最新の観てきた!クチコミ一覧

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無理ばっかり。

無理ばっかり。

Aramacky Presents

ぽんプラザホール(福岡県)

2020/07/16 (木) ~ 2020/07/17 (金)公演終了

満足度★★★

舞台上、客席、スタッフ、感染防止対策をしっかりとっての短編オムニバス公演。
新宿の件がある前から準備し、発生後に追加したこともあったかもしれない。
関わったみなさん、お疲れさまでした。

パンデミック・パニック

パンデミック・パニック

Nakatsuru Boulevard Tokyo

APOCシアター(東京都)

2020/07/04 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★

tottoryさんの観てきた!を読んでから慌ててサイトに行って配信チケットを買いました。おかげでアーカイブ配信に間に合いました。ありがとうございます。
配信を考えての作りなので、劇場だと見えない位置からのアングル(パソコンの画面とか部屋を見下ろすとか)が見えるのは良かったと思いますが、音声はきついです。役者さんによって(立ち位置にもよるのかも、あとマスク)声の大きさが違うので、場面によっては音量を上げたり下げたりしながら見ていましたが、家族にはエライ不評でした。イヤホンは嫌いなもので。そのあたりは今後に期待したいです。
苔が生えたような舞台装置が印象的でした。小道具(あれだと大道具?)のビールは借りたのか、買ったのかと変なところを気にしてしまいました。
パンデミックの中での人間模様が面白かったです。私もお酒が強かったらコロナビール買ってあげたいと思いました。
視聴時間が24時間だけというのは残念です。
追記:近所のスーパーでコロナビールを見つけて買ってしまいました。

おくすり、ひとつ

おくすり、ひとつ

法政大学Ⅰ部演劇研究会

YouTube Liveにて上演致します(東京都)

2020/07/17 (金) ~ 2020/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

「おくすり、ひとつ」法政大学Ⅰ劇 2020.7.17 19時 オンライン
 タイトルが粋。

ネタバレBOX

 日本の若者が今、自分たちの総意を成り立たせ得るコンセプトがあるとすれば、それは愛ではなく、優しさであろう。今作は菩薩の心を若者の感性が表現した作品と言えよう。
 知られているように菩薩は仏陀の下位に在る。即ち衆生の修行する姿を現す。自分流の解釈は以下の通りである。菩薩とは何より肯定してくれる者のことを言うのだろう。どんな人間をも存在していて良いのだと肯定してくれる温かな存在、それが菩薩の本質だ。蠅のようにいやらしく纏いつき、こちらが弱れば耳と言わず、鼻、目と言わず、口と言わず傷口と言わずあらゆる所に食い込んで舐め吸い齧り尽くす彼らのような存在であっても、その体温で温めてやる存在、それが菩薩というものの命が肯定される条件だ。何と恐ろしい使命であることか? どれだけの者がこれほどの苦行に耐えられよう。だが、宇宙にはこんな苦行すら甘く見えるような苦しみが未だ山ほどあろう。恐らく、仏とはそのような試練にも耐えて尚本質を見失わない精神を指す。自分如き、仏どころか菩薩道を歩むことすらなるまいが、人としてこのような光明を見失うまいと心に留めることはできる、若者たちの健全で柔らかな精神が、このような夢を持ったまま、現実にこの日本の地獄という現実を生きて尚人間性を保とうとしているとすれば。そんなことを老いた自分にも感じさせる作品。
 作品の状況設定を、現実にSARS-Cov2に対する政府・官僚・各自治体の非科学的・非合理的、要するにアホな政策の下に強制された現行政策の下で組まざるを得なかった状況でキチンと内容と表現方法を一致させた頭の良さと柔軟性にも拍手を送りたい。流石に法制Ⅰ劇の作品である。惜しむらくは、恐らく髪の毛の揺れる影響であろう。動画の髪の毛の部分に揺らぐ所があったのは、ひっつめるとかで何とかした方が良いように感じた。まあ、1~2分拝見している間に気にならなくはなったのだが。
アンチフィクション

アンチフィクション

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2020/07/16 (木) ~ 2020/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

ライブ配信で見ましたが大変すばらしい作品でした。
鶴屋南北賞、岸田戯曲賞を受賞した谷さんの演技が見られるなんて今後も含めてあるのでしょうか?

等身大の彼が舞台上でのたうつ姿は今の演劇界全体を象徴していると思いました。
歴史に残る作品です。
劇場に行くのがちょっと抵抗のある人はライブ配信で見てください。

おくすり、ひとつ

おくすり、ひとつ

法政大学Ⅰ部演劇研究会

YouTube Liveにて上演致します(東京都)

2020/07/17 (金) ~ 2020/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/07/17 (金) 19:00

ZOOM会議的な画面に合うよう工夫したストーリー。役者の動きに気をとられない分、セリフの一言に注意がいきました。やっぱり劇場で生で見たいという気持ちを再確認した1時間半でしたが、今出来ることを見つけて立派にやり遂げたことはブラボーに値します。

風吹く街の短篇集 第一章

風吹く街の短篇集 第一章

グッドディスタンス

「劇」小劇場(東京都)

2020/07/15 (水) ~ 2020/07/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

久しぶりの下北沢、久しぶりのひとり芝居に感激ひとしお
さすがは外波山さんでした

天神さまのほそみち

天神さまのほそみち

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2020/07/03 (金) ~ 2020/07/19 (日)公演終了

満足度★★★★

世の中の不条理な出来事をやや不条理な手法で描いた不条理劇。劇そのものは非常によく分かった(と思いたい)。

1席飛びの「ザ・スズナリ」は普段のひどさと比べるとかなり快適だった。
観客は高齢者がほとんどで平均年齢は60歳以上にもなっていたのではないだろうか。
高齢者はコロナで重症化しやすいと言うけれど「ザ・スズナリ」の階段の方がよほど危険だ。

コロナ明けの観劇の2作目。何を書こうか考えているうちに最初のは忘れてしまった。今回もこれだけ(汗)

無理ばっかり。

無理ばっかり。

Aramacky Presents

ぽんプラザホール(福岡県)

2020/07/16 (木) ~ 2020/07/17 (金)公演終了

鑑賞日2020/07/16 (木) 19:30

こういうことを繰り返しているうちに、だんだん新しい生活様式の中の観劇に慣れてきて、いい感じの緊張感で作品を楽しめるようになるのかもしれない。このリハビリの前哨戦として、果敢に、そして、皮肉たっぷりに上演してくださった、むりばかおじさんこと荒巻久登氏に深くお礼を申し上げたいです。

『ブラックアウト』

『ブラックアウト』

singing dog

雑遊(東京都)

2020/07/16 (木) ~ 2020/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/07/16 (木)

価格4,000円

初日の16日19時開演回(100分)を拝見。

ネタバレBOX

飲酒時の記憶障害を意味する「ブラックアウト」を冠した本作は、アルコール依存症の患者に更生プログラムを課す専門病棟が舞台。
飲酒の誘惑に何度も屈しながらも、幸せな人生を過ごしたいと願う、人間の弱さと愛おしさのを描いた100分間は、ノンフィクションでは過酷過ぎる題材に、適度なユーモアと情感を絡ませた、見応えのある作品だった。

それから、谷仲恵輔さんの前説からの導入部。作品とは別に、(勿論、台本にあるセリフなのだろうが)コロナ禍の渦中にある演劇人の叫びとして受け止めた。公演が流れた多くの演劇人達のことも脳裏に浮かび、ズシンと胸に響くものがあった。

【配役】
鈴木(病院に担ぎ込まれた患者。愛称・スズさん。元・不動産会社の営業、他)
…谷仲恵輔(やなか・けいすけ)さん(『ブレッチリーの啼かない鵞鳥たち』で、その「新劇」的な声で覚えた役者さん。後の『治天ノ君』の「明治天皇」役の他、拝見舞台多数)
佐藤(患者。愛称・専務。挙式を控えた娘あり)
…吉田テツタさん(『治天ノ君』の牧野内大臣役)
渡辺(患者。愛称・ワタさん。母親と二人暮らし?独身?)
…井内勇希さん(パラドックス定数さんの舞台、『蛇と天秤』しか観たことないもんでぇ…スイマセン!今回がお初の役者さんです)
山本(患者。愛称・あんちゃん。「失楽園の蛇」のような役回り)
…吉田雅人さん(役者さんとしてはお初だが、Antikame?作品の演出助手として、お名前を拝見したことのある方)
高橋(看護師。愛称・はっしー。実は元・依存症患者)
…小林大輔さん(『夜明け前、私たちは立ち上がる。』の中電社員役など、TOKYOハンバーグの役者さん)
田中(患者。愛称・棟梁。外出許可を貰い、幼い子供たちに逢えると喜んでいたものの…)
…今井勝法(いまい・かつのり)さん(本当だったら『まるは食堂』が初見のはずだった役者さん)
中村(看護師。愛称・エンジェル。シングルマザー。同棲相手が…)
…前園あかりさん(近年は専らAmmoさんの舞台でだが、最初に拝見したのは、あやめ十八番『肥後系 新水色獅子』)
伊藤(患者。愛称・ティーチャー。時折、蟻の幻覚が見える)
…楢原拓(ならはら・たく)さん(劇団チャリT企画の主宰さん)
讃鞭般若(シャンパン)

讃鞭般若(シャンパン)

ミモザ

STAGE+PLUS(大阪府)

2020/07/10 (金) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

般若心経 ばらまかれた紙札 透明なビニールは世界の境界 舞台前の透明スクリーンは、舞台の世界と此方の世界を分ける細胞膜のように感じる 舞台中央で煩悩に身を任せる女 上下で命のカケラ 欲、怒り、悲しみ、嫉妬、笑う、仮面 ウイルスの様 智慧 般若心経。
ぼ――と引き込まれて、想っておりました 舞台で一つの細胞核の女 命のカケラのウイルス この自粛の世界 命は、知恵で、 欲望で、

晴れがわ【東京公演延期→中止】【伊丹公演終了】【金沢公演終了】

晴れがわ【東京公演延期→中止】【伊丹公演終了】【金沢公演終了】

コトリ会議

AI・HALL(兵庫県)

2020/07/10 (金) ~ 2020/07/13 (月)公演終了

満足度★★★

コロナ後初めての観劇に少しドキドキ、コトリ会議さんのお芝居初めてなのでかなりワクワク。どちらも満足できました。感染予防はほぼ完ぺきでしたし、案内も適切で、観客のマナーもとても良くて、いい劇団さんなんだなあと思えました。お芝居の内容はもっとファンタジーかと思っていたのですが、少しシニカルで???と考えるさせられるところもあり、見終わってから余韻が残りました。やっぱりliveがいいですね。

人間合格

人間合格

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2020/07/06 (月) ~ 2020/07/23 (木)公演終了

満足度★★★

太宰が描かれていませんでした。

ネタバレBOX

太宰治が初めて上京した時に下宿で知り合った二人の学生、佐藤と山田との関わり合い、エピソードを、彼の死の直前まで描いた話。

12年前に観たときの記憶は全く残っていませんでした。

佐藤と山田の生き様を通じて、転向でもない、頓挫でもない、それでいいんだ、生きているだけで人間として合格なんだということは強く感じました。生きていれば希望が持てる、香港の人々の気持ちも分かります。

ですが、太宰が描かれていませんでした。入院していたシーンはありましたが、健全な金持ちのぼんぼんという感じでした。

お腹の皮がよじれるほどおかしいという井上ひさしさんのコピーがありましたが、全くそのようなことはありませんでした。人物伝の展開の仕方がワンパターンで、もう飽きた気がします。
「キズツクキカイ」「お湯で流して」

「キズツクキカイ」「お湯で流して」

たすいち

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/07/11 (土) ~ 2020/07/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/07/14 (火)

『お湯で流して』14日20時開演回(105分?)を拝見。

ネタバレBOX

突拍子のない設定(←褒めてます)の下、ドタバタで笑わせながらも、(アプローチの仕方は異なるが『キズツクキカイ』と同様のテーマなのかな?)最後はしみじみと考えさせてくれるナイーブなコメディー。

役者陣では、蓮城まことさん以外は、皆さん、少なくとも一度は舞台を拝見したことのある方ばかり。おかげで【登場人物】のペーパーに殆ど目をやらずに、舞台上に集中できたのは有難かった。
なお、個人的には、池内理紗さん演じる「鵜飼志呂子」の、見かけによらないパワーファイターぶりが良かった?!

【配役】
白枝燈華(しらえだ・とうか。結婚した後も弟のことが気がかりな、しっかり者の姉)
…蓮城まことさん(宝塚の男役をナマの舞台で観るのは4人目だが、皆さん共通するのは、何気ない立ち姿がどこか颯爽としてるんだよなぁ)
政谷薫(まさたに・かおる。姉・燈華に連れられて獄楽温泉に来た弟。姉思い&姉の存在がプレッシャー?)
…鳥谷部城(とりやべ・じょう)さん(今はなき明石スタジオでの『Marry Meeeeeeeeee!』以来)

【獄楽温泉の従業員】
野路田吾作(のじ・たごさく。主人)
…吉川瑛紀さん(『地大さん家の150年+』ぶり)
明石久安(あかし・くあん。女将。青西とは幼馴染)
…田久保柚香さん(あの問題作?『みのほど』で意識した役者さん。直近、拝見した『しだれ咲き サマーストーム』の「お琴」役も好演だった)
伊方九郎(いがた・くろう。従業員。地獄耳?)
…中田暁良さん(ニヒルな役柄が多い。たすいちの劇団員さんとして、舞台多数拝見)
鵜飼志呂子(仲居。竹を割ったような気性の持ち主)
…池内理紗さん(filamentz『いざ、生徒総会』の「生徒会長」役のイメージが良い意味で変わった)
埜本侑(のもと・いく。仲居。ホスピタリティーに溢れている。獄楽温泉唯一人の〇〇)
…大森さつきさん(劇団員になる前も、たすいちの舞台で拝見はしていたが、個人的にはVoyantroupeでのイメージが強烈過ぎて、なかなかぬぐい切れないでいた。だが、それも今回の舞台ですっかり「お湯で流して」しまわれたようだ)
虎杖流美(いたどり・るみ。新人の仲居。さぼりがち)
…長谷川栞さん(『アベサダ:リローデッド』以来、拝見舞台多数)

【獄楽温泉を訪れた人々】
源憂太(傷心で温泉を訪れる。生真面目)
…見米克之さん(所属の劇団ミックスドッグスさんの舞台は勿論のこと、たすいちでは『モンストロ・メモリ』での好演が印象的な役者さん)
外森梅(温泉の常連客)
…大田彩寧さん(外部出演の舞台では『犬(もしくは)神』の「秦桜梨」役の印象が強い、美少女系の役者さん)
青西美玖(あおにし・みく。久安の幼馴染。獄卒)
…白井肉丸さん(劇団員になる前も・今も、たすいち一座のメンバーな、個性的な役者さん)
丘野てんこ(〇〇からの逃亡者)
…浅利ねこさん(『遥かなる高速の旅路』『伯爵のおるすばん』と拝見してきた、ファニーフェイスの役者さん)
石部金吉(真の正体は〇〇様)
…佛淵和哉(ほとけふち・かずや)さん(『千に晴れる』『1999の恋人』に出てた方)
天神さまのほそみち

天神さまのほそみち

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2020/07/03 (金) ~ 2020/07/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

「天神さまのほそみち」2020.7.10 19時 ザ・スズナリ

ネタバレBOX


 別役実さんの脚本、1979年に文学座のアトリエ公演として初演は上演されたが不条理演劇と称される別役戯曲は寧ろ現実そのものである。ベケットやイヨネスコの作品がそうであったように不条理と称される演劇作品の傑作が未だ上演され続けていることをみても決してこれらの作品が荒唐無稽ではないことを明かして居よう。寧ろ余りにも正確に現実に我々が生きている社会、生きてきた社会を映し出しているように思われる。今作も無論例外ではない。日本の本質を鋭く抉り取っている作品である。主たる登場人物の内、自分が最も注目するのは弟である。何故なら彼は不作為の主体だからだ。日本の社会が鵺のようであるとの指摘は己の頭で考えることのできるまっとうな知識人なら誰しもが気付く点であり、この捉えどころの無い妖怪の論理に有効な解答を与えることが出来なかったのが現在までの知的状況だと思われる。無論、此処には演出した坂手氏が指摘するように天皇制の影も見ることができよう。何となれば鵺即ち訳の分からなさであれば、天皇制のみがそれに拮抗する日本的伝統だからである。無論、自分ここで伝統と言っているのには訳がある。
 少し脱線してみよう。日本に市民は殆ど存在しない。大多数は臣民、こう言って悪ければ畜人、或いは奴隷乃至政治的愚衆である。これは江戸時代と変わらない。江戸時代、政治・経済の中心であった江戸に住む庶民とは、士農工商のうちの工商である。商人は大名に金を貸す社会上層部の人士も居たが、人数の大多数を占める工は職人であり、落語に出てくるように読むことや書くことが出来れば、職人としては仕事の出来ないミムメモ(間抜け)であり、算盤迄出来るということになれば、これは半人前を絵に描いて壁に貼り付けたようなウツケ、本人も周りには、半人前として自己紹介する有様であった。即ち知は、仕事が出来ねえ癖に、訳の分からねえ能書きを抜かす間抜けのスットコドッコイだったのである。然し、ホントにそうであろうか? 知は、未知を切り裂く光である。それを理解できないのは。人口の大多数を占める大衆が単に政治的愚民だったからに過ぎないのではないか? 今作で描かれる一見、スラップスティックな「不条理」は、愚衆がそのように解釈するだけであって、日本社会の在り様の本質を捉えているのではないか? 第一段落で、日本には市民が殆ど存在して居ないことを述べた。市民とは、言うまでもなく、民主主義の根幹を為す存在であり、民主主義の根本的イデオロギーを体現する為には命をも賭ける人々である。為政者が市民の価値観を蔑ろにし、弾圧すれば革命を以て応えることを当然の権利として主張し得るだけの見識と己の頭を用いて真摯に思考するだけの知恵と能力を具えた人間である。この定義に当てはまる日本人は残念ながら殆ど居ない。居るのは先に挙げたような不作為の人間ばかりだ。不作為が世の中を鵺化し、鵺社会が伝統のみを根拠とし一切の合理的見直し論や、システム化を阻む愚論を正当化する。これこそが天皇制の正体ではないのか! ということを描いた作品だと坂手氏は考えたのだと理解した。
自分は、その鵺構造そのものを時に利用し、無責任に自らの人間的価値を滅却する姑息な手段として用いつつ、多数の側に立つことによってただ、理想もなければ己の生きる意味すら掴もうとはせぬ奴隷根性で目先の利便性や利益だけに左右される手品師として日本人の大多数が規定できてしまうのではないか? という恐れに悲しみを覚えるのである。偶々、「伊丹万作エッセイ集」という本があるのを知った。このエッセイ集の中に『戦争責任者の問題』という一篇があるそうである。読んでみたくなった。
第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2020/06/13 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

第14回シアターX国際舞台芸術祭2020 14日目 2020.7.⒓ 14時半
本日の公演は、シアターXIDTFの中核で活躍していらっしゃった4名のアーティストに捧げられた4作品だ。総合評価5つ☆

ネタバレBOX

第14回シアターX国際舞台芸術祭2020 14日目 2020.7.⒓ 14時半
本日の公演は、シアターXIDTFの中核で活躍していらっしゃった4名のアーティストに捧げられた4作品だ。

Ⅰ:ケイタケイさんによる「やぶれ凧」は、故・遠藤啄郎さん(横浜ボートシアターを主宰した演出家。今年2月7日に亡くなられた。)に捧げられた作品だ。
ザックリした衣装は、袖も極めて広く取り、斜線を大胆にあしらった野趣を感じさせる優れもの。ダンスも豪快、大胆且つ野性味に富んだ踊りの随所に取られる静止の瞬間や飛躍が、ダンス自体を大きく強く感じさせると同時に、破れた凧を表象する布地から編み糸をほぐす作業も、大胆と野趣の央(さなか)に静寂を感じさせ、更に破れた物によって敗者の哀れみすら感じさせる。
ものの哀れといえば、多くの人は「平家物語」を想起するかもしれない。義経は京都の鞍馬山で天狗から様々な術を伝えられたと伝えられ、その身軽さは教経に出会った際の八艘飛びでも称えられる通りである。然し、義経は悲劇の英雄でもある。実兄頼朝に追い詰められ、殺されたのだから。チンギスハンが生き残った義経の後の姿であるという伝説迄生んだ、この英雄譚と栄華を誇った平家滅亡が齎した絶望が生んだ風に乗って凧は飛んだのか? 信長によって二度の伊賀攻めを受け多くの下人を失った忍者集団の悲劇をも自分は想像する。かつて忍びは大凧に乗って空を舞ったという漫画に表象されるように、コントロールは難しくとも揚力が重力を上回れば良いだけの話だから飛ぶことは原理的に可能であろう。何れにせよ、勇壮をも感じさせるダンスは見事であった。5つ☆

Ⅱ:武井よしみち+ブルーボウルカンパニー‘96演ずるは、及川廣信さん(アントナン・アルトーの思想に着目し独自のメソッドを開発、マイム界に貢献したダンサー・演出家。バレエTOKYOを結成したことでも知られる。2019.9.5に逝去された)に捧げられた作品・足が耕す表現の世界「災害の国ニッポン」。
武井さんご自身は、ちょっと変わった表現方法で作品を制作なさってきたが、近ごろは、足が生み出す音やリズムが都市文化と如何様に関わってきたかをテーマに制作なさっている。タイトルが揮っていよう。Ⅰつ音を変えるだけで、ヤプー{無論、沼正三作の家畜人・ヤプーのこと(奴隷としての精神構造を持つ日本人のパロディだ)}が大好きなSAIWAIに変じてしまう所など痛烈そのもののアイロニーだ。そういえば、現代日本を見事に映し込んだような「阿保船」(1494年、ドイツのバーゼルで出版された風刺文学、作者はゼバスティアン・ブラント)の46歌に以下のようなものがあったので引用させて頂く。(引用は現代思潮社から1974年に出版された「阿保船・上巻」第2版 尾崎盛景氏の訳から)
46 阿呆の権力のこと
                   阿呆の女神のテントには
                    権力金力ある者が
                   先を争いたむろする。
阿呆が多いは困りもの、
自分のことには目が無くて、
力で利口になりたがる。
そいつが阿呆と知りながら
「阿呆なこと」と思い切り
言える者が誰もない。
大人物でとおるのは、
そういう阿呆がいるためだ。
誰もが褒めてくれないと、
しきりに自分で褒めそやし、
「自讃の口臭ぷんぷん」と
賢者に言われて頭かく。
自分を信用する者は
阿呆で愚かな木偶の坊、
知恵をもって行く者は、
いつでも人に褒められる。
知恵ある君主(*主の上に傍点)に恵まれて
会議も正しく催され、
必要以上の欲望を
求めぬ国は幸いな。
君主がいまだ幼くて、
諸侯が朝から会食し、
知恵を少しも顧みぬ
そのよな国はふしあわせ。
知恵さえあれば幼君も、
先のことを考えぬ
愚かで老いた王よりも
国のためには幸いだ。
阿呆者が栄えれば
正しい者には世はつらく、
阿呆者が滅びれば
正しい者はしあわせだ。
正しい君主をいただけば、
全土に名誉が満ちわたり、
愚かな君主が座につけば、
人も国も救われぬ。
公正期する法廷で
縁故やパンの一切(れ)で、
正しい事や真実を
見失うのは間違いだ。
裁判官は偏らず、
賢者の公正期すべきで、
裁きに私情は許されぬ。
気まぐれ暴力スサンナの
よろめき裁判跡絶たぬ。
正義はまこと冷厳だ。
二本の刀はさびついて、
鞘からどうにもぬけないで、
いざというとき切れはせぬ、
正義もめくらで死んでいて、
何でも金が第一だ。
ユグルタ、ローマを去るときに、
「おお、金の町」とこう言った、
「もしも買手が出てきたら、
王手でたちまち詰んだろう。」
賄賂を進んで受け取って
不正を働く町々が
一つや二つじゃなさそうだ。
モーセの義父が言ったよう、
謝礼や縁故は真実まげる。
情実、嫉妬、金、力
それは学芸、法の敵。
諸侯もむかしは賢くて、
家来も経験積んでいた
いずこの国も幸福で、
罪や咎は罰せられ、
平和で静かな御世だった。
今は阿呆が陣取って、
戦をしようと待ちかまえ、
諸侯も軍もそのために
知恵も学芸も放棄して、
ただ私利私欲を追い求め、
幼稚な家来を侍らせる。
嘆かわしくも世は乱れ、
暗い影さす、先の世も。
阿呆が権力持つためだ。
もしも諸侯が賢明で
よくない家来をしりぞけて
正しい道を歩むなら、
治世も長く続くだろう。
贈与や謝礼をあてにする、
そういう家来にご用心。
貢を受ければしばられる、
贈り物には下ごころ。
エホデはエグロン刺し殺し、
デリラはサムソン裏切った。
アンドロニクスが金杯を
受けてオニアス殺された。
贈り物に惑わされ、
同盟破棄したベネハダデ。
またトリフォンは、そのむかし
ヨナタスをだまそうとたくらんで、
彼の信用得るために
贈り物をつぎこんだ。
(*翻訳の中に現在では差別的とみなされる表現や、誤表記と思われる個所があるが、総て書籍の表記に従っているのは、著作権等などを尊重した為。傍点を注で記した箇所もある。)
如何であろうか? 第2次世界大戦へ至る過程や、現在、我々が体験して居る、より正確に言えばさせられているF1人災を誤魔化す為のアンダーコントロール発言をする行政トップや、今回何の科学的合理性も根拠も無い自粛要請(実際には、自らの頭脳を用いて考えることもできなければ、ファクトを見極める為のメディアリテラシーも持たず、報じられる情報相互の矛盾から正しい情報を演繹する知恵も持たぬどころか、フェイクに踊らされて、真実を述べる人や正しい判断に基づいた行動を採っている人々に対するバッシングなどを繰り返し、恰も正義の士であるかのように自己欺瞞を押し通す愚か者に満ち満ち、自然災害以上の災害・害悪を齎し続けている「国」のマジョリティーである臣民による多数決を根幹に「民主主義」と恥ずかしげもなく言い募る呆阿(単純に差別語にならぬように逆転)たちがこぞって選ぶ為政者トップ、及びその選者たちを「選挙」で選んだヤプーたち。当に災害の国・ニッポンである。5つ☆

Ⅲ:松永茂子さん演ずる「無垢なる空想」は、師の石井みどりさんと世界各地で公演をなさった舞踏家(故・折田克子さん2018.10.5に逝去された)に捧げられている。
 しっかりした身体の動きだが、個的な念を更に一般化し得ると更に作品の魅力が増すように思う。観客に対して、観客が想像力の種を更に拾い上げやすいような演出とストーリーテリングで具体的な核となるようなもの・ことを埋め込んでおくと訴求力が更に大きくなろう。折角、これだけの動きができるだけの鍛錬を積んで居ながら、自己表出の要諦と世界即ち状況に対する認識が、余りに2人称的なのではあるまいか? 世界に対しては1人称の己がただ孤独に対峙せねばならぬ。それも表現する者の務めであろう。華4つ☆

Ⅳ:シアターXTDTF2020国内アーティストのトリを飾ったのは、むつみ ねいろさんお2人の演じた「夢で会いましょう」。今作は、今年1月8日に永眠された大野慶人さんに捧げられた。慶人さんについては、自分如きが一々説明する必要はあるまい。大野一雄さんのご子息である。
尚、むつみねいろさんらは、2016年、東墨田にギャルリ雨を立ち上げ、ダンス公演、ワークショップ開催の他アーティストレジデンスとして運営中。
 登場の瞬間から観ているこちら側にも異様なほどの集中が自然に起きた。いきなり前のめりになって見入ってしまったのだ。かなり大きな鍋を両手で抱え込むようにして舞台にしじしず登場した女を庇うように小振りの傘を翳して男が矢張りしずしずと入ってくる。男は奇妙奇天烈なヘアスタイルだ。両側面の髪を斜めに跳ね上げ、真ん中つまり頭頂部は「子連れ狼」の大五郎の頭のようにちょこなんと髪を残している。2人は、実にじっくり進んでゆくが、自分はこの動きを拝見しながら、傘と男の役割を理解したように思った。考えてみれば、人は上から落ちてくるものに対して殆ど無防備であると言ってよい。男はそのような危険に対し、傘を翳すことで女を護っているのである。緩やかな道行きの中で女はそれを理解し、安心する。板中央に到達するまでに女は、鍋から花びらを少し取り出して撒く。これは男を受け入れても良い、という合図だろう。所謂粉を掛けたということだ。舞台中央に着く頃には、すっかり信頼関係が生まれ、2人は床にしゃがむ。女は鍋に暫く顔を埋め、その後、花びらを取り出しては、男と交互に周りに撒く。傘も既に床に置かれているのは、2人が一緒にとても幸せに生活をしている様を現していよう。花びらを鍋から取り、撒く時の量は、男が女の3倍くらいだ。これは、食べる量の差を現しているのかも知れない。ややあって女は、上手奥の側壁脇に動き、蹲ってしまう。其のまま動かない。暫く動かなかった男はやおら立ち上がり走って、遠くへ何かを投げるような動作をするので、観客は、何か男と女の間に諍い事が起こって女が男の下を去ったか、凶ごとが起こって下手をすれば、女の命が失われたか、と心配する気持ちにさせられる。暫く緊張の時が流れる。と、いきなり女が立ち上がり「ごはんよー」と叫んで舞台上を駆け回る意外な展開で観客は一安心させられる。実に息のあった見事な公演、照明の素晴らしさは以前にも書いたが、今回もその素晴らしい照明と2人の演技が相俟って展開、更に音響の使い方も実に上手く公演中の時々刻々総てに心地よい緊張感と刺激、想像力の種が開花の瞬間の有様を過不足なく観せてくれた。流石トリを飾るだけの作品と演者であった。その後、“ダニーボーイ”が流れる中、何とも言えぬ余韻を残しながら終。華5つ☆+スタンディングオベーション。
 ところで、外国人グループ参加の公演は9月開催予定。お見逃しなく!
第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2020/06/13 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

第14回シアターX国際舞台芸術祭2020 13日目 2020.7.11 14時半
本日も3組の公演である。総合評価5つ☆

ネタバレBOX


Ⅰ:「この子が無事に帰るまで」は、藤田佳代舞踊研究所のダンス。出演は、向井華奈子さん、金沢景子さん、菊本千永さん、かじのり子さんの4名。
アゲハ蝶の幼虫が蛹になる場所を求めて彷徨い歩く様を描く。確かモーリス・ブランショだったか“彷徨とは死である”と言った人が居たな。今作はこのアゲハの幼生をかつて命であった者たちが優しく庇護するように付かず離れず見守る様を幻想的に描いた作品である。Paul Valéryの“Eupalinos ou l’Architecte”(ユーパリノス或は建築家)の中にソクラテスが冥界に在ってユーパリノスに対して、既に肉体を失った自分たちは現実に対して実際には如何なる関与も為し得ないことを語るシーンがあるが、かつて命だった者たちの幼生に対する念もこのように切なくもどかしさに満ち、切ないものであるだろう。この切なさをも表象し得たような白の頭巾、ふんわりその化生を覆う上着にゆったり裾幅の広いパンタロン。白足袋の衣装センスも流石神戸の女性のセンスの良さを感じさせる。これに対し、幼生を踊った女性は裸足、カーキ色のざっくりした上着に黄土色のパンタロンで生きる者、生きている者の生々しさを対比するように表現。羽化へ向かっての道程を即ち新生の為の仮死を得る為の道行きを客席に降り彷徨することで描く(正確には這ってというべきか)。5つ☆

Ⅱ:「ムシムシメヅルシ‐Bye o! Hi story-」と題された今作を演ずるのは、劇舎カナリア。カナリアは無論、炭鉱で有毒ガスの発生を知らせる為に坑道に連れていかれたカナリアのことであるが、今作は自死した加藤道夫氏が戦中書き上げ仲間に上演してみせた作品「なよたけ」の意味する所を、文学表現とは“問いである”という観点から再構成した作品と解釈した。
内実は、日本という国が「国」になった過程、即ち来るべくして来た敗戦という地獄への道程だ。幕末は吉田松陰の「幽囚録」により明治期以降は福澤諭吉の強兵富国を目指し天皇制を利用した脱亜植民地主義。(福澤は一般に言われたり思われているような民主主義者ではない。それどころか、「他者を支配するのは“人間最上の愉快”」と公言していた男である。それをすり替えたのは、丸山眞男である。丸山の狡さは、自らが学生を戦地に送り出したことに言及も自己批判もしていないことに見えるばかりではなく、広くは大日本帝国の戦争責任を曖昧化することで、同様に加害者責任を無化した日本人前半を学問的権威として寄らしめる思想的根拠とせしめたことにある。日本という国に住み、生活をする人々は、事実を直視することを嫌う。現実を終戦と呼び変えたり、“過ちは繰り返させませんから”と記すべき所を「過ちは繰り返しませんから」と書いたりする欺瞞の根底にあるもの・ことを明らかにするべく演じられたと解したわけだ。この現実、即ちこの「国」の為政者の無能・無定見・無責任・不作為を為さしめる、或は可能にしているもの・こととは何か? である。戦中大本営は、現実も現場をも観ず、経済的規模も考慮せずに、空中楼閣の如き作戦とロジスティックもまんろくに整えぬ馬鹿げた戦略・戦術を強行することによって完敗を喫した。無論、これを可能にしたのは、表面的には精神論という空論に身を委ねたからだ。つまり客観性を担保しない、事実を見つめ、事実のみを根拠に演繹・帰納し判断を下すという正常な思考を欠いたからであるが、この同じ過ちをCOVID-19対応でやらかしているのが、現在の日本である。前にも書いた通り疫病に対する基本的対応は、罹患した者と非罹患者を分離することである。其の為には、徹底した検査をしなければならない。今回、有効だと初期段階から気付かれていたのは、PCR検査及び抗体検査であった。無論、パンデミックの原因とされた今回のSARS-Cov2の特徴や性質を明らかにすべく研究も同時に全世界が協力して行わねばならぬことは当然である。トランプの如きアホな陰謀論者の世迷い事がナンセンスなのは無論のこと、日本の文科省や厚労省が自分たちが責任を負わないで済むように官僚の常套手段・不作為を決め込み、大学研究室や、国内の関連研究施設に出向いてすべき研究を邪魔したことなども挙げねばならぬ。当然のことながら、行政の長を初めとする為政者は、その感染拡大阻止に向けて素早く的確な手段を講じなければならなかったが、科学的知と合理的・実証的思考を持たず、事実及び現場を観る目に欠け、責任の何たるかを全く理解せぬばかりか何の為に自粛要請せねばならぬかの意味にすら気付いていたとは思えない想像力の圧倒的欠如がこれを阻んだ。
かなり早い段階でパンデミックとWHOのテドロス事務局長が敢えて言揚げしたにも関わらず、パンデミックという単語の意味する所、即ち現時点で世界中の誰もSARS-Cov2に対する有効な防護手段を持ち合わせていない、ということの意味する所が分かっていないという愚かさを曝け出してしまったのである。この点をキチンと理解していれば直ちに緊急事態宣言を発し、有効視された2つの検査を実行していたであろう。また、感染経路もプライバシーの保護方法を具体的に提示した上で強制的に個々人の移動経路が把握できるような手段を講じたハズである。それが出来なかった最大の原因は、政府トップ以下、高級官僚、検察、上級司法、専門家と呼ばれる御用学者、マスゴミ等々が結託して嘘を補完し、フェイクを垂れ流したのみならず、それらの事実を隠蔽する為に更らる嘘の上に嘘と詭弁、証拠隠滅等々を繰り返してきたからであり、この事実をも秘密保護法や共謀罪でガードしているからだ。一方この事実に警鐘を鳴らした良心的メディアやジャーナリストらが、公安とグルになった政府や権力機構、それに癒着して甘い汁を吸う下種共の結託によってデッチ上げやいちゃもんによる(別件)逮捕、家宅・事務所捜索などによる反論封殺を着々と進めていった。この件については残念乍ら、彼らに好い加減な情報を流した者が誰であったかについても我らは立ち止まって考えるべきであろう。と言うのも、伊丹万作が死の直前の1946年に書いた有名なエッセイ「戦争責任者の問題」が指摘している通り、実際には戦争に協力し、推進していたのが誰だったかは、改めて注意深く検証する必要があるからだ。というのも当時、ただ他の人と異なる服装で外に出るだけで非国民扱いし、眉を逆立てたり、非難の目で見たりして、ただ皆がそうしているからという理由だけでそちらの側に属しているフリをする為にこそ、皆と同じ服装をして内心他人を軽蔑することまでも全く同じ誰とでも交換可能な程己の命を軽くしてしまうことを選択した癖に、何ら個性の無い、つまり数に過ぎなくなった己が命を護る為だけに利己主義に走りガードを固める因循姑息な非人間性を隠した卑劣な隣人、車内・社内・学校・商店街等々に溢れ返る同胞であった事実を思い出させる。この戦前・戦中の日本人の態度とCOVID-19蔓延下での“自粛警察”を名乗る同胞は本質的に全く変わらない。
また為政者たちは、ただ家系とこれまでの人脈、そして鵺社会を構成している不作為とそれを支える権威としての(大戦中は天皇制/現在では東大文一出、国家公務員試験総合職試験、上級甲種試験、I種試験等に合格など学歴「エリート」とされるキャリア官僚、新自由主義富裕層)の下に臣民、社畜・ヤプーなど奴隷精神に特徴付けられる人々がひれ伏すことによって維持されている。徹底して追わねばならなかった感染経路も、嘘ばかりつき、自分たちに都合の悪いことは、議論した経緯すら文章化しない。或は隠蔽し、廃棄して答えない等々を積み重ねられては、いくら「国民」奴隷根性に満ちていても政府を信用する訳が無いから“プライバシーを守ります”などといくら政府がほざいてもヤプーでさえもいうことを聞かないことがあるほどに信用を失墜させた。更に直接民主制が、この「国」では法的に認められていないから小市民らは現行制度下の選挙に行く。だが現在の小選挙区;比例代表制では民意を反映しないから、アホな二世議員、三世議員が幼稚極まる「政治」を司っている末期的状態すら改善できない。更に悪いことには、この国には市民が殆ど存在していない事実があることだ。市民は民主主義の種子である。この国に存在しているのは、市民ではなく、ヤプー、奴隷、臣民、下種ばかり。これでまともな国などできるハズもない。今作はこの事実を問いという形で発している。
さてここでもう1度戦時中だ、実権力は陸海軍に移行しており、特高などの秘密警察の監視下、臣民は喜んで“非国民”を炙り出しては密告を重ねた。挙句の果てが、広島・長崎にタイプの異なる原爆を落とさせたばかりか、ABCCによる被爆者モルモット化による実証研究迄為さしめ、更にソ連の原爆開発以降の冷戦下に於いてアメリカが、何処にどれだけの規模の原爆を落とせば敵の戦力を奪えるかの基礎資料として、広島の小学校の生徒たちの犠牲をデータとして用いていたことも明らかにされている。特高などを管轄し関東大震災時には、朝鮮人虐殺にお墨付きを与えた正力松太郎は、ポダムという暗号名を持ったCIAエージェントとして初代科学技術庁長官、読売新聞社主として原発推進キャンペーンに邁進するなど日本の原発推進に絶大な力を揮ったことは、誰もが知る事実である。
5つ☆

Ⅲ:「ムシ to be continued」は、江原朋子さん、高田清流さん、鶴田聖奈葉さん、ノムラヒハルさん、渡部早紀さん、Atsukoさん、堀江進司さん、三浦利恵子さんの出演。江原さんが蟲愛づる姫となり、他の総てのメンバーが個性豊かな自分自身を殆ど即興で踊ることによって、蟲たちの多様な在り様と生き様が、実に楽しくまた個性的に表現されており、用いられている楽曲のうち1曲だけが長谷川千賀子さんの作曲になる以外はポーランドの曲で、東欧の文化国家ポーランドの不思議な音楽が個性的でリズミカルで而も多様性に富んだダンスと実に良く呼応し合って、誰もが楽しめるユーモラスな作品に仕上がっている。5つ☆
「#つーぴーす」

「#つーぴーす」

フリスティエンターテインメント

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2020/07/11 (土) ~ 2020/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★

TRAVELING観劇してきました。
演者さんがお二人ともとてもお綺麗な方、
視線が合う距離のため最初は緊張しました。

が、途中から段々とお笑い要素が強くなってきて
全然、気にならなくなり楽しむことができました。
デートの練習をするシーンが個人的に一番のお気に入りのシーンで笑えました。

靴ひもが途中でほどけても慌てることなく、
台詞を間違えても何事もなく、堂々とした演技、
素敵でした。

ただ、リピーター前提のお笑いネタは初見の私には
何のことだろ?よくわからないな~っと笑いの流れが止まってしまったのが残念でした。
リピーターさんは大ウケだったのでファンサービスなんでしょうね♪

コロナで大変な時期なのにこんなに素晴らしい演劇を見れるとは本当にありがたいです。

ネタバレBOX

バスケのルールで5回トラベリングしたら退場って本当??気になったw
「キズツクキカイ」「お湯で流して」

「キズツクキカイ」「お湯で流して」

たすいち

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/07/11 (土) ~ 2020/07/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/07/11 (土) 14:00

座席1階2列

価格4,800円

両作品の初日を拝見しました。

見ることが出来るだけでも有難いのにどちらの作品も完成度が高すぎて感謝がぶっ飛びました。
こんな時期だからできた作品かも知れません。こんな時期だから見ることができた作品なのかも知れません。

これだけ豪華なキャストだけどそれに甘えていません。それだけ皆が役に馴染んでいたからでしょうか。関係性を大事に演出し役者さんも気持ちが入って見えました。溜めていたエネルギーか。演じることに枯渇からの反発か。いいものを見させていただきました。

どちらの作品もオススメします。

ネタバレBOX

どちらの作品も【傷】と【兄弟(姉弟)】がキーになっています。

キズツクは対人との距離感に苦悩し、お湯は自分の内面のバランスの取り方に苦悩するお話に見えました。
晴れがわ【東京公演延期→中止】【伊丹公演終了】【金沢公演終了】

晴れがわ【東京公演延期→中止】【伊丹公演終了】【金沢公演終了】

コトリ会議

AI・HALL(兵庫県)

2020/07/10 (金) ~ 2020/07/13 (月)公演終了

満足度★★★★

三村るな さん とても良かった。内容も何か考えさせられる内容で、帰りの電車でもこうだろうか、あーだろうかと考えさせられました。コトリらしい内容でした。決裁が、カードでサインできれば言う事なしでした。

パンデミック・パニック

パンデミック・パニック

Nakatsuru Boulevard Tokyo

APOCシアター(東京都)

2020/07/04 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ライブ配信だが久々にガッツリ2時間の濃い芝居を観た。
中津留氏らしい本と演技(役者への演出)。本は新型コロナを題材に、小さな商社とそこで働く人々が登場する話であったが、重要な問題を掴まえドラマ化する筆力にやはり感心。ただ、幾つかある笑わせどころで、さすがに観客不在はきついが、それでも書いてしまうのは作者の願望なのに違いない。(画面のこちらで視聴者は反応した事だろうが、通常なら必ず起こっただろう「ざわ」という笑いが欠けている・・私はスタッフが笑っても良いと思う・・しかし作者はそういう場面を書かずにおれないのだろう。)
上演は劇場を使い、配信はリアルタイム、従って役者全員が全ステージ通常公演のように出演する。映像は複数のカメラで場面の風景・役者を追う。その分、正面から見てわかる立ち位置などは判りにくくなるが、カメラの寄り方やスイッチのタイミング等は日によって異なるとか(今回はカメラというスタッフワークが加わった訳だ)。
12日夜の千秋楽を観たが、翌日から一週間アーカイブ配信(上演順に各ステージを1日ずつ)を行うとの事。

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