
音楽劇「風まかせ 人まかせ」~続・百年 風の仲間たち~
新宿梁山泊
ザ・スズナリ(東京都)
2020/08/06 (木) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/08/14 (金) 14:00
座席1階
このどうしようもない国、でも、愛すべき仲間たちがいるこの国に捧げるこれからの100年の歌。梁山泊らしさあふれる期待通りの舞台だった。
物語は、本日をもって閉店するライブハウスが舞台。ライブハウスといえば新型コロナウイルス感染のクラスターが発生したりして世の中から目の敵にされている。消毒、ビニールやアクリルによる遮断、マスク着用。これらが舞台ではきっちりと守られ、今の世の中を映し出す。演劇を観るということも後ろ指をさされそうな空気の中で、マスク着用の客席(椅子はいつものスズナリの半分だ)とともに、生の舞台こそ最高なのにという思いが充満する。(アベノマスクが捨てられるところはおもしろい)
本当は、梁山泊の本拠地・満点星で繰り広げたい舞台だ。しかし、スズナリも悪くない。役者も観客もマスク姿ならば文句はないだろう。ここで見て驚いたのは、金守珍(ライブハウスのマスター役)の声が通ること、通ること。ほかのメンバーたちも含めて、マスク越しに「普通の舞台」を演じるパワーを感じられる。
主役級の存在感がある中山ラビのほか、日替わりで登場するゲストも見逃せない。ちなみに明日と明後日は六平直政や小室等が登場する。もう一回見に行こうかな。
終戦直後の流行歌から、時代を追って「あの曲」が楽しめる仕掛けもある。でも、インターナショナルを一緒に歌える人は、もう、高齢者の部類であろう。
多様性が当たり前の国になるのはいつのことだろう。次の100年で実現するのだろうか。国の成り立ちからメルティングポットと自称したアメリカも分断するくらいの嫌な世の中だ。舞台中で金守珍が叫ぶ「韓国系日本人が認められるようになったら」という言葉に、強く共感する。

消え残る
深夜ガタンゴトン
王子スタジオ1(東京都)
2020/08/13 (木) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★
確か初見の劇団。60分ほどの2人芝居だが、とても面白く、深みもあった作品だった。
高校の演劇部の先輩で、東京に出てきて5年の男(ムトコウヨウ)の部屋に、後輩の女優志望ナナミ(星秀美)がころがりこむ。男はナナミを後輩として扱うが、ナナミがAV女優になるということで…、という展開は、演劇が演劇そのモノを扱う面白さがある。これは往々にして自己弁護型になりがちなのだが、等身大の会話劇を紡ぎ、自己弁護になっていない脚本が巧い。ナナミの名前が売れていくに連れての男のアンビバレンツが描かれていて、マメットの『ライフ・イン・ザ・シアター』の男女版とも言えそう。情けない男を演じたムトコウヨウも頑張り、ナナミを演じた星もサービスショット満載で頑張った。
予定した客が全て揃ったらしく、開演予定の3分前に始まるというのも面白かった。

『とおくはちかい (reprise) 』『ここは出口ではない』【京都公演公演中止】
屋根裏ハイツ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/07/23 (木) ~ 2020/08/02 (日)公演終了

終わる
中野坂上デーモンズ
OFF OFFシアター(東京都)
2020/08/12 (水) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★
本来ならば訪れる筈の終演(終焉⁈)というか、トドメを刺してもらえないもどかしさ…
溢れんばかりの熱量を昇華させられない、若い役者さん達の足掻きの様なものが、舞台のこちら側にもヒシヒシと伝わって来た60分。

メイビー、ハッピーエンディング
東宝
シアタークリエ(東京都)
2020/08/11 (火) ~ 2020/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★
この数ヵ月疲れきった心を、本当に癒してくれました。旧型でいい、このヘルパーロボットうちでぜひ、引き取らせてほしい!
持ち主ジェームズとオリバーの関係がよく伝わる曲が、実に切ない。人とロボットなのに、目と目で通じ合う2人にキュンキュンでした。

ホテルニューパンプシャー206
UDA☆MAP
キーノートシアター(東京都)
2020/08/12 (水) ~ 2020/08/17 (月)公演終了
満足度★★★
舞台と客席を大きなアクリルパネルで遮り、客席は一席ずつ両側共に仕切り、演者は全員口元をフェイスシールドで覆い・・・。ここまでするかのコロナ対策。何年か後には笑い話になっていて欲しいもの。
安いラブホテルの一室、訳有りの掃除婦と帰らない女性客、間違ってやって来たホテトル嬢、隣の部屋からは銃声が。90分程のハイスピード・コメディ。ワン・シチュエーションでここまで疾走感があるのは見事、面白い。
小林亜実さんは声が独特で台詞がはっきりと聞き取れる。観る度に生き生きとしていて、演技という水の中を自由に跳ね回る魚のよう。
一番驚いたのは高宗歩未さんの怪演。狂ったように顔芸を競い合う。この人のノーマルな状態の想像がつかない。
ベッドの上をごろんごろん転がり捲る役者陣。汗だくだくで熱量が凄かった。

音楽詩劇「禁欲のスモークヘヴン」
The Smoke Shelter
green&garden(京都府)
2020/08/07 (金) ~ 2020/08/10 (月)公演終了

『三等フランソワーズ × 米山空地』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2020/08/11 (火) ~ 2020/08/11 (火)公演終了

白バラの祈り The White Rose
batsu-gumi
テアトルBONBON(東京都)
2020/08/09 (日) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★
若い俳優たちが、演技もさることながら舞台向きのとても良い声をしていて聞きやすい。みんな役に良くはまっていて、中でもゾフィー役は出色。
終盤、署長とゾフィーの激論(というより署長がゾフィーを説得しようとする)シーンは感じ入った。署長役が山口さんで良かった。

スーパー・ウーマン・リヴ
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2020/08/04 (火) ~ 2020/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/08/09 (日) 13:00
スーパーで働く女性たちを中心とした日常を描くドラマだが、それぞれの店員の個性や思惑、レジ打ち選手権を巡ってのドラマ、途中から新規で入ってくる女性店員、主人公の女性の抱え込む悩みや責任感、主人公が依存していく占いの女性、などいろいろな人や事柄が絡み、スーパーという小さな空間を主に置きながらも、その中で繰り広げられる人間ドラマは意外にも壮大だということに感慨深くなった。
また、笑えるシーンも多く、自分の中に溜め込んでいたであろうストレスを払拭することが出来た。
そして、自分の性格や特性を相手に十分に伝えているつもりでも、余り相手に伝わっていなかったり、相手をfollowしたり、周りに合わせたり、普通であることに必死になって、自分を見失っている主人公に共感した。
仲間意識があり、新人のスーパー店員に対して、敵意むき出しの店員に対しても、優しく諭すスーパーの人達が、安定した給料を貰える会社員でも無いのに、それよりもある意味では、スーパーの店員さんたちの方が人間味溢れて見えた。

ジュニア
ミュージカル座
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2020/08/10 (月) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
期待を裏切らない、すごーく素晴らしい、感動的なミュージカルだった。
まだ、小さな女の子、元気で愛らしくて、すごーく可愛いかった。
可愛いいだけでなく、爆笑してしまった。周りの人達も、おなかをかかえて笑い転げていた。
ひとつ残念なことは、子どもたちが、有名な作品を、部分的に演じていたところがあった。
衣装も綺麗で、照明も、色とりどりで美しくて、もっと先が、観たいというときに、終わっていた。
もっと観たいと思った。
オーディション会場でのできごとをミュージカルに、という発想は、おもしろかった。
よいミュージカルだった。観て、本当によかった。満足です。
全員、マウスガードしていました。
座席の間も、ビニールのしきりがあり、コロナ対策が、かなりしっかりしていました。
これなら、大丈夫。安心して、観劇できました。

無畏
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2020/07/31 (金) ~ 2020/08/10 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/08/10 (月) 14:00
古川さんことだ、南京事件を描こうということは、かなり前から決めていたことだろう。
そのタイミングがここということ。
「南京大虐殺」という虚構の廃絶に振り回されることなく、真摯にこの事件に向き合う姿勢はさすが。松井石根をただの善人あるいは理想論者として片づけない。
ただ、史実を洗いなおす過程で、彼から引き出せるものは、「南京攻略を急いだのは、私の野心のため」と言わせるのが精一杯と感じたのだろう。おそらく、彼を断罪するよりも、あるいは、いかに反省の弁をのべさせるかよりも、松井の罪業が理念と現実、清廉と非道の狭間でいかような様相を呈したのか、西尾氏の弁護士と、浅野氏の教誨師を配置することで描き出そうとしたのだと思う。松井は、ただただ彼らに回答を求めたのだ。そこに、この芝居の松井石根への、滔々とした残酷さを感じずにはいられない。
千秋楽、ラストコールでの西尾友樹氏の満面の笑みが、コロナ禍で活きる劇団員の矜持として印象に残った。

『三等フランソワーズ × 米山空地』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2020/08/11 (火) ~ 2020/08/11 (火)公演終了

フライ,ダディ,フライ
劇団文化座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2020/08/06 (木) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★
。歴史のある劇団が、この事態の中で公演を打つというのはご苦労なことと思う。
しかし、今回の公演は、空転した。差別社会を主題にした小説を原作にしているが、学校差別、在日差別、家庭内不和、など日常的な差別が次から次へと出てくるが、脚本の扱いがどれも型通りで、この劇団が得意な「真摯さ」がない。あるいはそれを避けて今風を狙ったたのかもしれないが、柄にないことをするものだから、どこまで行っても型通りを下手に上塗りすることになってしまう。昔、と言っても二十年位前にふるさときゃらばんという劇団があって、生活問題を素材に元気が出るように、としきりにやっていたが行き詰った。こういう問題は作り物でやるなら、隣の劇場でやっている「赤鬼」くらい徹底する力量がないとお客も納得しない。コロナ版だから客席も百くらいだがそれも七分の入り。佐々木愛も劇団を背負うなら、座長顔見世みたいな出方をするのではなくて、自ら主演してこのさい「おりき」をやってみる(あまり賛成しないが)とか、差別なら「サンダカン」とか「親不知」とか、こういうものの方が劇団の独自性が出てよかったのではないか。26人も役者が舞台に乗るが、この本を面白くさせるパンチのある役者がいないのも寂しかった。

女々しき力プロジェクト〜序章『さるすべり〜コロナノコロ〜』『片づけたい女たち』
オフィス3〇〇
座・高円寺1(東京都)
2020/08/05 (水) ~ 2020/08/10 (月)公演終了
満足度★★★★
「片づけたい女たち」オンライン配信で見ました。篠井英介さん、深沢敦さん、大谷亮介さんという三人のおじさん(?)がリーディングで演じるアラフォーのおばさんたちの友情、来し方がおかしかったり悲しかったり。面白かったですが、これは是非リーディングより普通のお芝居でも見てみたいです。
篠井さんと深沢さんを斜め左(下手側)から撮影しているカメラの映像が、他の映像と色味が違うのがとても気になりました。そこだけ世界観が違うくらいの差がありました。

スーパーロボットミュージカル
宇宙論☆講座
江古田 ギャラリー古籐(西武池袋線「江古田」駅南口徒歩6分/西武有楽町線「新桜台」駅2番出口徒歩7分/大江戸線「新江古田」駅A2出口徒歩10分)(東京都)
2020/07/24 (金) ~ 2020/08/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
楽日公演を拝見、期待は裏切られなかった。朝からレモネードと豚肉のソテーを食べただけなので、これから食事を作る。長い食後になってしまったが2020.8.15追記。

女々しき力プロジェクト〜序章『さるすべり〜コロナノコロ〜』『片づけたい女たち』
オフィス3〇〇
座・高円寺1(東京都)
2020/08/05 (水) ~ 2020/08/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
「さるすべり〜コロナノコロ〜」オンライン配信で見たのですが、いてもたってもいられなくなって千秋楽を予約して観劇しました。
流浪の民の演奏がちょっと大きかったり、役者さんの声が聞き取りにくかったりというシーンもありましたが、やっぱり生はいいですね。
オンライン配信のことでお聞きしたいことがあったのに、終演後の面会がなかったので聞くことができなくて残念です。早くお会いできる日が来ますように。

女々しき力プロジェクト〜序章『さるすべり〜コロナノコロ〜』『片づけたい女たち』
オフィス3〇〇
座・高円寺1(東京都)
2020/08/05 (水) ~ 2020/08/10 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/08/10 (月)
価格3,000円
座・高円寺1で
オフィス3〇〇
『女々しき力プロジェクト~序章』から
作・永井愛さん、演・渡辺えりさんの
リーディング『片づけたい女たち』15時開演回。
生演奏と草野とおるさんの語りの下
篠井英介さん
深沢敦さん
大谷亮介さんの
ベテラン3人による実に味わい深い1時間42分
堪能した!

イヌビト ~犬人~
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2020/08/05 (水) ~ 2020/08/16 (日)公演終了

スーパー・ウーマン・リヴ
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2020/08/04 (火) ~ 2020/08/09 (日)公演終了