役の横室彩紀さんが特によかった。

ネタバレBOX

繋がることで生きる価値を知り、いつか別れの時が来てもそれは次の出会いのための一歩、が作演出のメッセージではないかと。一人だけ霊ではないキャラ(横室さん)が存在するのは、廃校で霊たちが別れ別れになっても、彼女が生きている限り、霊たちの思いや彼らのつながりの強さは記憶として残るから、か。
暗い影を纏う役が多い横室さんの新たな面が新鮮でした。
道本さんが霊たちとのかかわりを深めていく過程が無ければ、この物語は成立しないでしょう。
今作で舞台デビューされたふたろさんは、デビューとは思えない演技でした。素晴らしいです。
デカローグ1~4

デカローグ1~4

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/04/13 (土) ~ 2024/05/06 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★

またも新国立劇場の意図不明の上演である。しかも超大作。見終わるには三日、観客は劇場に通わなければならない。「エンジェルス・イン・アメリカ」や「グリークス」に習ったのだろうが、このAを見ただけで、この連作ものを上演する意味が疑わしくなる。
まず、これはポーランドの庶民劇である。先の「エンジェルス・・」も庶民劇で、時代の象徴性があるではないかと言うだろうが、それは牽強付会である。このポーランドの市民集合住宅にも時代の風俗はあるが、時代のテーマがない。それを無理矢理超大作にして遠く離れた極東の国立劇場が翻案する意味がわからない。ならば、三十年前のポーランドの世界に、現代の日本を考えさせるようなドラマがあるか。
二つ、原作は映画である。監督作品と言っているからシナリオと言うより、映画であろう。あまり話題にならなかった映画だが、それなら映画を見れば十分である。映画は映像のリアリティで、内容を保証している。舞台にはそれを超えるリアリティを持たなければ態々、極東の國で翻案戯曲化する意味がない。そのための工夫が全くと言ってよいほどない。前世紀に非常に複雑な歴史体験をしたポーランドの市民劇を、多分、物珍しいだけで「エンジェルス・・」に形だけで匹敵できると考えている安直さが見えてしまう。せめて既にポーランドで戯曲化されている作品の翻訳ならまだ解るが、國を渡る難しい翻案を、まだ経験も少ない若い台本作者に課すのは酷ではないか。責められないが、翻案の意図が読めない脚本である。三つ、二人の演出者の交互演出というのも解らない。十分に冒険的な企画であるが、それなら、一人の演出者が通すべきで、歌舞伎のお披露目ではあるまいし、任期がきて変わる新旧芸術監督が連続演出するというのは、観客を愚弄しているとしか思えない。観客の方は、もう、新旧両演出家の資質がまるで違うことをよく知っているからである。
最初の二つのエピソードの公演には以上の危惧がそのまま出ている。
まだ開いて三日ほどだから、いつものように半分も入っていないという事態ではないが、こういう超大作をやる劇場の熱気がまるでない。次期芸術監督には、まずは貸し館しか客の入らない劇場に演劇の熱気を取り戻して欲しいと期待する。。

デカローグ1~4

デカローグ1~4

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/04/13 (土) ~ 2024/05/06 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/04/14 (日) 17:30

A(1,3)を観た。淡々と人生を描く作品。どんな意味があるかを考える。50分(20分休み)47分。
 ポーランドの映画をベースに舞台化。1980年代の後半、ワルシャワのアパートに住む10の家族の物語を、10本の作品で淡々と描いたらしい。1「ある運命に関する物語」は言語学教授の父と、12歳の息子、そして叔母の物語。ある意味で日常を描くが、とある事件で…、の展開。3「あるクリスマス・イブに関する物語」は、タクシー運転手の男がイブに家に帰ると、元の恋人が来て…、の物語。どちらも、ちょっとした事件は起こるが、どこでも起こりうるかも知れない物語。これを映画で観るのと、舞台で観るのとでは、印象が違うと思うが、舞台化した意義は、とか考えてしまった。演劇的なクオリティは極めて高い。

ワイルド番地

ワイルド番地

ホチキス

あうるすぽっと(東京都)

2024/04/05 (金) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ぶっとんだ設定でパキパキと話が進み、あっと言う間に終わってしまった。
信念のぶつかり合いが熱く、役者さんたちの全力がひしひしと伝わってきました。
あ~満足満足。

Le Fils 息子

Le Fils 息子

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/04/09 (火) ~ 2024/04/30 (火)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

昨年だったか、隣の席に座った見知らぬ老婦人に話しかけられたことがあった。岡本健一さんの名前が出て、私が思わず「(彼は)若いのに…」みたいなことを言うと「違いますよ」と笑われてしまった。ええ?と思ってすぐ気がついた。私の中では彼はいまだに男闘呼組のギタリストなのだ(オイオイ)。その岡本さんも今では54歳、共演できる息子(岡本圭人)さんまでいるとは。

その健一さん演ずるお父さんピエール、繊細で尊大な息子テスラ(圭人)に思いっきり苦しめられる。そして離婚した元嫁にも悩まされ、夜泣きする赤ん坊の世話で寝不足になり、良好だった今嫁との関係もどんどん悪くなっていく。それに加えて職業は弁護士で大統領候補の政策案策定にも関わることを要請されているという。

いやあ大変だ。昭和の日本のお父さんならこんな息子は母親任せで知らんぷり(そして全責任を母親にかぶせる)か2-3発ぶん殴るとか押し入れに閉じ込めるとかで終わりなのだ。兄弟姉妹もいるので一人だけ駄々をこねても相手にされないし、近所にも子供がうじゃうじゃいて孤立しにくいという事情もある。しかし、欧米のお父さんはただひたすら家族を愛する。そういう相互依存の関係が悪いんじゃないのか、親も子も自分の中で完結してよというのが私の感想だ(異論多数は承知)。

素に戻るときが時々あったような健一さんに対し、常に小さな精神崩壊のエネルギーを放出している圭人さんの演技には怖くなることもあった。そして唐突ながら、影絵風な暗転が美しい。しかし、2018年にパリで初演、と新しい割に内容は通り一遍で深みに乏しい。そう感じるのはこういう若者のことに関しては日本がずっと先を行っているからだろう。

世迷子とカンタータ

世迷子とカンタータ

9-States

駅前劇場(東京都)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/04/13 (土) 19:00

価格4,300円

前作「みんなのえほん」から2度目の観劇と巡り合う事が出来ました。
9-Statesらしい陰の部分と日常の暖かさや笑いのエッセンスを取り込んだヒューマンドラマです。
今回はけやき峠温泉にある旅館「湯鳥」で働く従業員、西野海斗の心の葛藤を視覚的に舞台転換や照明などで効果的に表現した当劇団の十八番とも呼べる作品。
今回も出版に関する内容で大きく展開されていく人間模様…序章~終盤に至るまで、少しづつ散らばった言葉のピースが頭の中で嵌っていくのは楽しいです。
20周年おめでとうございました!!

ネタバレBOX

今回の表紙デザインも好みの出来栄え!グッと期待感が高まります♪
役者陣は個性派揃い。各々が色んな色を持ってて分かりやすい。
前回もそうでしたが、チケットがステッカーになっているのもお気に入りだったりします。

個々で観ると舞台セットもテロップも、突然始まる歌謡演出や照明効果も一つ一つ丁寧で
良作なのですが、いまいち2時間10分の公演に没入していく集中力が、私にはなかったです。
これは舞台ドラマとしての日常が、やけに遅く感じて平和ボケしてしまうから?と考えます。
肉付けしている感…と言えばいいかな。過去が深堀りされていき、文芸部との決裂に至るまでの経過が長い。旅館での出来事(小川家のくだりとか)は削って、代わりに小説の内容や魅せ場(旅館らしい歌唱や踊りなどのパフォーマンス)を増やして、観客側の視点を逸らす演出も有りかなと思いました。
「泡が消えない」

「泡が消えない」

どんぐり企画

難波サザンシアター(大阪府)

2024/04/13 (土) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

若い人が求めるピュアラブスト
オッサンには歯がゆいけど、同年であれば、共感すると思う
本当にこんなグループいんの?と思いながら、展開
ちょっと現実場馴れしないいて、オッサンには理解不能
にむん

生命のぬくもり

生命のぬくもり

劇団往来

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

松竹系の泣かせる内容 吉本よりも松竹の方が歴史があるとは…
無医村に迷い込んだ尊厳死を重視した医者と、村人で繰り広げられる信頼構築の話
吉本新喜劇よりも数段上の泣かせる話 今後の松竹に注目
前半のイベントも充実 本編が更に楽しめた‼️内容もひねりは無いが、楽しめます‼️

世迷子とカンタータ

世迷子とカンタータ

9-States

駅前劇場(東京都)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
寂れた温泉街、閑古鳥が鳴く旅館・湯鳥を舞台にしたヒューマンドラマ。物語は、温泉街 旅館の活性化と街興しに絡んでの人間再起が交錯して展開していく。人の再起に関しては、それぞれの考え方 生き方を問うようなもの。表層的には面白可笑しく描いているが、地域興しや人への思いやりを通して、古き良き時代?を思わせる。

9-Statesの特長ともいえるモニターを活用した演出…言葉の持つ<力>を台詞と文字で聞かせ そして見せる。少し哲学めいているが けっして世迷言ではなく、心に刺さるような味わいがある。すぐに物語の内容や人物に準えて理解することは難しく、後になって反芻するようなもの。

物語は、生きることに疲れた男 西野海斗が主人公、そして彼をめぐる個性豊かな人々との交わりを通じて人の喜怒哀楽を高らかに謳う。誰彼が善・悪でもなく、人それぞれに立場や事情がある。それは本音でぶつかり合うことで解る、理屈ではそうなのだろうが そう簡単ではない。そんな問いかけ をするような描き方である。そこに この公演の強かさがある。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、旅館 湯鳥(ゆとり)のロビーといったところで、中央に帳場、その横奥は別場所へ通じる階段。上手は玄関に通じる通路---障子、暖簾、雪洞そしてベンチが見える。下手は少し高くし和室---卓袱台や座布団、更にその横に厨房へ通じる通路がある。上手下手の上部にモニターがそれぞれ設置されている。

物語は温泉街の復興と人間の再起…閑古鳥が鳴く旅館だけに出入りする客は一組の家族だけ。それ以外の多くは旅館の従業員。そして温泉街の活性化のために企画したのが小説の舞台になった この温泉地の聖地巡礼。その小説家の創作に係る考え方や生き方が旅館の人々ひいては温泉街の復興に絡んでくる。

小説家として名を馳せているが、実は当人ではなくペンネームを拝借している 全くの別人。自分の書きたい題材では売れない=小説家としての存在が認められない。一方、世間が求める題材と自分が書きたい題材とのギャップに悩み苦しむ。すべて編集者の言いなりで良いのか自問自答するが…。

温泉街の人々VS 小説家と編集者の双方の思惑が錯綜する。旅館の従業員 西野海斗(瀬畠 淳サン)は、元編集者でありペンネームを無断使用されていた小説家の担当であり恋人であった。小説家としての(自分)才能と世間の評価の狭間で悩む姿に人間らしさを見ることが出来る。結局は、世間に流されることなく自分自身を見失わないこと らしい。
次回公演も楽しみにしております。
パレードを待ちながら

パレードを待ちながら

兵庫県立ピッコロ劇団

ピッコロシアター 中ホール(兵庫県)

2024/04/12 (金) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

昨年、他劇団ではあるが、上演され名高い賞を受賞した今話題の演劇であります。ストーリーはわかっていたが、劇団と演出が変わるとこれほど変化するものなのか、と驚いた演劇でした。

現代の戦争に見立てることは我々観客のなすべき姿勢であろう。最近続いている戦争の気運がどうしても気になり、この劇の時代である第2次世界大戦とは思えぬ背景と彼女たちの心根がずしんと我々の心に引っ掛かり、重くのしかかる。

ラストのパレードは彼女たちにとっては戦争の終わりを告げる明るいものでないことが、さらに我々に戦争のむなしさを訴えてくる。素晴らしいラストであった。しずかに感動の涙が頬を伝い、席を立てなくなった次第。私も老いて来たかなあと思う。

生きる為には君が邪魔だった

生きる為には君が邪魔だった

劇団水色革命

新宿スターフィールド(東京都)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

とてもデリケートで難しい内容を題材しており、大変だったと思います。家族愛や友情を中心に上手まとめられてるなと感じました。面白かったと思います。皆さん熱演でしたね

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