満足度★★★★
鑑賞日2020/03/07 (土) 18:00
座席3列左1番
価格3,500円
死でも目の前にしなければ、あの兎にはなれないのだな、と痛々しく感じた芝居でした。
日常に生きていれば真実など見えやしないと言われている気がして怖かったけど、絶望を前にした人間の姿をまざまざと感じることができ、とても貴重なものでした。
絶望感一択のようで、それが再生の手前であるということ、戦後日本の人々の眼差しが見て取れるようでした。
中盤と終盤の女性ひとりでの朗読が素晴らしく感動しました。また、男性の演者さん含め、のたうち回るような動きも目を伏せたくなるほど凄かったです。
どれも獣のようで、それでいて人間を描いていました。
おぼろげな光と空間の狭さが、思考と感性を研ぎ澄ませてくれたように思います。
原作も深く読み直してみようと思います。
素晴らしい舞台をありがとうございました。