満足度★★★★
鑑賞日2020/03/09 (月) 14:30
席は不吉なザ・スズモト特製X-13、それも鵺的だものなあ。
「バロック」というタイトルの意味をどこに見出したらよいのだろう。学生時代に「歪んだ真珠」が語源と習ったけれど、この舞台となる屋敷が、幾つもの歪んだ情念の集大成ということか。その屋敷が咲子という殺された(らしい)女性によって支配されており、死期近い妹との確執を中心に同族全体を巻き込む。
殺された女性のしゃれこうべや、ポルターガイスト現象、死者が往来し生者を死の世界にいざなう。徘徊する怪しい狂人。近親相姦の忌まわしき影が物語全体を被い、いかにもな「鵺的」舞台なのだけれど、何か違う。絶叫したり困惑したり苦悩したりする登場人物の横で、しらじらと過ごす佐藤誓をはじめとする幾人かの人物たち。
含められた因果や、復讐と怨念が横溢しているにも関わらず、なぜか明るいエンディング。
パンフレットに書かれた、高木登は心霊現象を怖がらない、というカミングアウトを逆手に取った、大音響・フラッシュバックバンバンな怪異譚。(ちょっと、耳と目が痛い)
追伸:Tシャツを作る劇団は多いのだけれど、ポロシャツを作るところはない。
できれば、中年すぎとしてはTシャツはアンダーウェアにしかならないので、ポ
ロシャツを作って欲しいなあ。鵺的のTシャツ柄、ポロにも映えると思うのだけ
れどなあ。欲しい。