最新の観てきた!クチコミ一覧

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それは秘密です。

それは秘密です。

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2020/01/23 (木) ~ 2020/01/30 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/01/28 (火) 19:00

座席1階

チャリTの芝居は見たことがあるが、この演目は初めて。秘密保護法成立前後が初演だったというが、当時は国会デモなどで盛り上がっていた時期。あれからすっかり国会周辺は静かになり、もはや安倍政権はやりたい放題だ。桜を見る会の名簿も「機密扱い」みたいにやばくなったら破棄してしまうという、もはや民主主義国家とは信じられないありさまだ。演劇人たちよ、黙っていていいのか。そんな思いで劇場に出かけた。もちろん、初演をそのまま再演するのではく、桜を見る会とか、「調査研究」で自衛隊を中東地域に派遣してしまうとか。そういったところもじゃんじゃん盛り込まれると思っていた。

それじゃあ「再演」じゃなくなってしまうと言われるかもしれないが、そんな思いで座・高円寺に足を運んだ人は多かったのではないか。コントの切れの悪さには文句は言わない。やはり、チャリTならではの鋭い舞台を期待した人たちには、物足りない内容ではなかったか。

翻って、秘密保護法の危険性を一から学ぶ、みんなすっかり忘れてしまっているこの法律の恐ろしさを思い出させるという点では十分に効果があると思う。舞台は、「後方支援」として安全な場所に派遣されていたはずの自衛隊に関する情報に触れたために、なんとお笑い芸人が逮捕されるという筋立てだ。どうして逮捕されたかも「秘密」というわけで、二人の刑事も「身に覚えがない」と訴える芸人に「なぜ逮捕されたか」も言わない。一見荒唐無稽かもしれないが、秘密保護法が通ってしまった今ではありえない話ではない。軍事機密とはそういうものなんだろう。

内情を知った新聞記者が、このネタをがっちり紙面で伝えられるかどうかも触れてほしかった。

ネタバレBOX

自衛隊に戦死者が出る、というのは今、本当にあり得る話だ。だが、それを遺族にまで隠しおおせるものだとは思えない。旧日本軍はお国のために戦死した人を賛美したが、それを後ろ暗いもののように覆い隠そうとすれば、軍隊としての自衛隊の規律はもはや保てない。そうなると自衛隊は崩壊する。もはやこのバカバカしい政府のために命を懸けるなんて誰も思わないから。
ウエアハウス-double-

ウエアハウス-double-

る・ひまわり

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2020/01/25 (土) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

いくらでも想像が膨らみました。

ネタバレBOX

妻を寝取られ離婚に至った男が相手の男が一人でいるところを訪れ、初対面の何気ない会話からじわりじわりと追い詰めていき、次第に恐怖に陥れる話。

男は通り魔なのか。もしそうなら殺されたのは元妻なのか。犬を殺したのにナイフに血が付いていないのは演劇だからなのか。どちらかが刺されたようなのに血が出ていないのも、犬に咬ませた服が傷んでいないのも演劇だからなのか、想像が膨らみます。

しかし結局は、男は単に脅しに来ただけのようでした。

二人の関係性が分かるまでがメインです。素性が明らかになってからは冗長でした。
パズル

パズル

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2020/01/28 (火) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

  多くの日本の喜劇に言えることだが

ネタバレBOX

観客に阿って彼らを洒落のめす作品が極めて少ない。この点に日本人の自己批評の脆弱性を見る。この傾向は我々の日常のありとあらゆる側面に表れている。無論、喜劇である以上笑いを取ることは必要だが、それが常に体制内で許容される笑いだけなら、表現としては爆発的な力を持つまい。
 将に今、日本丸が泥船と化し沈没の危機にあるなら、この馬鹿げた世相の全容を洒落のめす作品が出てきてもよかろう。しかしそのような作品は極めて少ない。この傾向は今作に限らず、日本人の作り出す表現の殆どに通底する傾向ではないか? この一般的な日本の問題を除けばかなりよくできた作品だが、この小屋は」型に客席があり、拝見した回は、」の縦側に客は1人。横側はほぼ満席だった。が、シチュエイションを説明するスクリーンの向きが1人しか観客のいない側に見やすくなっていたように感じた。可能であれば、観客の多い方にスクリーンの向きを調整してもらいたい。
 作品全体の構造はオーソドックスで、様々な要素が一か所で同時に起こることによる滑稽が描かれており、これが基底を成す。場面、場面で桁外し、誇張など基本的な笑劇の要素が鏤められ楽しめる。
全段通し仮名手本忠臣蔵(2020)

全段通し仮名手本忠臣蔵(2020)

遊戯空間

浅草見番(東京都)

2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

 必見、華5つ☆(1回目追記2月1日 10時35分、2回目追記2月2日11時5分)

ネタバレBOX

 雷門から浅草寺本堂左脇を越え影向堂が正面に見えたら左へ。境内を抜けると目の前に花やしき通りの看板が見えるから境内を出てすぐ右折、直進すると車通りの多い道に出るから信号を渡って真っ直ぐ。道右側を見ながら暫く歩くと浅草検番はある。雷門から男の足で10分程度は歩く。この小屋は初めて行ったが、渋い。演目は二階で演じられ、靴は一階で脱いで階段を上がると障子が連なり、客席に通じる中央通路には和歌を記した衝立。久しぶりに純和風の建物に入った感覚に普段は忘れていた風情を感じ打たれた。客席は最後列2列は椅子だが、殆どが座椅子である。
 何れにせよ、達筆な文字の書かれた額が正面に。舞台奥には六尺、六曲一双屏風が二つ。音響は生演奏の尺八、横笛、拍子木、太鼓など。この演奏も素晴らしい。が何にも増して江戸時代の言語で書かれたこの作品を上演する演者たち各々が古語をよく理解し、深く内面化させた上で内側から発現するような表現にまで身体化し得ていることに、ほとほと感心させられた。流石は遊戯空間の作品である。
 これだけの難物をよくぞ、ここまでと思わせるのは、自分は皆が一所懸命に勉強していた時に遊び呆けていたうつけ者故、古典の素養は無いに等しいのだが、その自分にすら、解説を読まずとも脚本の素晴らしさが生き生きと伝わってくる見事な出来であり、演出であり、音曲とのマッチングも実に微妙、精妙。打てば響くとはこのこと。むろん、衣装もよく考えて合理的に作られたもので、黒衣に白の襟を付けただけで討ち入りの陣羽織に変ずる優れもの。こういった細かい点にまで神経の行き届いた見事な作品である。
 前段最初に「難物」と書いたのも、例えば語り手はタイトル、「大序」から始まって十一段目まで総て声に出して読んでゆくのであるが、黙読を常としている我々、現代日本人の多くはタイトルを始め、大序、~段目などを殆ど無意識のうちに飛ばし読みしてしまうから、実際舞台に上がって直ぐこの習慣が完全に改まるか否かすら難しい。なんとなれば習慣とは第二の天性、本能ともいうべきものだからであり、改めるにこれほど難しいこと・ものは滅多にないからである。この辺りが先ず日常生活を生きる我々生活者と演劇表現に携わる人々との決定的な差であろう。更に例えば九段目をどう読むか? 古語としてクダンメと読むのが正しいのか、或はキュウダンメと読むのが正しいのか? といった実に単純な問いにさえ容易に答えを出せないのが素人の我々ということだ。無論、演じている役者陣、今回の脚本・演出を担当している篠本氏と雖も我らの同時代人、こういった基本の基本を含め総て日々の学習、鍛錬の結果身に着けてきた成果である。それがこのような形で花開いているのだ。観に行って損はない。否、是非とも観るべき作品である。
 無論、これだけ質の高い上演だから、照明も気が利いた腕前を見せている。何か所かでハッとさせるようなセンスを見せられた。
 当パンに記されていることと重複するが、今作の原作が書かれたのは史実の47年後。とはいえ幕藩体制は続いていたから、下手に目を付けられれば発禁、上演中止などというリスクを伴いかねないばかりか、原著者三名は入牢などもあり得ようから、態々「太平記」を設定に用い言い逃れ可能にしていることは火を見るより明らかだ。太平記の設定にしている以上、赤穂藩主・浅野内匠頭、家老・大石内蔵助などの名が出てこないのは必然であり、討たれる仇・吉良上野介の名も同様に出てこない。また、原作通りの脚本で全段通すと十時間を超える作品になってしまうから、現実に完全に原作通り演ずるのは殆ど不可能だ。そこで篠本氏が今回上演されるこの長さ迄原作を刈り込んで脚本化している訳だが、大切な部分は省略しておらず、全体の流れがよく見えるような形で脚本化しているので、歌舞伎などでは省略されがちな二段目と九段目との関係、太平記の筋と仮名手本忠臣蔵原作の筋二つの筋が絡み合い、作品を重層化している所が良く分かる点もお勧めだ。無論、原作の脚本も非常に優れた作品だから、丁度作品の真ん中を占める六段目、歌舞伎では勘平役を二枚目役者が演じ序破急の央を華のある場面にしている。
ゲートシティーの恋

ゲートシティーの恋

ドラマデザイン社

テアトルBONBON(東京都)

2020/01/28 (火) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです。
若い女性達ばかりでしたが演技もストーリーも歌も良かったです。カジュアルな宝塚のような気がしました。

青春の門ー放浪篇

青春の門ー放浪篇

桜美林大学パフォーミングアーツ・レッスンズ<OPAL>

桜美林大学・町田キャンパス 徳望館小劇場(東京都)

2020/01/25 (土) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鐘下OPALで忘れ難いのは「汚れつちまつた悲しみに」。その後も蛇口の水滴が時を刻むヴァイオレントな鐘下舞台を桜美林で観てきたが今回はその衝撃に近い。同演目は以前虚構の劇団による千葉哲也演出版を(確か雑遊で)観たが、彼らも若かったが現役学生、即ち登場人物である学生劇団メンバーと同年代である俳優らの存在感が数段優っていた、というより彼らそのものである。その分年齢の遠い役では苦戦していたが。だがその高い壁に向い、がむしゃらに食らいつく姿がある意味作品中の彼らに重なる訳でもある。
入場すると茶系の時代がかった柱や台、周囲に眼を向けるとやはり赤茶けたトタン板が張り巡らされ、塗装が剥げて焦茶の地肌が覗く鉄骨が劇場全体、天井にまで渡されて居る。ふと何処かの倉庫劇場かと違和感なく客席で場に馴染みそうになるが、いやいや全て設え物(のはず)である。両面客席が棚田のように組まれ、奥が闇に消えている。劇場の隅々まで舞台の時空を行き渡らせたい学生らの?ひたむきな心を想像する。
威しの音響が若者向け、ライブハウスで大音量に身を任せた昔を思い出す。かと思えば遠くで唄う声など繊細な仕事は、プロの手触り。随所に演出的趣向があるが、何よりイノセントを旨とする(巧まない)若い俳優らあって初めて効奏するもので、補助というよりハードルである。
自由の境域の先へ踏み出す危険と快楽がそこにあった「良き」時代、男前の作者の「出来すぎた」青春の日々を如何に憧憬しようとも絵に描いた何とかの部類、以前は決して自分の人生とシンクロしない話なのであったが、ここ桜美林徳望館劇場で展開するのはその炭坑出身の学生が主人公ゆえのカタルシスがトタンに囲まれた箱の中に反響し、、恐らく自分がその位置にあるだろう周囲の者共の中に突き刺さり、観客も彼の挙動に完全に同期する。
全員が孤高であり一まとまりに出来ない痛々しい「個」でなければ真の群像とはなり得ない事を感動とともにかみしめた。

それは秘密です。

それは秘密です。

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2020/01/23 (木) ~ 2020/01/30 (木)公演終了

満足度★★★★

初演は観ていないと思っていたが、お笑い芸人、逮捕・・?よく調べたらアゴラで観ていた。深刻な話題と、劇のスタイルとの乖離を若干感じた事をぼんやりと。
だが今作は初演とは舞台風景が異なり(サイズも倍以上)、チャリT路線での磨かれ方ではあるが光沢のある舞台に。美術のダークグレイがテーマにも即して硬質さと柔かさを許容し、キラリ光るものを感じた。
とは言ってもチャリTの本領は「問題の噛み砕き方」「説明の巧さ」にあって(以前「40minutes」で観た芝居(IS日本人人質事件の顛末)が私的にはベスト)、ナレーション(解説)とそのユーモラスな文体がそれに貢献し、説明のテンポに乗って芝居が進行するスタイルである。
テキストとしては情報を出す出し方・順序にやや難有り、「今注意を向けるべきはそっちじゃないでしょ」という躓きや、もっとディテイルを埋めて欲しい箇所も散見されたが、問題の焦点を一箇所に集約する方が得意なのだろうチャリTが、多面的で割り切れない「現実」の痕跡を舞台に残すことに(結果的に)成功していたのではないか。
俳優の「演技」は記号的で、感情移入を拒まれてしまうが・・

ネタバレBOX

・笑いを狙ったと思われる刑事二名のコント?の精度はもう少し上げたかった。
・お笑いコンビ達が冒頭のやり取りに小ネタが挟まるのも堂々と笑いを取りに行ってないように思えたり。

・中東への自衛隊派遣がイラク戦争時代の話なのか近未来(今般の中東緊迫からの)か、やや不明。非戦闘地域で起きた戦闘の残酷さを証言する婦人が語るのは伝聞情報、その出所は?...等の違和感はあるのだが、秘密保護法と「戦争」の親和的関係には真実性があり、極端なストーリーとは今や思えない現実に生きているのだな、と思う事である。
七人のエムザムライ

七人のエムザムライ

レティクル座

上野ストアハウス(東京都)

2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/01/29 (水) 19:30

115分。休憩なし。

ネタバレBOX

後日記載。
悪霊

悪霊

CEDAR

シアター風姿花伝(東京都)

2020/01/23 (木) ~ 2020/01/29 (水)公演終了

満足度★★★★

「群盗」に次いで、この劇団は2度目だが、今度はドストエフスキーのこの作品を取りあげたか、と。重厚でオーソドックスな演出で、台本によるのかもしれないが、物語の流れがわかりやすく、俳優たちも、総じて良く演じていた。この劇団の重厚な舞台をまた観たい。

昇天

昇天

Peachboys

東新宿Petit MOA(プティモア)(東京都)

2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/01/26 (日) 18:00

お馴染みの前説で「最近のPeachboysは大冒険活劇的な方向になってきてしまったので原点に帰った作品にした」と宣言があり、確かに初期の童貞たちの青春(性春?)物語が展開されるが、終盤にやはり「例のアレ」が出てきて「前説はフリだったんかいっっ!!!」になることも含めて大いに笑った。
で、上演時間は確かに60分なのだが、内容が充実(?)していたのかもっと長いように感じた。(←冗長ということでは断じてない!)
あと、いくつか楽屋落ち気味な台詞もあったが、ギリギリ許容範囲内にとどめているのも巧い。

我愛你

我愛你

Marble Market Project

天満天六・音太小屋(大阪府)

2020/01/23 (木) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

戦士の中に眼の青い戦士がいる おもしろい演出
何処までがドール 不発 人はいない ドールばかり
スイッチを切っても消えない記憶
看護婦ドールが繰り返す 人との共存 戦いを終らすためか
人を探しているのか 人の心を伝えるためか 人になるためか
もう人になっている
繰り返す うぉーあいにー 作った技術者の皮肉か
うぉーあいにー ドールは戦争を望むのではなく
うぉーあいにー  あなたを愛してます
戦うロボットが戦いを辞めたんだ 人がこの世界から戦争を無くせます様に。
#うぉーあいにー

Dreamers!

Dreamers!

Musical Brothers

調布市せんがわ劇場(東京都)

2020/01/29 (水) ~ 2020/01/30 (木)公演終了

満足度★★★

うむ
ハッピーエンドは嬉しいけど・・・・
継ぎ接ぎ感の強いパッチワーク脚本だったかなぁーと感想

あと下手のスピーカーの高音がきつかったかねぇ
この舞台セット規模でも
ミュージカルというと皆マイクは基準装備なんだな~と
最近は妙に納得してまする

140分中15分休みの入る2幕デス

ネタバレBOX

無理に悪役作らんでも・・・単に意見の相違ぐらいにしたり
台詞での各設定背景説明とかが薄いかなぁと感じました
う~ん
頑張ってる感は十二分に伝わったデス
全段通し仮名手本忠臣蔵(2020)

全段通し仮名手本忠臣蔵(2020)

遊戯空間

浅草見番(東京都)

2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

大序から討ち入りまで一気に語り尽くす渾身の舞台ということで楽しみに出かけました。3時間たっぷり見応えのある舞台でした。役者さん全力投球。とても良かったです。私は運良く椅子席に座れましたが、座椅子での3時間はきつかっただろうと思いました。会場も狭くもう少しゆったりとできたらと思いました。

だれだって臍を噛む

だれだって臍を噛む

オフィスマウンテン

Bellrings Seminarhouse(神奈川県)

2019/07/17 (水) ~ 2019/07/23 (火)公演終了

パズル

パズル

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2020/01/28 (火) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日観劇。
物語は、いくつかの場面をピースとして はめ込むような展開で、まさしくタイトル「パズル」である。例えば、後方モニターに「権謀術数」「疑心暗鬼」等の文字が映され、そのイメージシーンがカット割りというか繋ぎ合わせのように描かれる。それぞれが独立して描かれるが、これがどう収斂されていくのか、実に巧い導入である。舞台セットや台詞から後々重要な関連が…そんな関心を抱かせる巧みさ。
当日は、関東地方に降雪予報、実際は降雨・寒風であったが、観劇後は心温まる、そしてコメディとしての醍醐味がしっかり味わえる笑作、いや秀作である。

この劇場は2方向から観劇でき、場内スタッフは出入り口から左側が観やすいと案内していたが、ミニ椅子だったため あえて右側の席(当日は自分だけ)へ。入口近くのコーナー付近であれば、それほど観難くないと思う。逆にこちら側でなければ観られないであろう役者の表情が間近で観ることができ、さらにはカーテンコール(写真撮影も可)では自分だけに挨拶してもらったようで少し嬉しかった。
(上演時間1時間45分)

NOと言って生きるなら

NOと言って生きるなら

オフィスマウンテン

STスポット(神奈川県)

2019/11/05 (火) ~ 2019/11/17 (日)公演終了

誕生の日

誕生の日

ONEOR8

d-倉庫(東京都)

2020/01/18 (土) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/01/29 (水)

セットが良くて、わくわくしたけど、ヤンキーが出てきたり、暴力シーンがあったりと、なんだかイマイチ楽しめなかった。

ネタバレBOX

大好きな劇団なんだけど、今回はイマイチ。。 山口さんが女性を演じたことは評価したいけど、それ以外は…
恩田さん演じた理屈っぽい男は、いかにも今の時代にいそうではあるけど、やり過ぎな感じだし。。 パーティーの司会役の二人組はバカすぎて笑えないし。。
『世界は嘘で出来ている』2014『ゼブラ』2015 などは最高でした☆
ああいう作品をまた観たいです。
死に際を見極めろ!Final

死に際を見極めろ!Final

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2019/12/11 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★

観させて頂きました。

結論からいうと、ライオン・パーマさんらしいいつもの面白さがあり、けれどいつもとは違うごちゃごちゃとしたわかりにくさがあり、少し残念だったなと感じてはしまったけれど、なんだかんだでやっぱり好きな劇団だなと思いました。

ネタバレBOX

ネタバレという程のものではないのですが、僕はこの日意気揚々としながら好きな女の子を連れてこちらの作品を観に行きました。それは好きな女の子に楽しんでもらいたいという思いがあったからで、きっと世の男子であるならば誰でも当然わかる話であるだろうと思っています。自分の好きなものを見せて、自分と同じように楽しんでもらう。そうやって目に見えないはずのなにかを心で感じる形で共有できたらいいなと思っていたわけです。そうして観たライオン・パーマさんの作品はいつものライオン・パーマさんらしく、時に女性は女性らしさを捨て、時に男性は人間らしさを捨て、笑いに全てを捧げて全力でこちらの爆笑のツボを押しにくるという素晴らしいエンターテイメントとなっていました。けれど、今回の登場人物はとても多く、役者の方々が二役、三役とこなすこともあり、初めてお芝居を観た僕の愛すべき女性には少々難解に感じられたのではないかとハラハラとしていました。そして少々話の展開に軽快さがなく冗長になっていたように感じてしまいました。前作がすこぶる傑作だっただけに比較してしまうと劣っていたと言わざるをえないかもしれません。いや、なんか生意気言ってすいません・・・。

けれど、観劇後の彼女は「楽しかった!」と満面の笑顔を僕に向け、僕はなんだか救われたような気持ちになり、そして彼女の笑顔にまた愛情を深めてしまったのでした。その後の話は蛇足でしかないのですが、僕らは三軒ほどお店をハシゴし、いつのまにやら男と女の関係になるべくお互いの気持ちを固め、渋谷へと場所を移し、ホテル街をさまよい、ホテルへと入ったのですが、たばこを買ってこいと急に変貌した彼女に指示され、夜の宇田川町を走り回り、たばこを買い求め、ホテルに戻って、到着が遅くなったことにより何度かビンタをされ、それでもなんとか懇願しながらようやく一戦を交えることができました。けれど、疲れのせいか酔いのせいなのか、僕はコトの最中で彼女の中でしょんぼりと小さくなってしまい、そんな姿に怒りを露わにした彼女にさらに何度かビンタをされたあとにホテルから逃げ帰られてしまったのであります。

あの夜はいったいなんだったんでしょうか。
未だに夢だったような気がして、けれど、痛みを伴い腫れた頬に現実に引き戻され、なんだかよくわからないままただぼんやりとしながら感想も書けないまま今日にいたってしまいました。

そして彼女はどこかの誰かと結婚するんだそうです。

遅くなってどうもすいませんでした。
少女仮面

少女仮面

トライストーン・エンタテイメント

シアタートラム(東京都)

2020/01/24 (金) ~ 2020/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★

つくづく、芝居は生のもの、今の一瞬を逃れられないものだと思う。同時に、遂に、あの唐十郎も、ひとり戯曲だけで演劇の大海に漕ぎ出した、いや漕ぎ出さざるを得なくなった、という時代の変遷への感懐がある。
唐十郎が、半世紀前鈴木忠志の求めで早稲田小劇場のために書いた岸田戯曲賞受賞の戯曲「少女仮面」を、今注目の若い演出家・杉原邦生が演出する。時代はヒトめぐりした。
今、日本の演劇界では、唐の大きな影響を受けて蜷川や野田がひらいた演劇が隆盛を極め、小劇場では、ほとんどの本がその驥尾に付している。唐の登場は大きな衝撃だった。もちろん、パンフレットに採録されているように、その時代のリアリズム至上の演劇界との大きな軋轢もあった。改めて読むと懐かしい、笑えてしまう混乱と混沌を乗り越えて、今の日本の現代演劇は自由に時代のリアルを追求するようになった。唐は十分に役割を果たした。
いまさら、杉原がこの戯曲を上演することに意味があるのだろうか。
今風に整理された舞台の愛の亡霊も、肉体の乞食も、すでに形骸化してしまった春日野八千代にも、かつて我々が親しんできた唐の「高級な西洋の芸術論」と「猥雑な日本の下町の現実」との奇妙な夢想や混淆の匂いはない。舞台の上にいるのは、唐の名前など知らず、ましてや戯曲など読んだこともないまぎれもなく今の健康な俳優たちであり、たぶん、背景音楽で始終流れる「悲しい天使」も。ウロ覚えの懐メロ以上のものではないだろう。だが、そこには唐の描いた愛も肉体も不条理な存在のまま、確かに、生きている。
それがかつての唐演劇とは別物であったとしても、いまやってみる意味はあった。今度の上演は、演出者本人が志したかどうかはわからないが、非常に論理的でよくわかった。かつての唐演劇の俳優の肉体と情念を強調する中に隠れていた戯曲の構造がよく見えてきた。同時代の寺山修司、鈴木忠志、などに比べて、わかりにくいとされた唐の戯曲は、こんなにもわかりやすいものだったのか。その一点からも今後も上演が続けられるだろう。
杉原邦生の演出は、過去の上演をなぞったり、媚びたりすることなく、今、現在を生きる芝居の生命を追求しており、その姿勢は颯爽としていてなかなか良かった。二年前の、福原充則が演出した「秘密の花園」が、惨憺たる上演であった記憶を払拭する新しい世代の「おりこうさん」ぶりである。俳優はよくその任を果たしていたが、大西多摩恵はキャスティング・エラーではないだろうか。せっかくうまい人なのに。力量を発揮していない。
唐の演劇がこういう新しい形で上演されるのは、唐スタイルに長く親しんできた観客にとっては寂しさも感じる出来事だが、そこが生でなければならない演劇の面白さなのだ。

ネタバレBOX

せっかく充実した公演なのに、入りは8分。唐のテントが低料金だったところは受け継いでほしいところだ。
エブリ・ブリリアント・シング 【高知公演中止(2月29日(土)・3月 1日(日))】

エブリ・ブリリアント・シング 【高知公演中止(2月29日(土)・3月 1日(日))】

東京芸術劇場/新潟市民芸術文化会館

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2020/01/25 (土) ~ 2020/02/05 (水)公演終了

「この体験は芝居だったのか?」 いや、芝居とは違う体験だったと思う。心がほんのり温かくなり幸せな気持ちになりました。
芝居にはストーリーがあり、メッセージがあると思うのですが、この芝居には物語や言葉と言うより、人の優しさ、人を思うかけがえのない気持ちであふれていたと感じます。
翻訳、演出をしてくれた谷さん、演技してくれた佐藤さん、スタッフの方々に心から感謝します。

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