
第4回全国学生演劇祭
全国学生演劇祭実行委員会
ロームシアター京都ノースホール(京都府)
2019/02/20 (水) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/02/23 (土)
名古屋学生演劇祭は3年続けて観ましたが、全国は初めて観れました。Cがえらく空気が偏っていたものの笑、全体としては色んな作品を観れて満足です。
最推しは「ミチタ カコ」、次点が「fooork」「劇団バッカスの水族館」「ゆり子。」あたり。

SWEAT
劇団青年座
駅前劇場(東京都)
2019/03/06 (水) ~ 2019/03/12 (火)公演終了
約2時間50分、休憩込み。2000年代のアメリカで、ある工場がリストラを敢行し、労働者はストへ。突然仕事がなくなり、行く場所を奪われる。明日は我が身と、自分ならどうするかと悶々とする。高さも奥行きも少ない舞台で、壁を移動させて様々な空間へ場面転換。ベースはバーで、上手側の空間が色んな場所になる。青年座劇場だったらどうなったかなと何度か想像した。

父さん、晩年っていうのかい、これは。
MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)
「劇」小劇場(東京都)
2019/03/06 (水) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
約1時間50分。リアルと虚構のせめぎ合いはいつも通りスリリング。原作知っておくと吉。すっかり好きになってから、私は少しショックだったっぽい。でも皆さん元気そうで良かった♪

LULU
アン・ラト(unrato)
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
ヴェデキントのこの有名古典を観るのはたぶん3度目。少し古風な翻訳のおかげか、台詞を慎重に味わえました。意外なことに会話に飛躍が多く、今も生き残る古典ならではの厚みなのかもとポジティブに捉えられました。突飛なやりとりの背景を演技で埋めて、スムーズな流れを作ってくれていたからだと思います。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/03/09/11845/

世界は一人
パルコ・プロデュース
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2019/02/24 (日) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
カテコ込みで約2時間15分。岩井秀人さんの人生観、死生観が音楽劇に。抜け感を保ちつつ緻密で粋で私はとても好き。言葉、歌、音楽が小気味よく、変な嘘なく共存し、周到な笑いどころも多数。俳優がみな魅力的で集中できた。メインの歌で涙。

紫苑物語
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2019/02/17 (日) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
大野和士芸術監督が日本から発信する新創作オペラの世界初演。音楽も歌も美術も衣装も全体的に常に強烈で、最初から最後まであっけに取られっぱなし。オペラは音楽(というルール)を核にどこまでも飛躍できるのかな…と遠い目になった。

熱帯樹
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2019/02/17 (日) ~ 2019/03/08 (金)公演終了
三島由紀夫の華美な台詞をしなやかに軽やかに届ける小川絵梨子演出。面白かった!死に臨み輝く命は三島的。母の造形独特&強烈で衣装素敵。父お馬鹿さんでキュート。揺れまくる兄可愛い(笑。重病の妹の生命力突出で鮮烈。おばのラスボス感興味深い。鳥と衣装の繋がりもイイ!

「あつまれ!『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』まつり」
DULL-COLORED POP
サンモールスタジオ(東京都)
2019/02/14 (木) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
ダルカラ「ねこまつり谷賢一演出版」90分弱。子二人を育てあげた専業主婦(井上裕朗)が夫を亡くし猫と過去を回想。ギャグを交えたホームドラマの体裁で複数の階層を行き来し、「演技」の可能性、責任等を多角的に考えさせる。井上さんが素晴らしい。井上演出版観たくなった。

見立てる
カンパニーデラシネラ
横浜にぎわい座・のげシャーレ(神奈川県)
2019/02/11 (月) ~ 2019/02/17 (日)公演終了
約1時間。男女各2人合計4人のパフォーマンス。ギュっと詰まっていて充実。人、虫、魚、やかん等に変身しつつワクワクの仕掛けいっぱいの道具と縦横無尽に戯れる。音との関わりが濃い。「水と油」から「デラシネラ」になったんだなと感慨深く。

ヘンリー五世
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)
2019/02/08 (金) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
約3時間5分、休15分含。説明役が観客に素で話しかけ、俳優が見得を切り、人気者の殺陣はショーアップ。大衆演劇風?出演者が横一列になりがちで高さや奥行を生かせていない。怒鳴る発声と大音量のドラムなど音が苦手。名台詞大幅削除に疑問。

疾風のメ
くちびるの会
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/17 (水) ~ 2019/04/22 (月)公演終了

「芸術家入門の件」
ブルドッキングヘッドロック
吉祥寺シアター(東京都)
2019/05/18 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

なるべく派手な服を着る
TABACCHI
小劇場B1(東京都)
2019/08/28 (水) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

かなわない夢ガール
タイマン
シアター風姿花伝(東京都)
2019/11/14 (木) ~ 2019/11/17 (日)公演終了

CHIMERICA チャイメリカ
世田谷パブリックシアター×パソナグループ
世田谷パブリックシアター(東京都)
2019/02/06 (水) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
『チルドレン』に続く栗山民也演出のルーシー・カークウッド戯曲の上演。1989年の天安門事件の決定的場面を撮影した米国人カメラマン(田中圭)と、その場に居た中国人(満島真之介)が、米国大統領選挙中の2008年に再会。家庭や仕事、恋愛模様など、卑近ともいえる市民の生活を丁寧に描き、その背後にある大きな力を感じさせる。国、社会、世間は個人を制限、支配するが、たった一人が世界を変えることもある。その光と影を描く。時を超え、中国と米国などを行き来する38場をシャープに転換。複数役をすばやく演じ分けていくアンサンブルの豪華俳優らも見応えあり。思い返すと、カメラマンの女性に対する行動、言動はひどすぎる(笑)。恋人(倉科カナ)とのラブシーンはいつも官能的で素敵だった。

SHOOTING PAIN
ピヨピヨレボリューション
スタジオ空洞(東京都)
2019/02/01 (金) ~ 2019/02/10 (日)公演終了

Le Père 父
東京芸術劇場/兵庫県立芸術文化センター
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2019/02/02 (土) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
30カ国以上で上演された仏戯曲「Le Pere 父」の日本初演。約1時間50分。超面白かった!老いる父とその周囲の人々の我欲、善意、愛情、妄想が演劇的虚構でさらに不確かに。それを新鮮で真実味のある工夫を凝らした演技でみせるから観客は撹乱される。私は笑い、涙した。橋爪功さん含む出演者6人全員スリリングで魅力的。大げさ過ぎず閉じてもいないのが素敵!具象と抽象のバランスが美的な美術もおしゃれな衣装も雄弁。自分を信じられない恐怖を想像できた。初演を演出したラディラス・ショラーさんの日本での初演出。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/02/06/14688/

ラウンド・アバウト・ミッドナイト
津あけぼの座
津あけぼの座(三重県)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/26 (土)
「違和感」の中に必ず潜ませてある「必然」の巧みさ。
事情が紐解かれるごとに…切なく迫る「違和感の意味」…どうしょうもない男の情けなさが迫る。

二月競春名作喜劇公演
松竹
新橋演舞場(東京都)
2019/02/02 (土) ~ 2019/02/23 (土)公演終了
新派と松竹新喜劇が競演する二本立て。繰り返し上演されている演目ならではの安定感と重量感。「華の~」の舞台は昭和23年の京都の遊郭。女将のおえい(波乃久里子)がきりもりする歴史ある鼓楼だが、太夫たちがストライキを起こすなど、時代の波に飲み込まれつつある。貧しいが器量はよさそうなきみ子(藤原紀香)を引き取ると、彼女はオツムが弱い上に妊娠していた。最後は奇跡的なハッピーエンドに♪ 演出の大場正昭さんは大量の出演者をさばき見事な群像劇に仕上げている。変わりゆく時代、消えていく文化を生のお芝居に残す偉業。
「おばあちゃんの子守唄」はわかっていても笑かされる人情喜劇。懐かしい。2演目とも観客と積極的にコミュニケーションを取っていて好感。着物の着こなしや所作、笑いの作法などに鍛錬の跡が見て取れて感激。

私戯曲 りんごのうた
無名劇団
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2019/01/17 (木) ~ 2019/01/19 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/19 (土)
作演主演の本人が…自分を育ててくれた…今は亡き厳しい祖母との共依存関係と…それにより摺り込まれた自己否定感、そこから這い上がろうとする足掻きをモチーフに…憤りと自責の念が綯い交ぜの…自らの心を抉りだす様な芝居でした。