満足度★★★★
確か初見の劇団。60分ほどの2人芝居だが、とても面白く、深みもあった作品だった。
高校の演劇部の先輩で、東京に出てきて5年の男(ムトコウヨウ)の部屋に、後輩の女優志望ナナミ(星秀美)がころがりこむ。男はナナミを後輩として扱うが、ナナミがAV女優になるということで…、という展開は、演劇が演劇そのモノを扱う面白さがある。これは往々にして自己弁護型になりがちなのだが、等身大の会話劇を紡ぎ、自己弁護になっていない脚本が巧い。ナナミの名前が売れていくに連れての男のアンビバレンツが描かれていて、マメットの『ライフ・イン・ザ・シアター』の男女版とも言えそう。情けない男を演じたムトコウヨウも頑張り、ナナミを演じた星もサービスショット満載で頑張った。
予定した客が全て揃ったらしく、開演予定の3分前に始まるというのも面白かった。