樹海
近畿大学 文芸学部芸術学科 舞台芸術専攻 34期
八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)
2025/09/12 (金) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ビジュアルが素晴らしい舞台でした☆素敵な時間をありがとー\(^o^)/
座標と初恋
アオガネの杜
アトリエ春風舎(東京都)
2025/09/12 (金) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
正直、キャンプの道具を買いすぎて金欠でしばらく舞台を観てなくて、本ばかり読んだり親から頂いた株主優待を使って映画ばかり観ていたけれど、しばらくぶりに舞台やを観て、やはり舞台は良いな、とつくづく思った。
それは尿酸値上がりすぎたらしいタニノ氏も一緒のようだった。
何を書いてもネタバレになりそうなので、以下ネタバレに。
ネタバレBOX
まず第一に気になるのは、この舞台には悪人らしき人がほぼ登場しない。それは若干不満が残る…。最初にあえてそう書くのは、そう書く批評家が絶対現れると思ったからで、自分も当然最初そう考えた。でも見ていてそのことにあまり集中するのは作品を味わう上で不毛かもしれないと思ったからだった。以下、
この舞台には民主主義の選挙で選ばれた首相の娘(民主主義国家ピー国人、ピー国はエス国に植民地支配されていた歴史があり、ジャガイモばかり作らされてきたらしい、汚職が横行)が、主人公(独裁国家エス国の国家元首の息子だが、このときは秘密、エス国は植民地支配していた周辺国から奪った収益で国力以上に学問が発展さている模様、豊か)と同じ大学の学生として登場する(大学はエス国だが、留学生はどうやらほとんどいないようだ)。そう、自分が男だからというのもあるが、物語を見ていて一見男女が主人公のようにも見えそうだが、自分にはそう見えなかった。自分には男性が主人公だと見えたのだ。
同級生が首相の息子だということは自分が学生の時にもあった。女の子ではなかったが(というか物語的にはもう一人は男でもよかったのではないかとも思うけど)、少女マンガを一杯持っていて、自分ともう一人の同級生は、その首相の息子から少女マンガをよく貸してもらっていた。それでずいぶん勉強させてもらった。そういった経験がなければ自分はいまだに少女マンガを読むような機会も無かっただろう。それは良い経験だった。ひょっとしたらどこかの女性演出家の方も、自分をどこかの会場で見かけて随分風変わりな男だな、と思ったかもしれないが、ある種進学校におけるザビエルの感化と言うことだ。
…それはともかくとして、その同級生の父親が首相の時に見た景色は大して良いものではなかったらしい。それは父親が原因というよりは周りの人間によるものだったようだ。つまりは今まで真面目だった人間も権力の近くに行くと頭がおかしくなるというようなものだったように思う。父親も政治家の息子だったため、権力には慣れていたので普通だったようだったが、それが余計に周囲の様子を浮かび上がらせていたのだと思う。
それは自分もこの年になってよくわかる。権力が近くにあるとなぜか人は発狂する。全てではないが。そして周りには容易には分からない。自分は舞台を観ているせいなのかわりとすぐに様子のおかしいのに分かるが、周りはおかしいのにすら気づかない(だがやがてとんでもない事態になっているのに気づく、そういうのはまさに恐怖)。…DJと同じで凡人が人を熱狂させる快楽に近づくと、熱狂させる権力が手の届く自分のものとなったように錯覚するのだと思う。そして詐欺師になる。戦争とはそうしたものだ。たとえば目の前で何千万人も踊らせるDJがいたとして、破滅のレコードを渡してもまだ掛け続けても誰も気づかず何千万人もが踊り続けるならば…。
戦争の詐欺師とは、たいてい爽やかで子沢山で奥さんを愛していて、友達も多い…しかも公務員で、真面目そうで絶対嘘なんかつかなそうな…詐欺師。その友達みんな詐欺師で役者。直上のてっぺんの権力者を軽く騙すが、特に誰も悪びれない。詐欺師の首謀者は別の権力者で、若い首相を操る老練の政治家というのがそれに当たる。
…たとえば新米首相になって最初に目の前に出された公文書が全てデタラメだとして、そのことに異を唱えられる人間が何人いるだろうか?敗戦時にはドサクサで詐欺師の公文書は全て破棄され、誰かのせいにされる。この国は神の国なので爆勝ち中と言っていたのに、ある日突然新型爆弾が落ちて首相官邸と周囲10キロは灰になったが、その偽の報告書を作成した側近たちは金塊を持って敵国に逃亡、戦争は全て首相が発狂したせいにして、誰も怖くて逆らえなかったという、そんなオチが普通なのが現実のような気もする…。
自国民を何千万人盾にして犠牲にしても、アメリカより先に原爆の開発に到達すれば逆転できる。絶対に夢物語にしか見えなくても、戦争に負けたらさんざん自国民を騙してきた人間たちはそう信じざるを得ない。秩序を守るため、トップのトップは護られるが、その下の普通のトップたちはトップのトップを騙した者たちとして断罪される。実際ほぼそんなもんだ。戦争とはそういったものだと思う。そういう意味では少し物足りない。
と、物足りない部分が長くなったのでアレだけど、でもやっぱり見ていて心地が良い、というのはタニノ氏も言うところで自分もそうだった。ちょうど中高生にやってもらいたい感じの舞台になってるな、とも思った。上記の政治系な部分、リアリティのありそうな部分がうまく抜けているからだ。
それはたぶん作家の意図したところだろう。
言語や、国家の固有名など抜いて、文学的な作品として座標を詩的に表現するところにフォーカスしている。これはとてもうまいと思う。抜けている部分は演じながら、想像力で補えば良い。そうしないと、座標も国家も組織も、想像力の範囲内に入ってこない。
SFジュブナイル的な感覚の文学的な演劇作品としてうまくまとまっている。ただ、ラストが少し短い気がする。もっと長く余韻を楽しんでもよかったのに。
強大ではないが喧嘩っ早いエス国の元首になった男の子は、降伏をしない。どうもベルサイユ条約のような形の降伏ではなく、ナチスドイツの敗戦時のような完全な瓦解を目指している、というようなものだった。
なぜそうするのかはよくわからない。描かれない。よく描かれていなかったが、エス国の独裁体制を終わらせるにはそれしかないと思っているようだった。
豊かで強大なエー国からきた怪しい黒服も良い。詐欺師のような、世界平和の意思のような、不思議なニュアンスでいて。
あの役柄を見た時は冷戦期のイタリア首相の誘拐暗殺事件を思い出した。
冷戦下で東西融和を目指したイタリアの首相は誘拐されて暗殺された。実行犯の共産系テロリストを手助けしたらしい軍関係者が内部にいたようで、目撃情報もいくつか妄想として決めつけられもみ消され、事件解決が遅れている間に東西融和を目指した首相は殺された。恐ろしい事件だった。そのころの冷戦下で、世界平和を目指すということは命がけだったのだ。意思を決定した時点で暗殺されかねないリスクがあった。そう言う意味でとてもうまい。
ピー国はアイルランドのような、琉球国のような、よくわからない立ち位置になっている。阿片が蔓延した前世紀初頭の中国のようでもある。選挙で選ばれた首相は、国民を愛国心で高揚させることに成功した。そして、五万人の犠牲によってどうやら国際世論を味方につけ、大国エー国を出動させることに成功したようだった。
ここらへんのお金(はっきりとは描かれていないが)の感じの話から、なんだかEUっぽい話が混じってくる。
なんかイメージ的にはスペインイタリアギリシャみたいなお金のない国が貧しいままでは域内の均衡が保たれず仲が悪くなるから、北の寒いドイツとかそんなところから国力を削ぎ取って貧しい国に分け与えれば競争や紛争も生まれない的な。得をするのはギリシャみたいなお金を貰ったりするだけのピー国…であってるかな?
みんな同じ国力で豊かになっても再分配されるからあんまり競争もない。競争はエー国内にすべて任せろってことかな…。
考えてみれば、戦争なんかなくても、古くて素敵なものたちは、経済発展でみんな消えるよ。
東京に数十年前の古くて素敵なものがいくつ残ってるだろうか?
少なくとも大阪ほどじゃない。
戦争と経済発展は似ているよ。古くて素敵なものをみんな消すから。経済発展をあきらめてあとは平和があれば、古いものは残る。たぶん経済発展爆進中のエー国は戦争なんかなくても、古くても素敵なものは国内からほぼ消える。他の国は平等に貧しいから古いものをてくてく直して残していく。天才たちはすべてエー国に流出する。彼らは科学を発展させ、エー国が君臨する未来を確約する。
そういえばこの舞台を観る前にトーハクの大奥展に行ったのを思い出した。鎖国しながらも、大奥に閉じ込められた女性たちのために、刺繍とかいろんな手仕事のものをぎっしりと詰め込んで…大奥と言っても大名たちの親族を人質代わりに出していたのかもしれないが、その贈り物のなかにたぶん人の温もりと、外の世界の美をパッケージしてデリバリーするために、そうした美しい手仕事はあったんじゃないかな?とても豊かだな、とも思った。少し悲しいが。憧れではないかな。たぶん。隣の清国のような金銀財宝はなかったかもしれないが、とてつもない樹木を使った天守閣もあり、平和を謳っているような江戸の文化だった。正直、豊臣秀吉がうっかり間違って中国侵略成功しなくて良かったんじゃないかとも思う。これも結果論で、もし仮に明国に勝ってもあとですぐに清国に負けてしまって何もかも取られていたのかもしれない。結局は日本で鎖国していたから、明国の学者が日本に亡命してきて江戸時代の学問の隆盛を支えた感が自分にはある。爆勝ちしなくとも、平和を守り手仕事や学問を愛せば、世界屈指の文化を築いたいい見本が江戸時代だったと思う。だから国というアイデンティティはそれほど必要ではなく、平和さえあれば、座標からにじみ出てくる香りが、平和な庶民のただ中から文化として湧き出てくる。そういったメッセージがあるのではないかとも思う。メッセージとかというと政治的な雰囲気にもなってしまうが、そういった願いというのか。
登場人物が真っ直ぐだから見やすい。割と何度も見て、描かれなかった部分をみんなで想像力で補って語り合えるいい舞台だと思う。色がついていない分だけ余計に。政治的に国内が分裂していると、こういう描き方が演劇では正確なのだとも思う。
樹海
近畿大学 文芸学部芸術学科 舞台芸術専攻 34期
八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)
2025/09/12 (金) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
アンケートにも記載しましたが、幻想的で美しい舞台でしたね。良かったです。これからも、それぞれ頑張ってください。
オズの魔法使いによろしく
中央大学第二演劇研究会
シアターシャイン(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
可成りストレートに時代を若者視点から描く。背景には時代の闇も、その深さと処置の難しさも透けて見える処がグー。
ネタバレBOX
板上は奥に暗幕。暗幕の真下には30㎝程の高さの黒い平台、幕が開くと黒い平台の上には下部が黒く上部が真っ赤な二回りほど小ぶりの平台。正義マンが現れる時などに使われる。
暗幕の手前の下手・上手には階段状の切り込みを入れ斜めに延びた衝立が見えるが各々が袖として用いられ下手の袖は地の色が白、上手の袖は地の色が黒でシンメトリックに配置されている。各々の文様は刷毛で掃いたような抽象的文様が描かれその色は下手の物には黒っぽい色と赤で表装が施され、上手の物には白とブルーが用いられて衝立の形態で対称性を強調すると共にその微妙な差異を描かれた文様の色彩的差異で示してもいる。場転場転でグレーに着色された箱馬が用いられるのも物語の内容に即し見事な感性である。無論、平台の色、黒と赤の使い分けも物語を象徴している。
肝心の物語は高2の女子・ドロシーが、ブリキ先生から進路指導を受け成績も良いのに何をしたいか決められない。モラトリアムから抜けられない事を中心に展開する。彼女の父は教師だった。多くの生徒たちから感謝され御礼の手紙が束になって幾つも残って居るほど生徒から尊敬され愛された教師であった。然し理由は明らかにされないまま自殺だったとの風評が流れていた。現在は母と2人の母子家庭である。ブリキ先生の推しは、決められないなら一先ず大学進学してみたら・・・であったが、彼女はそれを受け入れられない。母と2人の母子家庭で大学に通うことは母の負担が過重になることだと考えているからである。ところで、ブリキ先生はドロシーの父・山田正義に憧れて教師になり、生徒指導の指針には正義というコンセプトを以て当たっている。父没後可成りの年月が経つにも関わらず未だに墓参りをしてくれる教師である。一方父の親友だった獅子尾は警察官になっては居たが自らの勇気の無さが親友を死に追いやったと未だに悔やみ正義の墓参りを欠かさなかった。
また高校の先輩・案山子田はドロシーがバイトをしているコンビニで矢張りバイトに入ってきた大学中退者だが高校時代の成績は可成り良かったにも関わらず現在は何をやってもミムメモ(間が抜けていて)で結果主体性を確立できずに他人からこき使われるだけの人間に成り下がってしまっている。心をドロシーと通わせることのできる友人は同級生の凛子とその彼氏の金治くらいのものだが、積極的に何かをしたいという目標も持てないドロシーに彼氏は居ないのでカップルの世界には入って行けない。こんな八方塞がりの中で進路は決めなければならない。期日は迫っているのだ。そんな中、時代はライン等で簡単にカップルの相手を見付けることができるようになっていた。凛子カップルの友人に速見というサブカルの一ジャンルに矢鱈詳しいオタクが居てレア物の収集も情報の多くをネットから得ているようであり時代の躍動は何となくプラスに映ったのかも知れない。ドロシーはライン系を使って或る男性と知り合いデートを重ねるようになったが・・・。物語は急展開、果たしてドロシーの運命や如何に? この結末は実地に観劇して確かめるべし。
全体を通して自分の感じたことは終演後に追記する。
われわれなりのロマンティック
いいへんじ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
三鷹市芸術文化センター 星のホールが選び、次世代を紹介するNext枠のひとつ。120分。9月7日まで。
https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/09/post-4ce140.html
第14回名古屋学生演劇祭
第14回名古屋学生演劇祭
うりんこ劇場(愛知県)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/08 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
決勝の9月8日15時公演4作品を観せて頂きました。
各々30分程度でしたが、
この日のために情熱を注ぎこんで作られた作品はどれも力作ばかり。
改めてお芝居って色々な表現があるのだと感じました。
これからも若い力でどんどんチャレンジしていってほしいです!!
①な鳴る「音を鳴らす」
芝居というよりは、
アドリブでやってるようなリアルさがあった。
今どきの若者の相も変らぬ日常を
生々しく切り取った情景に心痛める場面も・・・
少女達にこんな思いをさせる大人達は、
もっと本気で考えるべきじゃないんですかね?
②劇団jobless「空のやつ」
生き辛い世の中、その中で模索し続ける若者の心象風景?
ユーミンの『ひこうき雲』を
そのまま体現したような作品でした。
③萌Co.「大草原不可避」
とにかくめっちゃ明るい作品でした。
一人で演じ切る力量が素晴らしかったです!!
④劇団とかげのしっぽ「残光」
全編、『謎かけ』のようで
まるでエッシャーのだまし絵の中で
遊ばれてるかのようでした。
ぼくらのおはなし
東京ノ温度
新宿眼科画廊(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/09/02 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
複数の二人芝居の断片を呈示してからそれらを関連付けてゆく形式の「一種のSF系」。
軸となるのは時間ものでしばしば使われる心だけのタイムスリップ(本作では「ココロップ」と呼称)だが、劇中でそれに疑問を呈するとは!(笑)
さらにそれだけでなく従来このテの作品では描かれることがなかった「ココロップされた側」も描いたのが画期的大発明(!)。
実は、主人公がある日突然違う境遇のパラレルワールドに行ってしまうという映画「知らないカノジョ」を観た時に「その主人公に入れ替わられたもう一人はどうなったの?」という疑問を抱いたので「そうそう、そっちも描かなくちゃ!」と膝を叩いた。
似た発想をする方がいらして嬉しい♪
The Breath of Life
serial number(風琴工房改め)
OFF OFFシアター(東京都)
2025/09/10 (水) ~ 2025/09/17 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
詩森ろば(serial number)の新機軸。林田麻里・李千鶴とのユニットの旗揚げだが、女性2人の関係の変化は面白い。131分。
ワイト島にあるテラスハウスに、フランシス(李)が元夫マーティンの愛人だったマデリン(林田)を訪ねる。マーティンは新しい恋人ができてシアトルにいるらしい。最初は敵対的だったマデリンだったが…、みたいな物語。デヴィッド・ヘアー2002年の作品で、日本では2014年に新国立劇場で初演された戯曲だが、女性2人の関係が濃やかに変化する様子が丁寧に描かれて、詩森の演出で女優2人がしっかりと演じた。タイトルは「必要不可欠なもの」という意味があるらしい。
どうでもいいことかも知れないけど、ドアが内開きというのは違和感。
CONSTELLATIONS
劇団スポーツ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2025/09/10 (水) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
元々は2人芝居らしいのですが、それを3人1役で男女それぞれ。
組み合わせも変わるので、バリエーション豊かに、ゆらぎながら舞台上に表現されます。
一人の役者が演じ分けるのでは無く、複数の役者が入れ替わり立ち代わり。
パートナーが変わることで芝居が変わるのも面白かった。
量子論(不確定性原理)が割とモチーフ的になっていて、そのあたりとの親和性もあってアリなやり方だと思った。
素舞台に、パイプ椅子が6脚のみ。
照明も色を付け足すようなことはせず。
役者を信じて役者を見せてくれるなって。
素敵な役者ばかりで。
なんてことは無い男女の話なんですけど、不思議と見入りました。
「白月帖」
演劇集団あんちぽっぷ
シアター風姿花伝(東京都)
2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
風姿花伝で、こんなにアクションある舞台は初めて観たかも。
総勢25人(数え間違えてたら御免なさい)、全員入り乱れるシーンもあったりする。
こういう異界で演者は華やかな衣装で……系の芝居が最近、やや足が遠のいてるのですが。
選んで良かった。面白かった。
ちゃんと世界観が作り上げられていて、そこに生きる人々(神様、キョンシーも含む)の思いが立ち上がってる。
外面(そとづら)だけ飾り立てられてない、ちゃんとした異世界のファンタジーがあったと思う。
殭屍人(キョンシー)と作り手の黒導師で、それぞれ関わり合いの違いがあるところとかも良かった。
130分は長めだけど、キャラの個性がよく、テンポがとても良くて長くは感じなかった。
後半がスケール大きくなってやや荒く感じたけど、そのぶん勢いあったな。
『REAL』
metro
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
宮沢賢治とニーチェのテキストを使って濃密でアングラテイスト。他に代わるものがないタイプの芝居。113分。
旗揚げからずっと観てるユニットで、天願大介の作・演出が光る。昔ながらの質屋の帳場に、三姉妹の次女・愛枝(まなえ,サヘル・ローズ)がいるところに垣乃花(渡邊りょう)が来て、長女の日枝(にちえ,月船さらら)はいないかと問うのだが、いないと答えたところにドイル君(マメ山田)がやってきて質草を出そうとするけど急いで帰り、やがて日枝は空(キャットウォーク)から現われ、三女の智枝(ともえ,犬宮理紗)は寝ている…、みたいに物語を追うことができなくもないが、そこが本意ではないだろう。宮沢賢治やニーチェのテキストをふんだんに使い、最後は『三人姉妹』的な終わり方。開演から聞こえる轟音がキモ。感性を刺激される芝居だった。
『コラソンはデイドリームちう*(中)』
コラソンのあんよ企画
APOCシアター(東京都)
2025/09/12 (金) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
関ケ原BOOGIE☆WOOGIE~小早川の場合~
山川プロダクション
萬劇場(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
旗揚げ公演にしては入れないお客さんもいた回があるとか
小早川秋秀を主役にしたというだけでも変わっているが、コメディタッチである程度史実に沿いながら新解釈を展開
キーワードは「友情」かな
主演の田口臣はじめキャストの表情も良かった
彼は後半甲冑姿になったが、初めはパジャマ姿
まあ秀秋のおこちゃま振りを上手く表現したとも言える
本物の小早川一族の末裔と書いてあったが本当かな
「鷹」は自由人でいいな
実は秀秋の本心という謎解きもあったが・・・
石田三成の誠仁、ちょっと最近見ていない沖野晃司くんに似てなかなかカッコ良かった
関ケ原BOOGIE☆WOOGIE~小早川の場合~
山川プロダクション
萬劇場(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
すばらしかったです。最高です。関ケ原の戦いは登場人物が多く、そして人間関係も複雑ですが、今日の舞台はそのあたりが非常にクリアーに描かれていてバッチシでした。脚本家さんが描く小早川秀秋像も非常にクリアーでした。何もかもすばらしかったです。衣装も非常に凝っていて「衣装にかなり金かけてるな…」と思いました^^ すてきな時間をありがとうございましたm(_ _)m あ、そうそう、山手線が人身事故で遅延していて舞台終わってから駅で1時間ほど油売ってました^^
nitehi:kedo
こわっぱちゃん家
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
SNSで感想を見て、半信半疑だったけど本当に涙なしでは観られない作品で、1歩踏み出せなければいつかは後悔につながることもあるんだなと思いました。
オズの魔法使いによろしく
中央大学第二演劇研究会
シアターシャイン(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。山田ドロシーを始めとした高校生が抱えるリアルな悩み。周りの教師、母親、先輩、友人。それぞれに悩みを抱え、現実に向き合う姿が実に上手く表現出来ていたと思います。人間、助け合って生きて行くものだと教えていただきました。ところどころに笑いもあり、和ませていただきました。案山子田君もやりたい事が見つかって良かったですね。犬岡君は教団を内部告発した人だったんでしょうか?
また、帰りに雨の中お見送りいただき、ありがとうございました。また、行きたくなりました。次回も楽しみです。
『コラソンはデイドリームちう*(中)』
コラソンのあんよ企画
APOCシアター(東京都)
2025/09/12 (金) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
杮落とし観劇です
短編3作品と謳いながら
其の実 幕間やプロローグとエピローグを
足して2時間20分くらいになってたわ
結構な見応え話だったなーと感想
連作であり物語は繋がってます
ネタバレBOX
ひとつの父子家庭を軸にした
家族の物語を3つに分けたという作りでした
娘2人に関心を持たない父と
就職した先でメンタルやられて
引き篭もりになった姉と
折り合いの悪い妹
死んだと聞かされてた母親は
別れただけで生きてるらしいと
姉妹は気付いているがー
死を悟った母親は
自分で身を引いたらしいが
末期になり遺言と言える
メッセージを録音し
それを元ペットだったネコが
霊体?で霊感強い父の妹さん=叔母さんが
導かれてか誘導されて
姉妹に録音メッセージを聞かせ
グズっていた家族の時間が
明るい方へ動く話
であってるのかなー
ふんわりとした表現がタイトルにも
使われた白昼夢なんだろうな と
照明とか効果音が頑張ってた
KAGO
劇団美辞女
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
トリカジ。130分。休憩なし。
懐かしき、未来 ‒ a nostalgic future ‒
ゴツプロ!
シアター711(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
凄い一人芝居。作者の深井邦彦氏は鬱の塊を力一杯ぶつけてくるのでこっちは痛くてたまらない。御約束の奴は牛乳だった。過去のトラウマを救い、現在の不甲斐なさを立て直し、未来を明るく見据えたい。誰もが願うそんな気持ちが精一杯作品に込められている。
佐藤正和氏に感服したのは、最後まで一人芝居に思わせなかったところ。感情が波となってうねり、その後ろに情景が確かに見えた。伝える、ということに徹した演出。浮かび上がる母親の陰影。時間の海に漂う自分という乗り物。過去も現在も未来も全てがここに在る。
是非観に行って頂きたい。
ネタバレBOX
舞台は熊本県。小4の10歳の少年が主人公。1980年7月7日の月曜日から13日の日曜日までの一週間。父が事故死し母と二人暮らし。母は精神的に不安定で暴力を振るう。少年は牛乳瓶をゴクゴク飲み干しては登校する。学校では酷い苛めに遭っている。下校するとパチンコ屋に向かって母を探す。店内で玉拾いして時間を潰す。母が勝った日は近所の店でナポリタンを一緒に食べる。帰宅するとドアをガンガン叩く音と怒声、借金取りだ。じっと息を殺してやり過ごす。母は化粧して夜の仕事に出掛ける。ある夜、男達がアパートに侵入して来て母子共々ボコボコにされる。母は何処かに連れて行かれた。数日ぶりに帰って来た母は日曜日に天草の海に行こうと言う。海にはピンクのイルカが棲んでいて、それを見るとどんな願いでも叶うんだそうだ。日曜日、ずっと海を眺めて探し続ける。母はトイレに立つ。すると突然傍に妙なおっさんが立っていることに気付く。ウエスタンハットにポンチョ、夏なのに妙な風体だ。おっさんは「君の願いを叶えてあげる」と宙に浮く銀色の乗り物に手招きする。
2171年、男は200歳になっていた。母親を名乗る者から手紙が届く。何となく病院に行くと寝たきりの老婆。本当に母親だったのかすらもう思い出せない。赤の他人のような会話が続く。何かそれが妙に楽しくなってきて数ヶ月通う。amazonでタイムマシンを買って過去に行ってみる。天草の海岸で母に棄てられた10歳の自分がいた。少年を乗せて1977年大晦日に飛ぶ。父親と母親と楽しく紅白歌合戦を観ている頃。明けて1978年1月、この月に父親がホームから転落して電車に撥ねられて亡くなるのだ。少年は父親を助けて、過去を変えようとする。1周目は朝飲んだ牛乳で腹を下してトイレに駆け込み駅員に補導されてBAD END。2周目は父親に叱られ会社の同僚に車で帰されてBAD END。3周目は直接父親を助けようと駅で待っていたが、矢張り運命は変えられず目の前で父親は轢死してBAD END。男は連絡を受け2171年に帰る。母親を名乗る老婆が亡くなっていた。もう一度過去に戻ってみる。少年はサバサバした表情で7月7日からの一週間を辿ってみたいと言う。母親に殴られ、学校で苛められ、今となっては全てどうでもいい出来事だ。もう何も自分を傷つけられない。自分はそんな痛みを超えてしまった。さあ天草の海岸でサヨウナラだ。お母さん、あなたはあなたの人生を精一杯生きて下さい。今日まで育てて下さって有難うございました。感謝してもし切れません。有難うございました。有難うございました。有難う!またいつか!男に肩車されたウエスタンハットにポンチョ姿の少年は泣きながら、走り去る母親の車を追い掛ける。ずっとあなたのことを愛していました!
タイムマシンの設定は記憶内を仮想空間にしてアバターである自分が体験する夢でいいと思う。何度も何度も過去を追想して、自分の真意に気付く。
タイムマシンをamazonで買う為、設定を説明無しで200年後にしたのは正解。この巨大な嘘のお陰でいろんな矛盾が気にならなくなる。この手はアリだと思う。取り敢えず200年後に話が飛べばもうこっちは文句を付けられない。
※佐藤正和氏に前から妙な既視感を感じていたが、「矢野・兵動」の兵動大樹の話芸に似ていると思ったからかも知れない。
『REAL』
metro
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了