かなかぬち 公演情報 椿組「かなかぬち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    椿組、39年続いた花園神社での公演にピリオドを。もう観られない名残惜しさを感じつつ、だったらば!と子ども(6歳と10歳)を連れて観劇しました。

    拐われた母を探す姉弟の物語をかつて母乳を生成したこの身体で、しかもそれによって育んだ姉弟を視界に見切らせつつ観るのだから、母の心で見つめざるをえなかった。女が強い物語は清々しいな!と思っていた矢先にその強さの原料が哀しみや諦めであることを知る居た堪れなさよ。
    (以下ネタバレBOXへ)

    ネタバレBOX

    散り散りになった母と子を往来する中で、主に母から母乳や授乳への言及がある作品だった。(少なくとも私はそこに打たれるものがあったのでした)

    離れていても(我が子でない)赤子の泣き声を町できくと、その声が呼び水?いや呼び乳の様になり胸が張ったり、乳が溢れたりした経験からは、なんというか、へその緒が切られても尚ある母子の同機の様なものを感じて、すごく強烈な体験だった。劇中でも度々母がそんな胸の疼きや痛み、吸われる時の体感を口にするんですけど、それが何とも言えない表情で印象深くて・・・。勿論それだけではないけれど、私はどうしても母に、今なお子どもと繋がっているように錯覚する乳房を持つ母にシンクロする様な気持ちで見つめていました。
    最後の花園神社公演に立ち会えてよかった。嵐の夜のお祭でした。
    ちなみに椿組デビューの子どもたちは、USJに行ったばかりの6歳が「もしかしてお芝居のアトラクションなんじゃない?」と言い、唐組大ファンの10歳が「いろんなテント(芝居)があるとわかった」と言っていました。
    もう花園では観られないのだから最後に新世代の子どもたちを連れて行けてよかった!
    そういう後世に与える影響も含めた意味で満足度は星5つです。

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    2024/07/23 00:04

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