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正しい水の飲み方【全日程、終演いたしました。ご来場、誠にありがとうございました!】

正しい水の飲み方【全日程、終演いたしました。ご来場、誠にありがとうございました!】

劇団えのぐ

萬劇場(東京都)

2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団えのぐ×演劇集団TOY’s BOX ×演劇商店若櫻の3団体コラボ公演は出演者が25名と多く、人物描写や関係性、物語の展開が分かり難いようにも思えたが、伝えたいことは理解できた。タイトル「正しい水の飲み方」は、そこにいる人々の思いを暗喩しており、それぞれの心情を吐露する場面は迫力があり観応えがあった。
(上演時間2時間)2019.12.21追記

ネタバレBOX

舞台となるのは、「我田」という街。真ん中に背もたれの高い椅子2脚、四方にいくつかの椅子が倒れている。下手側奥には机のようなものが置かれている。中央の床には横断歩道線。物語が始まると洗濯物であろうか運動会時の万国旗のように吊るされる。その風景は荒廃・退廃といった印象でダウンタウンを思わせる。物語はこの街に住んでいる住人の ある思いであり、その解消手段"水”の効用?である。

人には思い出すのも辛く悲しい記憶がある。それを忘れることが出来る”水”がある。正確には何らかの物質が入っており、嫌な記憶を忘れさせてくれる。何となく麻薬のような危険な香りもするが、それには中毒性がないと言う。例えばアルコール依存やニコチン中毒といった、普通の生活においても何かに依存している症状と同じだと言う。その”水”に依存している人が集まる街で、巻き起こる切ない物語である。悲しい思い出は現実にあった交通事故を想起させる。この事故の記憶に蓋をしていること、そしてフラッシュバックしてしまうこと、そのリフレインシーンは笑いと悲しみが同居していることを感じさせる見事な描き方。

現実逃避、諦めること忘れることを鎧代わりにし、楽しい思い出だけの人生。そんな街-世界から戻ってくることが出来るのか?人の”思い”とはを鋭く問いかける。忘れること、それはその人の存在まで否定しているようで悲しい。しかし描き方は、とても生きづらい世の中、そこに潜む記憶・思い出の中にこそ必要とされるそこはかとないユーモアを漂わせる。底流にある哀惜を心温まる、そして優しさに包んだような松下演出は好きである。

気になったのは映画撮影のシーンである。我田にいた義兄弟、水のせいで記憶が曖昧になっていたが、効用切れで邂逅出来たようだ。我田にいた時の回想・記録映画として俯瞰した位置にあったのだろうか。劇中に挿入されるシーンが分かったような解り難さが気になった。もう少しすっきりできるのではないか?敢えて言えば、大所帯のための出番で、本当に必要な構成・場面であったのだろうかという疑問である。
次回公演も楽しみにしております。
カタロゴス-「青」についての短編集-

カタロゴス-「青」についての短編集-

劇団5454

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

例えるなら意図的に欠けさせた萩焼の銘品のように。
外観をさらえば3本の解りやすいコントのパッケージ。
これで観ても能天気に頭を使わず十分に笑えて面白い。

しかしながらひと度足を踏み込むとその随所に共感あり二面性あり反論ありと、考察を促す作り込まれた余白がある。

観る人にはもちろん、楽しんでもらう。
その上で何か土産も持って帰ってもらいたい。

この劇団の、春陽氏のイズムがこれでもかと詰め込まれた、幾通りにも解釈と考察ができる7色の作品。

まるで自分も舞台のなかで、演者の一人として参加しているような気持ちになれる、名作です。

ネタバレBOX

MVPは村尾さんです。
汚れた世界

汚れた世界

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/12/06 (金) ~ 2019/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

初演時は東日本大震災、今回は桜を見る会、のような
国のデタラメ、隠ぺいなどの状況
作り手の伝えたいことは充分感じられる舞台でした。
リアルさは少ないですが、臨場感はあって良かったです!

兎の姉妹

兎の姉妹

兎座

小劇場B1(東京都)

2019/12/17 (火) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★

主人公の昔の出来事を実家で映画撮影することで、過去を現在に再現させ追体験するという手法は斬新。オープニングで本当の少女が登場したのも説得力があってよかった。
ただ、私の中で若くして亡くなった姉の死因がずっと気になっていて、きっと劇中で判明するものとばかり思っていたのだけど、最後まで明らかにはならなかった。結局死因って何だったの?ラストのドラマチックなシーンで「えっ、死因言わずに終わるの?」と頭がグルグルして没入出来なかった。(私が見過ごしていたならどなたかご教示いただけると幸いです)

ネタバレBOX

【気になった箇所】
姉が長患いの病気だったとすれば主人公もさすがにお見舞いくらいは行くだろうから、事故や急病によって亡くなったのだろうと思うけど、それにしても姉のお葬式にすら出席しないってのは相当に冷淡な気も。東京に出るのを反対されたくらいで「お葬式にも出ない」ってくらい心の距離が開くかな?あと、自分の母親がそこそこ有名な女優だということを30歳を過ぎるまで知らず、父親も伝えていないというのもなんだか不自然なような気がした。

あと、自主制作ぽい映画(PFFに出すくらいの規模の映画かな?と想像しながら観てた)なのに、なんでわざわざマネジャー付きの面倒なアイドルを起用してるのか?とか沖縄弁訛りの役者は選考の段階で落としておかない?とか、ほつれや気になる箇所は多々あったけど、役者さんの熱量が高いせいもあって、全体的に見れば上質なホームドラマになっていたんじゃないかな、と思う。
『私が傷ついているのにあなたが傷ついていないのはあなたに愛がないから』『細くて長いもの。』同時上演

『私が傷ついているのにあなたが傷ついていないのはあなたに愛がないから』『細くて長いもの。』同時上演

尾鳥ひあり

小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)

2019/12/15 (日) ~ 2019/12/19 (木)公演終了

満足度★★★

 年寄りの冷や水・老婆心と言われそうだが(追記後送)

ネタバレBOX

劇評を書く前に、男として先に生まれた者の一人として言っておく。血が騒ぐ、血痕、血染めの衣服等々から桜迄血に纏わる言説は極めて多いが、坂口安吾の「桜の森の満開の下」ならずとも桜の花の下には死体が埋まっていよう。これは男の狩猟本能にも関わってくるだろうが、狩る獣の血にせよ、獣に反撃されて負う怪我に因る出血にせよ、ヒロイズムひいてはナルシシズムに繋がる、運が悪ければ死ぬ状況に飛び込まざるを得ない本来の狩りで、死の恐怖を誤魔化す為の一種のまじないのようなものでしかあるまい。表現する者である以上必要以上にこのレベルに留まってはならない。
正しい水の飲み方【全日程、終演いたしました。ご来場、誠にありがとうございました!】

正しい水の飲み方【全日程、終演いたしました。ご来場、誠にありがとうございました!】

劇団えのぐ

萬劇場(東京都)

2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

  えのぐ、Toy’sBox、若櫻3団体コラボ公演。作・演はえのぐ座長でもある松下 勇氏。今回は出演者も25名の大所帯、かなり大変だったろうが、上手く纏めている。(餡子部分内容詳細は昨日初日が開けたばかりだから後程追記)

ネタバレBOX

ところで我々ヒトが生きて行く為には食い物、飲み物、衣類に住む場所が必要だが、この中で状況にもよるが温帯の過ごし易い時期であるという条件ならそれが欠乏して最も短時間で死を招くのは、何か? 答えは水である。食糧が無くても人間の大人なら1カ月位は何とか生きていられるが、水が無ければ1~2日、せいぜい3日程度で死に晒される。それほど水は我々生命にとって大切なものである。扱っている問題はツッコミを入れれば実に深刻で本質的な社会問題だが、その深刻で本質的な問題を軟着陸させているのが、えのぐでも作・演を担当している松下氏の感性の柔らかさだ。丁度ショックアブソーバーのようにやんわり優しく作品を昇華している。
私たちは何も知らない

私たちは何も知らない

ニ兎社

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/11/29 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

女優陣が素敵でした。

ネタバレBOX

女性誌「青鞜」に関わった人たちの編集風景や私的な生活を生き生きと描きながら、ふと、戦争との関わり、戦後の生き方を瞬間垣間見せてくれた話。

明治大正期の話ですが、ポップな衣装、軽やかな衣装、普段着、かっちりした服装、おばちゃん風、ややロリータ風派手めな衣装と、今現在の服装で演じられ、MeToo運動にも通じる現代の問題として捉えようとする意図がひしひしと伝わってきました。

女流作家の育成と銘打っての創刊から、家庭や社会の中における女性の地位向上を目指すことを鮮明化した平塚らいてうを中心とする女性誌青鞜は、経営権が依藤野枝に引き継がれた後は無方針となりました。

青鞜を通じて家制度、堕胎、公娼制度等に関する女性の立場からの考え方が提示されましたが、当然色々な考え方があるわけで、大きなギロチンが下りるような、大きな堰が閉じるような舞台上の演出もあり、青鞜関係者の中にも国策に協力することになった人もいました。

平塚も学徒出陣に際して寄稿文を寄せたというシーンがあり、太鼓たたいて笛ふいた黒歴史があったことを知りましたが、単純に論ずることはできないなと思います。
Butterflies in my stomach

Butterflies in my stomach

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了

満足度★★★★

■約77分■
今泉舞という女優がいい。快活な笑顔としなやかな身ごなしに魅せられた。

ネタバレBOX

青☆組流、女の一代記。ヒロインの生が彼女の心象風景や妄想、記憶のフラッシュバックに至るまで細やかにまた生き生きと描かれているのに対し、その死だけはあっさりと描かれているのが印象的だった。
今、出来る、精一杯。

今、出来る、精一杯。

月刊「根本宗子」

新国立劇場 中劇場(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/19 (木)公演終了

満足度★★★

演出は色々凝っていたと思う。生演奏の良さが本公演ではあまり効いていない感じがした。

ネタバレBOX

脇役の方たちが感情の起伏の激しい演技であったから、主演の清竜人さんは感情の起伏のあまりない役だったのだろうか。また、歌はさすがに上手ではあったが、歌をうたっているだけであって、せっかくミュージカルの場として歌うのに想いが載せきれていない感じがした。
"Wait"

"Wait"

just a

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2019/12/18 (水) ~ 2019/12/20 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/12/18 (水)

18日20時開演回(60分)を拝見。

依田玲奈さんの一人芝居、just a Wait の初日は、自作の『Wait』と太宰治作『きりぎりす』との2本立て。
落語のマクラみたいな導入部から始まる『Wait』。
今宵と同じ兎亭で2017年の年末に拝聴して以来の『きりぎりす』。
共に、依田さんの巧みな話「芸」に只々聴き惚れてしまいました。

最後に。
世渡り下手で清貧に甘んじながらも無心で演劇に打ち込む…売れない役者の下に転がりこんだ、押しかけ女房の視点で語る、小劇場役者版の『きりぎりす』で、数年先に再演してもらいたいなぁ、と今から勝手にリクエストしておきますね。

Butterflies in my stomach

Butterflies in my stomach

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了

満足度★★★★

同じテーストの衣装の7人、駆け足で巡る人生でしたが、
人は10年にひとつくらい大きな出来事があるのですね⁉︎
若干、配役(主人公以外)に戸惑うところがありましたが、
面白かったです!

リーディングフェスタ2019 戯曲に乾杯

リーディングフェスタ2019 戯曲に乾杯

日本劇作家協会

座・高円寺2(東京都)

2019/12/14 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

至福の公開審査。一篇も対象戯曲を読んでいないが、審査員のコメントからどんな作品かが彷彿としてくる。今回は女性劇作家の審査員を3名とした。川村氏、永井氏の姿が居なくとも、議論は充実。何より劇作の世界の深さを知り、可能性を展望する情熱と思考力、直感を言語化する力が迸る熱い場が、やはり好きである。

アサガオデン(劇場版)

アサガオデン(劇場版)

少年王者舘

ザ・スズナリ(東京都)

2019/12/14 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

普段もストーリーがあるようで無いような少年王者舘舞台だが、今回はフィーチャリング・夕沈、パフォーマンス主体でもやはり、というかこれぞ少年王者舘という内容であった。クライマックスに夕沈の落語(上方落語)を持って来たがこれが秀逸で、様々な落語演目を想起させる働きアリを丁稚に見立てたお話。(「次の御用日」「七段目」「阿弥陀池」「愛宕山」等等を思い出しつつ聞いた。)
4人の白装束の女性、生演奏は坂本弘道氏で、絡みもある。脳が欣喜雀躍する1時間半。

RITA&RICO(リタとリコ)

RITA&RICO(リタとリコ)

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2019/12/14 (土) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白い! SPAC団員・渡辺敬彦演出・脚色による『セチュアンの善人』。氏は演出経験者ではあるが所謂「演出家」ではなく、今回はブレヒトを「苦手」とする宮城聰氏が氏を抜擢したのだとか。演出とは言え「裏方」だからか長い髪を不精に伸ばし、締切り間際の物書きよろしく頭を掻きながら俯き加減にそのへんを動いていた。
世界観的にはSPACで上演された西悟志演出『授業』に近いものを感じた。テイストは違うが。才能の貯蔵庫であるSPACを憧憬する。

Butterflies in my stomach

Butterflies in my stomach

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

開演少し前から一人、二人と登場する女優。青☆組らしい衣裳はボディラインを淡くぼかす長スカートと、シルクっぽくヒラッとした白ブラウスで揃えている。「交換可能」な7人の女優には「いち」「にい」「さん」と役名が振られ(パンフで確認)、それぞれ7歳、17歳・・67歳までの七子を担当するが、「いち」「にい」の数と年齢が規則的に対応しておらず、「なんで?」と疑問が湧く。
と、客電落ち直前に見たパンフの箇所にこれはOn7(オンナナ)立ち上げ公演へ書下した作品、とあった。個性と主張の強いOn7メンバーとの共同作業の足跡を残したのだろう「いち」「にい」だと納得し、さらに開演冒頭の自己紹介で(役名でなく)役者名を言うあたりにもOn7始動宣言の模様を重ねるとそれが見事な導入となり、役者の挙動を追う内に早くも目頭が熱くなった。
ストーリーは七子の生涯。幼少から老年へと時系列に進む。各女優は受持ちの(年齢の)七子でない七子の台詞も喋ったりとフレキシブル。周辺人物たちも七子以外の役者がコロス風に入れ換わって演じる。
気付けばOn7の姿は何時の間にか消え、この座組としての躍動的な七子物語が紡がれていた。七名はサッカーや新体操のようにフォーメーションを変えポジションを変えて流れるように動き、道具と声を使って音響効果も担う。
青春の日々。それを予感する少女時代。クラスでは女子の眼中にない男子、そこに現われた転校生。恋、そして別れ。いつの間にかしていた結婚。子育て期、倦怠期、老年期。いつしか背景にうっすらと、例の眼中になかった地味な男を伴侶とした、地味だがそれでも丁寧に歩んだ人生の、終末期にその夫への疼きに近い心情が観客の想像力をくすぐる程度にふっと流れる。地味男(夫)専属の福寿奈央の演技はやや突き出ており、遊びがある。
音楽は(確か)使わず、全て役者のアンサンブルが芝居のリズム(うねり)を作り、出来事・行為の「行間」に漂うエーテルのような情感が、打ち寄せるさざ波のように観客を揺さぶるのだ。

ネタバレBOX

距離をとって人生を描写するタッチは数年前同じく春風舎で上演された「海の五線譜」に通じ(作品としては今作が先)、誕生から死までを俯瞰して形式・象徴的表現を模索した舞台と言えば、柴幸男作「あゆみ」が浮かぶ。
だが「あゆみ」がディテイルを削ぎ落とした究極形とすれば、こちらは具体物の手触りがあり、一見不要な要素(遊び)が紛れ込んでいるのが有機的で「形式」が狙いでない事を感じる。
女性像の背後に「戦後」という時代も感じさせ、それが「今」を意識させる。「あゆみ」はノスタルジーに浸らせるが今作はノスタルジーを拒む疼きがある。
『私が傷ついているのにあなたが傷ついていないのはあなたに愛がないから』『細くて長いもの。』同時上演

『私が傷ついているのにあなたが傷ついていないのはあなたに愛がないから』『細くて長いもの。』同時上演

尾鳥ひあり

小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)

2019/12/15 (日) ~ 2019/12/19 (木)公演終了

満足度★★

確かに今まで見たことがないようなお話、舞台でした。お芝居の部分は説明にあるようなストーリーだと思いましたが、それ以外の情報が多くて疲れました。あのダンス(だかパフォーマンスだか)は長々必要なんでしょうか。

ネタバレBOX

2本目、はっきり言って汚いです。生理的に嫌いです。役者さんたち、毎日お洗濯が大変そう。よく分からないけど面白いと思えないでもないですが、今のところ私向きではありませんので、作風が変わったらまた見てみたいです。
タージマハルの衛兵

タージマハルの衛兵

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2019/12/02 (月) ~ 2019/12/23 (月)公演終了

満足度★★★★

シンプルな二人芝居。タージ・マハルを作ったムガール帝国の王が、同じ美しい建築が二度と作られないように、建設に携わった2万人の手首を切り落とすように、二人の衛兵に命じた…という、事前のあらすじ紹介だった。その命令に従うかどうかの葛藤が描かれるのかと思ったら、もう二万人の手首を切り落としたあとから問題が始まるというのは、予想外だった。しかし、この方が、絵になるし、行為の重みがずっしりくる。なるほど「後で説明」のパターンではないが、まず葛藤から始める。作劇としてはうまい。

しかも、最後にこのふたりがまた大きな試練に直面する。残酷である以上に、切ない芝居だと思った。

芝居の語る思想的意味については、公演プログラムに内田樹、岩城京子がこれ以上ないほどスッキリ解説している。権力を支えるのは権力に従うものだという逆説や、ふたりの衛兵の対立のドラマツルギーはわかりやすい。

それ以上に、この舞台の見どころは、成河と亀田佳明のふたりの熱演、好演にある。掛け合いも見事。思想の図解になっていない。血の通った悩める人間、弱い人間の、ささやかな夢と大きな愚行を、笑いとメリハリのある見事な劇に仕上げていた。
戯曲は『悲劇喜劇』1月号に掲載。

ネタバレBOX

同じような王の残酷な仕打ちは、モスクワの赤の広場の脇にある聖ワシリイ大聖堂建設の逸話として聞いたことがある。西でも東でも権力者は同じような事を考えるものだと驚いた。

この王の非常な処刑を、美を終わりにするもの、美を生き延びさせるためには王を殺さなければという発想は、思いもかけなかった。人間への残酷ではなく、美の息の根を止める行為という見方は、ハッとさせられた。その美を「女」は例外と言いつつ、「鳥」に託すイメージも発想の柔軟さの賜物である。
THE ROLE OF

THE ROLE OF

埋れ木

Geki地下Liberty(東京都)

2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/12/18 (水) 19:30

105分。休憩なし。
開演時間の表記が少し変わっているので注意。

ネタバレBOX

後日記載。
カタロゴス-「青」についての短編集-

カタロゴス-「青」についての短編集-

劇団5454

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑いとシリアスと掛け合いの楽しさの中に、誰もがどこかしら「あるよね、こういうことが」と、どこか共感できる心の動きにあっという間に時間が過ぎました。3本めは手をたたいて笑いました。

演劇で1時間ものちょっぴり短めの話はよく見たのですが、今回みたいな30分程度×3本それぞれを俯瞰で見るような仕組みは初めて見ました。それぞれが個性的で、幕の内弁当のような、いいところをぎゅぎゅっと集めたような豪華さがありますね。

演劇を見慣れていない人には、この長さは丁度いいですね。

lost memory(東京)

lost memory(東京)

劇団1mg

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

舞台セットがしっかりしていて、後半の簾からの演出にはビックリしました!

物怪の三人娘、遊郭の三人娘、お兄ちゃんと三人姉妹、女性トリオがとても素敵でした!

最期は思わずホロリとする場面も…
楽しい2時間ありがとうございました

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