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おくすり、ひとつ
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公演情報
法政大学Ⅰ部演劇研究会「
おくすり、ひとつ
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10491)
満足度
★★★★★
「おくすり、ひとつ」法政大学Ⅰ劇 2020.7.17 19時 オンライン
タイトルが粋。
ネタバレBOX
日本の若者が今、自分たちの総意を成り立たせ得るコンセプトがあるとすれば、それは愛ではなく、優しさであろう。今作は菩薩の心を若者の感性が表現した作品と言えよう。
知られているように菩薩は仏陀の下位に在る。即ち衆生の修行する姿を現す。自分流の解釈は以下の通りである。菩薩とは何より肯定してくれる者のことを言うのだろう。どんな人間をも存在していて良いのだと肯定してくれる温かな存在、それが菩薩の本質だ。蠅のようにいやらしく纏いつき、こちらが弱れば耳と言わず、鼻、目と言わず、口と言わず傷口と言わずあらゆる所に食い込んで舐め吸い齧り尽くす彼らのような存在であっても、その体温で温めてやる存在、それが菩薩というものの命が肯定される条件だ。何と恐ろしい使命であることか? どれだけの者がこれほどの苦行に耐えられよう。だが、宇宙にはこんな苦行すら甘く見えるような苦しみが未だ山ほどあろう。恐らく、仏とはそのような試練にも耐えて尚本質を見失わない精神を指す。自分如き、仏どころか菩薩道を歩むことすらなるまいが、人としてこのような光明を見失うまいと心に留めることはできる、若者たちの健全で柔らかな精神が、このような夢を持ったまま、現実にこの日本の地獄という現実を生きて尚人間性を保とうとしているとすれば。そんなことを老いた自分にも感じさせる作品。
作品の状況設定を、現実にSARS-Cov2に対する政府・官僚・各自治体の非科学的・非合理的、要するにアホな政策の下に強制された現行政策の下で組まざるを得なかった状況でキチンと内容と表現方法を一致させた頭の良さと柔軟性にも拍手を送りたい。流石に法制Ⅰ劇の作品である。惜しむらくは、恐らく髪の毛の揺れる影響であろう。動画の髪の毛の部分に揺らぐ所があったのは、ひっつめるとかで何とかした方が良いように感じた。まあ、1~2分拝見している間に気にならなくはなったのだが。
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2020/07/18 00:33
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