
発表せよ!大本営!
アガリスクエンターテイメント
駅前劇場(東京都)
2019/08/15 (木) ~ 2019/08/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
水木しげる風のチラシの絵以外、全く情報がない状態で観劇。
狭い舞台にもかかわらず、全くそれを感じさせない。
終盤のドタバタ劇の盛り上げ方はすごかった。
緊張感ありお笑い要素あり、これを見てアガリスクエンターテイメントにハマりました。今、思うとよくチケット取れたな~、運がいい。

バロック
鵺的(ぬえてき)
ザ・スズナリ(東京都)
2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了
チラシの絵はバロック期の巨匠ベラスケスの代表作「ラス・メニーナス(女官たち)」(1656)である。中央にいるのは(本来は)スペイン王フェリペ4世(1605-1665)の王女マルガリータ。このスペイン・ハプスブルク家は繰り返された近親婚のためにマルガリータの弟のカルロス2世で断絶する。おそらく作者はこの絵と逸話からインスパイアされて本作を創ったがために「バロック」という題名にしたのだろう。そしてあの優雅な曲線の左右の階段に象徴される建物の造りがバロック風なのかも(全然知らないけど)。
内容はこういう怪奇ホラーファンではない私にはちょっと退屈だった。前列なら舞台との一体感があったのだろうが後列では薄暗い舞台に目が疲れて目を閉じては大音響で起こされるの連続で集中することができなかった。電話に出ると向こうの世界に移動してしまうというMatrixのような場面や近くにいながらお互いに見えないとかの場面もあって舞台を明るくするわけにはいかないという事情は分かるのだが。
月曜の昼間で、この情勢だから席は飛び飛びと思いきや満席である。スズナリの満席はかなり体に優しくない(泣)。終わって外に出ると太陽が燦燦と輝いてふらつく体を更にゆらす。

対岸の絢爛
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2020/03/06 (金) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

優しい顔ぶれ
らまのだ
OFF OFFシアター(東京都)
2020/03/06 (金) ~ 2020/03/11 (水)公演終了
満足度★★★
3話のオムニバスの舞台。第2話が面白い。ネット記事を量産している弱小プロの仕事場。「自衛官若妻の語る自衛官の心を射止める9条」の記事に、サイト会社からクレームが来た。自衛隊から文句が来たらしい。記事を引っ込めて穏便に済まそうという上司、「無理な残業までして書いたのに、こんな小さな記事にまで目くじら立てるなら、やめます」と意地を張る担当者。
そこにクレームの張本人、自衛隊就職相談のボランティアをしている初老の男がやって来る。「これは自衛隊を馬鹿にして、憲法9条を守ろうとするものだ」と。一週間後に憲法改正の国民投票が迫っている。その護憲キャンペーンだ、中立でないというのだ。担当者は反論し、逆襲に出る。さらにサイト会社の美人担当者も記事削除を求めにやってきて…
笑いの中で、無責任なその場しのぎと事勿れ主義が、知らず知らずのうちに、改憲を許してしまう怖さを浮かび上がらせていた。クレームに弱いメディアの体質や、広告料稼ぎのための通俗記事の量産、職場のパワハラ・セクハラも俎上に載せて、メディアの現状をチクリチクリする話に身につまされた。
男女のはじめの決意がもろくも崩れる第1話、寝たきりの妻を介護する店長と、女性店員の第3話はあまりピンと来なかった。「改憲演劇」と銘打っていたが、憲法との関係がほとんどわからなかった。第1話30分、第2話70分、第3話35分。計2時間15分

第二回目「よにん」
嶋谷佳恵(劇団肋骨蜜柑同好会)×髙橋紗綾企画ふたり
rusu(ルス)(東京都)
2020/03/03 (火) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/08 (日) 15:00
最終日に(うわごと)(そらごと)の千穐楽を続けて観劇。
登場人物4人が全てアタマのネジが何本か(or more)抜け落ちているような変人ショーケース。
が、(うわごと)では「お客さん(役名)」の話し方が変なことで「アブダクションによりオカしくなった(あるいはそう妄想している)人が一般人3人の所に加わった」印象。
(そらごと)では逆に「お客さん」以外の話し方が変なことで「変人の巣窟に紛れ込んだ一般人」的な印象になるのが面白い。(繰り返すが話し方にかかわらず実は全員がオカしい)
喩えて言えば、同じ試合を1塁側スタンドで見るのと3塁側スタンドで見るのくらい違う。

桜花と風の追憶
空想嬉劇団イナヅマコネコ
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/09 (月) 19:00
状況的に致し方ないのだが観客の少ない中、後半のドラマをより効果的にするはずの(と思う)「くだらない」シーンが非常に寒く勿体なかった、そこをリカバーする技術は残念ながらまだ不足していると感じた(真面目に破城せずにやり切った感)しかし、よく練られたシナリオ、キャスト陣の真面目な芝居に初演を見られなかったのを「本当に無理だったのか?」と改めて後悔

その鉄塔に男たちはいるという+
MONO
J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)
2020/03/07 (土) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★
第一部は新作短編で、20年以上前に創られた第二部に繋がる伏線を新たに加えた感じです。どちらも、ハッピーエンドではありませんが、そこに行き着くまでに笑いが入ったり、怒りが込み上がったり、戦禍の気持ちも交錯したりしました。

北向きのヴァルキュリヤ
BALBOLABO
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2020/03/04 (水) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
観て良かったって心から思いました!何度見ても胸が熱くなって、新鮮に彼女達の情熱に惹き込まれてゆく、笑いも涙もストレートな気持ちよさ。すごくすごく素敵な舞台。
魅力的な登場人物がテンポ良くストレスなく進めてくれるうち、女子相撲という競技の魅力もどんどん伝わってきました。また観たいです!

第二回目「よにん」
嶋谷佳恵(劇団肋骨蜜柑同好会)×髙橋紗綾企画ふたり
rusu(ルス)(東京都)
2020/03/03 (火) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★
ギャラリー公演は臨場感があって良いなぁ。ギャラリーといっても普通の民家なんだけど。何か芝居のシュールさに拍車をかけてたかな。最初と最後に同じ言葉を繰り返す姉の台詞が西洋のおとぎ話の登場人物のような独特な雰囲気を醸し出していた。

優しい顔ぶれ
らまのだ
OFF OFFシアター(東京都)
2020/03/06 (金) ~ 2020/03/11 (水)公演終了
満足度★★★★
麻酔のような:ダメな男に惹かれる女・・・何故なのか?その一つの答えがここにある。
あたらしいニュース:改憲がテーマとのことだったが、むしろ改憲問題を題材としてジャーナリズムとか職業倫理だとかそういったものを問うているように思えた。長年組織で仕事をしてきた人間にとっては本当に身につまされる問題をダイレクトに鋭くついた作品。展開がダイナミックでスピーディー、ワクワクさせてくれるエンタメ度のとても高い作品だと思いました。
やさしい顔ぶれ:こういう男がモテるんだよなぁ。納得いかんなぁ。女ってバカだなぁ・・・。

バロック
鵺的(ぬえてき)
ザ・スズナリ(東京都)
2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/09 (月) 14:30
席は不吉なザ・スズモト特製X-13、それも鵺的だものなあ。
「バロック」というタイトルの意味をどこに見出したらよいのだろう。学生時代に「歪んだ真珠」が語源と習ったけれど、この舞台となる屋敷が、幾つもの歪んだ情念の集大成ということか。その屋敷が咲子という殺された(らしい)女性によって支配されており、死期近い妹との確執を中心に同族全体を巻き込む。
殺された女性のしゃれこうべや、ポルターガイスト現象、死者が往来し生者を死の世界にいざなう。徘徊する怪しい狂人。近親相姦の忌まわしき影が物語全体を被い、いかにもな「鵺的」舞台なのだけれど、何か違う。絶叫したり困惑したり苦悩したりする登場人物の横で、しらじらと過ごす佐藤誓をはじめとする幾人かの人物たち。
含められた因果や、復讐と怨念が横溢しているにも関わらず、なぜか明るいエンディング。
パンフレットに書かれた、高木登は心霊現象を怖がらない、というカミングアウトを逆手に取った、大音響・フラッシュバックバンバンな怪異譚。(ちょっと、耳と目が痛い)
追伸:Tシャツを作る劇団は多いのだけれど、ポロシャツを作るところはない。
できれば、中年すぎとしてはTシャツはアンダーウェアにしかならないので、ポ
ロシャツを作って欲しいなあ。鵺的のTシャツ柄、ポロにも映えると思うのだけ
れどなあ。欲しい。

ピタゴラスのドレス
DOOR
ぽんプラザホール(福岡県)
2020/02/29 (土) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/02/29 (土) 14:00
前の上演が未観で、何回かネットサービスで観て、再演されるとあって観ました。
生で観てよかったと思います。
役者さん方の間や息づかいが素敵でした。
余計なこととは存じますが、このご時世の中、公演が打てただけでも良かったと思いました。

THE STORIES
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2020/03/04 (水) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/03/07 (土) 19:00
以前「三篇の意外な結末」「三篇の様々な結末」として朗読劇として上演した作品から計4つ。新作らしきが「魂呼の館」「枷」。2回に分けて計6作上演。通し券で6000円也。(7日夜と8日昼を観劇)
すでに鑑賞済みの4作品については、「杉山さん」「システム」が秀逸だったことを記憶しており、上演と同時にすぐに話を思い出した。ただ、2度目ということなのか、どうも前回の感動が蘇ってこない。朗読劇とはいえ、演者が違えば印象も変わると踏んだのだけれど、何か薄まった感もあり。これは、朗読劇だからなのだろうか。舞台装置や衣装、所作の違いがないと変化を感じないのか、そうなると、単に物語の面白さのみが提示されるので、演出の違いがあっても、それをうまく観客が捉えられないのか。
「システム」は設定としては、それほど目新しくない。神の配剤に関わらず予定外の事が起きてしまい、それを修正しようとする死神らしき人物とバスの乗客の物語。しかし、これを修正しようとする上での手続きを「システム」と名付けたことが面白い。なぜ「システム」と呼ばれるのか、「システム」という語感から受けるイメージと、実際の手続きのアナログチックなやりとりのとギャップ。そのあたりを、もっと掘り込んだら、結構面白い脚本になるのではないか、と思う。もちろん、乗客それぞれの背景の描き方次第もあるだろうけれど。
「杉山さん」良い話だ。でも、それ以上に捻りはできないなあ。
「便乗誘拐」うまい仕組みの話だけれど、実際の犯人の性格の描きこみがたりないので、ちょっと拍子抜け。「便乗」の意味が、なるほどね。と思うけれど→ネタバレ
「枷」はオチがよいですね。仕組んだ男の仕事が、なるほどと思わせるものでした。
「魂呼の館」は、やりたいことは判るのだけれど、今一、オチが解りづらい。
「ジイジお願い」は、途中から話が読めてしまう難あり。
前2回の期待を抱えていったのだけれど、朗読劇ということとチケット代とのバランスを考えると、今2つでしたね。
この状況での上演は、いろいろと大変でしたでしょうけれど

ゆうめいの座標軸
ゆうめい
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/03/04 (水) ~ 2020/03/16 (月)公演終了

優しい顔ぶれ
らまのだ
OFF OFFシアター(東京都)
2020/03/06 (金) ~ 2020/03/11 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/07 (土) 14:00
価格3,600円
どの作品も普段使っている何気ない言葉を拾っていたのが印象に残りました。
それと相手を強めに責める台詞がどれにもあり、気づくと眉をひそめ、ちょっと気持ちが辛くなっていました。
生活感があり、どこかにありそうな、自分も体験しそうなシーンも多々ありました。そういった作品を並べたのでしょうね。

中国神話の世界
カプセル兵団
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2020/02/26 (水) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
朗読劇は静のイメージでしたが、動の朗読劇の存在を発見。
演出の巧みさと可能性の広さを改めて目の当たりにして感動。
しっかり咀嚼して理解しやすい物語となり、
初めて触れる中国神話になるほどとうなずく。
秀逸な作品に感動。

優しい顔ぶれ
らまのだ
OFF OFFシアター(東京都)
2020/03/06 (金) ~ 2020/03/11 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/08 (日) 15:00
短編集で、2時間15分が長く感じない。改憲戯曲と言っているが、特にそう意識しなくてもよい作品だと思う。「麻酔みたいな」は、同棲する男女の物語。男は社会性がないのだが、女に元カレとの間に子どもがいて、お腹にも新たな子どもがいると知って物語が進む。30分。「あたらしいニュース」は、近未来、九条改憲の投票を来週に迎えた時期、ネット・ニュースの下請け会社の社員の一人が書いた、自衛隊員を面白おかしく扱った記事に対し、自衛隊員募集係の男からクレームが入るが…。70分。「優しい顔ぶれ」は、死期が近づいた妻を看病する男だが、経営する店のバイトの女と不倫中、で起こる出来事の数々。35分。2話の起伏ある展開も興味深いが、男のアンビバレンツを描いた3話が個人的には好み。

バロック
鵺的(ぬえてき)
ザ・スズナリ(東京都)
2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/03/07 (土) 19:30
壮大な物語を丁寧に上演しているのは分かる。地方の洋館を舞台に、姉の亡霊がとりついた館を舞台に、妹とその夫、3人の息子と2人の娘や、彼らを取り巻く人々が巻き込まれた怪奇な体験の数々…、という物語。作で主宰の高木は亡霊を恐れないそうで、登場人物が亡霊の存在を受け入れているのは興味深く、出来事も壮大なのだけれど、何となく消化しきれないモノが残ってしまうのは私のテイストと言えよう。
照明が逆光主体のため、途中から眼が痛くなり観ていられない所があったのは一考を促したい。

胎内
京葉演劇研究會
まるた石井園梨直売所(千葉県)
2020/03/07 (土) ~ 2020/03/14 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/07 (土) 18:00
座席3列左1番
価格3,500円
死でも目の前にしなければ、あの兎にはなれないのだな、と痛々しく感じた芝居でした。
日常に生きていれば真実など見えやしないと言われている気がして怖かったけど、絶望を前にした人間の姿をまざまざと感じることができ、とても貴重なものでした。
絶望感一択のようで、それが再生の手前であるということ、戦後日本の人々の眼差しが見て取れるようでした。
中盤と終盤の女性ひとりでの朗読が素晴らしく感動しました。また、男性の演者さん含め、のたうち回るような動きも目を伏せたくなるほど凄かったです。
どれも獣のようで、それでいて人間を描いていました。
おぼろげな光と空間の狭さが、思考と感性を研ぎ澄ませてくれたように思います。
原作も深く読み直してみようと思います。
素晴らしい舞台をありがとうございました。

That's Life
演劇企画アクタージュ
ワーサルシアター(東京都)
2020/03/04 (水) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったです。登場人物の謎の人間関係や、本当の国の姿が分かっていく展開に、どんどん惹き込まれました。少子化問題や現在の日本、政治などについても考えさせる内容も良かったです。そして、流される事なく、自分の道は自分で決めなくては!と思わされる作品でした。
ウィルスに対する、劇団の丁寧な対応も良かったです。