最新の観てきた!クチコミ一覧

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トーフの心臓

トーフの心臓

芝居屋さんプロデュース

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2019/10/04 (金) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

良かったです。家族とはなにかを、考えさせられる内容です。実際はどうなんでしょうか…。

ユー・キャント・ハリー・ラブ!

ユー・キャント・ハリー・ラブ!

弦巻楽団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/10/04 (金) ~ 2019/10/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/10/04 (金) 19:00

 札幌で活動する劇団の代表作で、作・演出の弦巻が2003年に他劇団に書き下ろし、自劇団でも何回も上演しているという作品だが、とにかく面白い\(^_^)/~~。高名なシェイクスピア研究家だが恋愛未経験で、ロミ・ジュリさえ否定する大学教授が、ラジオの気象予報師の声に初めて惚れる。実は彼女は、教授の講義を密かに聞いていた教え子で…、という、ウェルメイドのシチュエーションコメディである。すごく巧妙に練られた台詞と、登場人物のキャラクターが実に見事で、エンディングの潔さも素晴らしい。とにかく楽しんだ95分だった。

MILANDA

MILANDA

Ne`yanka

ワーサルシアター(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/10/02 (水) 19:00

 Ne'yankaは第4弾で少し雰囲気の違った作品を上演した。面白かった。元々は脚本の遠藤の劇団で初演されたものだそうだが、死んだ骨董屋が生き返る事件をきっかけに、島の秘密と言うか、島にかけられた「呪い」の謎が徐々に明らかになる展開が面白い。初日だからだろうか、台詞を噛む役者がやや目立ったのは勿体ないし、初日のせいなのか、笑えるシーンで笑いが起きない不思議もあったが、現代にも通じるテーマを扱った興味深く観ていられる110分だった。

『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』

『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』

チームまん○(まんまる)

萬劇場(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

夏の萬劇場 ショート演劇の時に知った劇団さん。そのショート演劇の出来がとてもよく今回ハードル上げていってきてしまいました。
その時いいなあと思った役者さんが実は別の劇団さんだったようで出演されていない。 そしてその時と今回の舞台は作風がなんだか違う気がする。

今回はかなりシモねた多めだった。しかし皆さんの感想を読むとマイルドなんですね。今回黒いウエスタンの男性が誰だろうっと思ったら、六番シードの土屋さんでした。じつは他の劇団の方が輝いてしまう。輝かせてしまう劇団さんなのかもしれません。土屋さんの役かっこよかったです。

ハツゲキ

ハツゲキ

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2019/09/20 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

四者四様の作品
河原岳史さんの作演出の一人芝居
河原さんらしく明るくポップな映像を絡めたファンタジーな一人芝居
映像には無限の魅せ方があるので色々な表現を挑戦してほしいですね

高安智美さんの作品
ノンバーバルな15分間のDANCE×ACT!
リズムに合わせた動きで魅せる物語
これは創造力を膨らませる作品
高安さんの得意なダンスのキレは流石!不思議な世界観を演出してしていました!

井立天さんの作品
ある意味、これが一番、大熊ワールドの壱劇屋らしいと観ていて思った
本人も、言っていた様に詰め込みすぎな感もありましたがこれが4作品の中では1番私は好きかなぁ

湯浅春枝さんの作品
これがある意味一番、意外性のあった作品!日々葛藤をして暮らす少女を描いた作品。湯浅さんの感情を露わに表現。ストーリーはシンプルだったのでもう一つ何かフックがあればもっと深みのある作品になったかなぁと思える作品

四作品とも新しい扉を開いて未来へ進む展開は意図して合わせたかのか?
これから次の壱劇屋のスタイルとして確立されるのか?楽しめたお芝居

治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

「維新の名君」明治大帝と、15年戦争に突っ込んで敗戦を迎えた昭和天皇。その間に挟まれて目立たない大正天皇の評伝劇。脳病で何もできずに死んだと思われていた大正天皇が、実は平和な時代の舵取りを目指した開明派だったのではないかという、ユニークな視点で描いている。ぎゃくに、明治天皇と昭和天皇は権威主義的な強権統治を目指したと、昭和天皇への批判になっている。

舞台は、真っ赤な玉座ひとつに、客席から玉座まで通じるレッドカーペットだけ。あとは黒一色の空間で、天皇家の人々、有栖川宮(若い大正天皇の後見役)、牧野伸顕内大臣、原敬、大隈重信、侍従武官が、大正天皇の整然と、死後の回想を頻繁に往復しながら、「天皇の宿命(さだめ)」の前に敗れた大正天皇の悲劇を描く。

どこからフィクションかはわからないが、大正天皇が明治帝や昭和天皇とは違う、気さくで格式張らない「天皇らしくない天皇」というのは、案外史実ではないかと思う。

祖父の意げなる天皇像に憧れて、「栄光の明治」を取り戻そうとする昭和天皇裕仁を見ながら、祖父・岸信介を尊敬する安倍晋三とダブった。一緒に見た友人も同じことを感じたと言っていた。安倍晋太郎は改憲など考えそうもない保守穏健派で早死したので、安倍三代は奇しくも三代の天皇にぴったりあてはまる。

大正天皇の妻の節子(さだこ)に松本紀保。2月に流山児事務所の「雨の夏、三十人のジュリエットが帰ってきた」で元スター役で出ていたが、同じ人とは思えなかった。「ジュリエット」では過去に閉じこもって生きる孤独な元スターのうらぶれ感が漂っていたが、今回は、凛として気品と気迫のある演技。エメラルド色のサテン(?)のドレスも格調高く着こなして、素晴らしかった。

ネタバレBOX

皆人物はストレートで、大正天皇を裏切る牧野にしても、その裏切りを隠そうとせず、裏表はない。大正天皇も悩む時は身も世もなく悩む。ある意味、素直でわかりやすい人物たち。さらに、表面何気なく装いつつ内心に葛藤を抱えていたり、皮肉な言動があると、舞台にさらに奥行が出たのではないか。笑いも生まれたり。見当違いかもしれないが、そんなことを感じた。
瘋癲老人日記

瘋癲老人日記

劇団印象-indian elephant-

小劇場B1(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

 男と女の間にある深い暗渠を乗り越えようとする果敢な挑戦が、一老人によって為されるお話、と解釈すると極めて味のある作品として楽しむことができよう。老人を演じた弐吉さんの演技、力演である。

ネタバレBOX

 無論、谷崎潤一郎原作の著名本が原作である。颯子と一老人との最早不能であるが故の性談義。不能であるが故にアブノーマルであり、それ故本来肉欲でしか無い筈のモノ・コトがメタ性を帯び、好事家からはマゾヒズムという色眼鏡を掛けて眺められる作品になってくるのだろう。然し、寧ろここに描かれているのは、男というもの、と女という存在の本質的な差異ではなかろうか? それは個々の身体性のみならずジェンダーとしてのそれである。肉体や肉欲は寧ろ従で本質は、男というものが、女性の玩具に過ぎない、という生の実質なのではないだろうか? 有体に言ってしまえば、男は幾つになっても甘えん坊で極楽蜻蛉、男の側からみれば、これぞ大往生の奥義。「梁塵秘抄」の編まれた昔から「遊びをせむとや生まれけむ」である。
更に興味深いのは、老人の妻たる婆さんには名が無く、母性として顕現することが多く、別様の現れでは当に伴侶の名に相応しい長い人生の道ずれ、仲間として現前するのに引き替え、颯子は幾人もの女優によって演じられ、その年齢や男女関係の千変万化によって如何にも目まぐるしい謎として顕現するかのような幻よろしき変容ぶりとによって対比され、女性が男にとって如何様に見られるかをも示して面白い。更に寄る年波に幾度も倒れ、時には生死の境を彷徨いながらも甦り、遂には己の入る墓の手配に颯子を伴って京都を漫遊する際にも哲学の小道脇の法然院を墓所と決め、極めつけは颯子の姿を菩薩像に刻み、墓石として自らの骨を永遠に踏ませ、骨の軋み、傷み、呻きを以て歌にし、これまた己亡き後も、颯子の踏みつける石像の足を通して彼女の精神に何らかの思い出を喚起しようと、できるハズだと望む下りなど妄想というには余りに生々しい葛藤であり、死して尚甘えていたいという男という存在の極楽蜻蛉ぶりを仮借無いまでに描いている。無論、この念は、朱墨を摺り颯子の足型をとり、それで仏足を刻んで自らの骨の上に置くという発想とも同置されていることは今更指摘する必要もあるまい。
 老人を演じた近童 弐吉さんが、単に人生の上澄みに終わらぬ老いを演じていい味を出している。
終夜

終夜

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2019/09/29 (日) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

重い内容と役者さん達の白熱の演技で、どんどん惹き込まれ息を詰めて観てました。長時間の3幕の舞台でしたが、1幕毎に4人の登場人物の印象が変わったり、重い中にも所々に笑いがあったり、観易かったです。どこにでも有り得るような家族関係、夫婦関係を濃密に激しく描いていて、観応えがありました。他の方のコメントにもありますが、これだけの重く長い舞台を集中して観る事が出来たのは、役者さん達の素晴らしい演技あってだと感じました!

純愛協想曲

純愛協想曲

劇団ヨロタミ

萬劇場(東京都)

2019/09/26 (木) ~ 2019/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★

年頃の息子君を持つ母は“冗談じゃない!いくら何でもこんなことは起こらないと思うけど、我が子にこんな選択をされたら、絶対に許すわけには行かない”とまじに思った!介護もそうだが“子供が望めない結婚”親として、これは絶対に認めるわけには行かない。なのにねぇ、どうしてこの舞台だと良かった良かったとみてしまうんだろうか?ヨロタミマジックだねぇ!!

gift魂

gift魂

MousePiece-ree

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/07 (月)公演終了

満足度★★★★

笑い盛りだくさん、大家さんの口の悪さは斬新でした。笑
でも、最後は気持ちが優しくなるような、ハートフルなお芝居でした。
いつも、ありがとう♪♪♪

渦が森団地の眠れない子たち

渦が森団地の眠れない子たち

ホリプロ

新国立劇場 中劇場(東京都)

2019/10/04 (金) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

団地の子供の主導権争いというストーリーに馴染めないままの75分+15分休憩+65分。何かの寓話でもなさそうだ。鈴木亮平さんの妹役の青山美郷さんが切れの良い演技で私の一押し。

おとぎ草子 金時

おとぎ草子 金時

劇団 FIREBALL

TACCS1179(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

価格3,500円

金太郎の話をベースとしているものの色々な要素を放り込み入り組んだ話になっており、状況に応じて敵味方が入れ替わり様々なドラマが展開する。単純な勧善懲悪になっていないのが良い。

ネタバレBOX

殺陣はもっとバリエーションがあったほうが良いと思う。また、数手で決まるのではなく徐々に優勢/劣勢となったほうが劇的になると思う
(A)WMGO-ワークマストゴーオン-/(B)芝浜

(A)WMGO-ワークマストゴーオン-/(B)芝浜

High-Card

cafe&bar 木星劇場(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

価格3,500円

展開が速く、短めの尺におさまっていたのが良かった。演者が楽しそうに演じているのは良き事である。
制作チーフ(?)の子供時代を絡めると、もっと良かったかと思う

ネタバレBOX

演出面として、音響と照明にはもっと心配りをしたほうがよいと思う
瘋癲老人日記

瘋癲老人日記

劇団印象-indian elephant-

小劇場B1(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

会場にはいると客席が二面あって、二面あるということは特に正面というのが設定されてなくてどっから見てもいいんだろうなと思って端に坐ったら、正面を結構意識した演出になっていてちょっぴり裏切られた気分に。これから見に行く人は、正面的な客席のほうに坐ったほうがいいかもしれません。
ぼくが抱く「瘋癲老人」のイメージと舞台の上の「瘋癲老人」とはちょっと違ったけれども、それは仕方ないんでしょうね。小説に抱くイメージは人それぞれですからね。

ネタバレBOX

すべてが演出どおりに進行していくこのスキの無さは素晴らしいし、出演しているみなさんも素晴らしいと思うのですが、このアドリブなどすこしも入る余地の無いギューっとした感じに、逆に息苦しさを感じないこともなく。
ぼくとしては、老人に確信的なマゾっけが足りないような気がしました。
それから基本的に老人のひとり芝居で、その他の出演者は盛りたて役、添え物でしかない感があって、それが残念だったかなと。
日付が変わるたびに、老人の感情がリセットされてましたが、それでいいんですか? リセットされるたびに、なんとなくガッカリする気持ちに。え?さっきまでの感情の昂ぶりはなんだったの?っていう感じ。
白に横ジマのパンツで水着を連想させるというのが面白かったです。颯子チーム、看護婦チームなどのチームとしてのパフォーマンスも面白かった。
ビターズ

ビターズ

Flying Trip

ザ・ポケット(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/10/03 (木)

中野 ザ・ポケットにてFlying Trip『ビターズ』を観劇。
プロジェクションマッピングを彷彿とさせるような綺麗な映像と花吹雪、舞台上で演じられる役者さんの生きたお芝居が上手く融合し、とても美しく熱い作品になっていたように感じました。ただ、内容はなかなかシリアスで奥深い。登場人物はドキュメンタリー映像ディレクターとその仲間たち、取材先のボランティア団体のメンバーとその経営陣たち。内容の詳細は割愛しますが、一人一人に様々なエピソードが盛り込まれており、相関図を整理しながら見ているだけで面白く、どんどんと物語の世界に引き込まれました。何ともまぁよく出来た人物設定、ストーリーだなぁと思ったのはもちろん、一人一人のエピソードや人格が明らかになればなるほど、それぞれのキャラクターに感情移入し(中にはイマイチ共感し難いキャラもいましたが)、誰が味方で誰が対立相手なのか分からなくような不思議な感覚に陥りました。特にボランティア団体の社長さんは謎めいた風貌で、この人の言っている「ボランティアを始めたきっかけ」などの話は真実・本音なのか裏があるのか、両方の可能性を想像しながら観ていました。ドキュメンタリー制作チーム、ボランティア会社のスタッフとの会話も実に生々しく、フィクションではあるものの、間違いなく自分の頭の中には生きた一人一人のキャラクターが存在していました。
時代やその時の環境などによって人間の考え方や生きざまが変化してしまうのは致し方ないことなのかもしれませんが、作品を最後まで見ていて感じたのは、やはりどんなことがあってもブレない信念を持って生きることが大事だという点かなと。もちろん全てが正しいとは限らないものの、他人のアドバイスに耳を傾けながらも自分自身の考えに自信があるならば、それを貫き通す生き方は輝いて見えるような気がしました。相馬圭祐さん演じる矢島ディレクター。最後やたらとカッコ良かったなぁ。他の演者さんも皆良い味出されていたなぁ。。想定外の衝撃的なシーンもあり最初から最後まで見逃せない作品でした。

ホテル・ミラクル7

ホテル・ミラクル7

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/10/04 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

初日観劇。
今回も安定の面白さ🎵
ホテミラ史上最長の作品になって、さらに濃さが増してます!ラブホはHな出来事だけじゃなく色々ドラマがあり各4話+ホンバンの前に&OPダンスも必見です!

糸瓜咲け

糸瓜咲け

URAZARU

上野ストアハウス(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

正岡子規の24歳から亡くなる35歳までを、彼を支えた家族や交友関係を通して描いた力作。子規(ノボさん)の生への執着や言葉との格闘という内面の掘り下げ、友達への羨望という人間臭さを観せることによって、”人間 正岡子規”が立ち上がってくる。劇中ではノボさんと呼ぶことで、少し距離ある人物を身近、親しみに感じさせるあたりが上手い。
(上演時間2時間5分)

ネタバレBOX

舞台セットは子規庵のイメージであろうか。和室・畳に縁側、奥の襖戸を開けると格子を通して玄関が見える。その部屋に文机。下手側には庭があり糸瓜、紅葉した葉、新緑の葉や花々が咲いている。そこには四季が見える。この狭い空間が正岡子規の行動範囲であるが、彼が思い描いている世界観は遥かに広い。目に見える実際の空間に対して、彼の心的空間の広がりの対比を演出しているようだ。

物語は子規24歳から35歳までの人生を順々と描いており、奇を衒わず実生活を通して彼の生き様を魅せる重厚な作品だ。冒頭は、子規の妹・律がストーリーテラーのように、伊予弁で場所や年代、登場人物を紹介するように始まる。これによって一瞬のうちに時代設定や家族・交友関係が分かる。そして客観的な観点として、闇鍋を通して人柄なり親交振りを表す。一方、子規自身は学者にも軍人にもなれず、小説家として生きて行こうと決意。その小説「月の都」の批評を夏目漱石、さらには子規本人が幸田露伴から聞いたことを述べる。批評は、子規の書きたい思い、その芯というか真がなく、単に文章を飾っているだけという辛辣なもの。以降、詩人として生きて行こうとする心情過程が実に丁寧に描かれる。その間に好きな野球のエピソードや従軍記者になれた喜びなどが語られ、その人柄なりを活写するような演出は上手い。

一方、彼の人生は、結核や脊椎カリエスという病魔との闘いでもあった。それを家族の関係、支えとして描いている。妹・律の買い物、カリエスへの処置等を通して、いかに家族の献身的な支えがなければ、彼の偉業は達せられなかったことか。献身的介護をしても、病人の側からすれば不服もあった。身勝手なようだが、彼も耐え難い痛みと、一切の自由が効かぬ体に苛立っている。病になる前は、野球を愛するなど快活だった子規だからこそ悔しい思い。それは「病牀六尺」という台詞に表れている。しかし彼も介護は律しか出来ないことを知っている。他に代わることのできない事を偉業というのであれば、律の介護はまさにそれである。律と同じように誰かの支えとなっている、それは現代にも通じる、いや介護が声高に叫ばれている現代だからこそ大切な事と思える。しっかり現代性に合わせるところは巧みだ。

交友関係では、夏目漱石がイギリスへ、秋山真之がアメリカへと旅立つが、自分は外国どころかこの庵から出ることが出来ない。その もどかしさが切々と伝わる。しかし子規は言う、この庭には草花...自然があり森羅万象。ここに舞台セットの四季の意味があるようだ。その胸の内にある世界観を俳句や短歌として残したい。もっと生きたい、その切実な思いが鬼気迫るように描かれる。知らなかった”人間 正岡子規”を感じられた素晴らしい公演であった。
もちろん、役者陣の演技力があっての芝居であることは言うまでもない。
次回公演を楽しみにしております。
『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』

『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』

チームまん○(まんまる)

萬劇場(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

下ネタで笑いを誘いつつ、根底は愛情に溢れ、ちょっぴり社会批判するような内容。当日パンフのあいさつ文の中で、チームまん〇代表の小山太郎氏が「提唱する不快感のない下ネタがきちんと構築され」と記しているが、その通りだと思う。
劇中のS&M対決を通して、人の本性を哲学的に語るが、視覚的に描かれているのは西部劇。劇中のS&Mとは意味が違うが、(S)素晴らしい(M)物語であった。
(上演時間1時間45分)「GUNMAN JILL」編

ネタバレBOX

舞台セットが物語を支えていると言っても過言ではない。上手側に車輪と樽による酒場席、中央にこの町の名「COWPER TOWN」ゲートと酒場入口、下手側は2階部を設え、1階は出入口、2階は遠距離場所イメージ。そして店入口傍にBarカウンター(ボトル棚)がある。

梗概…凄腕ガンマンのジルリキッドはこの町を守るためにやってきた。街の護衛に雇われたゴールドマン一家の早撃ちガンマン、Sのクリトスと対峙する。ジルのドMっぷりには、依頼者・市長の娘アナベラもうんざりしている。しかし逆にジルはいたぶられるほどに強くなる。そしてこの2人の勝負が始まるが…。ジルのM(マゾ)持論は、いたぶられる=ガマンすることは人間を強くする。それは拳銃の早撃ち効果だけではなく、人間としての思いやり、愛情の表れでもある。アナベラだけではなく、この店の女達にも蹴られ殴られるほど、早撃ちが出来る。ジルがドM性癖を指摘し、クリトスが自問自答する姿も滑稽だ。この遣り取りの中で、自分は3.11東日本大震災のことを思い返した。ゴールドマン一家の強欲、そのボスに拾われ育てられたクリトスに、ジルは物質的に乏しくなったことや、痛みや悲しみを忘れ豊かさだけを求めている。あの時の”我慢”をすっかり忘れてしまっている、に深く感じ入った。

公演の面白さは、スピード感、テンポの良さにある。ドMの力を発揮させるための平手打ち等に連動した拳銃さばき。400ḿ先は2階部でイメージさせ、早撃ちスタイル⇒銃声⇒命中⇒倒れるの演出・演技のタイミングも絶妙だ。また痛みを感じない薬、それによって最強一家を作ることを目論む。その危険性を鋭く批判するような啓蒙的な描き方。身近には薬物中毒、その延長線上にある軍事転用(連射銃等の武器開発を含む)の恐ろしさが伝わる。さらにBarで働く娘シリルに厳しく当たるマスターの心遣い(娼婦にさせない)など、いろいろな愛・情を盛り込んだ表層的な西部劇、根底は人間ドラマである。

この物語は、凄腕ガンマン・ジルの活躍を新聞記者とカメラマンが後に取材しているという記録と記憶の劇中劇という構成になっている。それゆえ時間というか時代の違いから、西部劇の登場人物と新聞記者は同地しないような描き方になっている。だから物語が順々に展開し分かり易く観せているところが上手い。
さて、チームまん〇は「下ネタは世界を救う」を基本理念に掲げ制作している。本作は役名や台詞で下ネタを連想させており、台詞としては喋り難いことを サラッと言い笑いを誘う。脚本はもちろんだが、この笑い台詞とアクションが公演の最大の魅力だと思う。
次回公演を楽しみにしております。
瘋癲老人日記

瘋癲老人日記

劇団印象-indian elephant-

小劇場B1(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

先般高円寺で二十年振りに拝んだ近藤弐吉の特権的肉体に再び見えた。
演出・鈴木アツト氏の名は幾度か目にしたが(あるいはリーディング企画か何かの演出を観たかも知れぬ)主宰ユニットは初めて。恐々会場に入り、開演を待つ。結果的には初感触の舞台であった。

原作者谷崎潤一郎自身が三度結婚をし、最初の妻をめぐっては友人に売り渡す話を付けるだの、作品のイメージに違わず「色」の気のある人物だったようで、『鍵』や本作など晩年の作は老齢となった作家自身がかなり投影されているにも違いないが、老人エロ小説でありながら売りはエロでなく赤裸々な一人の老人の性の苦悶と苦悶から滲み出す快楽である。
私の関心は究極に滑稽で痛切な人間模様をどう舞台に乗せたか、な訳だが、この題材で浮ぶのは三浦大輔の超写実的演出、または朗読にお芝居要素を添える程度の演出か。。本作はいずれでもなく、原文を尊重した作りでありながら(近藤氏をオファーした理由が判る)俳優の肉体が主役の舞台であった。

ネタバレBOX

日記の記者である老人卯木督介と、その息子浄吉の嫁である颯子(さつこ)の隠微な関係に、婆さん(督介の妻か家政婦か不明)、甥の春久が若干絡むという話。日記であるからして飽くまで督介の主観で話は進むが、息子の浄吉は今は仕事に執心らしく、よく家を留守にする。暇と精力を持て余した颯子は老人の目線に気づいてか、自らの関心からか督介の情欲をくすぐるアピールをし、やがて手玉に取る。心臓病みのある老人は己の情欲と病みとの狭間で苦悶する。

舞台では女優5人がコロスとなり颯子を入れ替わり立ち替わり演じる。若い俳優が演じる老人の分身が時折登場して、会話もする。俳優が掛け持ちするのは息子浄吉と甥の春吉だが、春吉は当て馬的役回りであるからか、面を付け動きのみ、声は背後から女優が出していた。婆さん役は一人が受け持つ。
「瘋癲老人日記」の舞台化が過去あったのか不勉強で知らないが、要所を巧く押さえて構成した一つの在り方に思えた。
その分だけ惜しいと思う部分もあったが、また後日。

難癖を仄めかして放置はアンフェアなので早く書き込まねばと思いつつ。。一部だけ記す。老人の分身、と言ってもジキルとハイドといった役割分担というより颯子と同じく役を演じる一人、頻度は少ないので補助的の範囲。彼は日記の朗読で冒頭、また時折登場し、春吉と浄吉もやるが、彼を仕切り役とするのかコロスに徹させるのか、という辺りが気になってしまった。若い俳優にさはしては鋭敏さを見せる所があり元気で良いが位置取りがややぼんやりしていた。老人の分身というだけで結構重要な役なので、他の役との質の違いを出してほしくもあった。五人颯子の登場のさせ方は中々秀逸だったが、個性バラバラな中に一つ何か役柄上の共通性があると、ぐいっと来たかな、と。
瘋癲老人日記

瘋癲老人日記

劇団印象-indian elephant-

小劇場B1(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

5人の颯子。そもそも、颯子はどういうつもりなのかしら?で、原作のこれって、谷崎の実話(私小説)っていう説もあるよね。

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