流れる
劇団あはひ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2019/03/28 (木) ~ 2019/04/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
観た。
ネタバレBOX
現代口語でやりとりする松尾芭蕉と曽良。しかし、それがパロディとして漫画的に描かれるのではなく、リアルな人として立ち現れていた。書かれた言葉からはこぼれ落ちてしまう、ノイズまみれの歴史上の出来事。仮に芭蕉の生きた時代にカメラがあったら、こんな風に芭蕉は喋ったのではないか、という感触があった。あるいは江戸時代がその後終わっていなかったとしたら、21世紀はこんな風景だったのかもしれない。可能世界は単なる思考実験ではなく実在することが、演劇であるからこそ証明されたと思った。
母親を探す息子、なぜ父親を探さないのだろう、というところに個人的には強く興味がひかれた。名もなき母親と、著名な科学者。おそらくふたりが行方不明になったとき、世間には父親の行方に関する情報・噂などは多く流通するだろう。が、名もなき母親は煙のようにあとを残さず、その行方を追うことは困難だろう。だからこそ、子の母を思う気持ちの強さが感じられる。そして逆説的に、父親の存在が煙のような軽さに転換してしまう。それゆえ、父は母のような格好をしていたのではないか? あまりに軽い父は、髪を伸ばして母のような外観を纏うことでようやく息子のことを語れたのではないか?
男亡者の泣きぬるところ/女亡者の泣きぬるところ
ニットキャップシアター
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/03/27 (水) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
観た。
ネタバレBOX
一人暮らしの女の元に、女の殺し屋がやってきて、延々とおしゃべりをする。という一本目と、エレベーターの中で再会した高校時代のクラスメイトふたりのおしゃべり。いずれのおしゃべりも、それを通して彼らの人生模様がやがて浮かび上がってくる。のだが、そこに観客としてなんの感慨も持つことはなかった。ほぼ完全に他人事だった。殺し屋はいずれこの女を殺すことはなくきっと仲良くなるのだろう、男同士は生まれたその日からの因縁が語られはするもののやはり決定的な決裂や悲劇は起きないのだろう、と予測できてしまう。予測不可能な関係性、という定型が予測可能な展開しか生まない。いつこのおしゃべりは終わるのだろう、ということしか頭になかった。
猩獣-shoju-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2019/03/21 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
観た(※Team 獣)。
ネタバレBOX
ずっとふたりの俳優に目を惹きつけられていた。ひとりは湯浅春枝。もうひとりは高安智美。群舞が場面の大半を占めるが、その中でひときわ存在感を放っていた。このふたりのどちらかが出てくると、視線が惹きつけられ、じっと見入ってしまう。
改めて演劇というのが、生身の本物の肉体によって表現される、ということを感じた。得物を本当に相手に当ててはいけない。当てないための努力、稽古、チームワーク、呼吸、それが求められる。そのことで痛み(死)を表現する、ということの困難。目の前で本当に起きていることなのに、ここで起きている出来事は本当ではない、演じられている、という意識がつきまとう。そこに観客がのれるかどうか、ということが賭けられている。
60分、セリフがなく、アクションのみで物語が語られるので、人物造形は極めてシンプルであるし、テンションの高い音楽が鳴り続けるので、段々刺激に麻痺してきて単調に感じてきた。
観客に愛されているのは非常に伝わってきた。それだけの実績と期待があるのだろう。単調とは言ったが、短さゆえの緊張感もあり、無事に終えた瞬間に観客は演者とともに完走した、という開放感もあるだろう。そこを共有できなかったのは残念(観客として自分が未熟であった)。
THE Negotiation
T-works
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
観た。
ネタバレBOX
空虚さしか感じなかった。ただ構造のみがあるだけで、一切内実がない。設定としての対立がある、ということの変奏だけでいつまで経ってもドラマが起きず、進展がない。途中の、ふた部屋が同時に進行する場面も、場面転換のアクセントをつけなければ内容的にもたせられないがための窮余の策でしかなく、やはり展開には寄与しない。笑いのネタについても特に面白いとも言えず、自分が観た回について言えば、内輪ウケすら起きていないのは訴求力の欠如ではないだろうか。
Aokidダンス公演 『地球自由!』
Aokid
STスポット(神奈川県)
2019/03/07 (木) ~ 2019/03/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
観た。
ネタバレBOX
子どもたちと一緒にもう一度観たい! 脳の中で身体が動いて仕方なかった。子どもたちと一緒だったら、自分も踊れるかも。
冒頭、ローアングルからのライトによって浮かび上がる上半身・頭が大きくなった影。それが「子どもの身体」のようで、全体の主題のように見えた。その場面でのボールを投げるような仕草、ごっこ遊びをしているような仕草、ここが小さな近所の公園であるような感触。そして黄昏どき。もしかしたら他の子どもは帰ってしまったのだろうか? もしかしたら帰る家がない? 待っている家族がいない? ときとして、夜、ビルの前や高架下でダンスの練習をしている10代の少年の姿のようにも見える。客席が中央の舞台を挟んで見下ろすような形が、時折、観客であるこちらがAokidさんの(動かぬ)バックダンサーであるようにも感じた。短い休憩後、観客は今度は階段席から降りるのだが、そのことでことさら中央で踊る「こども」の孤独が際立つ。みんな帰ってしまった後の公園。どこまで彼はひとりきりで「地球ごっこ」を続けられるか。クシャクシャになった紙が宙に吊り上げられたとき、ふと「あれ? 地球って丸くないのかもしれないな」と思った。丸いと思い込んでいたこちらの抽象思考が不意に揺さぶられる。親密な空間であると同時に、孤独な舞台。ダンスが空間を活性化して親密にすると同時に、ただひとりだけの「ごっこ遊び」にも見えてくる。親密さを感じるからこそ、その孤独に健気さも感じる。
驚くような動きに魅了されつつ、そんなことを感じた。
高橋源一郎の『悪とたたかう』をふと思い出したことも付け加えておく。
ト音
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/03/27 (水) ~ 2019/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
観た。
ネタバレBOX
誰かにオススメしたい、と素直に思った。
人物紹介、場面展開、ポップな演出、いずれも観客の生理を心地よく高揚させてくれる。キャラクターたちが「隣人」としてリアルに存在しつつ(彼らの言動に素直に共感・反発できる)、物語の通奏低音としての不穏さに最後まで「どうなるんだろう」という観客の興味を持続させていた。無二の親友であったふたりが、実はイマジナリーフレンドであった、というオチは予想不可能というわけではなかったが、そのオチそのものよりも、それまでのふたりのキャラクターのあり方や、友情の強さ、パートナー感がきちんと描かれているが故に、「別れの辛さ」を主人公に寄り添って感じることができた。「仕掛け」だけがあるのではなく、実質としてのキャラクターの存在感を描けていた。期待としてはもっと残酷なラスト、カタストロフが訪れるのかと思っていたので、そこの物足りなさは感じた。
是非また劇場で再会したい。
止むに止まれず!
ソラリネ。
上野ストアハウス(東京都)
2019/06/05 (水) ~ 2019/06/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
佐藤秀一さん作のこの芝居、噂には聞いていたれど不明にして今回が実は初見... いやぁ、超絶オススメ❤でした。これほどまでに、基本(お約束?)に忠実で、正しく面白いシットコム(シチュエーション・コメディ)は、アガリスク・エンターテイメント(冨坂友)、レイ・クーニー、三谷幸喜、を除くと初めて♪
ネタバレBOX
正しいドタバタには必ず「当事者でないのに展開に巻き込まれ、ほぼ全てを把握して、困り果てる」役の助演男優が登場します。今回その役だった福地慎太郎さんが特に印象的。 混乱の中心役・永作あいりさんのダメダメな中間子も良かったなぁ。でも、とにかく全ての役者さんが魅力的で素晴らしく、その実力あっての面白さ、でもありました。
久々に拝見した さとうあゆみ さん(日曜のみ日替わりゲスト出演)が、ブランクもゲスト出演であることも忘れさせるステキなお母さん役。やっぱり日曜を観劇日に選んで正解でした♪ 物語の中心にいない山田真由子さんも久々でしたが、とっても生き生きしていて素晴らしかったです
北齋漫畫
東京グローブ座
東京グローブ座(東京都)
2019/06/09 (日) ~ 2019/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
ご存知、画狂葛飾北斎の若き日から90歳の死までを描く評伝劇。華のある芸達者たちがそろって、安心して見られる芝居だった。北斎の代表作がプロジェクション・マッピングで舞台に大きく映し出され、目でも楽しめた。音楽もモダンで和風な曲が、場面場面を盛り上げた。
二匹のタコが海女と乳繰る絵を、昔の恋人によく似た若い女性(=佐藤江梨子)のモデルで描こうと、狂気に近い世界に入っていく場面が最大の見せ場。一番北斎の、常識も生活も顧みずに。自分の絵にのめり込んでいく生き方を示していた。ただ関ジャ二♾の横山ではまだ迫力不足。初演は北斎を緒形拳が演じたそうだが、緒形拳で見てみたかった。
北斎を献身的に支え続け、自身も才能ある画家だった娘のお栄(応為)=堺小春、生活破滅型の北斎とは対照的な、堅実で生真面目な馬琴(=木村了)の二人がよかった。こうした周囲の人々に支えられて、北斎の仕事があったことがわかる。しかし、矢代静一は最後、北斎を捕まえきれずに終わったのではないか。それだけ、北斎が謎の多い大きくて奥深い存在だということだが。
上演時間は前半80分、休憩20分、後半70分の計2時間50分。しかし長くは感じない。特に前半はテンポが良く、あっという間の80分だった。休憩を挟んで、年月が大きく飛んで、後半は89歳の北斎と同じく老人の馬琴。老け顔や白内障を表現した特殊メイクが見事だった。
大暴力
匿名劇壇
神戸アートビレッジセンター(兵庫県)
2019/06/07 (金) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★
近大の独特感が出ている作品。繋がっているんだろうが、分かりにくい。演技は目を見張るものがあるが、内容は…。次回に期待します。
たぶん…サスペンス
コメディユニット 一か八か
studio La cuna(大阪府)
2019/06/08 (土) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★
うーん。不完全燃焼。だじゃればかりで、演劇感が無い。期待外れでした。
あの大鴉、さえも
Stargazy
西宮市立高木公民館・講堂(兵庫県)
2019/05/19 (日) ~ 2019/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★
女3人が大きく重いガラスを、山田さんに届ける。
ただそれだけなのに…
山田さん家は何処なのか?
本当に山田さんは居るのか?
と、口喧嘩を始める3人。
立て板に水の軽妙な喋り口、まるで落語!
息合ったボケ&ツッコミ、まるで漫才!
大笑いした。
愉しかった!
これで無料とは超お得!
妄想コピー / 父の声が聞こえない
演劇プロデュース『螺旋階段』
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2019/06/07 (金) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
聞こえなかった声は音もなく聞こえてくる、 頼りにした姿は見る見るかすんでゆく・・・ 想いの対話で通じた2本のかえり途は、その先でそれぞれの感情線を描き出し心を揺らす。 個性が生かされ乗りやすい、ストレス・フリーに楽しめる佳品。
板の上の二人と三人そして一人
映像劇団テンアンツ
駅前劇場(東京都)
2019/05/22 (水) ~ 2019/05/26 (日)公演終了
ダブルキャストだったので両チーム観たかった。
ネタバレBOX
お笑いの話が中心と思いきや、天使が出てきたり話はファンタジー要素も凝っている。メイン、ベテラン役は上手い。しかし同時に若手の力量や空気の差もまた感じてしまう。令和の時代になったが、しっかりと昭和の面影を感じさせてくれた。
【大阪公演】青年と死[春]
Contondo
油野美術館(大阪府)
2019/05/18 (土) ~ 2019/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★
声は聞こえど、姿は見えず。
死と生、忍び男、妊娠。
砂、実在、無明、善、空…
とても抽象的で観念的でした。
女優さん3人の台詞の断片、死生感…
ずっと待っていた。
いや待っていない。
狭い空間に釘付け、観いってしまった。
女優の皆さんが魅力的で眼福でした。
良かった。
Buddy Game
演劇ユニットdiorama
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2019/06/08 (土) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★
観劇😆
終始クライマックスという感じで女性陣がスゴくかっこ良かったです😊
らぶゆ
KAKUTA
本多劇場(東京都)
2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
本当に久しぶりにKAKUTAの舞台を拝見しました。
重厚な物語の中でいろんな感情が交錯する中、泣いて、笑って、また泣いて、最後に考えさせられる。
素晴らしかった。本当に良かった。
くちづけ
タクフェス
サンシャイン劇場(東京都)
2015/10/07 (水) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
森田涼花さん出演。
難しい題材を、ストレートに表現した、すごい演目だと思います。個人的には、文句なしでした。
森田涼花さんの知的障害者役の演技、森田さんなりに完成されていたと思います。感動しました。
ネタバレBOX
PVと言うのかな、素敵な物語の。マコとうーやんが結婚します。みんなに祝福されて。幸せな気持ちになります。
それは漫画家であるお父さんが描いたものだと分かります。とても切ないです。
MOTHER マザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~
株式会社エアースタジオ(Air studio)
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
森田涼花さん出演。
初演で篠崎愛さんが演じてた役を、この再演では森田涼花さんが。ということで、再び観劇しました。
何度見ても感動する演目です。言うことなしです。
ひまわりの見た夢
雀組ホエールズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2019/05/29 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★
ひまわりの見た夢「ワスレナグサ」115分休憩なし。
先週の「re-act」を観ずに「ワスレナグサ」を初めて観たとすると、非常に良い作品だったと思うのだが。
「ワスレナグサ」に、先週の「re-act」のAnother Storyを期待して別の物語を求めてきた私としては、ちょっと肩透かし。重複シーンが、全体の6~7割あった感覚。「re-act」で張られた伏線の回収自体は、とても鮮やかではあるものの、その伏線そのものが物語全体の解釈に、劇的な変化をもたらすか・・・というと、そこまでのものではないままで。別に、re-actとワスレナグサと、分けなくても、一つにまとめてよかったんじゃないかな、の作品だった。
山猫 / 辺獄の葡萄
牡丹茶房
新宿眼科画廊(東京都)
2019/06/08 (土) ~ 2019/06/18 (火)公演終了
満足度★★★★
『辺獄の葡萄』9日14時回(80分)を拝見。
ネタバレBOX
烏丸棗(からすま・なつめ)さんの作品に接するのは『Maria』『渦中の花』に続き3本目。
設定はどうであれ、概ね、こんなテイストなんだろうなという期待?を裏切らない、陰鬱な気分にさせられる人間ドラマだった。
それから、(これはワタシだけなんだろうが)新宿眼科画廊のアットホームなスペースにも拘わらず、上演中、話の奥行きにつられたのか、集落の端から端までの光景が目の前に浮かんで来た。『Maria』を上演した星のホール、『渦中の花』の王子小劇場の舞台セットで観ているような、空間の広がりが感じられたのに、大いに驚かされたことを特筆しておきたい。
【配役】
傍島洋一郎(フリーライター。とある噂の真相を取材するつもりが捕らえられ…結果的に村落の秩序の破壊者となる)
…浅見臣樹(あさみ・なおき)さん(『みのほど』以来の方)
ガマ(ウツギの息子。甲高い声は去勢されたため。次第に洋一郎に親近感を抱いていく)
…杉本等(すぎもと・ひとし)さん(熱演!)
マタタビ(村の長老・サチの孫。実は不妊症。洋一郎と共に村を抜け出すはずが、彼に裏切られた?)
…二ツ森恵美(ふたつもり・めぐみ)さん(舞台を拝見するのは三度目。根は誠実な役柄が似合う方)
カシワ(シキミを慕っている?村の女)…田中祐理子さん
シキミ(もともとは自殺をしに山に入り込んだが遭難、縁あって村に迎い入れられた余所者)
…冬野泉(ふゆの・いずみ)さん
ウツギ(ガマの母親。実母がサチを娘代わりに育てた経緯あり)…三浦久枝さん
ダイダイ(マタタビと共に、洋一郎との子をなすように命ぜられた村の娘)…タナカエミさん
サチ(村のリーダー。昔は、村の男たちに「子を産むための道具」として檻の中に住まわされていた)
…丸本陽子さん(『渦中の花』以来、何度も舞台を拝見している方ながら、今回の扮装だと、もし街中でバッタリ出逢ったとしても、絶対、丸本さんだとはわからないだろうなぁ)